「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2015年12月号
私のファッション哲学
ミニマム女子でもオシャレを!
辻田奈々子
私には先天性の骨形成不全症という病気がある。遺伝子異常により、生まれつき骨が生成されにくいことから、私の場合は、身長が70センチメートル台ととても小柄な体型で、手足に湾曲があるのが特徴である。そのため、服選びには日頃から苦労することが多いが、一方で、オシャレを追求する楽しさも感じている。
服や靴選びで最も苦労することは、私の場合、すべて子どもサイズから選ばないといけないことである。一昔前は、子どものものとなると可愛らしいデザイのものが多く、私にとっては、年齢に合ったものを見つけることがとても難しかった。
しかし、近頃は海外のファストファッションブランドの参入でスタイリッシュな子ども服が増えている。また、日本のブランドにおいても「親子コーデ」といったように、親世代と同じデザインのものが展開されている。
このように以前に比べて、子ども服のバリエーションが増えたことで、私のような体型の人でも年齢に合った服選びがしやすくなったことは、とてもありがたい傾向である。
服選びのこだわりとしては、着やすさよりも「まずは自分が気に入ったものを!」をモットーとしている。
障害があると、どうしても着脱のしやすさを重視してしまい、レザーなどのタイトなものや、厚手のものを敬遠する人が多いと思う。
しかし、私は障害を理由にオシャレを諦(あきら)めたくないと感じる。そのため、気に入ったものはどんなものでもまずは試着し、ひと工夫を加えて着やすくするなど、自身の好みを一番に考えたいと感じる。
障害や身体の特徴を理由にオシャレを諦めている人は多いのではないかと思う。しかし、オシャレは日々の暮らしの楽しみであり、自分に自信を与えてくれる一つのツールだと感じる。なので、どんな障害があったとしても自分なりの好みやこだわりを大切にしてほしい。
私自身、今後も自分が気に入ったファッションにどんどんチャレンジしていきたいと思う。
(つじたななこ 自立生活センター・リアライズ事務局員)