音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

特集/「障害者リハビリテーション指導者コース」実施報告

研修員の声

――ファイナル・レポートから――

① 日本について

② 日本のリハビリテーションについて

③ 講義・見学について

④ 個別・地方研修について

⑤ 今後のプランについて

⑥ 研修に期待していたこと、その他の意見は?

 Zhang Xiao-Yu(中国)

 ①日本は経済、科学技術、教育が非常に進んだ美しい国。人々は礼儀正しく、中国人に対して親切。鉄道や自動車など交通面も進んでいるが排気ガスや騒音公害がひどい。いろいろなところでコンピューターが使用されているが値段が高い。日本人のすることは時間が正確でゆき届いている。パーティなどの集まりでは夜が遅すぎる。

 ②日本のリハビリテーションサービスは速いスピードで発展を続け、障害者のための法律を生み出し、道路や建物にも配慮がみられるようになったようだ。リハビリテーション分野で使われる技術や機器にも非常に進んだ新しいものが多い。

 ③講義では日本の社会福祉やリハビリテーションについて多く学べたが、全体に時間が短かかった。見学も時間は短かかったが、国立リハビリテーションセンターでは訓練された専門家が協力しあって医学的リハビリテーションプログラムを進めていることがよくわかり、非常に勉強になった。整った設備、しっかりとした組織に感銘を受けた。

 ④個別研修では国立身体障害者リハビリテーションセンターで補装具、自助具、スポーツ指導などについて学ぶことができた。地方研修では見るものすべてが興味深く、多くのことを学ぶことができた。レスポ大会ではシンポジウムにも出席でき、大会会場を回っていろいろな種目を見学した。

 ⑤障害者リハビリテーションを担当する政府各省にこの研修について報告する。できればリハビリテーションに関する資料を中国語に訳す予定。私の勤める湖北補装具研究所ではリハビリテーション部を設け、私はスポーツ指導訓練も担当する予定。

 ⑥日本の障害者リハビリテーションのシステム、作業理論、補装具や自助具に関する技術について学び、関係施設を見学したいと思っていたが、今回の研修で満たされた。一方、心理学的リハビリテーションや、人体力学の応用について学び、補装具工場を見る機会は残念ながらなかった。

 もしこのような研修がまた行われるならば、分野をしぼり時間を長くするとよいと思う。また、研修生の宿泊場所が研修場所から近いとよいと思う。

 Chong Wong Chor-Sar(香港)

 ①日本の社会は非常にきちんと組織化されており、技術や工業、商業などがたいへん進んでいる。人々は一般に教育程度が高く、働く能力にたけている。研修期間に接した人たちの間の、とてもよい人間関係には感銘を受けた。ほとんどの人が礼儀正しいと同時に意欲的であった。しかし、大都市に共通してみられる社会的な問題があり、コミュニティの教育や意識の変革がさらに必要であると感じた。

 ②日本のリハビリテーションサービスは国の主な援助が特定の限られた人々に偏っているという印象を受けた。精神障害、社会不適応、あるいは重度重複障害をもつ人びとには十分なサービスが与えられていないようである。しかし、国際障害者年以降、政府も一般の人びとも、そのような人たちに目を向け始めたようである。障害者関係の民間団体がさらに積極的にこのような人たちのニーズを先頭に立って訴えていくことが必要ではないだろうか。

 ③講義だけでなく配られた資料などによって日本社会、社会福祉、リハビリテーションサービスなどについて知ることができ、研修期間を通して日本のシステムを客観的に観察するのに役立った。上田氏の講義の中で、日本のリハビリテーションシステムの良い点だけでなく欠点の指摘があったこと、永井氏によるリハビリテーションの定義などにとくに感銘を受けた。

 見学では障害者が民間の工場で働くところや、知能レベルの高い重度障害者に新しい可能性を開く情報処理センターなども見ることができ参考になった。技術と資金の援助さえあれば香港にも適用できそうなものがいくつもみられた。

 ④個別研修では日本の国際障害者年について学んだことを復習し、国がそのフォロアップとしてどのようなことをしているかを知る良い機会だった。また、障害者の生活を見る機会に恵まれた。大阪枚方市にあるわらしべ園ではコンダクティブエジュケーションというハンガリーの療法を採用しているところを見てきたが、とくに脳性マヒでも重度な人たちに効果がみられるこの療法が、日本の専門家にもっと紹介されるとよいと思った。

 地方研修として訪れた(社)太陽の家では、どんな障害者もまったく働けないはずはないという証しを見せられた気がした。別府整肢園や養護学校では十分な時間がなく個々の教育プログラムについて説明を受けられず残念であった。

 レスポ大会では、このような大会の開催を可能にした委員会の組織力や意欲に非常に感銘を受けた。

 ⑤香港政府や勤め先の脳性マヒ協会に可能な範囲内でできるかぎり日本で得た経験を生かすように努力する。私自身は企画や政策決定にあたる委員会のメンバーでもあるので、障害者が自分たち自身から積極的にリハビリテーションの新しいプロジェクトを進められるような機会を提供できるように努めたい。また、一般の人びとの障害者に関する啓蒙活動にも他と協力しあって力を入れてゆきたい。

