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-第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)-

2.実際に行った介護の量や質について
◆◆食事に関する介護◆◆
(1).要する時間
問25 1食に要する時間はどれくらいでしたか。(誘導などの時間も含む)

30分未満 30~60分未満 60分以上 無回答 件数
71.8 26.2     2762
問25 帯グラフ

 

1回の食事に要する時間は「30分未満」が71.8%と多く、「30~60分未満」26.2%で、「60分以上」はほとんどいない。

 日常生活の自立度別にみると、自立度が高いほど食事時間は短くてすんでいる。寝たきりの人では30分以上が過半数を占めている。

<日常生活の自立度別 食事に要する時間>
寝たきり度 30分未満 30~60分未満 60分以上 無回答 件数
合計 71.8 26.2     2762
生活自立 J-1 86.7 12.9     263
生活自立 J-2 78.6 20.6     467
準寝たきりA-1 76.3 22.6     1219
準寝たきりA-2 58.9 37.0   440
寝たきり B-1 47.3 48.4   91
寝たきり B-2 44.6 50.0   5.4 56
寝たきり C-1 38.7 58.1   31
寝たきり C-2 38.5 38.5 11.5 11.5 26
日常生活の自立度別 食事に要する時間 帯グラフ

 視力の程度別でみると、〔晴眼〕の人で「30分未満」が66.7%と少なくなっており、視力障害の程度が必ずしも食事の時間を左右しているとは言えない。

<視力の程度別 食事に要する時間>
視力の程度 30分未満 30~60分未満 60分以上 無回答 件数
合計 71.8 26.2     2762
失明 70.1 27.9     1904
弱視 77.0 21.3     743
晴眼 66.7 33.3     69
視力の程度別 食事に要する時間 帯グラフ

 必要な介護別にみると、介護をあまり必要としない人はど短い食事時間ですんでいる。

<必要な介護別 食事に要する時間>
必要な介護量・内容 30分未満 30~60分未満 60分以上 無回答 件数
合計 71.8 26.2     2762
ほとんど必要としない 86.5 13.4     844
たまに必要とする程度 72.1 27.5     941
並の量を必要とする 66.5 31.6     629
かなりの量を必要 47.3 46.3 313
必要な介護別 食事に要する時間 帯グラフ

(2).移動の介助
問26 食事の際の移動の介助は、どの程度行いましたか。

介助しなかった 見守り・声掛けをした 歩き始め・移動時に一部手を貸した 常に手をかした 無回答 件数
48.0 30.1 11.5 9.1   2762
問26 帯グラフ

 

食事の際の移動については、半数程度が介助を行っているものの、その内容は「見守り・声掛けをした」が30.1%を占めている。

 視力の程度別では、〔失明〕の人に対する介助を行った割合が高く、半数を上回っている。

<視力の程度別 食事の際の移動の介助>
視力の程度 介助しなかった 見守り・声掛けをした 歩き始め・移動時に一部手を貸した 常に手をかした 無回答 件数
合計 48.0 30.1 11.5 9.1   2762
失明 42.6 32.0 13.7 10.6   1904
弱視 58.5 27.6 6.6 6.1   743
晴眼 75.4 13.0 8.7   69
視力の程度別 食事の際の移動の介助 帯グラフ

 日常生活の自立度によると、準寝たきり、寝たきりの人では何らかの介助を行うことが多く、また、寝たきりでは「常に手をかした」が6~7割台を占めている。一方〔生活自立〕の人に対しても「見守り・声掛けをした」を中心に何らかの介護を要する人は2割台半ばを占めている。

<日常生活の自立度別 食事の際の移動の介助>
視力の程度 介助しなかった 見守り・声掛けをした 歩き始め・移動時に一部手を貸した 常に手をかした 無回答 件数
合計 48.0 30.1 11.5 9.1   2762
生活自立 J-1 74.9 22.4     263
生活自立 J-2 71.9 21.8     467
準寝たきりA-1 46.3 36.8 13.1   1219
準寝たきりA-2 25.7 35.5 22.7 14.5   440
寝たきり B-1 6.6 13.2 15.4 63.7   91
寝たきり B-2 8.9 8.9 12.5 64.3 5.4 56
寝たきり C-1 16.1 6.5   71.0 6.5 31
寝たきり C-2 26.9     61.5 11.5 26
日常生活の自立度別 食事の際の移動の介助 帯グラフ

