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特集/最近の障害児教育をめぐって

大学における身体障害学生の受入れについて

藤田和弘*

Ⅰ.身体障害者の受験状況と大学側の配慮

1.受験状況とその取扱いの実態

 大学への障害者の受験相談ないし受験許可の数は、昭和40年代から急速な増加をみせはじめている。昭和53年に行われた2つの調査結果は、次のことを示している。

①4年生大学(以下、大学と略す)の約4分の3が、障害者の受験相談もしくは受験許可の経験を有している。

②肢体不自由者と聴覚障害者に限ってみた場合、約6割の大学と約4割の短期大学(以下、短大と略す)が同様な経験をもっている。

 この2つの調査は、別々に行われたものであって、障害者の定義や調査対象が必ずしも同一規準ではないので、結果において若干の相違が認められるものの、6~7割の大学と4割の短大が障害者の受験に直接のかかわりをもったことを示している。

 また、最近の共通第1次学力試験の志願者数と受験者数を障害別にみてみると、表1に示す通り志願数において20名、受験者数において15名、昭和57年度の数が、56年度に比べて多くなっている。このように障害者の高等教育へのニーズは、年々高まることこそあれ減じることがないのが現状といえよう。

表1 昭和57年度共通第1次学力試験身体障害者受験者数 ( )内は前年度
区分 志願者数 受験者数
障害の種類 視覚障害 36(43) 34(42)
聴覚障害 68(55) 59(53)
肢体不自由・病弱等 82(68) 79(62)
   合計 186人(166) 172人(157)

 しかしながら大学側における受験許可の取扱いの実態をみてみると、受験希望をした障害者すべてに受験が認められている訳ではない。表2に示す通り、全面的(無条件)受付と条件つき受付は、それぞれ3割強を占めているが、前者をよく調べてみると、その大部分が一般受験者と同一条件での受験を承認の上での申込みに対しては拒まないというものであって、特別の配慮を講じることを前提とした全面的受付を行っている大学はほとんどないといってよい。後者についてみてみると、一般的に障害程度を規定している場合と特定の学部や学科の制限を指定している場合とがある。

表2 受験許可の取扱い
取り扱いの種類 国立 公立 私立
(1)全面的に受付
20

32.8

5

31.2

52

31.5

77

31.8
(2) 条件つきで受付 12 19.7 5 31.2 26 15.8 43 17.8
(3) 6 9.8 4 25.0 36 21.8 46 19.0
(4)全面的に受付せず 0 0 0 0 0 0 0 0
(5)その他 1 1.6 0 0 10 6.1 11 4.5
不明(無記名) 22 36.1 2 12.5 41 24.8 65 29.6


61

100

16

100

165

100

242

100

 障害者の受験を認めない理由としては、入学しても本人が困るからという回答が多く、このほかに、前例がないから試験方法がわからないから、受験の準備ができないからなどの理由があげられている。こうした理由があげられる背景には、第1に障害者に対する高等教育への門戸開放といった基本的理念を大学や短大がもっているかどうか、第2にそれを持ちあわせていても、特別な配慮をするための経済的条件や人的条件(専門家の存在)が備わっているかどうかという問題があろう。

2.入学試験における大学側の配慮

 大学入試センターでは、身体に障害のある者に対する共通第1次学力試験の実施上の配慮として障害の種類と程度に応じて、表3のような特別な措置を講じている。昭和56年度と57年度の特別措置の内訳は、表4の通りである。