 ⑥障害者のための自助具や機器、あるいは異なったレベルの障害をもつ障害児のためにどのような教育プログラムが組まれているかなど、とくに実際的な面に関心があったが、研修期間がちょうど学校の春休みにあたったこともあり見ることができなかった。しかし、訪問先で実用的な器具などについて役に立つ情報がたくさん得られた。また、リハビリテーションは、障害者がもとの生活に戻るために訓練したり不可能なことをさせようとするのでなく、まったく新しい生活を可能とすることだと知ったことは大きな収穫であった。

 今後このような研修があるならば、次の2点を改善するとよいと思う。(イ)研修員の希望、目的に合った研修プログラムを作るためにも、事前に各人の学びたいこと、経歴など十分に調査すること(ロ)政府機関から1名、民間機関から1名というように、各国から少くとも2名づつ参加できるようにすること。

 非常に有意義な研修であったので、今後ともぜひ続けてほしいと思う。

 Siswoyo(インドネシア)

 ①日本の街は清潔で、立派なビルが多いが木が少ない。日本人はまじめでよく働き、親切で礼儀正しく、感受性が強い。

 ②日本のリハビリテーションサービスは非常にすぐれており、システムがうまく機能しているようである。

 ③講義や見学を通して、技術の進歩によって障害者に職を得るチャンスが多く与えられていることがわかったが、せっかくの高価な心理適性検査がフルに活用されていないことなどもみられた。また、精神障害者に対する福祉はどうなっているのかという疑問をもった。永井氏の「リハビリテーションとは新しい人生を生きること」というのは私にとってまったく新しい考え方だった。

 ④個別研修も地方研修もたいへん役に立った。

 ⑤心理適性検査や性格検査などについて知りたかったが、これについては40%くらいしか学べなかった。研修期間は3週間位が適当だと思う。

 ⑥日本での経験をどのように生かすかは具体的にはまだはっきりしていないが自分の研究に役立てたいと思う。

 Supribadi(インドネシア)

 ①日本は世界の中でも最も高い経済発展をとげた国の一つであろう。そのような経済発展に比例するだけの進歩が障害者のリハビリテーションの分野にもみられると思う。

 ②そのような経済発展が背景にあるからこそ政府は多くのリハビリテーションセンターに補助金を出せるのであろう。そして、障害者の予防リハビリテーション、プログラムなどが各種さまざまな機関によって進められている。また、障害者に関する法律がいくつかあり、障害者の社会参加を可能にしているというようにとらえた。

 ③インドネシアの社会省で働く一人として、日本の厚生省、労働省、文部省、そして民間団体などについてたいへん関心があったので、丸山氏の講義は非常に役に立った。また、橋本氏の講義を通じて日本人をもっと知りたいと思った。見学先の日産自動車㈱や日本理化学工業㈱では実際に障害者を見かけたのが少なかったことが残念であった。しかし、見学は全体に非常に役に立った。

 ④個別研修では厚生省、労働省、総理府を訪れ、自由にいろいろな質問や話し合いができ有意義であった。地方研修でも多くを学べ、役に立った。レスポ大会では日本人がいかに見事に国際大会を開催するかを目の当りにした。

 ⑤帰国後どのようにして日本での経験を生かすかについては思案中である。

 ⑥日本の障害者のリハビリテーションについて深く学びたいと期待して来たがいろいろな発見ができ非常に有意義であった。また同じような研修が行われるようであれば、討義の時間をもう少し増やすとよいと思う。

 Soeroyo(インドネシア)

 ①日本は技術や管理が高度に進んだ国だと思う。また、日本人は働きもので、どのような仕事もまじめに一生懸命行なう。

 ②日本のリハビリテーションサービスについて言えば、障害者問題の対処の仕方は成功していると思う。日本にとって大事なことは、社会が障害者を一般の人びとと同じように受け入れていくことができるかどうかであろう。

 ③講義は全般に非常に役に立った。とくに永井氏と野沢、大漉、田中の3氏による話は日本の障害者の問題を知る上でたいへん役に立った。一方見学の方は期待したほど役に立ったとはいえないが、技術のしくみの一部としての作業員の姿、世界で初のテレビ番組の中の手話コーナーなどが興味深く印象に残った。また、これからは青少年が活躍すべき時代だと思うが、日本青年奉仕協会のような団体がその準備段階の一つだと思った。

 ④個別研修ではアガペ作業所で作業所内の見学などのほか実際に作業員にまじってラインに入ることができ、非常に有意義であった。作業所の管理の仕方や作業の時間割など、障害者が部品を作りやすくするような工夫がみられた。地方研修では(社)太陽の家で障害者のための仕事の企画について詳しく見ることができた。また、レスポ大会では、このような国際大会の開催を可能にした実行委員会の運営のし方を学びたいと思った。

