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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年1月号

知り隊おしえ隊

東京・神奈川・千葉の2016年オープン・気になるバリアフリー・スポットを紹介します!

今福義明

私(電動車いす使用者)は、昨年何度も、東京墨田区の「両国」を訪れました。春から夏にかけては、基点発着場の「両国」から、(東京水辺ライン・東京都公園協会)「水上バス」に乗船するためでした。

同水上バスの「さくら」(定員140人)「あじさい」(定員140人)「こすもす」(定員200人)の3隻には、数年前に私の要望で、なんと「電動車いす対応リフト」が付いて乗船できるようになったからです。残念ながら、発着場のすべてが利用できるわけではありません。私は下記の発着場「明石町聖路加ガーデン前、お台場、小豆沢、神谷、浅草(二天門)」で乗降船しました。水上バスから隅田川の沿岸の風景をお楽しみください。残念ながら、小型水上バス「カワセミ」(定員65人)のリフトは小さくて、電動車いす対応ではありませんでした。

2016年11月22日には、都営地下鉄大江戸線・両国駅「すみだ北斎美術館」が開館しました。私は開館日と1週間後に2度来館しました。アクセス(都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分、JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分、都営バス・墨田区内循環バス「都営両国駅前」より徒歩5分、墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)停留所」からすぐ)は抜群で、館内はもちろんバリアフリーです。

また2016年11月25日に、JR両国駅西口に新複合飲食施設「―両国―江戸NOREN」がオープンしました。バリアフリー的には、少し課題(多機能トイレ仕様が旧式のままで出入りしにくい、一部2階の飲食店舗フロアは電動車いすでは非対応)はありましたが、相撲の両国らしく屋内中央には、土俵があり、ゆっくりと休憩できるスペースもありました。

なお、JR両国駅は、バリアフリー動線が短く、改札口内すぐに使いやすい自動扉多機能トイレやエレベーターがあり、とても便利です。駅構内も相撲の街の両国を感じさせる内装で、お勧めです。

千葉の玄関口の千葉駅が2016年11月20日、大規模リニューアルされました。これにより、千葉モノレール千葉駅とエレベーター直結ルートができて、大変乗り換えしやすくなりました。リニューアルして良くなった点は、新設5基エレベーターのうち2基が大型化(20人乗り)され、自動扉多機能トイレが3か所から5か所になり、駅中飲食店舗等も充実しました。というわけでJR千葉駅は、見違えるほど便利で立ち寄りたくなる駅になりました。

千葉都市モノレールは懸垂型なので、最新型車両「URBAN FLYER 0-type」(2012年~現在4編成)は、床面がガラス窓になっていて、真下の道路の車が見えます。

2016年4月15日にオープンした「ケーズハーバー」(旅客船ターミナル等複合施設)(千葉市中央区中央港)に行ってみましょう。アクセスは、千葉駅から千葉モノレールで、千葉みなと駅へ。同駅から、電動車いすで、数分のところです。

同日に、ケーズハーバー前に新しく旅客船さん橋が1基完成して、千葉港から日常的に旅客船が運航しています。私は観光船「あるめりあ」で、「幕張メッセ沖合遊覧コース」に乗船しました。

「ケーズハーバー」から電動車いすで数分で、「千葉ポートタワー」(4階-地上113m)、「ビュープロムナード」展望室(3階-地上109m、カフェレストラン)と「千葉ポートパーク」があります。いずれも千葉駅、千葉みなと駅からシャトル・バスは出ていますが、本数が少ないのと全便ワンステップ・スロープ付きバスなので、車いす対応ではありますが、乗り降りしずらい方もおられるかもしれません。本施設は、千葉中央港地区の賑わいの拠点として期待されています。

2016年10月1日から、横浜市内の“観光スポットをより便利に、より快適に、より分かりやすく散策”できるようにと、新たに横浜市営バスによる「ぶらり観光SAN路線」が運行開始されました。いずれのルートもノンステップバスで、従来の横浜観光スポット周遊バス「あかいくつ」に追加しての登場です。

