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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2016年2月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●座った状態でできるお助け道具、他●

提案者:馬場直樹 イラスト:はんだみちこ

馬場直樹(ばばなおき)さん

骨形成不全症という生まれつき低身長で骨が弱く、骨が折れやすい病気です。広島出身で、現在、大阪で自立生活センターの当事者スタッフとして活動しています。自立生活を始めて約3年、日々ヘルパーを利用しながら一人暮らしと自立生活センターでの仕事を楽しんでいます。スポーツ観戦やマンガ・アニメを見ることが好きです。


座った状態でできるお助け道具

私は、家の中では基本的に車いすから降りて生活をしています。自分でできることが多く、ヘルパーがいない時間が多いので、大体のことは自分でできるように工夫しています。

座った状態でも自分でできるように木刀やフローリング清掃道具の柄をうまく利用して、部屋やトイレの電気のスイッチ、インターホンやマンションのエントランスの鍵を開けています。クローゼットの中にかかっている服もこれらを上手く利用して取ります。

また、背も低く高い場所に手が届かないので、基本的に荷物などは、手の届く範囲に置いています。収納の関係で高い所に置く時は、ベッドの横に車いすを置いているので、それに乗って手の届く範囲に置くようにしています。どうしても手が届かない場所にある時は、ヘルパーがいる時間に取ってもらうようにしています。


ベッド周り半径180度の快適生活

家の中での移動は、基本的に座った状態で腕の力だけで行なっています。移動するのがたいへんなので、部屋の中で普段いる場所が決まっています。

一番多くいる場所は、パソコンの前です。パソコンを中心に、自分の手が届く範囲内にエアコンのリモコンやゴミ箱、ゲーム機などを置いています。

それから、ベッドでゴロゴロしている時間も好きで、ベッドのすぐ横に本棚を置いて、大好きな漫画がいつでも読めるようにしています。洗濯物はベランダに干さずに、ベッドの近くに室内用物干しを置いてそこに干して、いつでも取り込めるようにしています。

私は朝起きてすぐにシャワーを浴びるので、その時に干してある洗濯物を取り、そのままシャワーを浴びに行くことがあります。

ベッドにいる時に、トイレやお客さんなどが来た時にはすぐ動けるように、車いすはベッド脇に置いています。


車いすは目的に合わせて乗り分ける

障害特性で骨が弱く歩くことができないので、普段、外出をする時は車いすを利用しています。車いすは、手動と簡易電動の2つを利用しています。天気や体調、外出する場所や用途に応じて乗り分けています。

仕事に行く時は、簡易電動車いすを利用しています。また、買い物に行く時も、荷物を持ちながら手動車いすを漕ぐことは難しいので、簡易電動車いすに乗って行きます。

だいたい簡易電動車いすに乗っていることが多いですが、それだけでは運動不足や体重の増加も気になるので、体調が良く、天気がいい日などは手動車いすに乗って、仕事や外出をすることがあります。ただ、その日の気分で手動車いすに乗ることもあります。

もちろん、手動車いすを漕ぐだけでは運動不足は解消されないので、近くの公園でジョギングをしています。

日々の生活で、自分の体に無理がないように車いすを乗り分けて生活しています。