 ⑤私の勤めるリハビリテーションセンターに新しくできる作業所で、部品組立ラインを企画する際、日本で学んだことを生かしたいと思う。

 ⑥研修生はだれでも自分の専門分野について深く知りたいと期待してくるものであろうが、私も同様で、この研修を通して役に立つ情報がたくさん得られた。

 もし今後もこのような研修が行われるとしたら、地方研修以外はホテルではなく、リハビリテーションセンターに宿泊できるようにするとよいと思う。そうすれば、障害者との自然なコミュニケーションが可能であるし、自国で障害者と直接接触する機会が少ない役職にある者にとってもよい経験となるであろう。

 Chang Ok Ju(韓国)

 ①日本はいろいろな花が咲く、とても美しい国だと思う。また、日本人の親切さには感銘を受けた。

 ②日本のリハビリテーションサービスはあらゆる面で韓国と比べて進んでいると思う。リハビリテーションサービスの発展には財政的な裏付けが大切だが、日本ではこの分野にあてられる国の予算が非常に大きい。だから立派な施設も運営できると思う。また、身体障害者雇用促進法による割当雇用制度は、障害者の自立を進める上で大きな役割を果せると思う。

 ③上田氏、丸山氏の講義を通して日本のリハビリテーションサービス全般について理解することができた。見学では身体障害者の仕事としてコンピュータープログラミングがいかに適しているかわかった。また、NHKでは障害者に対する配慮の工夫がみられた。

 ④個別研修では、厚生省、労働省、総理府訪問、そして前島英三郎参議院議員との話し合いを通じて、政府の障害者問題対策について学ぶことができた。

 地方研修で太陽の家を訪れた際には、障害者の自立の可能性を見たような気がした。レスポ大会ではシンポジウムに出席、大会会場を回り、見学したが、障害者にとってレジャー、レクリエーション、スポーツがいかに大切か新しい発見をした。

 ⑤韓国では、現在国立のリハビリテーションセンターを建設中である。この日本での経験がその組織づくり等に生かされればと思っている。

 ⑥自分の仕事を進めていく上で、リハビリテーションに関する具体的な技術や知識が必要であり、そのためには進んだリハビリテーション制度や活動を見る必要があると思った。この研修で私が期待したものは十分得ることができた。今後この種の研修を行う際に改善できる点としては、今回は同じような施設や機関の見学に時間をたくさん使ったように思うので、それよりもリハビリテーションシステムの全体像や実際的な組織や運営のし方を詳しく学べる時間を増やすとよいと思う。

 Ahmad Salleh(マレーシア)

 ①日本はあらゆる面で非常に進んだ国だと思う。人びとの生活水準を高め、平和と調和をもたらすためにできるかぎりの努力をしてきた国である。その目標に到達し、今や世界でも最も豊かな国の一つになった。しかし、十分成功をおさめたにもかかわらず、日本人は今だにそれ以上のものを求めるのに一生懸命のように思う。国民の80%が中流階級にあるということだが、驚くばかりである。難しいことではあると思うが、そのような平和な生活とはちがった、日本の別の面ものぞいてみたいと思った。

 ②政府を含め、日本の人びとが障害者のリハビリテーションのためにたいへんな努力をつんできたと思う。色々なプログラムやサービスを通じて障害者の目指す目標にほぼ近づいていることを感じる。また、日本の障害者自身の意識や情熱は強く、政府や民間が行なう事業について協力しようという姿勢がみられた。この相互の働きかけは最大の成果を得るためにも非常に重要といえる。

 ③日本の福祉サービス全体とその歴史的な流れ、日本人の日常生活などについて、講義を通じてたいへんよく理解できた。また自ら障害をもつ永井氏の率直な意見を聞け、非常に貴重な話し合いができた。見学では日産自動車㈱座間工場を訪れ、障害者が他の人びとと一緒に高い技術の仕事に携わっているのを見て非常に感銘を受けた。素晴しいことだと思う。その他、精神障害者のリハビリテーションにもとりくむ束京都心身障害者センターや中野区の授産施設なども見学でき、わかりやすい説明を受けた。しかし似たような見学先で重なったところもいくつかあった。NHKでは時間が短かく、実際に本研修に関連したものを十分見るこができず、十分な情報も得られなかった。もう少し時間をとってほしいと思った。

 ④個別研修では厚生省、労働省で各課の業務や現在行われている色々な政府のプログラムについて詳しい説明が聞けた。地方研修では太陽の家を訪ね、レスポシンポジウムおよびレスポ大会に参加することもできた。

 ⑤日本の障害者のためのリハビリテーションの分野は非常に進んでいて、実際に日本で学んだことを自分の国で実践することは不可能だと感じる。しかし、日本で得た知識と研修の間に得た木や資料は、自国の障害者のためのサービスやプログラムの質の向上の上で貴重な参考になると思う。また、技術面の専門家をもっと日本に送り、日本の施設や機関で勉強できるようにしたい。

 ⑥期待していた通り、講義で専門家の話を聞くことができ、またリハビリテーションセンターもいくつか見学できた。しかし、各センターで過す時間がもっと長ければよかったと思う。研修期間を2~3ヵ月とし、研修会場を特定のリハビリテーションセンターに定めれば、より深く学べ、実際のプログラムに参加できるのではないかと思う。そこで講義も行ない、あい間に他の見学先へ行くなどもできるとよい。そうすれば、生活費の不足による不自由さも解消できるのではないかと思う。

