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-第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)-

(18).治療や通院 1医務室での治療
問18 平成8年度中のご本人の施設内医務室での治療や外部医療機関への通院
(1)施設内の医務室での治療

受けた 受けなかった 無回答 件数
70.1 27.4 2762
問18の帯グラフ

 

施設内の医務室での治療を「受けた」人は70.1%に達しており、「受けなかった」27.4%を大きく上回っている。

 年齢別にみると、どの年齢層でも「受けた」人が多くなっているが、60~64歳では56.4%と他に比べて若干低い割合にとどまっている。

<年齢別 医務室での治療>
年齢 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 70.1 27,4 2762
60歳未満 67.4 23.3 9.3 43
60~64歳 56.4 38.3 5.3 188
65~69歳 71.3 26.0 404
70~74歳 69.3 28.7 544
75~79歳 71.3 26.9 599
80~84歳 69.9 27,3 531
85~89歳 74.8 24.2   310
90~94歳 73.0 27.0   115
95~99歳 90.0 20
100歳以上 100.0    
年齢別 医務室での治療の帯グラフ

視力の程度別ではさほど大きな差はみられず、〔晴眼〕で「受けた」率が若干高い程度である。

<視力の程度別 医務室での治療>
視力の程度 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 70.1 27.4 2762
失明 69.4 28.5 1904
弱視 71.1 26.0 743
晴眼 76.8 20.3 69
視力の程度別 医務室での治療の帯グラフ

 重複障害の有無別でもさほど大きな差は見受けられないものの、重複障害をもっている人で若干受けた割合が高くなっている。

<重複障害の有無別 医務室での治療>
重複障害 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 70.1 27.4 2762
あり 72.5 26.2   764
なし 68.8 28.3 1919
重複障害の有無別 医務室での治療の帯グラフ

(18) 2医療機関への通院
(2)外部医療機関への通院

受けた 受けなかった 無回答 件数
76.4 18.9 4.7 2762
(2)外部医療機関への通院の帯グラフ

通院延回数

5回未満 5~9回 10~19回 20~29回 30~49回 50~99回 100回以上 無回答 件数
17.9 12.8 23.1 15.8 11.3 9.7 5.5 2110
通院延回数の帯グラフ

 

外部医療機関へ平成8年度中に通院した人は、76.4%に達しており、施設内の医務室での治療を上回っている。
 通院の延回数は「5回未満」17.9%、「5~9回」12.8%、「10~19回」23.1%、「20~29回」15.8%などとなっている。

 年齢別にみると、65歳末満と95歳以上で医療機関に通院した人が若干少なくなっている。

<年齢別 医療機関への通院>
年齢 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 76.4 18.9 2762
60歳末満 67.4 20.9 11.6 43
60~64歳 68.6 25.0 6.4 188
65~69歳 78.0 18.1 404
70~74歳 76.5 19.3 544
75~79歳 77.0 19.2 599
80~84歳 78.5 15.6 5.8 531
85~89歳 74.8 21.6 310
90~94歳 80.9 15.7 115
95~99歳 65.0 20.0 15.0 20
100歳以上   100.0  
年齢別 医療機関への通院の帯グラフ

 視力の程度別ではさほど大きな差はみられないものの、〔晴眼〕の通院者が若干多くなっている。ただし、通院回数は、〔晴眼〕では「5回未満」の人が過半数を超えており、〔失明〕〔弱視〕に比べ、少ない回数の比率が高くなっている。

<視力の程度別 医療機関への通院>
視力の程度 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 76.4 18.9 2762
失明 74.8 20.9 1904
弱視 80.6 14.7 743
晴眼 82.6 11.6 5.8 69
視力の程度別 医療機関への通院の帯グラフ

<視力の程度別 通院回数>
視力の程度 5回未満 5~9回 10~19回 20~29回 30~49回 50~99回 100回以上 無回答 件数
合計 17.9 12.8 23.1 15.8 11.3 9.7 5.5 2110
失明 18.2 13.3 22.1 16.4 10.3 10.3 5.5 1424
弱視 14.4 11.7 25.9 14.5 14.4 9.5 5.7 599
晴眼 52.6 12.3 10.5 14.0 5.3   57
視力の程度別 通院回数の帯グラフ