(3).準備の介助
問27 手洗いやおしぼり・エプロンなどの準備で、どの程度介助を行いましたか。

介助しなかった・必要なかった 見守り・声掛けをした 一部介助をした 全面介助をした 無回答 件数
51.5 22.0 18.4 7.1   2762
問27 帯グラフ

 

手洗いやおしぼり・エプロンなどの準備を何らかの形で介助したのは、5割弱となっている。

 視力の程度別では、障害が重い方が介助をしている割合は高くなっているものの、〔失明〕でも半数近くの人が介助なしで準備している。

<視力の程度別 準備の介助>
視力の程度 介助しなかった・必要なかった 見守り・声掛けをした 一部介助をした 全面介助をした 無回答 件数
合計 51.5 22.0 18.4 7.1   2762
失明 47.4 23.8 20.2 7.7   1904
弱視 59.2 19.2 14.9 5.5   743
晴眼 68.1 11.6 14.5 5.8   69
視力の程度別 準備の介助 帯グラフ

(4).食べる動作への介助
問28 食べる動作への介助を、どの程度行いましたか。

介助しなかった・必要なかった 見守り・声掛けをした 一部介助をした 全面介助をした 無回答 件数
59.4 29.4 8.2   2762
問28 帯グラフ

 

食べる動作への介助を行った人は、4割程度で、そのうち「見守り・声掛けをした」が29.4%を占めている。

 食べる動作への介助を視力の程度別にみると、障害が重いほど介助をしている割合も高くなっているものの、〔失明〕でも55.8%は「介助しなかった・必要なかった」とされている。

<視力の程度別 食べる動作への介助>
視力の程度 介助しなかった・必要なかった 見守り・声掛けをした 一部介助をした 全面介助をした 無回答 件数
合計 59.4 29.4 8.2   2762
失明 55,8 31.6 9.9   1904
弱視 67.0 25.0 5.1     743
晴眼 73.9 23.2     69
視力の程度別 食べる動作への介助 帯グラフ

 日常生活の自立度別にみると、自立度が低くなるほど「全面介助をした」割合が高くなっており、〔寝たきり C〕では7割を超えている.一方〔生活自立 J〕に対しても「見守り・声掛け」「一部介助」などは行われており、合せると2割台となる。

<日常生活の自立度別 食べる動作への介助>
寝たきり度 介助しなかった・必要なかった 見守り・声掛けをした 一部介助をした 全面介助をした 無回答 件数
合計 59.4 29.4 8.2   2762
生活自立 J-1 85.6 13.3       263
生活自立 J-2 79.4 17.3     467
準寝たきりA-1 55.9 38.0 5.3     1219
準寝たきりA-2 45.0 37.5 15.0     440
寝たきり B-1 24.2 34.1 31.9 8.8   91
寝たきり B-2 16.1 17.9 48.2 12.5 5.4 56
寝たきり C-1 6.5 12.9 41.9 35.5 31
寝たきり C-2 11.5   11.5 65.4 11.5 26
日常生活の自立度 食べる動作への介助 帯グラフ

(5).むせたりした時の対応
問29 むせたり、呑み込みの悪さの程度と、それへの対応をどのくらい行いましたか。

ほとんどむせなかったので対応しなかった 時々むせたりするあるので対応した 必ずむせたりするので常に対応した 常に吸引機を用意して対応した 無回答 件数
85.8 11.2     2762
問29 帯グラフ

 

むせたり、呑み込みが悪かったりする場合の程度とそれへの対応をたずねたところ、「ほとんどむせない、あるいは呑み込みが悪くないので、対応しなかった」が85.8%を占めている。


主題(副題):盲老人の幸せのために -第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)- 107頁~114頁