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-第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)-

◆◆施設生活について◆◆
(7).自由がないと感じること
問57 施設生活において、「自由がない」と感じることがありますか。

いつもある 時々ある あまりない まったくない 無回答 件数
4.6 18.0 34.0 29.3 14.2 2762
問57の帯グラフ

 

「自由がない」と感じることがあるかどうかをたずねたところ、「あまりない」「まったくない」が34.0%、29.3%を占めているものの、「いつも」「時々」あると感じている人も2割を上回っている。

 年齢別にみると、どの層でも自由がないと感じている人はさほど多くみられないものの、低い年齢層の方がそう感じている割合が高く、60歳末満、60~64歳では3割を超えている。

<年齢別 自由がないと感じること>
年齢 いつもある 時々ある あまりない まったくない 無回答 件数
合計 18.0 34.0 29.3 14.2 2762
60歳末満 14.0 18.6 37.2 18.6 11.6 43
60~64歳 9.6 26.1 31.9 19.1 13.3 188
65~69歳 6.9 22.8 34.2 24.8 11.4 404
70~74歳 5.1 23.0 36.6 27.0 8.3 544
75~79歳 5.2 15.4 35.4 29.0 15.0 599
80~84歳 14.9 33.1 35.4 14.5 531
85~89歳   13.2 29.7 35.2 20.3 310
90~94歳   7.8 29.6 36.5 25.2 115
95~99歳   40.0 20.0 35.0 20
100歳以上       100.0  
年齢別 自由がないと感じることの帯グラフ

 性別にみると、自由がないと感じている人は男性の方に若干多い。

<性別 自由がないと感じること>
性別 いつもある 時々ある あまりない まったくない 無回答 件数
合計 18.0 34.0 29.3 14.2 2762
男性 7.2 20.2 31.6 26.3 14.7 807
女性 17.1 35.0 30.6 13.7 1947
性別 自由がないと感じることの帯グラフ

 生活の満足度別にみると、満足度が低い人ほど自由がないと感じている人は多い。言いかえれば、自由がないと感じている人が、現在の生活に不満をもっているとも言えよう。

<生活の満足度別 自由がないと感じること>
現在の生活への満足 いつもある 時々ある あまりない まったくない 無回答 件数
合計 18.0 34.0 29.3 14.2 2762
大変満足 9.9 31.7 50.5 5.8 912
ほぼ満足 24.1 45.9 22.9 1044
どちらともいえない 10.4 25.4 35.4 21.4 7.5 280
いくらか不満 12.6 34.4 29.0 21.9 183
不満な点が多い 41.4 24.1 20.7 10.3 58
生活の満足度別 自由がないと感じることの帯グラフ

 現在の居室の入所者数別にみると、〔3人〕で自由がないと感じている人が少なく、人数が多いほど無回答が多くなっているが、それ以外ではさほど大きな違いはみられない。居室が1人部屋かどうかが不自由さを感じかどうかを決定づけるわけではないと言える。

<居室の入所者数別 自由がないと感じること>
入居者数 いつもある 時々ある あまりない まったくない 無回答 件数
合計 18.0 34.0 29.3 14.2 2762
1人 19.2 36.4 31.9 8.2 637
2人 17.7 32.8 31.1 13.6 1636
3人 9.4 51.3 19.7 17.9 117
4人以上 5.1 19.4 30.2 20.8 24.5 351
居室の入所者数別 自由がないと感じることの帯グラフ

(7)-1 自由が足りない点
問57-1 特にどのようなことで、「自由が足りない」と感じますか。
(問57で「1」「2」の方だけ)

件数=624 問57-1の帯グラフ
集団生活の煩わしさ 43.1
日課及び規則による束縛 24.0
外出の規制 24.8
異性との交際 2.7
単一メニューの食事 7.1
酒・たばこの規制 6.3
設備使用の制限 4.8
家具等の持ち込み制限 9.5
通院・入院先の限定 8.7
ペット飼育の禁止 2.2
その他 10.7
無回答 8.3