 重複障害の有無による違いはあまりみられず、重複障害をもつ人で「受けた」割合が若干高い程度にとどまっている。

<重複障害の有無別 医療機関への通院>
重複障害 受けた 受けなかった 無回答 件数
合計 76.4 18.9 2762
あり 78.8 17.9 764
なし 74.8 19.9 5.3 1919
重複障害の有無別 医療機関への通院の帯グラフ

(18)-1治療を受けた疾病の種類
問18-1 治療を受けた疾病の種類(治療期間の長かったものから2つまで)
(問18の(1)(2)のいずれかで「1.受けた」方だけ

件数=2486
内科疾患-消化器系 29.0
-呼吸器系 11.3
-循環器系 36.4
-腎・泌尿器系 6.1
-神経系 4.3
外科疾患 消化器系 1.4
-呼吸器系 0.6
-循環器系 0.3
-腎・泌尿器系 1.3
-神経系 1.1
整形外科疾患 16.2
精神疾患 8.8
眼疾患 25.6
皮膚疾患 5.1
耳鼻咽喉疾患 3.0
歯科・口腔疾患 8.2
婦人科疾患 0.8
血液・造血器疾患 1.0
免疫性疾患 0.4
伝染性疾患 0.1
内分泌・代謝疾患 5.0
その他 2.9
無回答 1.9

 

施設内の医務室や外部の医療機関で治療を受けた人にその疾病の種類をたずねたところ、「内科疾患 循環器系」が36.4%と最も多く、「内科疾患 消化器系」29.0%、「眼疾患」25.6%、「整形外科疾患」16.2%などが次いで多い。「眼疾患」を除いてもかなり多くの人が治療を受けていることがうかがえる。

(18)-2 治療を受けた期間
問18-2 治療を受けた期間(問18の(1)(2)のいずれかで「1.受けた」方だけ

1週間以内 2週間以内 3週間以内 1ケ月以内 2ケ月以内 3ケ月以内 4ケ月以内 5ケ月以内 6ケ月以内 9ケ月以内 9ヶ月以上 無回答 件数
6.0       73.2 2486
問18-2の帯グラフ

 

治療を受けた期間は、「9カ月以上」が73.2%で、長期にわたって治療を受けている人が大半を占めていることがうかがえる。

(19).入院の経験
問19 平成8年度中にご本人は施設から入院しましたか。

入院した しなかった 無回答 件数
14.1 80.2 5.7 2762
問19の帯グラフ

問19-1 入院の期間(年間の総入院期間)(問19で「1.入院した」の方だけ)

1週間以内 2週間以内 3週間以内 1ケ月以内 2ケ月以内 3ケ月以内 4ケ月以内 5ケ月以内 6ケ月以内 6ケ月以上 無回答 件数
10.0 17.4 11.3 16.7 20.5 13.1 4.4   390
問19-1の帯グラフ

 

入院の経験をたずねたところ、「入院した」人は14.1%、「しなかった」80.2%となっており、入院した人の期間は1ケ月以下の比較的短期の入院が過半数を占めている。

 視力の程度別ではさほど大きな差はみられない。

<視力の程度別 入院の経験>
視力の程度 入院した しなかった 無回答 件数
合計 14.1 80.2 5.7 2762
失明 12.9 81.4 5.7 1904
弱視 16.8 77.8 5.4 743
晴眼 15.9 79.7 69
視力の程度別 入院の経験の帯グラフ

 年齢別にみると、高い年齢層の方が、入院した割合は高い傾向にあり、95~99歳では30.0%に達している。

<年齢別 入院の経験>
年齢 入院した しなかった 無回答 件数
60歳末満 7.0 86.0 7.0 43
60~64歳 11.7 79.8 8.5 188
65~69歳 13.6 80.2 6.2 404
70~74歳 9.6 83.8 6.6 544
75~79歳 16.7 78.6 599
80~84歳 13.4 81.0 5.6 531
85~89歳 17.7 78.4 310
90~94歳 20.0 75.7 115
95~99歳 30.0 70.0   20
100歳以上   100.0  
年齢別 入院の経験の帯グラフ

