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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2016年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●看板:自分たちの要求を社会に訴える、他●

提案者:土田五郎 イラスト:はんだみちこ

土田五郎(つちだごろう)さん

昭和29年山形県生まれ。福祉器具販売会社、司法書士事務所、パチンコ店換金所、食品・日用品の個人販売など、いろいろな仕事をする。山形で自立生活センターの設立に関わる。平成12年から京都市に移り住む。現在は、日本自立生活センター(JCIL)で障害者の住まい保障の運動をしている。車いす改修や住宅改修の支援、車いすデコレーションの仕事もしている。


看板:自分たちの要求を社会に訴える

電動車いすの後部に看板を付けて、そこに自分たちが社会に訴えたいことを書いている。街に出て、道を歩いたり、電車やバスに乗ったり、デパートに行ったりした時に、多くの人がこのメッセージを見る。日本自立生活センターでは何人かがこの看板を電動車いすに付けているが、目立つので、わりとみんなに知られているようだ。

これまでのメッセージは「介助者募集中!」「地域自立生活は俺たちの権利だ」「駅のホームに柵をつけろ!」「生活保護費を減らすな」などで、自分たちの生活に関わる課題を取り上げてきた。先日、京都市営地下鉄の駅にホームドアが設置された。ホームドア設置要求の看板は長い間付けていたので、多くの市民に必要性を訴えることができたんだと思う。最近は、「原発反対」の看板を付けている。


車いすのネオンライト:デコトラを目指して

夜、暗い道を車いすで歩くと、車にひかれそうになる。それで、自分の存在を知らせるために、車いすにネオンライトを付けるようにした。初めは車いす後部の看板の上下に付けた。次にもっと面白くしたいと思って、自分専用のテーブルの前方にも付けた。以前からデコトラのようにしたいと思っていた。

昔、車の運転をしていた頃、映画「トラック野郎」の菅原文太のトラックのようなデコトラにしたかったけど、できなかったから。

ライトの電源は、車いす業者さんに許可をもらい(改造になるので、保証の関係で)、電動車いすのバッテリーからとっている。NGなつなぎ方もあるので、配線の取り回しには注意が必要だ。電源をバッテリーからとるので走行距離が少し短くなる。そのため、二輪四輪用の極力消費電力の少ないLEDを使用している。防水だとショートしにくいので配線も楽だ。興味のある方は、ワークス共同作業所土田までご連絡ください。(TEL:075-682-3201)


自分専用のテーブル:お酒もスマホも自由自在

車いすに手作りのテーブルを取り付けている。最初は業者さんに作ってもらったテーブルを使っていたが、ネジ1本だけの固定だったので、すぐに緩んでしまっていた。それで、左右の肘置きにステーを伸ばし、3点で支えるようにした。これでテーブルの上で力をかけてもずれることがなくなり、安定して使えるようになった。

テーブルにスマホスタンドを取り付けたので、暇な時にゲームができる。広角カメラをスマホで操作することもできる。ペットボトル用のホルダーやビアジョッキ用のホルダーなども取り付け可能で、気楽にお茶やお酒が飲める。

テーブルの数か所にマジックテープを付けているので、ホルダーの位置を変えることもできるし、テーブルに取り付けたい物があれば、固定することができる。それから、押しやすい位置にいろんな電気機器の操作スイッチを付けている。クラクションも付いているが、これはうるさくてあまり使っていない。