 

自由がないと感じる人に、その内容をたずねたところ、「集団生活の煩わしさ」が43.1%で他を大きく上回っている。次いで「外出の規制」24.8%、「日課及び規則による束縛」24.0%となっており、その他は1割に満たない。

(8).希望する居室人数
問58 施設を改築するとすれば、ひとつの居室に何人で生活するのがよいと思いますか。

1人 2人 3人 4人 5人以上 無回答 件数
48.8 34.4   11.0 2762
問58の帯グラフ

 

希望する居室の人数をたずねたところ、「1人」が48.8%と半数近くを占め、「2人」が34.4%、3人以上は数%にすぎない。

 現在の居室入所者数別にみると、〔4人以上〕を除くと現在の人数がよいと感じている人が多く、現在〔1人〕部屋では「1人」を希望する人が84.1%、〔2人〕の場合「2人」45.4%、〔3人〕では「3人」38.5%となっている。〔4人以上〕の場合は「1人」「2人」が3割台でそれぞれ多くなっている。現在の居室人数のままがよいと感じている人が意外と多く、必ずしも1人部屋を望んでいるわけではないと言える。また、現在〔1人〕の人でも「2人」を望む人が8.2%いることにも注目すべきであろう。

<居室の入所者数別 希望する居室人数>
入居者数 1人 2人 3人 4人 5人以上 無回答 件数
合計 48.8 34.4     11.0 2762
1人 84.1 8.2       6.3 637
2人 41.1 45.4       10.8 1636
3人 15.4 29.1 38.5   14.5 117
4人以上 31.6 33.9 9.7 5.7   17.9 351
居室の入所者数別 希望する居室人数の帯グラフ

 性別に希望する居室人数をみると、さほど大きな速いはみられず、男性の方が個室を希望する人が若干多くなっている程度である。

<性別 希望する居室人数>
性別 1人 2人 3人 4人 5人以上 無回答 件数
合計 48.8 34.4     11.0 2762
男性 52.9 30.4   10.8 807
女性 47.3 36.1     10.9 1947
性別 希望する居室人数の帯グラフ

 年齢別にみると、低い年齢層の方が「1人」を蒋望する割合が高くなっている。

<年齢別 希望する居室人数>
年齢 1人 2人 3人 4人 5人以上 無回答 件数
合計 48.8 34.4     11.0 2762
60歳未満 55.8 25.6   11.6 43
60~64歳 52.7 30.9 5.9   8.5 188
65~69歳 55.7 31.7     7.9 404
70~74歳 56.1 33.1     6.3 544
75~79歳 50.8 33.1     11.9 599
80~84歳 44.6 35.8   12.2 531
85~89歳 37.1 39.7   17.1 310
90~94歳 26.1 47.8   17.4 115
95~99歳 30.0 30.0 25.0 20
100歳以上 100.0          
年齢別 希望する居室人数の帯グラフ

 日常生活の自立度別にみると、自立度の高い層で個室を希望する割合が高い傾向がある。一方、「2人」を希望する人も〔寝たきりB-1〕で41.8%となっているなど比較的多くみられる。

<日常生活の自立度別 希望する居室人数>
寝たきり度 1人 2人 3人 4人 5人以上 無回答 件数
合計 48.8 34.4     11.0 2762
生活自立 J-1 62.0 31.6     263
生活自立 J-2 61.0 31.5     467
準寝たきりA-1 53.5 36.5       7.1 1219
準寝たきりA-2 35.9 38.6   19.1 440
寝たきり B-1 25.3 41.8 5.5     26.4 91
寝たきり B-2 25.0 23.2   46.4 56
寝たきり C-1 16.1 6.5 9.7 6.5   61.3 31
寝たきり C-2 15.4     76.9 26
日常生活の自立度別 希望する居室人数の帯グラフ

