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住み慣れた街の声-障害者問題における地域福祉の在り方調査・研究

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パネルディスカッション

『障害者問題における地域福祉の在り方に関する調査・研究』

住み慣れた街の声

報告項目

  1. 介助
  2. 住宅
  3. 移動
  4. 教育
  5. 昼間の活動
  6. 社会参加
  7. 権利擁護

●パネラー紹介●

飯村ふみ子 東京都心身障害者福祉センター
三沢 了 新宿ライフ・ケアセンター
池原 毅和 東京アドヴォカシー法律事務所
井口 要 障団連 会長
天方 宏純 障団連 事務局長
司会 片桐 義晴 (主任調査研究員)

はじめに

 どんなに障害が重くても、住みなれた地域で生活していける社会作りこそ、障害者福祉が目指すべきものであるといえます。これまでの頁で解析されてきた介助・住宅・移動・教育・昼間の活動・社会参加・権利擁護の7つの項目のアンケートの結果をもとに、パネルディスカッションを行ないました。
 ユニバーサルデザインの方向性、当事者参加の福祉の在り方、権利擁護のシステム作りという3つの視点・論点に基づいて、今後の障害者の地域福祉の在り方について検討していきたいと思います。

パネルディスカッションの進め方

 このディスカッションはアンケートに寄せられた声なき声を出来るだけすくい取っていくために企画しました。これからの福祉の在り方の展望について考えていきたいと思います。司会は、当アンケートの主任調査研究員である片桐義晴が努めます。パネラーの方々をご紹介します。東京都心身障害者福祉センターの作業療法士であります飯村ふみ子先生、東京アドヴォカシー法律事務所の池原毅和先生、新宿ライフ・ケアセンターの代表であります三沢了先生、そして、障団連の会長井口要と、同じく障団連事務局長の天方宏純の計5名でディスカッションを進めていきます。
 それでは、ディスカッションの3つの視点、論点である、当事者主体・ユニバーサルデザイン・権利擁護について、各先生に解説して頂きます。

パネルディスカッションの視点・論点

ユニバーサルデザインの方向性

 これまで「バリアフリー」という概念に基づいて障害者が出会う障壁の解消を目指した街づくりが行われてきました。今回のアンケート結果から、住宅や移動の問題点などの現状の検証を行ないながらバリアフリーという考え方がどこまで浸透しているのか考察していきたいと思います。
 また、昨今では障害ごとに対応を考えるのではなく、障害の有無に関わらず、誰もが、住みやすい街づくりを目指して「ユニバーサルデザイン」という考え方も登場してきています。障害者への特別な配慮が、かえって障害者を特別視することにつながっているのではないかという問題点も浮かび上がってきているようです。現状が抱える課題を検討することを通して、こうした新しい概念が登場してきた背景やその有効性も合わせて考察していきたいと思います。

当事者参加の福祉の在り方

 今日従来の施設を中心とした福祉施策から住み慣れた地域社会での自立生活を支援する施策へと転換がなされつつあります。こうしたなか、障害当事者の参加の在り方が模索され始めています。しかし、一方で当事者参加という言葉が一人歩きしているような印象もあります。
 そこでケアマネジメント、ピア・カウンセリング、自立プログラム、生活支援事業などのキーワードを参照しながら専門家との新しいパートナーシップの形成も視野に入れ、今回のアンケート結果を検証する作業を通じて、当事者参加の多様な形態の可能性を探っていきたいと思います。

権利擁護のシステム作り

 障害者に対する権利侵害への批判を多く耳にするようになりました。それだけ障害者の自らの権利に対する意識の深まりが見られるようになったといえます。また、意思決定の過程に援助していくことも求められているのです。こうした2つの側面は、当事者の権利擁護を考えるうえで重要な問題を提起するといえます。それは、障害者の権利を擁護する立場にある人が権利擁護という名のもとに過剰な保護を行うことで逆に権利を侵害してしまうことも考えられます。
 こうした点を踏まえながら、アンケート結果をもとに、権利侵害の現状を検証し、権利擁護システムの課題について考察して行きたいと思います。

パネラーからの問題提起

誰もが住みやすい街に

東京都心身障害者福祉センター 飯村 ふみ子 今まではユニバーサルデザインという言葉よりも、バリアフリーという、障壁を取り除く、壁がなくて自由にどこでも行ける社会がいいなというところまで来ていたと思うんですけど、今度は、誰もがいつでも住めるような、デザイン。つまり、誰もがいつ車椅子になるかもわからないので、どうせ作るなら最初から車椅子が使えるような家や乗り物を作ったらいいんじゃないか、という時代になってきました。
 ユニバーサルデザインという考え方を導入すると、例えば車椅子住宅というと、1階にずらっと並んでいます。地震やエレベーターのことを考えると1階の方がいいという人もいます。しかし、なんで並べるのかという人もいます。スウェーデンで見た時は、上の階でも好きなところに住んでいました。特別な対応はありませんでした。一般の住民としての意識で住んでいたように思います。果たして皆さんどうでしょうか。御家族ともども、入居なさる方はどちらがご希望でしょうか。そういったご意見も言って頂きたいと思います。
 ハートビル法ができて、新しくできる都営住宅はバリアフリーにはなっています。しかし、ユニバーサルデザインまでは今一歩というところです。最近では民間のアパートでも、最初から車椅子で住めるような物もできています。
 住宅と同じように移動の方でもかつては自分が外に出るためには、車椅子で乗れて、ドアtoドアで行けるタクシーというものが主でした。今、このセンターにも専用のリフトキャブが走っていますが、もっと、一般の人と一緒に一般の路上を走ってる車に乗りたいということであれば新しく作るバスは交通局も低床バスなどを作ると思います。また、運転手の人はハンディを持った方がいつ来てもいいように全員研修を受けています。
 一般の車に乗っている時と障害を持った人ばかりが乗っている車に乗っている時とではどんな風に感じるでしょうか。アンケートでは乗りづらいという声もありましたが、こういった接点の持ち方もあるのではないでしょうか。細かいところまでまだまだユニバーサルデザインというところまではいっていないかもしれません。それでもスウェーデンに行ってみると、全員が一般の車に乗っています。そこまでいくには後何年かかるでしょうか。誰もが乗れる、誰もが使える、どんなに重度の人でも住みやすい街にしなければなりません。いつまでも1人1人にあわせて、条件を考えてというスタンスは行政の方も手を引きはじめています。
 これからは皆さんが路上にある障害物を取り払ってくださいとか、じかに言っていくことも必要なのかなと思います。また、御家族の人なども遠慮なく言って頂けるような状況をどうやって作っていったらいいのか。白杖の方もどんどん外出するようになっています。まだまだガイドヘルパーやホームヘルパー、手話通訳者など介助者は足りないかもしれませんが、数は増えているはずですからもっともっと使って頂いて、皆さんの御意見を聞きたいと思います。スロープのある住宅の玄関    