 Salmah Bte Jama1(マレーシア)

 ①日本は美しい国である。また、たいへん進んでおり、制度的に整っていると同時に清潔だと思う。日本人は働き者で現実的である。時間も物も無駄にしない。日本人が単一民族から成るということはマイナスな面もある。たとえば、国際的なやりとりを必要とする際に言葉の問題が大きな壁となるように。

 ②日本の障害者リハビリテーションは東南アジアの国々だけでなく、西欧の国のいくつかと比べてもたいへん進んでいると思う。最も印象深かったのは、政府と地域社会が障害のリハビリテーションのため、そして障害者が新しい人生を始めることができるようにするために多大な努力を払っていることである。

 ③講義を通して日本のリハビリテーションの分野全体をはじめ、日本社会にみられる習慣、特徴などもよく理解でき、各講師の卒直な意見が聞けて興味深かった。特に雇用と職業リハビリテーションの制度はマレーシアだけでなく他の国々でも採用できるのではないかという意味でも、たいへん貴重な情報であった。障害者問題に関する国の政策については、もっと講義の時間を増やしてほしいと思った。

 見学では現在の自分の仕事に関係するものがあり、たいへん充実し役に立った。できれば各見学前に見学先について説明を受けられればわかりやすかったのではないかと思う。日産自動車㈱や日本理化学工業㈱の見学も、民間の会社がいかに障害者の雇用の問題ととりくんでいるかを知る良い例であり、他の国々も大いに参考にすべきであると思った。その他、一般に訓練が難しいとされている精神障害者の訓練を行なっている東京都心身障害者センターや、地域のプログラムとして、中野区の作業所やB型センターの活動、非常に近代的な進歩した技術をとり入れた日本点字図書館など興味深く見学した。日本ではたくさんの人びとがボランティアとして活動しており、そのほとんどが青少年と聞いたが、日本青年奉仕協会は非常によく組織されており、たのもしく思った。国立身体障害リハビリテーションセンターはあらゆる面をカバーできる総合的なセンターであるとは思うが大きすぎて職員間のつながりを緊密に保つのは難しいのではないかと思った。

 ④国立身体障害者リハビリテーションセンターでの個別研修は役に立ったが、学ぶことが多すぎたといえる。制度全体を勉強するにはもっと時間が必要。図書室で役に立ちそうな資料をたくさん手に人れることができた。地方研修で行った玉津福祉センターにはリハビリテーションに必要なあらゆる施設が備わっており非常に実用的だと思った。レスポ大会では、障害者にとってのレジャー、スポーツ、レクリエーションの考え方などについて学ぶことができた。他の国々の参加者にも会い学ぶこと大であった。

 ⑤マレーシアの社会福祉省に報告し、マレーシァでとり入れることができそうなことを提案したいと思う。また、勤務先であるリハビリテーションセンターでは、できるかぎり日本の活動のし方やシステムをとり入れたいと思う。

 ⑥研修内容が非常に広範にかかわるものであるにもかかわらず、期待していた大部分が満たされた。しかし、スケジュールがきつく、この種の研修には1ヵ月は短かすぎると思う。2ヵ月位が適当であろう。また、研修内容は全般的な知識や情報を得ることにかたよっていたので、より深く学ぶためには研修員の専門分野をはっきりと規定するとよいと思う。

 Teresita S.Brazil(フィリピン)

 ①日本は急速な工業化によって人びとの技術を向上させ、国としての力を世界に示した。どのような仕事にもその仕事の意義を見出し、完全を求める気持を育ててきたように思う。日本人は仕事志向で、主に学校や職場、そして家庭さえをも含む環境全体からストレスを受けている。

 ②日本の障害者のリハビリテーションサービスは、政府が先頭にたって進めているが、職業リハビリテーションや雇用の面で民間が果している役割は大きい。国からの補助金や障害者の雇用キャンペーンによって障害者の多くに働く機会が与えられた。一般の人びとも障害者の福祉に高い関心を示しているがリハビリテーションプログラムやサービスは施設中心に行われている。これは日本では、一般のコミュニティの障害者のインテグレーションに限界があることを示していると思う。

 ③講義はいずれもたいへん役に立った。日本の障害者リハビリテーションサービスの現状と問題、日本の社会、社会福祉制度の歴史的流れ、障害者のためのサービスに関わる国の政策の全容、障害者のための職業リハビリテーションと雇用等がよくわかった。永井氏の話は非常に啓発的で、研修期間に見たり聞いたりすることを分析する上で非常に役立ったと思う。障害者自身が障害者のために何ができるかをはっきり示されたと思う。