表3 身体に障害のある者に対する試験実施上の取扱い
障害の種類 障害の程度 出題方法 解答方法 試験時間 措置する事項
1 視覚障害 点字による出題 点字による解答 1.5倍 ・レーズライターの準備
・点字用解答用紙等の準備
・点字板等の持参使用
弱視 点字による出題 点字による解答 1.5倍 ・レーズライターの準備
・点字用解答用紙等の準備
・点字板等の持参使用
点字による出題 文字による解答 1.5倍 ・文字用解答用紙等の準備
一般入学志願者と同じ 文字による解答 一般入学志願者と同じ ・照明器具の準備
・窓側の明るい席を指定
・文字用解答用紙等の準備
・拡大鏡等の持参使用許可
一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ ・照明器具の準備
・窓側の明るい席を指定
・拡大鏡等の持参使用許可
2 聴覚障害 聾・難聴 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ ・必要に応じて手話通訳者の付与
・必要に応じて座席を前列に設定
・補聴器の持参使用許可
3 肢体不自由 上肢不自由 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ ・必要に応じて介助者の付与
・必要に応じて別室を設定
一般入学志願者と同じ 文字による解答 一般入学志願者と同じ ・必要に応じて介助者の付与
・必要に応じて別室を設定
・文字用解答用紙等の準備
下肢不自由 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ ・必要に応じて介助者の付与
・試験室を一階に設定
・必要に応じて別室を設定
・必要に応じて特製机の準備
・車いす等の持参使用許可
4 病弱 病弱
身体虚弱
一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ 一般入学志願者と同じ ・必要に応じて介助者の付与
・必要に応じて別室を設定


表4 昭和57年度共通第1次学力試験受験者のうち身体に障害がある者についての試験実施上の特別措置  ( )内は前年度の数
受験の際に取った措置(延数) 視覚障害 ・点字問題を点字で解答 8人(12) 8人(12)
・一般問題を文字で解答 13人(10) 13人(9)
・拡大鏡等の持参使用許可 19人(22) 17人(21)
・照明器具の準備 6人(3) 6人(7)
・窓側の明るい席を設定 16人(14) 15人(12)
聴覚障害 ・手話通訳者の付与 1人(4) 1人(4)
・前列に座席を設定 40人(33) 34人(31)
・補聴器の持参使用 58人(45) 50人(41)
肢体不自由・病弱等 ・別室を設定 27人(16) 27人(16)
・特製机の使用 9人(5) 9人(5)
・車椅子の使用 32人(20) 30人(19)
・一般問題を文字で解答 20人(24) 20人(23)
・介助者の付与 16人(13) 16人(12)
・試験室を一階に設定 51人(34) 50人(31)
その他 67人(42) 63人(41)

(注) (延数)は重複措置を含む。


 このような配慮を行っている大学は、どの位あるのであろうか。残念ながら、障害受験者のために特別な配慮をしている大学は2割に満たない。この結果から、前述したように、特別な配慮を必要とする障害者の多くは、受験できないか受験できても一般学生と同一条件の受験を余儀なくされている場合が多いと考えられる。2割弱の大学が行っている特別な配慮は、表5に示す通りである。

表5 特別な配慮の種類

配慮の種類

国立 公立 私立
(1) 受験室の別置 7 20.6 3 42.9 18 23.7 28 23.9
(2) 特別の器具の使用(点字器、盲人用タイプライター、そろばん等) 8 23.5 2 28.6 15 19.7 25 21.4
(3) 特別な出題方法(点字などによる) 5 14.7 1 14.3 12 15.8 18 15.4
(4) 回答方法の工夫(監督員が転記する等) 4 11.8 1 14.3 9 11.8 14 12.0

(5) 試験時間の延長の調整

6 17.6 0 0 8 10.5 14 12.0
(6) 代替問題の用意、成績の採点上の配慮、よみかえ等 1 2.9 0 0 5 6.6 6 5.1
(7) その他 3 8.8 0 0 9 11.8 12 10.3
34 100 7 100 76 100 117 100

 こうした配慮は、年々、徐々にではあるが、各大学で検討され実行に移される傾向にあるので、現在は、もっと多くの大学が特別な配慮を講じていると推察される。たとえば表5のうち、費用、人手、時間において最も実施上困難を伴う性質を有しているものの一つに、視覚障害者に対する点字受験の措置があるが、日本盲人福祉研究会視力障害者大学進学対策委員会の調査によると、昭和57年3月現在、この措置を講じている高等教育機関は次のようである。国立大学16校、公立大学9校、私立大学42校、私立短期大学11校、国公私立大学院11校であって、表5(昭和53年調査)の結果と比べると著しく増加している。文部省は、国立大学に対して、昭和49年度から大学を受験する視覚障害者を対象に、当該大学に対し予算措置を講じている。予算措置の恩恵を受けていない私立大学42校、私立短大11校がとっているこうした配慮は評価されてよいであろう。