当事者主体のサービスを主流に

新宿ライフ・ケアセンター 三沢 了 当事者参加の福祉の在り方と介助サービスにおいて、当事者主体という視点が重要なものになります。そこでまず、当事者主体のサービスとは何なのか、当事者のニーズとは何なのかを考えていく必要があります。これまでのサービスは行政側が「この人はこの点で劣っているから」とか「一般の人とは違う」というレッテルを貼ってサービスを提供してきました。レッテルというのはいわゆる障害者手帳なんですが、あくまでも行政主体。行政の都合で提供され、サービスの受け手でしかありませんでした。そうするとサービスを受けるということが恥という意識が日本社会全体にあって、それが福祉サービスの位置付けでした。これを根本的に覆し、当事者がサービスの担い手になるということが言われ始め、それを具体的にしたのが、自立生活センターです。受け手であり続けたサービスにおいては正々堂々としていいんだ、サービスを受けてそれぞれ住み慣れた町で暮していく力を引き出す手伝いをしよう、個々が持つ力を生かす支援をしよう、というものです。現在自立生活センターは全国に約80ヶ所あります。今まで団体というものは地域で活動し、行政に対してこういうものをくれ、ああいうものではだめだ、と言っていましたが、一定の条件さえ提供されれば、そこからサービス提供をしていこうという形になってきました。一般就労の難しかった人達が仲間にサービスを提供することを仕事として始め、1つのシステムにして大きな力にする為に全国自立生活センター協議会(JIL)が10年ほど前に発足しました。
 地域で暮らすのに必要なサービスとして、利用者の力を引き出すピア・カウンセリングは欠かすことができません。重度の人でも地域で生きていくことができるように、という活動をしていますが、制度では完全な形での認知はされていません。しかし、どんな地域でも生活できるように国や自治体に働きかけていくことで、市町村障害者生活支援事業が生まれました。新宿ではこれを障団連が委託されているということですが、こうした当事者主体の社会サービスが生まれました。
 2000年に介護保険が始まります。今、65歳以下の障害者は対象ではありませんが老人を対象とした介護保険にいずれサービス全体を組み入れる動きがあります。しかし、障害者が必要とするサービスが介護保険に入れられて、社会参加が活発に出来るか、というと難しいところです。必要となる介助を利用して地域で暮すとなると、もう一度、介護保険ベースにするのか、それとも別立てにするのか、介助サービスをきちんと形作っていくことが大きな課題です。その際ケアマネジメントの在り方というものが、非常に重要になってきますが、当事者主体のケアマネジメントは厚生省で認められていません。一方、東京都ではケアマネジメントというのは他人がやるのは原則ではない、AさんのマネジメントはAさん自身がまず自分ですべき、というセルフマネジメントという原則のシステムを作っていこうとしています。自薦登録制度(自分で推薦した人をホームヘルパーに登録して介助を受ける制度)、全身性(重度脳性麻痺者等介護人派遣)など介助サービスを利用する当人にある程度の金額が渡されて、利用者当人が主体的に払っていけるような形でやっていこうとする動きがあります。今は、当事者が自分の利用するサービスに参画していく方向を主流にさせていく、という状況であり、これが課題となっています。介護保険が入ってきて、措置から、契約システムに福祉サービスの在り方が変わる中で当事者主体のサービスの実績をあげていくことが大切だと思います。

権利擁護にはもっと繊細な意識を

東京アドヴォカシー法律事務所 池原 毅和 権利擁護のシステム作りということですが、その前提になる権利侵害の状況について話したいと思います。中でも介助者や保護者という自称権利擁護者が権利侵害してしまっている、ひつじの皮を着た狼的な、学生時代、送り狼なんて言葉がありましたが、そういう形の権利侵害について考えていきたいと思います。皆さんに見てもらいたいのは行政の人の無理解についてのグラフです。「行政の人による無理解を感じることがあるか」という質問で、「よくある」「時々ある」、合わせて43%。周囲の人の無理解や偏見も「ある」が半数近くあります。グラフの解析によると、全体的に少なくなっている、とありますが、逆に「よくある」「時々ある」が43%という数字は決して少ないとは言えません。言ってもわかってくれない、ということはたった1回あってもその人の人生にとって大きな傷となり兼ねません。絶対あってはならないというのが本来の前提なのです。現状は厳しくこのグラフからはまだまだ傷つけられている人が多い、ということがわかります。もう1つ言えるのは行政の人と周囲の人と比べてみても無理解の割合があまり変わらないこと。でも行政の人は専門家でなくてはいけないはずなのに、変わらないんじゃ何の為に税金を払って、行政にやってもらっているのか、ということになります。新宿区は他に比べて制度が進んでいて素晴らしいところがたくさんあるけれど、よく考えると変だ、ということがあって批判的な目でアンケートを見てみると隠れた数字がわかってきます。今回の二つのグラフを見てまあまあだと思っているようでは権利侵害に対して、繊細な分析ではないと思います。権利意識というのは難しくて、障害者への対応が最初に切り下げられているから、少しよくなってゼロ(標準である)になって喜ぶ。しかし一般になって当り前なのです。例えば、無年金者、障害発生時に税金を払ってなかったから年金がもらえない、という。そもそも年金というのは貰って当り前。しかも、年金の額は完璧とはいえない。もっと先の問題がある訳です。でも私達の権利は切り下げられているから、意識のレベルも低くて時々だったら我慢しようと、とどめられてしまうのが心配です。その辺もっとナーバスになってもいいんじゃないかと思います。
 ホームヘルパーの問題点についてはすべて権利侵害ですが、中でも、送り狼型は「指示通り仕事をしない」「子供扱いする」「プライバシーが守られない」など。また掃除と称して手紙や日記を読む、といった相談がよくあります。この様に援助してもらう人に権利侵害される。これらの問題をあげている人が併せて41%。これは無視できない数字です。介助者のバラツキ、技術不足、というのは欠陥品が送られてきたのと同じで、そういう現状自体スタート地点で切り下げられているんです。ガイドヘルパーや、手話通訳についても同じことが言えます。また、デイサービスについては比較的低い数字でしたが、「職員の質が低い」「サービス自体の質が低い」など合わせて31%で充分とはいえません。数を増やすことも大切ですが、数さえ増えればいいのではなく、中身もきちんとしていかないと意味がないということです。
 見えない権利侵害が隠れているので、本来権利擁護者の一番近くにいてクライシスコールを最初にキャッチできる人達がもっと繊細な意識をもっていく必要があります。いやな思いをぐっと呑み込んでしまうのではなく繊細なシステムが必要で、そのためにはもっと当事者が明確な意識をもつことが必要です。当事者の悩みが外に出ていける形の相談システムが必要です。その1つとしてはピア・カウンセリングでしょうし、専門的な相談者やネットワークをつくっていく必要があると思います。

ディスカッション

司会: ありがとうございました。まず、池原さんからは、権利侵害のデータが実際どうなっているのか、解析して頂きました。まだまだ厳しい現状が指摘されている中でどうしていったらいいのか。なるべく声を外に出していくようなシステム作りが必要ではないか、というお話ではなかったかと思います。
 また、三沢さんのほうから、当事者参加の福祉の在り方ということで、従来の措置制度の問題点、サービスを受ける側が恥をかきながら受けなければならなかったものから、自分達のニーズに応じたサービスを受けるのが当たり前だ、というところにもっていかなければならない、というご提示がありました。先ほどの池原さんの権利擁護の視点を絡めながら、ご意見、補足などありましたらご発言頂きたいのですが。

権利擁護システムの構築

三沢: 権利意識がもっと研ぎ澄まされなければいけないと思います。周りの人だけでなく、当事者自身が自分にどういう権利があるのか、を認識していく必要がある。障害者の権利がこういうものだ、ということを保障した法律を日本の障害者は持っていません。憲法では保障されているかもしれないけれども障害者関係の法律には権利擁護的なものはほとんどありません。もう1つは今、権利擁護とよくいわれて、行政の権利擁護施策などもやっと出来ているが実施主体が社協だったりするわけです。地域福祉権利擁護事業が今年から組み込まれて、社協が主体でやるという事が前提で法律が組み立てられましたが、社協などの行政の天下り先に、自分がどういうところで暮らしたらいいか、相談していいのか。今一番怖いのは下手に相談に行くと、簡単に施設に入るようなアドバイスをされてしまうことになり兼ねないということです。本当の意味での権利擁護システム作りが今後必要になってくると思うのですが、池原先生、その辺のシステム作りというのはどういう形なのか教えて頂きたいのですが。

池原: 社協や行政主導が全く駄目とは思いません。社協、行政とはちょっと違った場所に、行政からある程度お金は出してもらって、当事者が運営する権利擁護機関が都内に数箇所あれば、と思います。しかし、それがあるだけで有効に機能するものではなく、権利侵害をされた人がそこに行きつくまでにはいくつかのプロセスがあります。まず、自分が許せないことだと思うこと、一緒になって協力してくれる仲間がいること、アドバイスをしてくれるセンター的な権利擁護機関があること、この3ステップぐらいがあります。それを要にしながらもう少し日常的なネットワーク機関、例えば障団連のような相談窓口であったり、もっと日常生活に近い部分、権利擁護者として動かなくても、ヘルパーや作業所の職員が相談窓口であってもいいわけです。明確な権利意識とかある程度の知識を持っていれば、必要な時にそこからもっと上の権利擁護者につなげていく、ということができるわけです。

