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-第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)-

◆◆経済生活について◆◆
(11).自己負担金の認知
問61 施設利用に対する自己負担金の金額を知っていますか。(質問者は、回答された金額が正しいかどうか判断し、その結果を下記から選んで下さい。)

金額を正しく知っている ほぼ正しく知っている 間違っている 知らない 無回答 件数
26.0 19.6 38.5 13.6 2762
問61の帯グラフ

 自己負担金の額を正しく答えた人は26.0%、「ほぼ正しく」答えられた人は19.6%で4割台半ばの人が概ね認識しているが、一方、「知らない」と答えた人も38.5%と4割近くを占めている。これは、自己負担金のことを知らない、制度は知っていても金額を知らない、金銭の管理をしていない、また施設側が金銭管理を行っており、入所者に知らせていないなどの理由によるものと考えられる。

 記憶障害の程度別でみると、重度では6割以上が無回答で、「正しく」「ほば正しく」知っている人は1割に満たない。また、中度、軽度でも過半数が「知らない」としており、知っている人はそれぞれ1割、3割程度にとどまっている。記憶障害の症状がない人では「正しく」「ほぼ正しく」知っている人がそれぞれ34.7%、23.2%と多くなっているものの、3人に1人は「知らない」としていることには注意を払うべきだと思われる。

<記憶障害の程度別 自己負担金の認知>
記憶障害 金額を正しく知っている ほば正しく知っている 間違っている 知らない 無回答 件数
合計 26.0 19.6 38.5 13.6 2762
重度   6.3   31.3 61.5 96
中度 6.3 59.1 28.9 318
軽度 14.7 16.5 50.2 14.5 516
症状なし 34.7 23.2 32.2 7.9 1811
記憶障害の程度別 自己負担金の認知の帯グラフ

(12)自己負担金の妥当性
問62 自己負担金は高いと思いますか。それとも安いと思いますか。

大変高い 高い 適当 安い 大変安い わからない 無回答 件数
11.3 31.3 7.2 34.0 12.9 2762
問62の帯グラフ

 自己負担金の額の妥当性についてたずねた。(問61で負担金の額を概ね正しく答えられた人は4割台半ばであったことを考えると、金額を正しく答えられなかった人でも「わからない」以外の回答をしている人が若干いる。)妥当性について答えた人は半数強で、「適当」が31.3%と最も多くなっている。一方、「大変高い」「高い」は1割強、「安い」「大変安い」は1割弱となっている。

 負担額別にみると、高い負担をしている層で「大変高い」「高い」と感じている人が多くなる傾向にあり、13万円以上の負担をしている層では「大変高い」「高い」がそれぞれ17.0%、25.5%と4割以上の人が高いと感じている。

<負担額別 負担金の妥当性>
費用負担額 大変高い 高い 適当 安い 大変安い わからない 無回答 件数
合計 11.3 31.3 7.2   34.0 12.9 2762
0円   15.5 7.5 9.1 48.7 16.0 187
1000~5000円未満     23.1 11.5 44.9 16.7 78
5000~10000円未満   24.0 7.8 41.9 17.3 179
10000~30000円未満   5.5 25.4 9.9   43.1 14.4 181
30000~50000円未満   11.9 35.6 7.0   31.1 12.0 1684
50000~70000円未満   11.0 36.0 7.3   34.1 10.4 164
70000~90000円未満 5.1 22.2 25.6 6.0   30.8 10.3 117
90000~110000円未満 10.0 28.3 21.7   26.7 8.3 60
110000~130000円未満 5.6 25.0 25.0 5.6   30.6 8.3 36
130000円以上 17.0 25.5 23.4     21.3 12.8 47
負担額別 負担金の妥当性の帯グラフ

 生活の満足度別にみると、〔大変満足〕では高いと感じている人が1割を下回っており、逆に「安い」が13.0%と多くなっている。一方、〔不満な点が多い〕では「大変高い」が8.6%で「高い」を合せると2割を超えており、安いと感じている人はわずかである。生活に不満を抱いている人は、費用負担について高いと感じることが多い。

<生活の満足度別 負担金の妥当性>
現在の生活への満足 大変高い 高い 適当 安い 大変安い わからない 無回答 件数
合計 11.3 31.3 7.2   34.0 12.9 2762
大変満足   6.4 37.2 13.0   36.2 912
ほぼ満足   17.3 34.7 36.7 1044
どちらともいえない 13.9 27.9 6.8   39.6 6.1 280
いくらか不満 12.6 33.9 5.5   37.2 5.5 183
不満な点が多い 8.6 13.8 17.2 50.0 5.2 58
生活の満足度別 負担金の妥当性の帯グラフ