 見学した日産自動車では実際にそこで働く障害者と話す機会があればよかったと思った。日本理化学工業では、精神簿弱と脳性マヒの人が粉の出ないチョークを作っているところを見て感銘を受けた。東京都心身障害者センターでは、医療、職業リハビリテーション全体を見ることができ有益であった。とくに、職員がセンター利用者のリハビリテーションについてその家族と積極的に話し合うというその姿勢に感銘を受けた。東京コロニーでは重度障害者が生産的仕事を行えること、トーコロ情報処理センターではコンピュータープログラミングの可能性などを見ることができ役に立った。NHKでは、テレビなどのマスメディアの利用、日本青年奉仕協会では青少年のボランティア活動の推進について考える機会を与えられ、いずれも一般の人びとの障害者に対する意識を高めるには有効な手段だと思う。国立職業リハビリテーションセンターは実際の利用者の数が少なく、最大限有効に活用されていないように思えた。

 ④個別研修ではアガペ作業所で障害者の人たちと一緒に組立てラインに入って作業に参加した。そこで感じたことは、作業所はただ単に仕事場であるだけでなく、障害をもつ人たちにとってリハビリテーション効果のあるコミュニティーとしての役割も果しているということである。また、授産施設の管理運営についても学ぶことが多く、自分の仕事に役立たせたいと思う。

 地方研修では、太陽の家とレスポ大会に参加。太陽の家は理想的な障害者施設だと思う。大企業の下請けとして障害者のために継続的かつ恒常的な雇用が可能になった。太陽の家は一つのコミュニティを成している。大企業との協力体制の強化など、フィリピンでの自分の仕事に生かすことができるアイデアを得られ、たいへん参考になった。

 レスポ大会では、障害者にどのようなレクリエーションやスポーツが可能か知ることができ、自分の勤める授産所でできそうなレクリエーション活動をいくつか思いついた。

 ⑤授産施設の管理運営について学んだことをフィリピンですぐ応用できると思う。社会リハビリテーションに役立てるという意味でレクリエーション活動の企画も参考になった。フィリピンの社会サービス開発省では、各州と市に授産施設を設置することを計画しているが、その効果をあげるためにはまず一般の人びとの協力が必要である。

 ⑥職業リハビリテーションと授産施設を中心に学びたいと期待して来日し、この研修で十分満たされた。しかし、もう一つの関心事、地域リハビリテーションについては、日本では限られた地域で始まったばかりのせいか学ぶことができなかった。

 主催者側と研修生が共に同じ目的意識をもって研修にのぞめるためにも、それぞれの期待するものを調査し、共通の研修の目標を定める必要があると思う。研修前と後にアンケートによって期待したものが得られたかどうか調べるとよいと思う。

 Marlu A.Fenoy(フィリピン)

 ①日本は美しく、経済、人的資源、技術の面で豊かな国である。アジアで最も進んだ国であると同時に世界の他の先進諸国にも匹敵する国である。日本の管理システムが今日の日本をつくり上げたと思う。日本の行政システムを他のアジア諸国もとり入れればもっと発展するのではないだろうか。

 ②日本の障害者リハビリテーションは、技術、施設、機器の面で他と比較にならないほど進歩している。中央にすべてが集まっているわけではないので、障害者はコミュニティでサービスを受けることができる。

 日本の障害者は国から医療保険や雇用、社会保険などを受けることができ、経済面でもたいへん恵まれていると思う。アジアの他の国ではまだそのようなことはない。

 ③講義を通じ日本の制度の良い面、悪い面がよくわかり、研修参加国間の比較に役立った。日本社会については、役に立つ日本語を勉強する時間をとって研修に組み込むとよいと思った。

 討義では、リハビリテーションの専門家や障害者をまじえて小さなシンポジウムのような形で十分な時間をとって、情報交換や話し合いをすることができればよかったと思う。

 見学を通して、重度の障害者さえもそれぞれの能力に合った仕事をし、一般の従業員と区別なく雇用されているのを知ってたいへん驚いた。東京都心身障害者センターは、フィリピンで実際に応用できるもの、資金面で無理だが参考になるもの、などを見ることができた。見学全体を通して、障害者と直接話す機会があればよかったと思う。個別研修は東京大学附属病院で受けた。内容はフィリピンと似ていたが、いくつか新しい治療テクニックに出会い、将来フィリピンでも応用できると思った。作業リハビリテーションのアプローチも同様であったがいくつかの点で違いがみられた。文化の違いによってその方法も異ならざるをえないということがいえる。たとえば言語治療でも使用されている器具は同じであるが、日本人に合うように工夫されていた。

 地方研修では、東京から遠く離れた兵庫県でも総合的なリハビリテーションサービスを受けられることを知ったという意味でも有意義だった。日本では地域リハビリテーションサービスが行われているということだと思う。身障児のためののじぎく療育園もまた非常に興味深く見学した。施設に入っている子どもたちも学校教育を受けられるなど、この種のセンターはフィリピンでも是非とも参考にして設置されることを望む。

 レスポ大会に参加することによって、各種種目から日本文化を知ること、様々な国の人びとがどのように出会い友だちとなっていくかを学んだ。レスポ大会は障害、人種、宗教、主義等の違いをこえて各国間の交流に貢献すると同時に、スポーツ、レジャー、レクリエーションの重要性を明らかにしたといえる。