ユニバーサルデザインの展開

井口: 私は都営住宅に住んで25年ですが、最初、階段が4段あるので「スロープを付けてほしい」といったら、「施設に行った方がいい」という意見が理事会で多かった。私はそれでも頑張ってスロープの方がいいと言っていたんです。それが今ではエレベーターが付いた。何故ついたかというと4階や5階の人が高齢化してきて、社会情勢の変化もあるけれど自分達の権利としてエレベーターが欲しいという訴えがあったからなんです。こういうことを考えても、もっとユニバーサルデザインを急速に進めるべきだと思います。その為には制度の整備が立ち遅れているために、新宿区でも施設の調査をやったんですけれども、区の施設自体が障害者にとってかなり利用しにくい。行政は、ユニバーサルデザインの発想を持っているのか、飯村先生にお聞きしたいのですが。

飯村:  新しくできる都営住宅は基本的にバリアフリーを考えています。しかし、更に車いす対応、高齢者対応というと、どう進めていいかわからないという状況だと思います。今あるものを建て直すとなると、20年、30年先になってしまう。今、上の階で、助けを求めている人はたくさんいます。できる範囲の可能性で、という現状ではありますが、射程距離には入ってきているという、抽象的な表現しかできません。行政の発想としては個別に建て直すようなことはするまい、というものをもっています。

三沢: ユニバーサルデザインが当たり前になっていくというのは、これからの方向として当然出ていかなければいけないと思うのですが、ユニバーサルデザインとその中での個別対応というのはどのようにお考えでしょうか。

飯村: 本人に合わせた発想を展開しています。今入居している方々にも改造費を出すということをやっていますが、その改造費が縮小化傾向にあるのが現状で、ニードの増加に反して予算が膨らまず、都としては頭打ち状態にあります。

当事者参加における当事者の質

天方: 当事者が色々な場面で参加してきていますが、当事者参加にあたって求められるもの、質、があると思うのですが、その「質」、参加の仕方とはどうあるべきでしょうか。当事者とはどういう人を指すのか。また、専門家と当事者の連携は今後どうなっていくのでしょうか。もっと綿密な連携をとってもいいと思うのですが、三沢さん、どうでしょうか。

三沢: この場合当事者というのは当然障害者のことですが、障害者なら誰でもいいかというと、それは違うと思います。国や地方自治体が何か施策を作ろうとした時、審議会というものを行います。その中でも、障害者のことを検討する審議会がある。例えば運輸省が交通システムを検討するという時に電車を使ってない人がその審議会にでている。これは当事者ではないんです。電車ならそれに最も身近な人、今の状況を変えていかないといけない、という体験をできた人が参加するのが当事者参加であって、自立生活センターが活動するに当たっても全然介助の必要ない人とか、体験の乏しい人が考えたサービスが果たして利用者にとって意味があるのか、様々な体験、バリアをクリアしてきた人がやってこそ、当事者参加の役割を果たしていくことが出来ると捉えています。
 専門家との連携は、役割分担的なところがあって、当事者の発言がなかなか認められない時、専門家の人がそれを補強するというような立場であると言えます。

井口: 新宿区で活動していて、区の求める人材は区役所に行ける人、ある程度意見を言える人だと感じます。発言しづらい状況にある人のところに行って聞くとかしないと本当の意味での公正ではないと思います。それを私たちが求めていかなければいけないし、交通システムの集会にしても移動が相当困難だというデータが出ているのに、手紙一本で会議への参加を促すというのは障害者に理解がないと思います。

池原: 当事者主体が必要な理由として次の2つの点が挙げられます。1つは体験した当事者が一番よくわかっているので、ニーズに対応できるという実質的な理由、もう1つは自らが同じニーズを持っているということです。
 なぜ当事者が主体的に参加しなければいけないかというと、参加という言葉自体、消極的ですが、それは自分の運命を自分で決める権利があるからです。つまり、自分に対する施策は自分で要求する、それが広い意味での自己決定権になる。そういう観点から当事者主体の必要があるわけです。

会場からの声

質疑応答のコーナー

司会: 「当事者参加」というよりは「当事者主体」について議論が高まっていますが、フロアの方で何か質問があればどうぞ。

男性:  成年後見制度とヘルパーについて2点あるのですが、成年後見人は普通兄弟や親族で、適当な人がいない場合、今の制度の原案ではとても困ることになると思います。外国では、公的機関が成年後見人になって財産を管理していますが、日本ではそれは難しいのでしょうか。
 それから、東京の場合、ヘルパーが民間の人でやっていて、視覚障害者など、お金をとられたりしています。公の職員なら、そうした場合市区町村に請求できるので、この点で極めて安心です。ヘルパーを受ける人は1人で住んでいて、精神障害や知的障害を持つ人が多い。お金を持っていかれても自分で判断できないので、ヘルパーが公的な身分じゃないと安心できないと思います。

池原:  1999年1月26日付けで成年後見制度の法律の要綱案ができていて、これから公開されることになります。欧米のような、公的な機関が後見人になってくれることは、日本の制度では結果的に出来ません。しかし、後見人として適していると裁判所が判断すれば、法人が後見人になることはできます。しかし公的なものが全ていいかというと、そうでもなくて、外国で本人や家族のお話を聞くと、公的なものというのは、書面のやりとりとか、事務的なものになりがちで、どうしてもいなければ使うけれども最初から公的な後見人をと考える人は少ないようです。その後見人問題の1つは、管理者がお金を騙し取ってしまう問題。そしてもう1つは本人の生活を豊かにするようなお金の使い方ができるか、といったもう1つレベルの高い問題です。欧米で公的な後見人が望まれないのはお金を騙し取ることはないけれども、おそらく本人の気持ちというものに対して理解がないという不満があるのではないかと思います。日本の成年後見制度に立ち返ると、これから、裁判所とか後見監督人という人をつける事ができて、お金のごまかしをチェックすることはできるでしょう。でも、問題は本人が勝手にオートバイを買っちゃったなんていう時に、成年後見人になった人に取り消し権が認められることになりそうなのですが、最も大事なのはどこまでそれを認めるかということです。本人は買いたいと言っている。後見人は無駄だと思っている。取り消し権の実際の運用レベルがしっかりしていない為に後見人のさじ加減になってしまう。騙し取られることもないけど、自由に使うこともできないという可能性があるんです。その辺がしっかりしていないと、せっかく制度ができても、何ら変わらなくなってしまい、その辺が成年後見制度の問題かな、と思っています。

飯村:  ヘルパー問題についてですが、全体の傾向として都では各市区町村直属の公的ヘルパーの数は増えていません。増やすには家政婦協会等に委託するしか手はありません。日本ではヘルパー1級、2級、3級と回を重ねてチェックしていますが、フィードバックがない限りわからないというのが現状です。ヘルパーの数が必要、質も求められていて、私自身、金銭管理できない人のお宅にヘルパーが入るときは、必ず仲介に入り鍵のかかる場所を作って、毎日いくらずつとか、本人にトレーニングする、といったことはやっています。しかし、実際のところ印鑑や通帳を渡してしまう人が出てきてしまうので、そうなるともう収拾の付かないのが実態です。

三沢:  公的派遣が必ずしも良いとは限らない。本人が自分でこの人をヘルパーとして登録する、という自薦登録制度をもっと浸透させていく必要があると思います。昨年、介助問題のことで集会があってどのように介助システムを作っていくかという議論の時に特に知的障害や精神障害を持つ人は「自分の安心できる人じゃないと、うまく利用できない。」という意見がありました。ポッと行政から派遣される人では、本当にやって欲しいことを分かってくれなかったりするので、利用者にとって安心できないわけです。
 またヘルパーの不正のチェックはもう1つの重要な課題だと思います。