新たな3路線は「ぶらり三溪園」・「ぶらり赤レンガ」・「ぶらり野毛山動物園」です。横浜観光スポット周遊バス「あかいくつ」ではアクセスできなかった「三溪園」「野毛山動物園」にアクセスできるようになりました。

横浜市内の観光スポットは、多数あり、いずれもバリアフリーですが、残念ながら、「シーバス」(横浜駅東口、赤レンガ倉庫、みなとみらいぷかりさん橋、山下公園を結ぶ海上バス)は、3隻すべて車いす対応ではないことです。しかも、バリアフリー化計画すらも無いようです。

2016年10月、江戸川区「総合レクリエーション公園」(江戸川区西葛西)の園内周遊“パノラマシャトル”が、リニューアル(新型車両導入)され、とても乗り降りしやすい後部扉スロープ付きとなりました。フリースペース方式の「車いすスペース」は、ワイドでゆったりで、公園・遊園地内シャトル・バスとしては、最高級でした!停留所は、6駅(なぎさ公園・なぎさ公園展望の丘・富士公園・富士公園キャンプ場・芝生広場・フラワーガーデン)です。この園内周遊“パノラマシャトル”は、春から夏がお勧めです。同公園へのアクセスは東京メトロ東西線「西葛西駅」・「葛西駅」・JR京葉線「葛西臨海公園駅」からいずれも都営ノンステップバスです。

観光スポットとしては、あまりにも定番ですが、意外と知られていないのは、「経栄山題経寺(柴又帝釈天)」・「葛飾柴又寅さん記念館」・「山田洋次ミュージアム」・「葛飾区山本亭」です。私は、山田洋次監督の渥美清主演の劇映画シリーズ『男はつらいよ』(1968年-1995年)のファンでしたので、同映画の舞台となった地域・柴又は、アクセスも良いので時々行きます。京成金町線の柴又駅は、スロープ・バリアフリーの駅で、自動扉多機能トイレもあります。「葛飾区山本亭」も車いす対応です。車輪タイヤを所定の雑巾で拭けば、庭園や座敷を鑑賞できる廊下を通ることができます。

2016年、国交省による「羽田空港線と成田空港線にリフト付き空港リムジンバスの実証運行」が開始されました。京浜急行バスが「羽田国際線⇔横浜駅」、東京空港交通が「羽田国際線⇔東京シティエアターミナル」、京成バスが「成田第2ターミナル⇔イオンモール幕張新都心バスターミナル」で、それぞれ運行開始日に実際に乗りに行きました。そこで、日本で初導入のリフト付き大型空港リムジンバスをそれぞれ乗ってみられることをお勧めしたいのです。

観光スポットとして車窓や乗り心地体験、羽田空港や成田空港やイオンモール幕張新都心を訪れてみられてはいかがでしょうか。それぞれのリフト付き大型空港リムジンバスの運転手やスタッフの方が、一人でも多くの電動車いす使用者に乗車してほしいと待たれています。

2016年3月18日から運行開始した千葉県・小湊鉄道の「里山トロッコ列車」に乗って観光してみるのは、どうでしょうか?私は昨夏、トライしてみました。JR千葉駅から内房線の五井駅で、小湊鉄道に乗り換えます。JR五井駅にはエレベーターがありますが、小湊鉄道は階段しかありません。なので「里山トロッコ列車」は事前予約制なので、乗車日時を予約すると、小湊鉄道のスタッフが、“コンパネ・ブリッジ・リレー=応急簡易スロープ経路”で、線路横断介助して、プラットホームへ誘導されるのです。

五井駅から上総牛久駅までは、お手製の「ホーム渡り板」乗降で小湊鉄道の旧型車両で30分間です。上総牛久駅から養老渓谷駅までの1時間が、新型「里山トロッコ列車」車両です。残念ながら、車いす対応スペースは窓無しの方の車両には無く、窓ありの冷暖房付き車両の側のみです。養老渓谷駅では仮設スロープ乗降です。車いすトイレは駅舎外の公衆トイレ内にあります。電動車いす乗客的には、養老渓谷駅からどこにも行けない状況ですが、確かに車窓は一見の価値ありだと思えました。

(いまふくよしあき DPI日本会議交通問題担当)