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障害者計画策定に関わる第2次市区町村長アンケート調査報告書


第2章障害者計画策定に関わる第2次市区町村長アンケート調査概要および調査結果 1


<はじめに>

 本調査は、平成5年に改正された「障害者基本法」に努力義務として規定されている「市町村障害者計画」の策定状況等について、全国の市区町村長を対象にアンケート調査を行うもので、平成7年度に行われた調査に引き続き、本年度(平成9年度)は第2次調査として実施した。
 本年度は、障害者基本法の施行から既に4年目にあたり、また総理府から出された「市町村障害者計画策定指針(平成7年)」には、「(市町村障害者計画は)平成8年度中に策定されることが望ましい」とされていることから、計画の策定状況は大いに注目されるところであった。
 そこで第2次調査では、策定の有無など基本的設問のほか、策定を促進する「誘因」、困難にする問題点など、背景的な事情についても調査した。
 また、民間の障害関係団体の連合組織である当「推進会議」が行う調査として特に重要なのは、本調査が最新の統計的数値を求める調査活動であると同時に、調査を通じて市町村障害者計画の策定推進を働きかけていく「運動」でもある点である。そこで今回は、この「運動」としての側面をさらに強化し明確化するため、調査企画、実施を通じたすべての過程で、各県の障害関係団体の参画を得た。

<方法>

 新・障害者の十年推進会議が、アンケート調査票、および調査の実施方法について案を作成したうえで、全国各県の社会参加促進センターの代表者と会合を持った。社会参加促進センター(以下「促進センター」)は、全国の各県に配置され、障害当事者の立場から、種別を越えたあらゆる障害団体の調整を図りつつ、障害をもつ人の社会参加を促進していくべき位置にある。そこで各県の促進センターには、この会合で話し合われた調査の内容と方法に基づき、各県の状況によって独自の内容や方法を加えつつ、各県における調査実施について、県内の各種障害関係団体に呼びかけをしていただいた。そして可能なところでは調査実施に関わる協議会が設けられ、各種障害関係団体による具体的な企画検討が行われた。アンケート調査票は、各県において定められた調査実施担当者によって、直接市区町村に持参されたか、または郵送された。回答済みの調査票は返信用封筒により中央の推進会議事務局に集められ、集計が行われた。

<調査の内容、対象、時期>

 調査の内容については、別添のアンケート調査票を参照。
 対象は、全国3,255の市区町村長。(政令指定都市、および東京都の特別区も含む。)
 アンケート調査票は平成10年1月16日に配布され、同年2月1日現在の状況について設問し、回答の最終締め切りは平成10年4月1日とした。

<調査結果>

1.回答率

 回答率は、66.2%   (3,255市区町村のうち2,155市区町村が回答)であった。
                   (小数点第2位以下は四捨五入。以下同じ。)
 うち、
 市の回答率  73.2% (669市のうち490市が回答)
 区の回答率  87.0% (23区のうち20区が回答)
 町の回答率  65.4% (1993町のうち1303町が回答)
 村の回答率  60.0% (570村のうち342村が回答)であった。

 回答率が最も高かった県は、山形県で97.7%◎続いて富山県が97.1%、徳島県が96.0%てあった。

2.市町村障害者計画の策定状況(回答総数2,155件)

 市町村障害者計画が策定済みと回答した市区町村は、  19.8%(427件)。
 うち、
 市では   39.2% (回答数490のうち192件)
 区      85.0% (回答数20のうち17件)
 町      13.7% (回答数1,303のうち179件)
 村      11.4% (回答数342のうち39件)であった。

 策定中(実際に策定中であるか具体的な策定予定がある)は  33.6% (725件)
 策定するかどうか検討中は                       36.7% (791件)
 当分のあいだ策定する予定はないは                  7.7% (165件)
 回答なしが                                  2.2% (47件)であった。

3.市町村障害者計画の策定時期、および位置づけ(計画策定済と回答した427市区町村中)

(1)計画を策定した年度
 平成8年度  40.8% (174件)
 平成9年度  15.9% (68件)
 平成7年度  15.0% (64件)
 平成6年度  13.1% (56件)
 平成5年度   9.1% (39件)

(2)障害者を対象とした単独の計画であると回答した市区町村は、  65.8%(281件)。
   総合計画の一部であると回答したのは、               25.8%(110件)であった。

(3)市区町村単独の計画であると回答した市区町村は、    90.4%(386件)
   広域圏域の計画であると回答したのは、            0.9%(4件)
   一部広域圏域に対応した計画であると回答したのは、    0.5%(2件)であった。

4.計画の内容(計画策定済と回答した427市区町村中・複数回答あり)

 施策の数値目標を含む                   26.5%(113件)
 計画内容の見直しに関する規定を含む         60.2%(257件)
 精神障害者に関する施策を含む             76.6%(327件)
 難病など障害認定されない人に関する施策を含む  28.6%(122件)

5.計画策定の経緯(計画策定済と回答した427市区町村中・複数回答あり)

(1)計画策定を進めた誘因
 行政が主体的に計画策定を推進した  89.2%(381件)
 障害者当事者や団体の運動       10.3%(44件)
 議会による働きかけ              3.8%(16件)
 市民から計画策定の要望があった     1.9%(8件)
 マスコミ等による報道やキャンペーン    0.9%(4件)

(2)計画策定にあたって参考としたもの
 都道府県の計画                      71.7%(306件)
 総理府の「市町村障害者計画策定指針」       48.0%(205件)
 「厚生省関係障害者プランの策定方針について」  46.8%(200件)
 他市区町村の計画                    19.9%(85件)
 他都道府県の計画                     5.9%(25件)