これからの福祉の動向

パネラーの感想

司会:  それでは、御三方から感想をお願いします。

飯村: 出来るところからしか福祉の対応が出来ていない。結局重度の人とか声をあげられなかった人、社会的に接触を持たなかった人とかには不十分です。「みんなで考える」と言葉では言っても本当に積極的に関わってくれないと対応できませんでした。できるところからというよりは問題のないシステムにしていくしかないかなと思います。これからの改善が大変だ、と痛切に感じます。

三沢:  調査をやって、数字が出て、データ化されて、当事者主体的にデータを読み取って、どんな障害を持っている人でも好きな所で暮らせるように、あらゆる場面でこのアンケート結果を有効な武器として使っていくことを期待しています。行政が一方的に作ったサービスをありがたがって、もしくは不満を持ちながら、ただ使っているだけでなく、当事者がこうしていこうというような、当事者側からの発信をどんどんやっていく形で誰もが住み続けられる地域を作っていければと思います。

池原:  このアンケートから分かるのは、団体に参加してない、ネットワークに入っていない障害者がまだたくさんいるということです。このアンケートに載らないような見えないところで、権利侵害があるかもしれない。もっとそういう人を減らしていき、障害を持つ人が人生って素晴らしい、と思えるような社会を作っていく、その1つに団体のネットワークを広げていく、活動の拡大が出来るといいと思います。
 このアンケートの回答者は相談できる、何かとっかかりがあるわけで、大変なのは間違いないのですが、とっかかりのない人も拾っていけたら、と思います。

井口:  まだまだ、未組織の障害者が大勢います。特に一般就労している人が組織の情報に頼らない傾向があって、不況で解雇されたのをきっかけに、初めて団体と関わりを持つパターンが多いようです。自立生活支援事業で相談を受けていて、区の大多数の障害者に17団体ある障団連の団体のどれかに入ってもらえればいいなあ、と感じました。

天方: 今日の解析でいくつか学んだことがあります。まずは自分で自分のことを決定していくという自己決定権が当事者主体の中では大事だということを、今まで押さえてなかったことと、権利擁護については、まだ権利意識が芽生えていないことを学べました。もっと、自分自身鋭い目で見なければ、と思います。
 ユニバーサルデザインでは、バリアフリーが未だ徹底されていないという思いが強かった。バリアフリーが障害当事者の声であるならば、ユニバーサルデザインは国民的課題というふうに発展させた形で新しく問題提起されているのかな、と理解していました。自分の中ではバリアフリーをもっと!という思いでいたので、ユニバーサルデザインの意味をもっと多くの人に知らせていかなければならない、と思いました。

司会:  このディスカッションを受けてまだまだ考えていかなければならない課題があると感じました。アンケートの結果の読み取りの甘さを思い、更にもう一度見直しながら解析を進めていきます。本日はどうもありがとうございました。

この文章は1999年1月23日(土)に開催されたパネルディスカッションの内容を、まとめたものです。

やさしい用語解説

 福祉業界は「障害」という言葉1つとっても各団体、各個人~いろいろな解釈、考えがあります。ここでは、私たちの捉え方を用語集にまとめてみました。本文中にの下線の引いてある用語をやさしく解説していきます。

ノーマライゼーション
どんなに障害の重い人でも自分の意志で生活を営みたい街で、障害をもたない人と共に社会参加していくという考え方。
バリアフリー
 生活していく人の前に社会が作りだした外的要因として障害者に対しての無理解(ソフト)や道路の段差(ハード)などがあるが、それらをなくした状態。(障壁:バリア)
アドヴォカシー
自己決定が困難な人に対して財産管理や対人関係等で生じる諸権利をその人に変わって援助していくこと。(権利擁護)
ジョブコーチ
障害をもつ人が一般企業や幅祉作業所で就労する際に、当人と一緒になって職場に出向き技術などを援助する人。
QOL
 日本の福祉の概念では衣食住が満たされればよしとする傾向があった近年余暇や外出などでより生活の質の高いものを自分で選びたいという社会参加の在り方を言う。(生活の質)
ADL
障害をもつ人が社会参加するために必要な衣服の着脱や洗顔・食事などの動作を言う。(日常生活動作)
ケアマネジメント
日常生活以外の余暇生活や外出も含め生活サイクルにあわせた介助システムを障害者も参加して評価、計画、決定、フォローすること。
補装具/日常生活用具
 障害をもつ人が日常生活を送る上で支障をきたす時に利用する車椅子、杖等を補装具と言う。また障害者が使い易く工夫されたデヴァイス、電動ベッド等の生活用具を日常生活用具と言う。
24時間ホームヘルプサービス
 ケア派遣事業の内容には2種類の夜間の介助パターンがある。
滞在型・・・・介助者が家に泊まり込み、就寝、寝返り、排泄等の介助を行う。
巡回型・・・・1回の介助サービスを20分程度とし訪問して介助を行う。昼間は障害の重さによって3時間から6時間の介助を受けられる。この昼間と夜間の2つの形を組合せたもの。
介護保険
 西暦2000年より施行される制度で拠出型の介護サービスである。主として65歳以上の高齢者を対象とし、費用の一部を自己負担する。しかし、今までホームヘルプサービス等を利用していた障害者にとっては、サービスの低下などの問題点が提起されている。
ユニバーサルデザイン
障害を負った人に対する個別の対策ではなく、障害を持つ人も待たない人も誰もが住みやすい環境をという立場を原点とした考え方。
ハートビル法
 (高齢者、身体障害者等が円滑利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)1994年、国が定めた公共建築物に関する法律。エレベーター、車椅子トイレ、点字ブロック、スロープ等の設置を義務付けている。都道府県においては個別の条例が別途定められている。
リフト付きバス/ノンステップ
 バス路線バスの中で定期的に組み入れられている。停留所とバスの段差をリフトやスロープで乗降でき、車稿子等の利用者が乗りやすいよう配慮されている。
バス・ロケーション・システム
 視力障害者に対しては停留所でバスの発進の音声ガイドを行い、またバスのなかでは行き先や停留所を案内する文字表示や音声ガイドシステムがある。
グループホーム/ミニ療護施設/ケア付き住宅
 グループホーム、ミニ療護施設は、施設とは異なり、4~5名程度の障害者がケアを受けながら生活をする場所。ケア付き住宅は一人暮らしの障害者に対し、24時間の公的なケアを派遣する。
自立プログラム
 障害をもって地域で生活していくための技術を実践を通して学ぶ自分のできないことを障害の程度に応じて認識し、習得する場でもある。
自立
 常に自分の生活を今以上に高めていこうとする生き方をしていて自己決定権の力を広げたり、対人関係を上手に組み立てることに挑戦していること。自分の生活を前向きに捉えていること。
福祉的就労
 社会や企業の無理解や障害が重いということで、就職できなかった人たちが、昼間作業をする場所。小規模作業所や福祉作業所等がこれに当たる。
障害基礎年金
 一般の年金拠出制で60歳以上を支給対象としているが、障害基礎年金は拠出制と無拠出制があり、障害の発生により20歳から受給できる年金で、1級・2級に分かれている。
各種手当
 障害の重い人に対して障害基礎年金と併せて国や地方自治体から給付されるもので、市町村によって給付額はまちまちである。支給されない市町村もある。
ライフサイクルにおける障害者問題
 高齢者問題は65歳以上というように年齢で制度解釈がなされるが、諸外国ではハンディキャップという視点でとらえ、年齢的な制度でなく赤ちゃんからお年寄りまですべての人を対象とするという考え方。
ピアカウンセリング
 これまでの障害者に対する相談は、行政機関や福祉専門家がアドバイスしてきたが、障害をもった者が、先輩として自らの経験をふまえ相談にのること。
オンブズマ
制度等が適正に行使されているかどうかをチェックし、正しく行使されていない場合、主体者に対し、情報の公開や改善を求める機関。
エンパワメント
 どんなに障害の重い人でも地域で生活していきたいという当人の願いを実現するため、よりよい生活の質を獲得するための援助の在り方。
最重度の障害
 自分で意志決定ができず、常に生活の主体を援助する家族等が行っている重度の障害者。
これまではこのような障害の重い人は親亡き後施設入所というパターンであったが、これからは地域でグループホーム等を活用しながら生活していく方向性が望まれる。
デイサービス/在宅訪問サービス
 在宅の高齢者、障害者に対し、施設等に通って施設内の設備を利用して入浴、給食、リハビリなどのサービスを行なうことをデイサービスと言い、専門職員がデイサービスと同等のサービスを訪問して行なうことを在宅訪問サービスと言う。