 ⑤自分が所属する機関に報告し、本研修から得たものとして下記のことをとり入れることを提案する予定でいる。(a)医学的リハビリテーションと職業リハビリテーションの両分野におけるサービスの協力体制、(b)障害者のアクセスの問題に対応できる刷新的なプログラムを早急に進めること、(c)のじぎく園にみられたように、一時的な学習活動をもとり入れた障害児のための総合的リハビリテーションセンターを設置すること、(d)一般の人々の障害者問題に対する意識を高めるための、具体的行動をともなったプログラムを進めることなど。

 ⑥研修への希望としては、次のことがあげられる。

 (イ)開始時に、JICAから我々に期待するものなど詳しい説明がほしい。また、交通機関の使用方法や通信手段についても、オリエンテーションがほしかった。

 (ロ)研修員の興味、専門分野によるグループ分けをし、同種のセンターの見学は代表的なものを一つ見学するだけで十分だと思う。

 (ハ)研修期間は10日間から2週間が適当であると思う。

 (ニ)各地の訪問、ホームステイなど、バラエティに富んだ経験ができたので、そのまま続けてほしい。

 Patria P.Medina(フィリピン)

 ①日本は、高度技術を備えた非常に進んだ国であり、農業国から工業国へのそのスピードある変身ぶりは他に類をみない。日本人が仕事熱心で愛国主義的であることは広く知られている。日本人の親切さと心づかいには感銘を受けた。私自身一番困まったのは、ほとんどの日本人が英語を話せないという言葉の壁であった。すべての駅に英語の地図や標示があるわけではなく、交通機関の利用の仕方一つとってみても大きな問題になった。

 ②日本のリハビリテーションサービスはアジアでもっとも進んでおり、世界的にみても最も整備されている国の一つだと思う。心身障害者のためのリハビリテーション施設も非常に整ったものがあり、それに加え、新しく高度な器材なども活用されるなど、日本の障害は恵まれていると思う。また、設備面だけでなく、政府から年金・保険金などが出ることなどについても同じことが言える。日本のリハビリテーションの仕事にたずさわる専門家や職員たちは、いずれもよく訓練を受け、能力があり、自分たちの仕事を通して障害者の生活を改善することに非常に情熱をもっている。

 ③日本のリハビリテーションシステムの良い面だけを見るのではなく、高度に進んだ技術や設備だけでは障害者の真のニーズを満たすことができない点などの指摘があり、講義は有意義であった。また、内容のある説明、資料をたくさん得ることができた。欲をいえば、範囲を狭くした(例えば医学的リハビリテーションの中の特定分野)などの講義の時間がとれればよかったと思う。また、日本文化についての講義はホームステイの直前に行うなど、改善の余地があると思われる。本研修への期待、研修員の関心をテーマにした討義は、初日か2日目に十分時間をとって行う必要があると思う。

 ④個別研修では、授産施設がどのように運営されているか、障害をもつ人たちがいかに自立した生活を送っているかを知る機会が得られた。しかし、プロジェクトの企画、開発と策定、プログラムの調整と監視などが私の主な仕事なので、その線にそった現場研修であればもっとよかったと思う。

 地方研修では太陽の家を中心に訪れ、障害児者と接する機会を得、障害者がもつ潜在的な能力というものを見ることができた。また、別府整肢園では、障害の予防の必要性を強く感じた。

 レスポ大会参加は、世界で初めてのこの種の大会であるということからも非常に有意義であった。障害者による各種スポーツやその手工芸作品はいずれも印象的であった。シンポジウムでの各国からのスポーツ・レジャー・レクリエーションに関するレポートには目を開かされるものがあり、リハビリテーションの考え方を広げ、障害者のもつ社会的ニーズに対する理解が深まったように思う。

 ⑤日本で学んだことは、貴重な参考資料となるが、資金や他の面からみて、そのままフィリピンに応用するというわけにはいかない。日本のリハビリテーションシステムを一つのモデルとして、自国にある材料資源を活用するということが必要である。そういった意味で、日本の本や定期刊行物、その他の資料はフィリピンの専門家や学生研究家にとって貴重な参考資料となるであろう。

 ⑥本研修に対する希望としてはつぎのことがあげられる。

 (イ)研修初日に研修員の期待するところを話し合い、どの部分が満たされ、どの部分が今回の研修では満たされないかを明確にすること。

 (ロ)研修日程は、場所、内容、担当者名など一目でわかるものにしてほしい。

 (ハ)リハビリテーションの4つの分野、たとえば医学的、職業的、教育的、社会的リハビリテーションという、順序にそって日程を組んでほしい。

 Laurence Wee Yoke Thong(シンガポール)

 ①日本はきれいな国であり、人々は礼儀正しく、日常生活においてもものごとを規律正しく進めているように思う。日本人は相手が外国人であるとわかるととても親切になる。道に迷いかけ、教えてもらうことがしばしばあった。日本人が人に対して自然なかたちで親切にできることはすばらしいことだと思う。シンガポールでは、しばしば「親切キャンペーン」を行う必要がある。