(3)障害当事者あるいは団体がどのように関与したか
 地方障害者施策推進協議会または計画策定委員会に参加した  71.4%(305件)
 障害当事者(団体)に対するアンケートの実施             60.7%(259件)
 障害当事者(団体)に対するヒアリングの実施             34.9%(149件)
 関与しなかった                                 4.5%(19件)

6.計画策定を困難にしている条件・背景(回答総数2,155件中・複数回答あり)

 担当人員が不足                30.9%(666件)
 専門的人材に乏しい              24.5%(528件)
 財源が不足                    22.1%(477件)
 都道府県から明確な指針が得られない   14.5%(312件)
 現状の施策で対応が可能だから       12.5%(270件)
 障害者数が少なく、ニーズを把握しにくい  12.2%(262件)
 広域圏域での取り組みができないため   10.2%(220件)

7.地方障害者施策推進協議会の設置状況(回答総数2,155件中)

 設置した                         6.2%(133件)
 設置中である                      2.2%(48件)
 検討中である                     51.3%(1,105件)
 「地方協議会」に準ずる機関で審議している  16.7%(360件)
 回答なし                        23.6%(509件)

8.地方障害者施策推進協議会の設置時期、開催頻度、委員数等(協議会設置済と回答した133市区町村中)

(1)協議会を設置した年度
 平成8年度   30.1%(40件)
 平成9年度   26.3%(35件)
 平成7年度   12.0%(16件)
 平成6年度    6.0%(8件)
 平成5年度    1.5%(2件)

(2)年間に何回開催されるか
 1回~3回   73.7%(98件)
 4回~6回   11.3%(15件)
 0回        3.8%(5件)
 7回~10回   3.0%(4件)
 11回以上    0.8%(1件)
 *平均回数:2.5回(協議会設置済133市区町村のうち本設闇に回答した123件内の平均値)

(3)委員数は何人か
 10人以上    84.2%(112件)
 7人~10人   11.3%(15件)
 4人から6人    0.8%(1件)
 *平均人数:17.3人(協議会設置済133市区町村のうち本設間に回答した127件内の平均値)

(4)委員のうち障害当事者は何人か
 1人~3人   57.1%(76件)
 4人~6人   30.1%(40件)
 7人~10人   2.3%(3件)
 11人以上    2.3%(3件)
 0人        2.3%(3件)
 *平均人数:3.3人(協議会設置済133市区町村のうち本設聞に回答した125件内の平均値)

(5)条例に基づいて設置されたか
 条例に基づいて設置された      42.9%(57件)
 条例に基づいて設置されていない  47.4%(63件)
 回答なし                   9.8%(13件)

市町村障害者計画 全国県別策定状況
「障害者計画策定に関わる第2次市区町村長アンケート調査」より

都道府県名 策定済 策定中 策定検討中 策定予定無
北海道 16 15 67 36
青森県 28 13
岩手県 22
宮城県 26
秋田県 15 32
山形県 26
福島県 18 30
茨城県 23
栃木県 22
群馬県 22 24
埼玉県
千葉県 22 18
東京都 31 10
神奈川県 11
新潟県 34 31 12
富山県 23
石川県 14 18
福井県
山梨県 50
長野県 16 34 36
岐阜県 11 43
静岡県 50
愛知県 60
三重県 14 28
滋賀県
京都府 12 11
大阪府 13 17
兵庫県 15 48
奈良県 13
和歌山県 28
鳥取県 12
島根県 14 11
岡山県 22 40
広島県 15 29
山口県 24 12
徳島県 35
香川県 17 13
愛媛県 17 29
高知県 19
福岡県 33 19
佐賀県 23
長崎県 25 23
熊本県 42 11
大分県 12
宮崎県 13 12
鹿児島県 41 14
沖縄県
札幌市
仙台市
千葉市
横浜市
川崎市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
広島市
北九州市
福岡市
合計 427 725 791 165
市数 192 215 68
区数 17
町数 179 424 556 115
村数 39 84 166 46

地方障害者施策推進協議会全国県別策定状況「
障害者計画策定に関わる第2次市区町村長アンケート調査」より

都道府県名 設置済 設置中 検討中 準ずる機関で審謝
北海道 85
青森県 28
岩手県 21
宮城県 21
秋田県 24 12
山形県
福島県 32
茨城県 21
栃木県 19
群馬県 36
埼玉県
千葉県 18 13
東京都 16 12
神奈川県 14
新潟県 43 11
富山県 19
石川県 23
福井県
山梨県 43 10
長野県 54 18
岐阜県 46
静岡県 21 23
愛知県 41 18
三重県 33
滋賀県
京都府 13
大阪府 15 13
兵庫県 23 26
奈良県 20
和歌山県 24
鳥取県 10
島根県 18 10
岡山県 38
広島県 27
山口県 12 12
徳島県 16 19
香川県 21
愛媛県 40
高知県 17
福岡県 12 35
佐賀県 22
長崎県 33
熊本県 28
大分県 17
宮崎県
鹿児島県 17 18 11
沖縄県
札幌市
仙台市
千葉市
横浜市
川崎市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
広島市
北九州市
福岡市
合計 133 48 1,105 360
市数 66 15 202 122
区数 10
町数 55 23 697 195
村数 10 206 33

主題:障害者計画策定に関わる第2次市区町村長アンケート調査報告書

発行者:新・障害者の十年推進会議

文献:25頁~32頁