街の声

 このコーナーは、アンケートを行なった際、自由記述欄に寄せられた新宿区内に在住する障害を持つ人々の声を掲載したものです。どれも実際の生活に根付いた切実なものであるだけに、多くのものが耳を傾けさせ、うなずかせる力があります。私達は、これらの市民の声をぜひ今後の福祉政策に活かしてほしいと考えています。
 なお、寄せられた声はこちらで「介助」「移動」といった各章のジャンル別に分けさせて頂きました。

概要

  • 障害者手帳のメリットを増やしてほしい。(精神障害者・34歳・男)
  • 制度を利用していく中で、新宿区の福祉に対する「やさしさ」を感じました(例として、住宅改造を入院中に行なうことにより、安心して通院できるようになったこと)。(肢体不自由・76歳・女)
  • 区役所やデイサービス施設職員の方々に、また区の諸制度に、精神的にも肉体的にも経済的にも支えて頂いていることに、心から感謝しております。(肢体不自由・78歳・女)
  • 新宿区の福祉対策がよく行き届いているので、感謝している。(肢体不自由・72歳・男)

介助

  • ガイドヘルパー制度は知的障害はなく、外出時に是非必要なものです。また、地域生活を親がいなくても出来るようにして欲しいです。(知的障害・36歳・男)
  • 現在金銭管理以外はほぼ自分一人で出来ますが、これから20~30年先になってきますとどの程度のことが出来なくなるのかわかりません。(知的障害・24歳・女)
  • 妻が人工透析とその他の病気のため、常に家にいなければなりません。妻がホームヘルパーをお願いしていますが、時間が短かく自分の外出もできません。(男)
  • 2年後の介護保険制度が発足しても障害者の介護制度が不利にならないようにしてください。(69歳・男)
  • ガイドヘルパーを週2回お願いしていますが、エスカレーターや階段や電車の乗り降りがとても恐いので研修を受けていただきたいです。(視覚障害・72歳・女)

住宅

  • 公営住宅に住みたい。(精神障害・59歳・女)
  • 都営住宅、区民住宅等の公営住宅で車イス用住宅を区内に増設して欲しい。ケア付住宅への発展につながれば一層良い。(肢体不自由・53歳・男)
  • 本人はまだ中2ですが、卒後や親亡き後のことを考えると不安になることばかりです。(知的障害・14歳・女)
  • 緊急一時保護施設の充実をして頂きたい。(知的障害・28歳・男)
  • 親亡き後も住み慣れた新宿で生活して行ける様願っております。(知的障害・32歳・女)
  • 将来施設に入ることより、なるべく地域の中で生活させたいと思います。(知的障害・13歳・女)

移動

  • 駅にエレベーターを設置したり、電車を利用しやすいようにしてほしい。(肢体不自由・8歳・男)
  • 私たち視力障害者は、地下鉄駅周辺の自転車放置が非常に危険です。今後行政機関に訴えていかなければならないと思います。行政に対しても障害者自ら一致団結するところからも始めなければなりません。(視力障害・44歳・男)
  • 一般の道路の段差を解消して欲しい。リフトバスをもっと導入して欲しい。(肢体不自由・39歳・男)
  • 公共施設でさえ車イスでの乗り入れが難しく、小学校で孫の授業参観があっても階段を利用しなければならず、とても大変です。車道は十分整備されていて車イスも走行しやすいのに、歩道は舗装の荒い所もあり、車イスの前輪が穴にひっかかり急停車状態で落ちそうになったことがあります。(肢体不自由・78歳・女)

昼間の活動

  • 区の老人福祉会館、コミュニティーセンター等に障害者用の余暇センターを設置して欲しい。(知的障害・19歳・男)
  • もっと精神障害者がもらえる手当を増やして欲しい。(精神障害・46歳・男)
  • 施設や学校しか行き場がないのではなく、学んだことを身近で実践できる場を地域の中で作って欲しい。(肢体・内部・知的・7歳・男)
  • 区立の障害者施設・福祉作業所など、希望する人は通所できるようにして欲しい。(44歳・男)

社会参加

  • 緊急時にいつでも介助者を派遣できるような区、又は民間の支援センターを望む。(56歳・男)
  • 何か急に困ったことが起こった時に電話ですぐに飛んできて下さるような方が、区役所なり、保健所なりにいて下さると心強いことです。(75歳)
  • 災害時対応のため手話通訳者をたくさん増やして欲しい。公的機関などにはテレビ電話を設置して欲しい。(44歳・男)
  • 『障害者福祉の手引き』でどのような手当やケアが受けられるかわかりやすくして欲しい。(知的障害・15歳・男)
  • 「地域に暮らす」と一言でいっても、親子共々「暮らし続けていく」のは本当に大変です。現状では将来に何ら希望が持てません。(34歳・男)
  • 新宿区内の各福祉団体が可能な限り当事者主体で運営していって欲しい。(34歳・男)

権利擁護

  • 知的障害者はノーマライゼーションに一番遠いところにいます。この子が地域で生きていくにはまず健常者に深く関わり、障害の実態も可愛らしさも知っていただくしかないと思います。(知的障害・19歳・男)
  • 身障手帳をS47年に受けて以来、利用方法を全くといっていいほど知りませんでした。もっと早く障害者に対する設備、制度のあることを知っていればよかったと思います。
  • 施設のスタッフの専門性・経験等質の向上を強く要望します。移動が頻繁で知らないことが多いスタッフばかりでは安心して通ったり相談できません。(7歳・男)
  • 障害者の地域福祉について考えるのは大変な事業ですが、当事者の気持ちになって考えることが大切だと思います。(76歳・女)

左の写真:バスから降車する車椅子の様子、右の写真:施設の作業風景

編集後記

-共に生きる社会を目指して-

 普段なにげなく過ごしていると、自分が暮らしている街に対して“生活のしにくさ”のようなものに対して鈍感になりがちです。特に健常者と呼ばれる身であれば、なおのこと街が抱えている“障壁”を感じることが苦手となります。でも視点を変えてみれば、自分の暮らす街が誰にとっても暮らしやすい街であるとは限りません。例えば、自分一人で歩いているときは気づかないようなことでも、障害をもつ人と共に歩いてみると、全く違った世界に感じられることがあります(私自身は、こうした経験が何回かあります)。このアンケート調査は、これからの福祉を考えていくための基礎資料作成を目的として始めたものですが、その根底には、自分たちだけでは見落としてしまうことを、「住み慣れた街の声」に謙虚に学んでいこうという思いがありました。
 とはいうものの、ここまでくるのに試行錯誤の連続でした調査票を作成するところからも、何をどのように尋ねることがよりよいのか、日々頭を悩ましていました。アンケートの回答が集まってからは、こうして寄せられた声にどう耳を傾けていけばよいのか、またまた苦悩の連続でした。私自身は、身体障害をもつ人々の介助者としての観点がどうしても先にたってしまい、自分が普段接する機会の少ない障害の観点からデータを読み取っていくことが、なかなか出来ませんでした。その意味でも、単に障害という視点から学ぶというだけでなく、さらに様々な障害という視点から学ぶことの大切さを実感できました。
 もちろん今から振り返れば、こうした苦しみもよい思い出です。特に、アンケートの解析のために、スタッフ一同で合宿を行なった夏の八ヶ岳でのひとときは、楽しい思い出のひとコマです。
 ただ心残りなのは、アンケートに寄せられた声を十分に汲み取ることが出来たのだろうか、という思いがどうしてもぬぐえなかったことです。アンケート調査のよいところは、多くの人の声を集約できるところにあると思いますが、その反面、一人ひとりの貴重な声が埋もれてしまう欠点もあります。この報告書では、自由記述欄に寄せられた声を「街の声」としてデータの解析に活かすなど様々な工夫を試みましたが、まだまだ別な方法もあったのでは、という思いが残ります。
 また、数値として集約した回答者の声を、説得力のある言葉へと私たちがまとめ直すことができたのだろうか、というところも気になるところです。今となっては、この報告書に紡ぎ出してきた私たちの報告書が、本当に意味ある言葉になりうるのかどうかは、読者の皆さんの判断に委ねるしかありませんが、不十分な点は皆さんにもう一度ほぐし直してもらい、豊かなものの見方や考え、行動を今度は皆さんに育んでいってもらえたらと思います。
 最後になりましたが、これほどのおおがかりな調査を小さな民間団体が行なうには、多くの人々の協力がなければ成し得ないものです。この場を借りて、アンケートに回答して下さった方々、調査に際して有形無形の協力をして下さつた方々、そして共に調査に携わったスタッフ一同にお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。平成11年3月末日   調査研究主任 片桐 義晴