 今後は、少しでも多くの高等教育機関が、大学入試センターで行っているような特別な配慮を講じるべく努力されんことを望む次第である。それには、各大学独自の努力もさることながら、文部省の行っている予算措置を国立大学に限定することなく、また障害の種類を視覚障害に限定することなく、拡大していくことも一方法であると考えられる。大学入試センターに対しては、肢体不自由者に対するタイプライターの使用および読みのスピードにハンディを持つ弱視者と脳性マヒ者の一部に時間延長の特別措置が講じられるよう検討してほしいものである。

Ⅱ.身体障害学生の入学状況と大学側の入学後の配慮

1.入学状況

 文部省大学局大学課で行った「大学入学者選択実態調査」をもとに、昭和50年度から昭和54年度までの5年間の入学状況をまとめてみたのが表6である。この表で、大学、短大とも、国立、公立、私立の昼間部、夜間部を含んでいる。5年間の推移をみると、各身体障害区分ごとには年々漸進的増加を示している訳ではないが、総数においては年ごとに増加を示している。もちろんこの中には、特別な配慮を必要としない者も含まれているし、必要としていても大学側が配慮をしない者も含まれている。参考までに受験者数をみてみると、これも年々増加の一途をたどっている。しかし、受験上特別の配慮を行った受験数および入学者数(表6の( )内の数)は、全体としてみるとやや増加しているとはいえ、年度ごとに変動がある。これは、注に示すように本来は特別の配慮が必要であるのに大学側がそうした配慮を行っていない数が含まれていることに一因がありそうである。特別な配慮を必要としない軽度障害者だけが増加しているとは考えにくいので、受験者数、入学者数が増加している割には、特別な配慮が講じられている数が少ないといえよう。

表6 身体に障害を有する者等の入学状況
年度 1 視覚障害者 2 聴覚障害者 3 肢体不自由者 4 その他 合計
盲者 弱視者 聾者 難聴者 上肢不自由者 下肢不自由者 その他 言語障害 病弱・虚弱 その他
受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者 受験者 入学者
50 38
(38)
7
(7)
218
(25)
61
(5)
28
(6)
9
(4)
397
(16)
90
(2)
143
(8)
44
(5)
270
(25)
91
(7)
418
(26)
169
(14)
58
(1)
21
(1)
247
(2)
95
(1)
118
(1)
24
(0)
1,935
(148)
611
(46)
51 52
(52)
10
(10)
167
(10)
41
(1)
23
(7)
4 331
(16)
88 105
(17)
49
(2)
230
(27)
102
(9)
441
(10)
147
(5)
54 24 482 140 122
(7)
67 2,007
(146)
672
(27)
52 40
(40)
14
(14)
156
(14)
53
(3)
26
(10)
11
(4)
526
(11)
135
(2)
147
(7)
37
(3)
314
(46)
99
(13)
350
(12)
180
(9)
64
(2)
23
(2)
624
(3)
197 580
(2)
153 2,827
(147)
902
(50)
53 54
(54)
11
(11)
297
(23)
95
(12)
44
(12)
13
(4)
743
(51)
159
(18)
156
(15)
58
(9)
334
(44)
102
(15)
348
(21)
150
(20)
40
(6)
15
(5)
837
(37)
298
(12)
370
(7)
93
(3)
3,223
(270)
994
(109)
54 43
(43)
11
(11)
678
(29)
196
(7)
27
(11)
5
(2)
721
(26)
144
(5)
170
(12)
44
(1)
346
(36)
106
(14)
322
(22)
131
(8)
45
(0)
25
(0)
1,235
(4)
313
(3)
528
(7)
125
(3)
4,109
(190)
1,100
(54)

注 1 ( )内は、受験上特別の配慮を行った受験者、入学者数である。
  2 受験者数については、特別の取扱いを行っていない大学もあるので、回答のあったもののみを参考までに掲げた。

2.入学後の配慮

 入学試験に合格し入学が認められたとしても、障害学生は大学生活を送る上(学業面と生活面)で、様々な問題に遭遇することが多い。障害学生の入学を認めた経験のある大学は、次のような問題を指摘している。