(12)-1 高いと思う理由
問62-1 自己負担金が高いという理由はなんですか。最も当てはまるものを1つだけ選んで下さい。

設備がよくない 食事が不十分 入浴回数が少ない 介護サービスが不十分 職員数が少ない 特に理由はない その他 無解答 件数
4.4 5.5   14.2 53.4 13.2 6.6 365
問62-1の帯グラフ

 負担金が高いと感じている人にその理由をたずねたところ、「特に理由はない」とした人が53.4%と過半数を占めている。具体的な理由としては「職員数が少ない」が14.2%で多くなっている。職員数が少ないことにより、行き届いたサービスが行われないことへの不満の表れと思われる。

◆◆施設外の人との交流関係◆◆
(13).施投外の人との交流
問63 施設外に住んでいる人で、あなたが会って話したり、電話で話したり、手紙のやりとり等をする人はいますか。

いる いない 無回答 件数
71.5 18.0 10.5 2762
問63の帯グラフ

問63-1 その相手は誰ですか。(主な人を3人まで)(問63で「1」の方)

件数=1976 問63-1の帯グラフ
家族 68.1
親戚 37.1
友人 28.2
知人 15.3
ボランティア 3.5
地域の住民 1.1
医師 0.4
保健婦 0.1
ケースワーカー 0.3
その他 1.1
無回答 1.1

 施設外に交流する人が「いる」人が71.5%を占めている一方、「いない」とした人も2割近くいる。主な相手としては、「家族」が68.1%と他を大きく上回っており、「親戚」37.1%、「友人」28.2%となっている。

 性別にみると、施設外の人との交流がある割合は、女性の方が高くなっている。
 年齢別にみると、施設外の人との交流がある割合は95歳未満では7割前後となっている。また、相手の第1位は「家族」で共通しているが、第2位と3位については、比較的低い年齢層では「友人」の方が、高い年齢層では「親戚」の方が第2位になっている。

<性別/年齢別  交流相手>
性別 相手がいる割合 第1位 第2位 第3位
男性 n=807 65.7% 家族 65.8% 親戚 29.6% 友人 27.0%
女性 n=1947 74.1% 家族 69.0% 親戚 39.8% 友人 28.8%

年齢別 相手がいる割合 第1位 第2位 第3位
60歳未満 n=43 72.1% 家族 74.2% 友人 38.7% 親戚 22.6%
60~64歳 n=188 69.7% 家族 63.4% 友人 38.9% 親戚 23.7%
65~69歳 n=404 72.0% 家族 72.5% 友人 35.7% 親戚 31.6%
70~74歳 n-544 72.1% 家族 70.4% 親戚 37.5% 友人 36.2%
75~79歳 n=599 72.6% 家族 63.7% 親戚 41.1% 友人 26.9%
80~84歳 n=531 72.9% 家族 69.3% 親戚 39.5% 友人 22.5%
85~89歳 n=310 68.4% 家族 66.5% 親戚 41.5% 友人 17.9%
90~94歳 n=115 72.2% 家族 67.5% 親戚 42.2% 知人 12.0%
95~99歳 n=20 55.0% 家族 72.7% 親戚/友人 /知人 9.1%
100歳以上 n=1 100% 家族 100%

※n=交流の相手がいるかどうかの設問(問63)の対象数相手がいる割合はnに対する比率
 第1位~3位は、相手がいる人を100%とした場合の比率

(13)-1 交流の方法や頻度
問63-2 主として、次のいずれの方法を用いますか。(最も多いものを1つ)(問63で「1」の方)

出かけてあって話す 施設に来てもらう 電話で話す 手紙を書く その他 無回答 件数
5.5 37.9 44.5   7.7 1976
問63の-2の帯グラフ

問63-3 その回数はどの程度ですか。(問63で「1」の方)

毎日 1週間に数回 1週間に1回 1ヶ月に1回程度 3ヶ月に1回程度 半年に1回程度 1年に1回程度 2~3年に1回程度 その他 無回答 件数
6.8 27.3 17.2 14.7 6.9   17.8 1976
問63-3の帯グラフ