「障害者問題における地域福祉の在り方に関する調査」

アンケート調査表

回答を記入する際には、添付しました「解説書」をよくお読みになってからお答え下さい。

新宿区障害者団体連絡協議会

No.    (記入不要)§調査の分析を行うための基礎資料とするために、はじめに、あなたや御家族のことについてお尋ねします。障害の違いにかかわず、みなさん回答してください。(選択肢のあるものは、番号に○印を付けて下さい)

回答者 1.本人
2.家族が代理で回答
3.その他
記入者 1.本人
2.家族が代理で記入
3.その他
年齢 満   歳 性別 1.男
2.女
主な障害が発生したときの年齢    歳
新宿区在住年数    年
手帳の種類 1.身体障害者手帳   種    級
 
2.愛の手帳      度

3.障害者手帳     級

4.戦傷病者手帳

5.被爆者健康手帳

6.公害医療手帳
障害の種類 1.上肢機能障害

2.下肢機能障害

3.体幹機能障害

4.視覚障害

5.聴覚障害

6.言語障害

7.平衡機能障害

8.内部障害(心臓、腎臓、呼吸器など)

9.知的障害

10.精神障害

11.てんかん

12.その他(       )
同居者の続柄 1.一人暮し

2.父

3.母

4.配偶者

5.兄弟姉妹(    人)

6.子(婿・嫁を含む。    人)

7.孫(    人)

8.その他(続柄:     )
現在室内、及び外出時に使用されている主な補装具 1.使用していない

2.電動車イス

3.手動車イス

4.バギー

5.歩行器

6.歩行補助用杖

7.上肢装具(義手を含む)

8.下肢装具(義足を含む)

9.ストレッチャー

10.白杖

11.義眼

12.盲導犬

13.眼鏡

14.信号機・音声ガイド標識遠隔操作発信器(シグナルエイド)

15.補聴器

16.伝言カード

17.点字器

18.収尿器

19.人工喉頭

20.頭部保護帽

21.その他(       )

※「手帳の種類」の項目以下は、該当するものすべてに○印を付けて下さい。

質問1:次の項目に対して、どの程度一人で行なえますか。介助の必要程度については当てはまるものに○印を付け、また現在誰が介助を主に行っているのかを、下記の「表1:主な介助者一覧」から1人選んで( )の中に記号を記入してください。
また各項目について、将来介助が必要になると思いますか。当てはまるものに○印を付けて下さい。

項目 現在の介助の状況 将来について
食事 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
排泄 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
入浴 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
寝返り 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
衣服の着替え 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
家事(調理・掃除・洗濯など) 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
金銭管理(判断力も含めて) 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
健康管理(判断力も含めて) 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
時間管理(判断力も含めて) 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
日常的コミュニケーション 1.一人でできる
2.やや困難だが一人でできる
3.一部介助が必要
4.全介助
5.声かけが必要 現在の介助者(       )
1.必要になる
2.必要でない
3.自助具等で対応できる
4.わからない
5.その他(      )
表1:主な介助者一覧
ア:夫   イ:妻   ウ:父    エ:母   オ:子ども   カ:姉妹   キ:兄弟   ク:知人   ケ:親戚   コ:公的ホームヘルパー  サ:ボランティア  シ:団体の有償家事援助サービス   ス:近隣の方   セ:その他

質問2:現在、家族に介助を受けている方にお尋ねします。主な介助者の年齢をお答え下さい。

回答2 20歳以下 21歳~30歳 31歳~40歳
41歳~50歳 51歳~60歳 61歳以上

質問3:ホームヘルパー制度や福祉公社および民間の有償介護派遣サービスを利用していますか。

回答3 利用している 利用していない

回答3で1と回答した人は質問3-Aににお答え下さい。質問3-A:介助派遣について困った点がありますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答3-A 介助が必要な時間があわない 時間や回数が少ない
家族の理解がない プライバシーが守れない
人間関係がうまくいかない 指示どおりの仕事をしない
介助者の知識、技術不足 子ども扱いされる
その日その日で来る人が違うため日によって介助のばらつきがある その他(     )

回答3で2と回答した人は質問3-Bににお答え下さい。質問3-B:介助派遣サービスを利用していない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答3-B 必要ない 制度を知らなかった
制度上利用できない 介助者となる家族がいる
人に頼りたくない 介助が必要な時間があわない
時間や回数が少ない 手続きがわからない(情報がない)
派遣機関が分からない 派遣機関が身近にない
人間関係がうまくいかない 家族の理解がない
その他(     )

質問4:現在、ガイドヘルパーの派遣制度を利用していますか。

回答4 利用している 利用していない

回答4で1と回答した人は質問4-Aににお答え下さい。質問4-A:ガイドヘルパーの派遣について困った点がありますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答4-A 必要としている時間に派遣してもらえない 時間や回数が少ない
家族の理解がない プライバシーが守れない
人間関係がうまくいかない 子供扱いされる
ヘルパーの知識、技術不足 その日その日で来る人が違うため日によってガイドのばらつきがある
その他(     )

回答4で2と回答した人は質問4-Bににお答え下さい。

質問4-B:ガイドヘルパーの派遣制度を利用していない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答4-B 必要ない 制度を知らなかった
制度上利用できない ヘルパーとなる家族がいる
人に頼りたくない ヘルパーが必要な時間があわない
時間や回数が少ない 手続きがわからない(情報がない)
派遣機関が分からない 派遣機関が身近にない
人間関係がうまくいかない 家族の理解がない
その他(     )

質問5:現在、手話通訳者・要約筆記者派遣制を利用していますか。

回答5 利用している 利用していない

回答5で1と回答した人は質問5-A,5-Bにお答え下さい。質問5-A:1ヶ月にどれ位利用していますか。

回答5-A 1回 2~4回
5回以上 (  )ケ月に1回位  ※数値を記入して下さい。

質問5-B: 手話通訳者・要約筆記者派遣について困った点がありますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答5-B 必要としている時間に派遣してもらえない 時間や回数が少ない
家族の理解がない プライバシーが守れない
人間関係がうまくいかない 子供扱いされる
通訳・要約者の知識、技術不足 その日その日で来る人が違うため日によって通訳・要約のし方にばらつきがある
その他(     )

回答5で2とを回答した人は質問5-Cにお答え下さい。質問5-C:ガイドヘルパーの派遣制度を利用していない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答5-C 必要ない 制度を知らなかった
制度上利用できない 家族が手話をできる
人に頼りたくない 通訳・要約者が必要な時間があわない
時間や回数が少ない 手続きがわからない(情報がない)
派遣機関が分からない 派遣機関が身近にない
人間関係がうまくいかない 家族の理解がない
手話ができない その他(     )

質問6:現在、どのような住居にお住まいですか。

回答6 持ち家 民間アパート・マンション
公営住宅 社宅
間借り 生活寮
通勤寮 グループホーム
公営の老人ホーム 民間の老人ホーム
シルバーピア 福祉住宅(区民住宅)
更生施設 その他(     )

