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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2015年9月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●人工呼吸器は車椅子の座面下に搭載、他●

提案者:岡本千春 イラスト:はんだみちこ

岡本千春(おかもとちはる)さん

障害は筋ジストロフィー、東京都府中市で24時間介助を使いながら自立生活中です。人工呼吸器歴は9年。生まれと育ちは奈良県大和郡山市(金魚で有名)。城下町で昔ながらの瓦屋根が並ぶ歴史情緒あふれる田舎町で育ちました。自立生活を始めて15年以上、現在は自立生活センターのCILふちゅう、呼ネット(人工呼吸器ユーザーの当事者団体)に所属して活動しています。


人工呼吸器は車椅子の座面下に搭載

私は人工呼吸器を車椅子の下にトレーを作って搭載し、外出中も呼吸器を使いながら生活しています。私の車椅子はチルトリクライニング機能付きの簡易電動型のため、背もたれに呼吸器を乗せるとリクライニングができなかったり、また呼吸器は6kgあるので、後ろに重心がかかってしまい転倒の危険があるために、取り付けられませんでした。

車椅子の下の空間に呼吸器がちょうどよく収まったので、そこにトレーを作ってもらうことにしました。トレーをつけた分、車高が低くなるものの、とても安定感があり、しかも邪魔にならない!!呼吸器があること自体誰も気が付かないほど、シンプルに納まりました(笑)。座面の下に搭載しているので、雨が降っても濡れることが少なく(一応ビニールカバーを付けています)、このスタイルで9年ほど、快適に日々の外出や小旅行などを楽しんでいます。


呼吸器マスクの夜間と日中用の工夫

夜間、通常は人工呼吸器のマスクがずれないように頭にベルトで固定するものを使うのですが、それだと髪の毛がベルトからはみ出てグチャグチャになり、整えるのに時間がかかったり、寝心地も良くありません。そんな状態をなんとかできないかと思い、初めはバンダナを当ててかぶる形状の物を作ったりしていました。

ある日、伸縮性のある素材の帽子を見つけ、帽子型のマスクに作り替えました。これだとベルトの調整もしやすく、髪の毛の寝癖もなくなり、一石二鳥です!

また、日中は、ベルトで固定するマスクを手に持って使えるように加工しています。具体的には、頭に固定するベルトの部分を取り除き、余計な部品をカットしました。日中起きている時、ずっと呼吸器をつけていると、会話や食事がしづらかったので工夫しました。持つタイプにしたおかげで、会話や食事中に、自分のタイミングで呼吸器を使えるようになり、身体が楽になりました。


乾燥防止のための加湿器の工夫

就寝中に人工呼吸器を使う時は、乾燥を防ぐために加湿器を使います。

水(滅菌水)の入ったボトルを加湿器に乗せて電源を入れると、加湿器の鉄板が熱せられ、水が温められて加湿されます。加湿器に温度調整のダイヤルがついているものの、弱いと加湿が足りなくて乾燥して辛く、逆に強いと水滴が多く発生して、その水が管を通って鼻に入ったり、センサー部に入って空気がこなくなったりして困っていました。

夜中もそれで何度も目が覚めていたので、何かいい方法がないかと探していたところ、ホームセンターで電源のオン・オフを15分単位で自由に設定できるタイマーを見つけました。

一般的には毎夜、自動で電気をつけたい門扉や廊下の電球、水槽の明かりなどに使われているものですが、私の用途に本当にピッタリ!夜中1時間ごとに15分だけオンとなるように設定しています。これを導入したおかげで、乾燥や加湿が多くて目が覚めることなく快適に眠れるようになりました!