 交流の方法については、「電話で話す」が44.4%で最も多く、手軽な交流の手段であることがうかがえる。次いで「施設に来てもらう」が37.9%を占めている。「出かけて」や「手紙」も数%ながらいる。
 交流の頻度については、「1ヶ月に1回程度」が27.3%最も多く、それより頻繁な人は1割強である。また、「3ヶ月」以上間隔があいている人が4割近くおり、「1年に1回程度」「2~3年に1回程度」もわずかではあるがみられる。

 交流の手段別に頻度ををみると、〔電話〕を利用している場合は「1週間に1回」が11.8%と若干多く、半年以上が少なくなっている。また、〔外出〕の場合、「1ヶ月に1回程度」も24.8%と多いものの、「半年に1回程度」が30.3%と最も多く、「1年に1回程度」も15.6%と間隔があいている人が多くなっている。

<交流手段別 交流の頻度>
交流手段 毎日 1週間に数回 1週間に1回 1ヶ月に1回程度 3ヶ月に1回程度 半年に1回程度 1年に1回程度 2~3年に1回程度 その他 無回答 件数
合計   6.8 27.3 17.2 14.7 6.9   17.8 1976
外出 24.8 15.6 30.3 15.6   109
訪問     29.9 22.1 17.2 10.6 10.0 748
電話 11.8 29.6 16.5 12.2   6.1 13.1 879
手紙   32.4 12.2 21.6 6.8   16.2 74
その他   15.4   15.4 15.4 23.1 7.7   15.4 7.7 13
交流手段別 交流の頻度の帯グラフ

◆◆過去および現在の生活観◆◆
(14).以前の生活
問64 現在のホームに入所する前のご自分の生活を振り返って、あなたは今の自分よりも「幸福だった」と感じていますか。それともその反対ですか。

以前の生活の方が大変幸せだった 以前の生活の方がどちらかといえば幸せ 幸・不幸どちらともいえない 以前の生活の方がどちらかといえば不幸 以前の生活の方が大変不幸せだった わからない 無回答 件数
14.2 14.3 26.1 21.8 6.5 6.0 11.1 2762
問64の帯グラフ

 以前の生活と今の自分を比較すると、以前の方が「大変幸せ」「どちらかといえば幸せ」と感じている人はそれぞれ14.2%、14.3%で、「どちらかといえば不幸せ」「大変不幸せ」と感じている人はそれぞれ21.8%、6.5%となっており、以前の方が幸せだったと感じている人とそうでない人は同程度となっている。

 視力の程度別にみると、〔晴眼〕の人で「以前の生活の方が大変不幸せだった」とする人が42.0%と多くなっている。

<視力の程度別 以前の生活>
視力の程度 以前の生活の方が大変幸せだった 以前の生活の方がどちらかといえば幸せ 幸・不幸どちらともいえない 以前の生活の方がどちらかといえば不幸 以前の生活の方が大変不幸せだった わからない 無回答 件数
合計 14.2 14.3 26.1 21.8 6.5 6.0 11.1 2762
失明 13.8 13.6 27.5 21.1 6.8 5.5 11.7 1904
弱視 15.3 16.0 24.1 21.4 6.1 7.7 9.4 743
晴眼 11.6 11.6 17.4 42.0 5.8 8.7 69
視力の程度別 以前の生活の帯グラフ

 年齢別にみると、60歳末満で「以前の方が大変不幸せだった」とする人が32.6%と多くなっているほかは、95歳未満ではさほど大きな違いはみられない。

<年齢別 以前の生活>
年齢 以前の生活の方が大変幸せだった 以前の生活の方がどちらかといえば幸せ 幸・不幸どちらともいえない 以前の生活の方がどちらかといえば不幸 以前の生活の方が大変不幸せだった わからない 無回答 件数
合計 14.2 14.3 26.1 21.8 6.5 6.0 11.1 2762
60歳末満 16.3 16.3 20.9 32.6   9.3 43
60~64歳 14.9 14.4 25.0 23.9 5.3 8.0 8.5 188
65~69歳 16.1 15.8 28.0 20.0 8.4 8.2 404
70~74歳 15.4 14.7 27.2 21.5 7.0 6.1 8.1 544
75~79歳 12.5 15.0 25.5 22.7 6.0 6.8 11.4 599
80~84歳 15.1 14.7 26.6 20.9 6.4 6.0 10.4 531
85~89歳 13.9 10.0 23.2 23.5 5.5 5.5 18.4 310
90~94歳 7.0 12.2 29.6 19.1 7.8 8.7 15.7 115
95~99歳 10.0 20.0 15.0 10.0 35.0 20
100歳以上   100.0          
年齢別 以前の生活の帯グラフ