質問7:今までに住宅の改造を行ったことがありますか。また、現在お住まいの住宅(居室を含む)で今後改造したい所がありますか。それぞれ当てはまるものすべてに○印を付けて下さい。

これまでに改造を行なったことのある所
なし 玄関(スロープ)
風呂 トイレ
居室 廊下
台所 階段
その他(     )


将来、改造したい所
特に必要なし 玄関(スロープ)
風呂 トイレ
居室 廊下
台所 階段
その他(     )

質問8:現在及び将来介助が必要な方にお尋ねします。下記の住居形態の利用について、どのようにお考えですか。それぞれの住居形態についてお答え下さい。

(a)ケア付き住宅 利用したい 利用する必要はない わからない
(b)グループホーム 利用したい 利用する必要はない わからない
(c)ミニ療護施設 利用したい 利用する必要はない わからない

質問9:月に何回くらい外出(施設への通所、通学等を除く)しますか。

回答9 0回 1回~5回 6回~10回
11回~15回 16回以上

質問10:外出する際、困った点は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答10 道路に誘導ブロックがない 歩道に自転車等の障害物があり通りにくい
トイレが使いにくい コミュニケーションがとりにくい
介助者がみつからない 建物の入口に段差があったり、狭くて入りにくい
建物内の見取り図や案内板の表示が読みにくい その他(      )

質問11:外出する際、よく利用する交通機関は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答11 バス 電車
地下鉄 都電
ハンディキャブ(社協等の貸し出し) タクシー
リフト付きタクシー 自家用車(自分で運転)
自家用車(家族等が運転) その他(      )

質問12:交通機関を利用する際、困った点は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答12-A:バス・タクシーについて

停留所にベンチがない 混んでいると乗れない
乗客の理解がない 運転手の理解がない
時間どおり来ない 急停車・急発進がある
乗り降りが困難 乗り降りに時間がかかる
乗車拒否 料金が高い
距離が短いと遠慮してしまう 呼んでから時間がかかる
路上で拾いづらい 福祉タクシー券が利用しづらい
停留所に音声ガイドがない 多動・大声等で他の乗客から嫌がられる
その他( )

回答12-B:JR・私鉄・都電・地下鉄(営団・都営)について

券売機が利用しにくい 案内表示・料金表が見にくい
駅舎内に音声ガイドがない 点字ブロック・点字案内がない
階段が多い 改札口・通路が狭い
駅員の理解がない 乗客の理解がない
駅に駐車場がない 切符の予約が困難
トイレが利用しにくい 混んでいると乗れない
ホームと電車の間があいている 多動・大声等で他の乗客から嫌がられる
その他(       )

質問13:あなたはどのようなところから福祉に関する情報を入手しますか。いくつでも○印を付けて下さい。

回答13 家族 知人・友人
福祉団体 区報
福祉のてびき けやき
新聞 テレビ
ラジオ パソコン通信
福祉雑誌 区の窓口
社会福祉協議会 行政の出版物
福祉団体の機関誌 福祉団体の出版物
民間団体発行の福祉のパンフレット 点字図書・雑誌
録音テープ図書・雑誌 電話による朗読サービス
医療機関・保健所等 その他(        )

質問14:あなたは障害者団体に所属していますか。

回答14 所属している 所属していない

回答14で2と回答した人は下記の質問にお答え下さい。 所属していない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答14 連絡方法を知らない 必要性を感じない
団体自体を知らない 活動内容がわからない
活動に魅力を感じない 家族の理解を得られない
障害が重いため、参加できない 送迎体制がない
入ろうとしたが入れてもらえなかった その他(     )

質問15:あなたは新宿区内で行われている、障害者関係の行事やイベントに参加していますか。

回答15 参加している 時々参加している 参加していない

回答15で3と回答した人は下記の質問にお答え下さい。

参加していない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

情報が入ってこない(行事自体を知らない) 必要性を感じない
行事内容がわからない 行事に魅力を感じない
障害が重いため、参加できない 参加しようとしたが断わられた
その他(     )

質問16:災害時の対応についてお尋ねします。災害が起きた時にどのような不安を感じますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答16 助けを求める手段がない 災害時に助けてくれる人がいない
避難先が分からない 避難先までたどりつけるか不安
避難先の設備面が不十分 現在、災害に対する備えがない
災害情報を得る方法が分からない 自分一人ではどのように対応してよいか分からない
特に不安は感じない その他(     )

質問17:昼間どのような場所に通っていますか。

回答17 一般就労 福祉的就労 通所・訓練・通学等 特に通ってはいない

 回答17で1,2,3と回答した人は質問17-Aにお答え下さい。 質問17-A:該当するかこみの中から具体的な通い先をお答え下さい

1.一般就労 会社員 公務員 自営業 内職 臨時・パート
仕事の内容:

※現在携わっている仕事の内容についても、具体的にお答え下さい。

2.福祉的就労 シルバー人材センター(高齢者事業団) 新宿区外の通所作業所
チャレンジワーク(障害者就労センター) クリーンあした
あすなろ作業所 新宿福祉作業所
高田馬場福祉作業所 新宿あした作業所
新宿第二あした作業所 ムツミ第一作業所
ムツミ第二作業所 新宿西共同作業所
麻の葉くらぶ 工房「風」
共同治療所 その他(        )
区立福祉会館老人マッサージ治療
3.通所・訓練・通学等 あゆみの家 訓練作業室
学校等に通園・通学(質問26にもお答え下さい) 創作活動事業(新宿区立障害者センター内で行なわれているもの・その他の場所で行なわれているもの)
リハビリ(新宿区立障害者センター内で行なわれているもの・その他の場所で行なわれているもの) その他(        )

※「エ」「オ」については、( )内の行なわれている場所についてどちらかに○印を付けて下さい。

質問18:あなたは、現在主に通所している作業所や通所訓練施設をどのように感じていますか。

回答18 満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

 回答18でエ、オと回答した人は質問18-Aにお答え下さい。

質問18-A:どのような不満を感じますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答18-A 自分に見合った仕事がない 作業内容が単純
作業内容が難しい 作業時間が長い
危険をともなう作業がある 設備が不十分
作業室が狭い 利用者用の休憩室がない
人間関係の不和 職員が少ない
職員の対応が悪い 通所バスがない
通所バスの本数が少ない 通所時間がかかる
給料が少ない 給食が無い
プライバシーが守られていない 駐車場がない
ジョブコーチがいない その他(        )

質問19:今後、一般の企業に就労したいと考えていますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答19 就労したい 就労できない わからない

 回答19で2と回答した人は下記の質問にお答えください。

就労できない理由は何ですか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

障害が重いため 就労時間が長い
自分に合った仕事がない 通勤の手段が確保できない
通勤時間がかかる 労働条件が不十分
プライバシーが守られない 人間関係が難しい
給料が少ない 就学中・技能習得中
家事・育児等 受け入れる職場がない
その他(        )

質問20:作業所などから福祉的収入は、ひと月にどれくらいですか。(年金・手当を除く)

回答20 0円 5千円未満 1万円未満
1万5千円未満 2万円未満 2万5千円未満
3万円未満 3万5千円未満 4万円未満
4万5千円未満 5万円未満 5万円以上

質問21:現在あなたが受けている年金及び手当すべてに○印を付けて下さい。

回答21 生活保護 障害基礎年金
国民年金 心身障害者扶養年金
老齢基礎年金 老齢年金
老齢福祉年金 厚生年金
遺族基礎年金 寡婦年金
付加年金 特別障害者手当(国制度)
障害児福祉手当(国制度) 特別児童扶養季当(国制度)
児童扶養手当(国制度) 重度心身障害者手当(都制度)
児童育成手当の障害手当(区制度) 児童育成手当の育成手当(区制度)
高齢者福祉手当(区制度) 心身障害者福祉手当(区制度)
その他(        )