(9).不安を感じること
問59 あなたは毎日の生活の中で不安を感じることがありますか。

常に不安を感じる 時々不安を感じる ほとんど不安は感じない 不安は感じない 無回答 件数
5.2 27.2 21.1 34.0 12.5 2762
問59の帯グラフ

 

生活の中で不安を感じるかどうかをたずねたところ、「常に」「時々」感じる人はそれぞれ5.2%、27.2%、「ほとんど感じない」「感じない」はそれぞれ21.1%、34.0%となっている。

 年齢別では、不安を感じている人は、どちらかというと低い年齢層に多くなっている。

<年齢別 不安を感じること>
年齢 常に不安を感じる 時々不安を感じる ほとんど不安は感じない 不安は感じない 無回答 件数
合計 5.2 27.2 21.1 34.0 12.5 2762
60歳未満 7.0 23.3 25.6 30.2 14.0 43
60~64歳 6.9 30.3 30.9 22.3 9.6 188
65~69歳 7.9 28.2 24.0 30.0 9.9 404
70~74歳 29.8 21.9 35.5 7.9 544
75~79歳 29.7 19.9 32.7 13.4 599
80~84歳 26.9 18.1 37.7 13.2 531
85~89歳 21.0 18.7 37.7 17.7 310
90~94歳 14.8 19.1 42.6 19.1 115
95~99歳 20.0 15.0 30.0 30.0 20
100歳以上   100.0      
年齢別 不安を感じることの帯グラフ

 視力の程度別にみると、〔晴眼〕で不安を感じる人が若干少なくなっているが、〔失明〕〔弱視〕ではほぼ同様の結果となっており、視力障害は毎日の生活で不安を感じるかどうかということにさほど影響していないと思われる。

<視力の程度別 不安を感じること>
視力の程度 常に不安を感じる 時々不安を感じる ほとんど不安は感じない 不安は感じない 無回答 件数
合計 5.2 27.2 21.1 34.0 12.5 2762
失明 27.6 21.4 33.4 12.8 1904
弱視 6.5 26.9 20.7 34.7 11.2 743
晴眼 21.7 20.3 42.0 13.0 69
視力の程度別 不安を感じることの帯グラフ

(9)-11不安の内容
問59-1 不安を感じる主なものはなんですか。あてはまるものすべて選んでください。
(問59で「1」「2」の方だけ)

件数=897 問59-1の帯グラフ
お金のこと 10.6
家族のこと 11.8
身体のこと 68.7
人間関係のこと 22.9
生活全体のこと 9.8
その他 6.0
無回答 4.3

 

不安を感じる人にその内容をたずねたところ、「身体のこと」が68.7%で他を大きく上回っており、「人間関係のこと」22.9%が続いている。その他は1割前後にとどまっている。

 不安を感じる内容は、概ね共通しており、性別、年齢別、視力の程度別にみても、目立った特徴はみられない。
 性別にみると、多くあげられている項目は「身体のこと」「人間関係のこと」と共通している。「お金のこと」「生活全体のこと」は男性の方が多くあげている。
 年齢別にみると、60歳未満で「お金のこと」が30.8%(13人中4人)と多くなっているほかは、さほど大きな差はみられない。
 視力の程度別にみると、〔弱視〕で「身体のこと」、〔晴眼〕で「生活全体のこと」がやや多くあげられている。

<性別/年齢別/視力の程度別 不安を感じる内容>
調査数 問59-1 不安を感じる主なもの
お金のこと 家族のこと 身体のこと 人間関係のこと 生活全体のこと その他 無回答
合計 897
100.0
95
10.6
106
11.8
616
68.7
205
22.9
88
9.8
54
6.0
39
4.3
性別 男性 235
100.0
38
16.2
30
12.8
147
62.6
50
21.3
34
14.5
17
7.2