(15).現在の生活
問65 あなたは現在のご自分の生活をどのように受けとめていますか。

大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
問65の帯グラフ

現在の生活については、「大変幸せ」32.8%、「どちらかといえば幸せ」34.5%で7割近くが幸せだと感じている。一方、「大変不幸せ」「どちらかといえば不幸せ」という人は合せて3%程度ヒどまっている。施設での生活は、ほとんどの人が幸せだと感じられる環境だと言える。

 以前の生活が幸せだったかどうかを合せてみると、以前の方が幸せであったと感じている人で現在幸せだと感じている人は少ない。一方、以前が大変不幸せだったと感じている人では、「大変幸せ」だと感じている人が多く、74.4%にも達している。

<以前の生活別 現在の生活>
以前の生活 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
以前の方が大変幸せ 26.0 31.9 26.3 6.9   392
どちらかといえば幸せ 19.7 44.8 22.8 7.3     395
どちらともいえない 29.5 48.4 17.2       721
どちらかといえば不幸 54.5 37.5         602
大変不幸せ 74.4 19.4          180
わからない 20.5 16.9 23.5     38.6   166
以前の生活別 現在の生活の帯グラフ

 行事や趣味・クラブ活動にに参加しているかどうかでみてみると、積極的に参加している人では「大変幸せ」だと感じている人が多く、4割を超えており、「どちらかといえば幸せ」な人を合せると8割を超えている。その他の層ではあまり大きな差はみられない。

<行事への参加状況別 現在の生活>
行事への参加 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
必ず参加 43.3 39.6 10.4   1163
時々参加 28.2 36.6 21.6   7.1 871
あまりしない 27.7 35.3 17.0 5.4 10.3 224
めったにしない 30.1 28.8 17.8 10.3 8.2 146
全くしない 28.3 35.8 16.7   10.8 120
行事への参加状況別 現在の生活の帯グラフ

<クラブ・趣味活動の参加状況別 現在の生活>
クラブ・趣味活動 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
するようにしている 43.8 38.8 11.6     1058
時々参加する 29.4 40.9 17.0   8.2   477
あまり参加しない 31.8 35.3 18.4   9.5 201
めったに参加しない 29.2 36.1 16.7 8.2 233
所属していない 28.3 33.4 20.8   7.4 5.8 554
クラブ・趣味活動の参加状況別 現在の生活の帯グラフ

 不安を感じる頻度でみると、不安を〔感じない〕人で幸せだと感じている人が多く、特に「大変幸せ」が53.2%と過半数を占めている。ただし、不安を感じている人でも全体的には幸せと感じている人の方が多い.

<不安を感じる頻度別 現在の生活>
不安を感じること 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
常に感じる 24.8 27.6 24.1 9.0 7.6 145
時々感じる 24.2 39.5 23.7   6.6   752
ほとんど感じない 26.9 49.7 17.0       583
感じない 53.2 32.0 7.8       938
不安を感じる頻度別 現在の生活の帯グラフ

 自由がないと感じる頻度でみてみると、自由がないと感じることがない人ほど、幸せだと感じいる割合が高く、〔まったくない〕とした人では「大変幸せ」だと感じている人が56.5%で、「どちらかといえば」を合せると9割近くに達している。

<自由がないと感じる頻度別 現在の生活>
自由がない 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
いつもある 18.0 25.8 33.6 8.6 8.6 5.5   128
時々ある 18.5 38.7 30.6 5.4     496
あまりない 30.4 45.4 14.3   7.1   938
まったくない 56.5 32.8 6.9       809
自由がないと感じる頻度別 現在の生活の帯グラフ

 施設外の人との交流があるかどうかでみると、現在の生活が幸せかどうかは、交流の有無にあまり影響されていないことがわかる。 

<施設外の人との交流の有無別 現在の生活>
施設外の人 大変幸せである どちらかといえば幸せである 幸・不幸どちらともいえない どちらかといえば不幸せである 大変不幸せである わからない 無回答 件数
合計 32.8 34.5 14.3   5.2 10.1 2762
交流している 34.2 39.0 16.2   5.2 1976
交流していない 35.1 34.3 14.9   7.5 496
施設外の人との交流の有無別 現在の生活の帯グラフ

主題(副題):盲老人の幸せのために -第6回全国盲老人ホーム利用者実態調査報告書(4)- 190頁~202頁