(19)-2 入院で治療した疾病の種類
問19-2 入院による治療を必要とした疾病の種類(主なものを3つまで)

(問19で「1.入院した」方だけ)
件数=390 問19で「1.入院した」方だけの帯グラフ
内科疾患-消化器系 22.8
-呼吸器系 16.4
-循環器系 16.7
-腎・泌尿器系 7.7
-神経系 5.4
外科疾患-消化器系 6.7
-呼吸器系 0.3
-循環器系 0.8
-腎・泌尿器系 2.8
-神経系 0.3
整形外科疾患 18.5
精神疾患 5.1
眼疾患 6.9
皮膚疾患 3.3
耳鼻咽喉疾患 1.5
歯科・口腔疾患 0.3
婦人科疾患 1.8
血液・造血器疾患 3.3
免疫性疾患 0.5
伝染性疾患 0.5
内分泌・代謝疾患 2.8
その他 4.9
無回答 3.1

 

入院した際に治療を必要とした疾病の種類をたずねたところ、「内科疾患 消化器系」22.8%が最も多く、「内科疾患 呼吸器系」16.4%、「内科疾患 循環器系」16.7%と内科疾患が全体的に多くあげられている。その他では、「整形外科疾患」が18.5%で多くなっている。

(19)-3 入院時の付添い人
問19-3 入院時の付添い人(主な人ひとりだけ)(問19で「1.入院した」方だけ)

家族 職員 施設が俵頼した家政婦 完全看護のため不要 その他 無回答 件数
6.9 75.9 8.5 390
問19-3の帯グラフ

 

入院した際の主な付添い人をたずねたところ、付き添いをしたのは1割強にとどまっており、「完全看護のため不要」が75.9%を占めている。付き添いをした場合の付添い人は、「施設が依頼した家政婦」が6.9%で最も多く、「家族」「職員」はそれを下回っている.大半は付添いが不要なものの、必要な場合には「家政婦」に依頼せざるを得ない状況がうかがえる。

 視力の程度別にみると、〔晴眼〕では付添いは「家族」がしている。〔晴眼〕の場合、入所前の住居が施設に近く、家族が比較的近隣に住んでいることが多いことが影響していると思われる。

<視力の程度別 入院時のの付添い人>
視力の程度 家族 職員 施設が俵頼した家政婦 完全看護のため不要 その他 無回答 件数
合計 6.9 75.9 8.5 390
失明 7.3 77.6 7.3 245
弱視   5.6 76.0 8.8 125
晴眼 9.1     54.5   36.4 11
視力の程度別  入院時のの付添人の帯グラフ

(20).痴呆の状況
問20 ご本人の精神機能(痴呆)の状況
 1 記憶障害

重度 中度 軽度 痴呆症状は認められない 無回答 件数
11.5 18.7 65.6   2762
問20の1の帯グラフ

 2 失見当

自分の部屋がわからない 時々自分の部屋がわからない 一時的にどこにいるのかわからなくなる 該当する失見当はない 無回答 件数
5.9 8.3 18.5 66.4   2762
問20の2の帯グラフ

 

精神機能(痴呆)の状況についてたずねたところ、記憶障害、失見当ともに、症状が認められる人は3割台半ばとなっている。ただし、その中の半数以上は軽度の症状である。
 前回と比較すると、「痴呆症状は認められない」は76.4%から65.6%と10ポイント以上減少しており、高齢化とともに痴呆症状を呈する利用者への介護が今後一層重要となってくると思われる。

 年齢別に記憶障害についてみると、70歳末満の層では8割以上の人が「痴呆症状は認められない」が、70歳以降では、何らかの痴呆症状を呈している割合は高くなっている。失見当についても、年齢層が高くなるにつれ、何らかの症状が認められる割合は高くなっている。