質問22:現在、あなたの年金や手当を管理しているのはどなたですか。

回答22 本人 兄弟姉妹
配偶者 その他の親族 生活寮・グループホームの職員
その他( )

質問23:現在、デイサービスを利用している方にお尋ねします。利用しているデイサービスをどのように感じていますか。利用しているそれぞれの項目についてお答え下さい。(参加しないものについては何も記入しないで下さい)

(a)リハビリ 満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 不満
(b)創作活動 満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 不満
(c)入浴サービス 満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 不満
(d)給食サービス 満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 不満
(e)その他 満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 不満
サービス内容

※「その他」については、利用されているサービスの内容もお答え下さい。

質問24:質問23で「やや不満」、「不満」と答えた方にお尋ねします。どのような不満を感じていますか。当てはまるもの3つ以内に○印を付けて下さい。

回答24 受けたいメニューがあまりない 参加(利用)のための条件が厳しい
サービス自体の質が低い 利用できる回数が少ない
設備が利用しにくい 必ず利用したいときに利用できない
衛生面に不安を感じる サービスを提供する職員の質が低い
時間帯が合わない 通うのに時間がかかる
その他(          )

質問25:デイサービスを利用している方は、御意見、ご要望などありましたら御自由にお書き下さい。

質問26:質問17で、学校等に通園・通学と答えた方にお尋ねします。通い先はどちらですか。

回答26 普通学校 心身障害学級 情緒障害学級
養護学校 盲学校 聾学校
保育園 幼稚園 その他(       )

質問27:現在、小・中・高等学校に通学中の方にお尋ねします。現在、通学している学校をどのように感じていますか。

回答27 満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 不満

 回答27で4,5と回答した人は下記の質問にお答え下さい。

どのような不満を感じますか。当てはまるものを3つ以内に○印を付けて下さい。

希望した学校ではなかった 通学に時間がかかる
障害程度や興味、適性に沿った教育内容がカリキュラムにない 障害程度や興味、適性に沿った教育内容が選べない
設備が整っていない 教師の理解が得られない
障害程度に添った教育が不十分 健常児との交流が少ない
進路指導が不十分 十分な介助が得られない
送迎体制が不十分 その他(        )

質問28:現在、中・高等学校に通学中の方にお尋ねします。高等学校卒業後には希望に沿った進路を選択できると思いますか。

回答28 希望に沿った選択が可能 どちらかといえば選択できると思う
どちらかといえば希望に沿った選択は難しい 希望に沿った選択は非常に難しい
わからない その他(          )

 回答28でウ、エと回答した人は下記の質問にお答え下さい。

その理由は何ですか。当てはまるものを3つ以内に○印を付けて下さい。

障害程度に合う進路先がない 興味、特性を生かす進路先がない
選択肢が少ない 学校の進路指導が不十分
通勤・通学が困難 家族の理解が得られない
進路に関する情報が少ない その他(        )

質問29:現在の日常生活の中で余暇時間を利用して、どのようなことを学びたいですか。当てはまるものを3つ以内に○印を付けて下さい。

回答24 調理・被服・住居の管理等家庭生活技術に関する自立に向けた学習 金銭管理・外出・対人関係等社会生活に関する自立に向けた学習
介助サービス・社会保障・福祉制度等社会資源活用に関する自立に向けた学習 算数・国語等の基礎的な教科の学習
ワープロ・パソコン 英会話等の語学
料理・手芸・工芸・美術・茶道・華道など ピアノ・ギター・歌等の音楽
その他(          )

質問30:補装具や手当の給付、住宅改造、介助派遣等の制度利用に際し、制度の使いにくさや行政担当者の無理解を感じたことがありますか。

回答30 よくある 時々ある ほとんどない ない

質問31:職場や外出先、近所付き合い等で不当な扱いを受けたり、障害に対する無理解や偏見を感じたことがありますか。

回答31 よくある 時々ある ほとんどない ない

質問32:質問30または質問31で「よくある」、「時々ある」と答えた方にお尋ねします。そのような場合誰に相談しますか。

回答32 家族に相談 友人、知人に相談
通所先等の職員に相談 障害者団体のピアカウンセラーに相談
職場等の上司や同僚に相談 福祉事務所等行政機関に相談
民間の相談機関を利用 民生委員・町内会等地域の関係者に相談
相談相手はいない その他(          )

質問33:行政への苦情処理や障害者の権利擁護に関する相談業務に関わって欲しいのは、どのような立場の人ですか。当てはまるものを3つ以内に○印を付けて下さい。

回答33 障害当事者 障害児、者の家族
施設の職員、ホームヘルパー等福祉関係者 医師、看護婦等医療関係者
ケースワーカー等行政担当者 法律の専門家
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語療法士(ST)等の専門家 その他(          )

新宿区障害者団体連絡協議会加盟団体(17団体)一覧

団体名 住所 電話番号
新宿区身体障害者福祉協会 160-0022
新宿区新宿7-3-10
3200-7388
新宿区視力障害者協会 161-0034
新宿区上落合1-5-11
3367-4180
新宿区ろう者協会 169-0074
新宿区北新宿1-30-30-721
3361-0307
新宿身障明るい街づくりの会 162-0052
新宿区戸山2-6-109
3203-3571
厚生会 162-0055
新宿区余丁町6-29ラインハウス301
3359-7738
双葉友の会 162-0052
新宿区戸山2-28-111
3204-2856
新宿区肢体不自由児者父母の会 162-0052
新宿区戸山2-30-1010
3208-2626
新宿区手をつなぐ親の会 162-0051
新宿区西早稲田2-14-2
3202-2964
新和会(新宿区被爆者の会) 162-0052
新宿区戸山2-33-414
3203-2939
新宿区精神障害者家族会 169-0072
新宿区大久保3-14-3-806
3208-1081
新宿失語症友の会 162-0067
新宿区富久町3-5
3341-1017
新宿ふれあいの会 160-0022
新宿区新宿6-13-10-202
3356-0995
新宿ライフ・ケア・センター 169-0051
新宿区西早稲田2-17-29 西北コーポ102
3205-2581
新宿西共同作業所 161-0034
新宿区上落合3-34-26 コーポヒロセ101
3364-1603
地域自立を支える会 162-0044
新宿区喜久井町20
3202-6778
地域ケア福祉センター池田会館 169-0075
新宿区高田馬場1-15-6
3200-9376
新宿リハビリテーション友の会 161-0034
新宿区上落合1-1-15-808
3364-5068

事務局  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-2新宿区立障害者福祉センター内

  電話/FAX 03-5285-4333

  http://www.pastelnet.or.jp/uses/SDR/

  E-mailアドレス SDR@pastelnet.or.jp

  (平成11年3月現在)

調査研究スタッフ

概要 片桐 義晴
介助 今井 康之
高島 逸巨
尾崎 一朗
上府 温美
寺井 貴久子
住宅 山﨑 千玲
大和田 真美
長島 正典
移動 山﨑 千玲
大和田 真美
長島 正典
教育 町田 三千代
早川 雅之
横山 恵
樋下 美由紀
昼間の活動 飯田 美佐子
小林 純子
青木 昌広
倉島 充
社会参加 飯田 美佐子
小林 純子
青木 昌広
倉島 充
権利擁護 町田 三千代
早川 雅之
横山 恵
樋下 美由紀
街を切り拓く 井口 要
天方 宏純
カット 片桐 浩
パソコン解析 コンズパソコンサービス(有) 代表 広瀬 泰男

協力スタッフ

坂野 雅彦
山口 二郎
深谷 昇
三浦 稔
鶴岡 栄子
前田 暦比古
松坂 衣里子
山元 文
舛岡 修
高井 昭佳

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主題:
住み慣れた街の声 障害者問題における地域福祉の在り方調査・研究 No.5
103頁~127頁

編集発行者:
新宿区障害者団体連絡協議会

発行年月:
平成11年(1999年)3月

文献に関する問い合わせ先:
新宿区障害者団体連絡協議会
〒162-0052
東京都新宿区戸山1-22-2
新宿区立障害者福祉センター内 障団連オフィス
電話03(5285)4333