 ②日本では、リハビリテーション活動を拡げていく上で非常に重要な政府の援助が得られていることがわかった。政府が進める対策が、障害者の社会復帰に非常に役に立っている。また、もう一つ印象に残った点は、リハビリテーションサービスの制度が中央に集中しており、それによって調整が容易になっていることである。

 ③講義・見学はほとんどが日本の障害者をとりまく状況を知る上で非常に役に立った。上日氏、永井氏などの講義はもっと時間があれば討議もできよかったと思う。

 ④個別研修では、障害者の家庭訪問、前島英三郎参議院議員訪問など、障害者のリハビリテーションをちがった角度から見ることができ、日本のリハビリテーションシステムをより深く理解する上で役に立った。

 地方研修では、上田氏の講義で聞いた「全人格的なリハビリテーション」の流れを実際に兵庫リハビリテーションセンターで見ることができた。レスポ大会とシンポジウムを通して、障害者にとってレクリエーション的要素がいかに重要であるかも理解できた。

 ⑤日本で得たリハビリテーションに関する知識は個人的レベルで大いに仕事に役立たせることは間違いない。開発課に所属するので、関連ある部分は上司に伝え、参考にできると思う。

 ⑥本研修に対する希望としてはつぎのことがあげられる。

 (イ)期間を2ヵ月位に延ばしてほしい。

 (ロ)研修員7名に対して1名のコーディネーターをつけてほしい。

 (ハ)障害者自身による講義の時間を増やしてほしい。

 (ニ)見学先の英文の説明資料がほしい。

 (ホ)各研修員の関心に応えられる個別研修を1週間行ってほしい。

 Mark Chan Weng Onn(シンガポール)

 ①日本人は教養があり、厳格な社会的ヒエラルキーによって規制され、また、正しい社会行動規範や常識にあふれ、信じがたいほどの誠実さをそなえている。

 国全体としては、効率性や生産性、秩序や規律ということにとりつかれており、朝夕のラッシュ時に象徴されるように、常に時間の損失を取り戻そうとしている。

 鉄道や地下鉄に見られるような、きわめて効率的且つ時間に正確な輸送システムなどが特徴と思われる。

 ②政府が、障害者のリハビリテーションサービスの実施にあたって、直接的、間接的に幅広い援助を提供していること、中央政府がすべてを運営しているわけではないので、さまざまなレベル、部分に重複がみられること、そして、高度なリハビリテーション技術や機器、研究開発、訓練を通して進められる新しい試みなどが日本のリハビリテーションサービスの特徴としてあげられる。

 ③講義では、社会福祉政策がどのような考え方を土台としてとられているか、政府にとってどのようなとりくみが可能か、障害者の就労について具体的にどのような対応ができるかなど、貴重な資料が得られた。永井氏の講義では、まったく新しい視点からの考え方が聞け、啓発的であった。見学では、自分の興味関心からいって、トーコロ情報処理センター、日本青年奉仕協会、国立職業リハビリテーションセンターがとくに役に立った。

 ④個別研修では、国立職業リハビリテーションセンターで職業評価や訓練の方法について深く学ぶ機会が与えられ、非常に役に立った。

 地方研修の太陽の家では、その考え方、組織構造、運営方針、障害者のための職場づくりなどが学べた。また障害者の可能性を最大限に伸ばそうとする努力が感じられた。レスポ大会では、障害者にとってスポーツやレジャーがいかに大切かを再認識し、シンガポールではみられない車イステニスやインヂイカ、カラオケなどを知ることができた。

 ⑤日本のリハビリテーション制度の概略、とくに職業リハビリテーションについて学ぶことを目的に本研修に参加した。ある程度の知識を身につけることができ、職業リハビリテーションについても実際に役に立つことが学べたと思う。

 所属する協会の職業アセスノント・プレイスメントセンターで応用可能な職業評価方法や就労サービスについてもう少しくわしく勉強する予定である。

 ⑥本研修に対する希望としてはつぎの点があげられる。

 (イ)見学先のパンフレットなどは英語版を用意してほしい。

 (ロ)研修員が全員同じことに関心をもっているわけではないので、特に個別研修に重点を置き、時間も十分にとってほしい。

 (ハ)見学場所には異なった種類のサービスを提供する所を選んでほしい。

 (ニ)1日に何か所も見学するのではなく、1ヵ所にもっと時間をかけられるようにしてほしい。

 Thongchai Jirasingh(タイ)

 ①さまざまな分野における高度な技術と機器、すぐれたコミュニケーションや交通機関、すべてにみられる速いスピード、そして自然、特に春の美しさ、予測のつかない天気など印象に残ったことは多い。

 ②日本で見た障害者のためのリハビリテーションサービスはすべてすばらしいとしか言いようがない。働く障害者の姿、視力障害者のための歩道の点字ブロック、エレベーターやトイレにみられる障害者への配慮、そして障害者が運転できる自動車など、強く印象に残っている。

 ③講義も見学も非常に役に立った。しかし、講義の中には複雑すぎてわかりにくく、もう少し時間がほしいと思われるものがあった。また、NHKでは障害者にかかわる活動が見られなかったこと、点字図書館では利用者を数多くみられなかったことなどが残念であった。

