障害者と災害時の情報保障
~新潟中越地震の経験と今後の防災活動~
シンポジウム報告書
主催者挨拶
日本障害者リハビリテーション協会 常務理事 野原 昭郎
本日は、ご多用の中にもかかわらず、多くの皆様にご参集賜り、ありがとうございます。
本日は、230人を超える方々のご参加を予定しています。その内訳は、障害者ならびに障害者団体の 関係者の方が約5割、市町村など、行政関係者が約3割、残りの2割が一般の方ならびに学生という 構成になっています。
これだけ多くの皆さまにご参加いただきましたので、本日のシンポジウムは、さぞや活発な論議が 展開されるものと期待しています。
昨年は、異常気象、台風、新潟中越地震、スマトラ沖地震など、国内外ともに、多事多難な1年でした。 もともとわが国は地震大国といわれており、大正12年に、死者9万9,000人を出した関東大震災、 平成7年、死者約6,000人余を出した阪神大震災など、死亡者が1,000人を超える地震災害が この100年に10回発生しております。定期的に起きるものではありませんが、数十年に1回程度は 大地震が発生する可能性があると思われます。また、大災害までには至りませんが、 相当規模の地震が国内各地で頻発している現実もあります。
このような地震をはじめとする自然災害に備えて、災害時における避難、救援活動を円滑、効率的に 進めるためには、情報伝達のあり方、事前の備えがきわめて重要になるものと思います。
このことについては、関係省庁や地方自治体、関係方面で検討がなされていますが、災害は予知が 不可能であるゆえに、一瞬にして被害が拡大するので、なかなか対策の決め手が見つからないのが 現状です。特に障害のある人々には、情報伝達そのものがきわめて困難です。
そこで本日のシンポジウムは、「新潟県中越地震の経験と今後の防災活動」と題し、中越地震の 取組みなどをふまえ、障害者のための災害時における救援活動はもちろん、安否情報、ライフライン 情報などを円滑に効率的に伝えるにはどうすればよいかを中心に議論していただき、 今後の災害時における避難・誘導活動の推進に役立てていただければと思っています。
このシンポジウムの開催に当たり、ご後援をお願いしました、内閣府、厚生労働省、福祉医療機構、 また、ご講演をお願いしている演者の皆さん、シンポジウムに参加していただくパネリストの 皆さまに対し、心より感謝をし、簡単ですが開会のあいさつとさせて頂きます。
- 発行
- 2005年3月
- 編集・発行人
- 財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
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