①実技、実験、実習など教科履習上の問題

②タイプライターや、テープレコーダーの持ち込み、試験の方法、教材の準備など授業における問題

③学内の施設や設備の問題

④寮や寄宿舎の問題

⑤退学や転学の問題

⑥通学や教室間の移動の問題

⑦学内における事故の問題

⑧就職の問題

 こうした問題に対して、大学側がとっている配慮は、表7および表8に示す通りである。表7は主として、上記の問題の①と②に、表8は主として、②、③、⑥に関係した配慮である。以下に少し詳しくみてみよう。

表7 講義、実験、実習等の教育指導についての特別な配慮の内容
   国立 公立 私立
(1) 教育課程の一部を変更 1校 0校 8校 9校
(2) 各教官の配慮 12 4 32 48
(3) 代替科目・課題の用意 2 0 5 7
(4) 単位認定方法の配慮 3 1 3 7
(5) 教育実習の配慮 1 0 6 7
(6) その他 3 0 5 8

 

表8 施設・設備の具体的内容
   国立 公立 私立
(1) エレベーター 3校 0校 6校 9校
(2) トイレ 8 0 12 20
(3) スロープ 7 0 4 11
(4) 学生寮 0 0 1 1
(5) 点字ブロック 1 0 2 3
(6) 事故防止の配慮(学内) 4 0 6 10
(7) 特別奨学金制度 0 0 1 1
(8) 視覚障害者のための設備・消耗品 2 0 8 10
(9) 聴覚障害者のための設備・消耗品 0 0 1 1
(10) 肢体不自由者のための設備・消耗品 3 0 4 7
(11) コンパニオン制度 3 0 2 5
(12) カウンセラー 2 1 1 4
(13) 授業への器具の持ちこみ許可 2 1 11 14
(14) その他 3 0 7 10

 (1)講義、実験、実習、実技などの教育指導に関する特別な配慮

 約4割の大学が表7に示す配慮を行っている。最も多いのは、各教官が個人レベルで行える配慮であるが、語学や体育などの一般教養や必修科目については、全学ないし学部レベルでの共通理解に基づく配慮が必要とされよう。養護体育、トリム運動という名称で、障害学生のための特別な体育を全学レベルで独自に設けている大学が数校認められる。LL、実験、実習も、障害の種類と程度によって、代替科目や単位認定方法の配慮などが不可欠になる場合が生じてこよう。

 (2)施設、設備など物的条件に関する配慮

 約25%の大学が表8に示すような配慮をしている。設計段階から障害者を念頭において建設された大学は例外的で(筑波大学など)、身障者用トイレ、スロープ、エレベーターなどの設備を、既成の建物を一部改修して備えている大学がこの表で見る限り比較的多いようである。しかし一般的には、予算の問題などの理由で、こうした改修さえも難かしいのが現状といえそうである。学生寮に関しては、講義棟に最も近い寮に優先的に入居させるといった配慮にとどまっており、身障者用の特別の室を備えた寮をもつ大学は、車イス用リフト付きバスの運行を実施している筑波大学など例外的存在である。

 (3)人的条件に関する配慮

 視覚障害者に対しては点字翻訳者、聴覚障害に対しては手話通訳者やノートテイカー、肢体不自由者に対してはノートテイカーや生活介助員が保障され、また彼らの相談に応じる専門のカウンセラーが必要とされるが、我国の現状では、数校がコンパニオン制度の導入とカウンセラーの配置を試みているにすぎない。ここでいうコンパニオン制度とは、講義のノートテイキング、連絡事項の伝達、通学や移動の介助などヘルパー的な役割を一般学生に担わせるもので、その際の報酬の有無や財源が問題となろう。カウンセリングは恐らく一般学生と同じレベルのもので、国立大学でいう保健管理センターに所属する教官が行っているものをさしていると考えられる。我国のこの面でのたち遅れはアメリカの大学に比べ著しいといわなければならない。たとえば障害者に開かれた大学という開学の精神をもち、最もアクセスビリティ(accessbility)の高い物理的環境を備えている筑波大学でも、こうした人的条件に関する配慮は、教職員や学生有志の個人レベルのサービスに依存している状態である。後述するように、就職の問題をも含めた総合的サービスを行うには、身体障害学生サービスセンター(仮称) といった公的機関の設置が不可欠のように思われる。