 ④少ない療法士でいかに多勢の患者に対応するかというのが一番の関心事であったが、日本では状況がまったく異なるので、個別研修では期待したほどの成果がみられなかった。しかし、研修先で、新しい機器についていろいろなアイデアを得ることができた。

 地方研修では太陽の家に行き、公民それぞれの障害者のための活動、障害者と就職、障害者の毎日の生活と福祉、などについてよりよく知ることができた。また、レスポのシンポジゥムでは障害者にとってスポーツ、レジャー、レクリエーションがどういう意味をもちうるかなどよく理解できた。そして、さまざまな種類の障害をもつ人たちが色々な活動に参加しているのを見て、自分の国でもどれか応用してみたいと思った。

 ⑤私の仕事は医学的リハビリテーションに関わるもので、軍人のみでなく一般の人々をも対象としている。日本で学んだことをよい指針として、よりよい仕事をしていきたいと思う。

 ⑥本研修の目的には、お互いの経験や情報を交換し、それぞれの国の障害者のための活動に役立たせるということが含まれていたが、いずれも満たされたように思う。研修期間が全体に短かすぎるように思われた。

 Viyada Raiva(タイ)

 ①日本は、リハビリテーションの分野で高度な技術をもつ国である。日本人の特徴として、礼儀正しいこと、その生活様式が核家族的であること、競争が激しいことなど印象として残っている。

 ②日本の障害者のリハビリテーションは、政府と民間の協力体制が整っていてとてもすばらしいと思う。

 ③講義は日本のリハビリテーション活動を紹介するような8ミリや日本文化を紹介する視覚教材を使うなどの工夫がほしかった。講義や討議だけでなく、見学先でももう少し時間的ゆとりがほしいと思った。

 ④個別研修は東京都心身障害者センターで受けた。自分の専門が医学的リハビリテーションなので非常に役に立った。

 地方研修ではとてもわかりやすい説明を受け、非常に役に立った。たとえば、兵庫県玉津福祉センターの中に病院があるため、医学的リハビリテーションを受ける時点で患者は慢性になっていないことなど、ちょうどチュラロンコン病院と赤十字リハビリテーションセンターとの関係のようであることがわかり、赤十字リハビリテーションセンター設立にあって参考となると思う。

 今度できるタイ赤十字リハビリテーションセンターで、医学的リハビリテーションとスポーツ、レジャーレクリエーションをむすびつけてはどうかなど、レスポ大会参加も参考になった。

 ⑤日本で学んだことは、PT学校設立の際のカリキュラムの作成、日本のリハビリテーションシステムの応用などの面で役立たせていきたい。また、今後も機器の注文などを通してつながりをもっていきたい。

 ⑥日本のリハビリテーションセンター、PT養成学校、新技術と機器を知ること、そして情報交換が目的であったが、約90%は満たされたと思う。

 本研修のような内容のものであれば期間を少し短くできると思うが、特定分野に範囲をせばめるのであればちがうやり方をとる必要があろう。

 Prasert Jiravanichsakulo(タイ)

 ①日本はいろいろな制度が整った国である。地下鉄や国鉄などの交通機関はすばらしい。日本人はよい道徳観念をもつ民族だと思う。社会福祉が進んでいるので、日本の障害者はとても幸福だと思う。

 ②日本のリハビリテーションサービスはとてもゆき届いた系統だったもので、非常に効果があがっていると思う。

 ③講義も見学も、そのほとんどがたいへん役に立った。障害をもった人たちとの討議では、障害者の気持を知ることができ有意義であった。見学では、日本点字図書館のようなところを見るのが初めてであったこと、国立身体障害者リハビリテーションセンターにおけるリハビリテーションチームと他の職員との協力の仕方や障害者のために高度技術が応用されている様子を見ることができ、たいへん参考になった。

 ④この研修参加の目的がOT、PTに関する情報を得ることだったので、東京心身障害者福祉センターでの個別研修は非常に役に立った。地方研修先の太陽の家では、授産施設の運営のし方や、障害者への仕事の提供のし方、そして民間企業との交渉のし方などについて学ぶことが多かった。

 もう一方の地方研修、レスポ大会は、私の働いている病院でもレジャー、スポーツ大会を開いたことがあるという意味でも、特に興味深かった。障害者が一般の人たちと一緒にスポーツやレジャーを楽しめることを示した大会であった。

 ⑤私のこれからの予定は、退役軍人病院の中に作業療法科を設けることに関連した仕事、日本の人たちが障害者のためにしていることを同僚たちに伝え励ますこと、この研修の間に学んだものを自分の仕事の中に応用してみることなどである。

 ⑥研修に期待していたことは東京都心身障害者福祉センター、太陽の家などの見学によってすペて得ることができ、満足しているが、今後、同じような研修が行われるのなら、次の点を改善するとよいと思われる。

 (イ)テーマの範囲をはっきりと区切る。

 (ロ)研修期間は6ヵ月から1年に。

 (ハ)研修員の専門などを統一する。


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1985年2月(第47号)9頁~20頁