<年齢別 記憶障害>
年齢 重度 中度 軽度 痴呆症状は認められない 無回答
60歳未満   83.7  
60~64歳     86.2  
65~69歳   11 81.7  
70~74歳   16.0 74.1  
75~79歳 10 18.9 66.4  
80~84歳 14.7 23.5 56.9  
85~89歳 22.6 28.4 42.6  
90~94歳 26.1 28.7 35.7  
95~99歳 30.0 15.0 30.0 25.0  
100歳以上   100.0      
年齢別 記憶障害の帯グラフ

<年齢別 失見当>
年齢 自分の部屋がわからない 時々自分の部屋がわからない 一時的にどこにいるのかわからなくなる 該当する失見当はない 無回答 件数
60歳未満 16.3 74.4   43
60~64歳   12.2 79.8   188
65~69歳   14.1 79.0   404
70~74歳 16.7 75.7   544
75~79歳 17.2 68.3   599
80~84歳 11 20.3 59.7   531
85~89歳 10 15.5 24.8 48.7   310
90~94歳 13.0 19.1 32.2 33.9   115
95~99歳 40.0 10.0 35.0 15.0   20
100歳以上     100.0    
年齢別  失見当の帯グラフ

 重複障害をもっている人の方が痴呆症状、失見当の症状が認められる割合が高くなっている。

<重複障害の有無別 記憶障害>
重複障害 重度 中度 軽度 痴呆症状は認められない 無回答 重複障害の有無別 記憶障害の帯グラフ
あり 15.1 19.9 58.6  
なし   10 18.4 68.5  

<重複障害の有無別 失見当>
重複障害 自分の部屋がわからない 時々自分の部屋がわからない 一時的にどこにいるのかわからなくなる 該当する失見当はない 無回答 件数 重複障害の有無別  失見当の帯グラフ
あり 9.6 21.5 59.6   764
なし 17.2 69.5   1919

 視力の程度別にみると、失見当では〔失明〕の人で失見当に該当するとした人が多くなっているが、記憶障害で「痴呆症状は認められない」とした割合は〔失明〕で最も高くなっている。

<視力の程度別 記憶障害>
視力の程度 重度 中度 軽度 痴呆症状は認められない 無回答 視力の程度別  記憶障害の帯グラフ
失明 11 18.1 66.4  
弱視   12.7 19.4 64.7  
晴眼 11 30.4 52.2  

<視力の程度別 失見当>
視力の程度 自分の部屋がわからない 時々自分の部屋がわからない 一時的にどこにいるのかわからなくなる 該当する失見当はない 無回答 件数 視力の程度別  失見当の帯グラフ
失明 19.9 63.4   1904
弱視 15.6 73.8   743
晴眼   18.8 71.0   69

 日常生活自立度(寝たきり度)別にみると、生活自立ができていない人ほど記憶障害、失見当の症状がみられる。

<日常生活の自立度別 記憶障害>
寝たきり度 重度 中度 軽度 痴呆症状は認められない 無回答
生活自立 J-1     11 87.8  
生活自立 J-2   15.2 79.2  
準寝たきりA-1   19.4 71.4  
準寝たきりA-2 26.4 28.2 39.3  
寝たきり B-1 16.5 33.0 19.8 30.8  
寝たきり B-2 23.2 39.3 12.5 25.0  
寝たきり C-1 38.7 41.9 9.7 9.7  
寝たきり C-2 30.8 38.5 11 15.4
日常生活の自立度別 記憶障害の帯グラフ

<日常生活の自立度別 失見当>
寝たきり 自分の部屋がわからない 時々自分の部屋がわからない 一時的にどこにいるのかわからなくなる 該当する失見当はない 無回答 件数
生活自立 J-1     92.4   263
生活自立 J-2     11 85.2   467
準寝たきりA-1   19.1 71.1   1219
準寝たきりA-2 10 19.1 31.1 39.3   440
寝たきり B-1 28.6 18.7 26.4 25.3   91
寝たきり B-2 28.6 21.4 28.6 21.4   56
寝たきり C-1 58.1 22.6 12.9   31
寝たきり C-2 53.8 19.2 15.4 26
日常生活の自立度別  失見当の帯グラフ

主題(副題):盲老人の幸せのために -第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)- 75頁~87頁