 (4)その他の配慮

①経済的側面

 障害者のための特別奨学金は多くの障害学生が望んでいるところであるが、表8によると1校のみである。文部省は国立大学に障害学生が入学した場合、学生1人あてに障害学生特別教育経費の予算措置を講じている。今後多くの面で国による適切な予算措置が拡大され、それが大学における障害学生に対する配慮の充実につながっていくことが期待される。

②就職に対する配慮

 この面の配慮は、前述した人的条件の配慮とともに、最も遅れている側面である。調査結果は卒業後特定の職をもたないケースが障害学生の4分の1に達している。就職の問題は周知の如く大学だけがいくら努力しても解決できる程簡単なものでない。本人、家族、大学、雇用者、行政担当者など関係者の協力(広くは一般社会の受入れを含む)があってはじめて解決しうるものである。ここでは、高等教育という観点から、身障者の就職を促進する対策として現在考えられているものをあげることにしよう。その一つは、職業指導を含めた総合的教育を行う障害学生のための教育機関の設置である。これは聴覚障害者のための高等教育機関の設立を推進する会が中心になり、国立聴覚障害者技術教育短期大学の設置を推進する運動を昭和51年度から行ってきたのを受けて、現在、聴覚障害者と視覚障害者のための高等教育機関の設立が国レベルで進められている。もう一つは前述した障害学生のあらゆるサービスを含むもので、職業相談や職業指導、職業開発や職業斡旋、さらにはフォローアップまでをねらった公的機関の設置である。いわば身体障害学生サービスセンターというようなもので、表9に示す ような目的と概要をもった公的機関の設置が筑波大学で考えられている。これらは相反するものではなく、双方が並行して進められるべきであって、身障者短大ができたからといって、一般大学や短大が障害者の受入れに消極的になることがあるとしたら、はなはだしい考え違いといわなければならない。

表9 身体障害学生サービスセンター(仮称)の目的と概要
Ⅰ 目 的

 本学に学ぶ身体障害者学生に対し、学習及び生活上の困難を克服するために必要な特別な指導・サービスの提供及びそれらに関する研究開発を行なうとともに、他の国立大学に学ぶ身体障害学生に対する指導・サービスを提供するものとする。

Ⅱ 概 要

 本センターは、主として視覚障害・聴覚障害・運動障害等を有し、学習及び生活面について、特別な指導又は配慮に関するサービスを必要とする学生に対し、特別な教材・教具の提供、学習・生活の援助及びそれらの補助者の養成、生活訓練、補装具の生活訓練を行なう。 
 これらの業務を遂行するため、視覚障害部門、聴覚障害部門、運動障害部門、障害補償工学・職能開発部門の四部門を設置し、個々の学生の特別のニードに即応できる体制を整備する。なお、未開拓かつ高度な専門性を要する実情にかんがみ、各部門における研究を推進する。

Ⅲ.おわりに

 文部省は、昭和48年4月18日付で、全国の教育高等機関に対して、障害者に門戸を開く趣旨の通達を出している。これまでみてきたように、大学や短大が障害者の受入れに対して目を向け、その促進に向けての努力を払ってきたものの、まだまだ解決すべき問題が残されている。受験に対する配慮に限ってみると、国立大学の場合は、昭和54年度より共通1次試験が導入されたことにより、従来の個々の大学での独自の入試を実施していた時よりも、より行き届いた配慮ができやすくなったことは事実であるが、第2次試験および私立大学における問題が残されている。私立大学でも国公立大学以上に、この問題に真剣に取り組んでいるところもあるであろう。各受入れ先の基本的な姿勢と努力が不可欠ではあるが、なお一層の推進を図るためには、障害者受入れのための国レベルの具体的施策(たとえば、教育面、財政面での各機関への援助など)の実施が必要とされる。いずれにしても、関係者の地道な努力によって、一日も早く真の意味での門戸開放が実現されることを願って止まない。

注および文献・資料 略

*筑波大学心身障害学系助教授


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行 
「リハビリテーション研究」
1982年7月(第40号)22頁~28頁