3.8
女性 661
100.0
57
8.6
76
11.5
468
70.8
155
23.4
54
8.2
37
5.6
30
4.5

年齢 60歳未満 13
100.0

30.8

15.4

69.2

23.1

15.4

7.7

60~64歳 70
100.0

7.1

11.4
53
75.7
20
28.6

10.0

7.1

2.9
65~69歳 146
100.0
16
11.0
16
11.0
94
64.4
49
33.6
10
6.8
13
8.9

2.1
70~74歳 189
100.0
15
7.9
15
7.9
121
64.0
44
23.3
23
12.2
11
5.8
15
7.9
75~79歳 204
100.0
25
12.3
25
12.3
156
76.5
41
20.1
17
8.3

3.9

3.4
80~84歳 165
100.0
17
10.3
19
11.5
108
65.5
35
21.2
16
9.7
14
8.5

3.6
85~89歳 80
100.0
10
12.5
14
17.5
55
68.8
10
12.5
10
12.5

1.3

5.0
90~94歳 22
100.0

13.6

22.7
17
77.3

9.1

9.1

4.5

4.5
95~99歳
100.0


40.0

40.0

20.0



100歳以上
100.0





100.0


視力の程度 失明 618
100.0
61
9.9
78
12.6
413
66.8
144
23.3
62
10.0
38
6.1
30
4.9
弱視 248
100.0
30
12.1
26
10.5
182
73.4
57
23.0
21
8.5
13
5.2

3.6
晴眼 17
100.0

11.8

5.9
11
64.7

17.6

23.5

11.8

(10).共同生活へのわだかまり
問60 全盲者、弱視者、晴眼者が同じホームでともに暮らすことにわだかまりを感じますか。
(対象者自身の状況を除いて尋ねてください。〉

わだかまりをおおいに感じる 感じる どちらともいえない 感じない 全く感じない 無回答 件数
9.8 18.9 11.8 24.5 22.0 12.8 2762
問60の帯グラフ

 

自分と異なる視力の程度の人と同じホームで暮らすことへのわだかまりについてたずねた。わだかまりを感じている人は3割弱、感じていない人は4割台半ばで、感じていない人が感じている人を上回っているものの、「おおいに感じる」とした人が9.8%と1割近くいることは無視できない。ただし、前回調査と比較すると、無回答が大幅に滅っており、その分わだかまりを感じていない割合が高くなっている。

<参考:共同生活へのわだかまり>
平成4年 10.2 18.4 11.1 17.8 10.4 32.1
平成9年 9.8 18.9 11.8 24.5 22.0 12.8
参考:共同生活へのわだかまりの帯グラフ

 視力の程度別にみると、わだかまりを感じるている割合は〔弱視〕〔晴眼〕の1割台に比べ、〔失明〕で高く、3割を超えている。自分よりも軽度の人と同じホームで暮らすことに対してわだかまりを感じることが多いと思われれる。

<視力の程度別 わだかまり>
視力の程度 わだかまりをおおいに感じる 感じる どちらともいえない 感じない 全く感じない 無回答 件数
合計 9.8 18.9 11.8 24.5 22.0 12.8 2762
失明 11.7 21.7 12.0 22.2 19.0 13.4 1904
弱視 5.8 12.5 12.0 30.1 28.4 11.2 743
晴眼 14.5 7.2 30.4 33.3 11.6 69
視力の程度別 わだかまりの帯グラフ

生活の満足度別にみると、生活に不満がある人ほど「おおいに感じる」比率が高くなっている。

<生活の満足度別 わだかまり>
現在の生活への満足 わだかまりをおおいに感じる 感じる どちらともいえない 感じない 全く感じない 無回答 件数
合計 9.8 18.9 11.8 24.5 22.0 12.8 2762
大変満足 9.1 13.6 9.6 26.1 36.8 912
ほぼ満足 9.4 26.8 14.3 30.6 16.4 1044
どちらともいえない 13.6 21.8 19.3 22.9 17.5 280
いくらか不満 19.1 23.5 10.4 23.5 21.3 183
不満な点が多い 27.6 17.2 17.2 13.8 19.0 5.2 58
生活の満足度別 わだかまりの帯グラフ

主題(副題):盲老人の幸せのために -第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)- 177頁~189頁