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北海道における高齢者の雇用実態調査

NO.2

1 研究の目的

 わが国の産業界には従来から、いわゆる複利厚生と呼ばれてきた従業員に対しての企業経営の立場からの恩恵的施策が存在している。
 しかし最近はこうした考えかたから脱却して、より積極的に企業活動の一環としての高齢者対策を展開しつつある産業組織体が増加した。とくに定年退職後の生活保障とともに、長い年月にわたって勤務してきた当人の知識、技術の活用と職場における対人関係の存続維持は、定年到達者自身の精神的自立の支柱となると同時に、産業における労働活力の昂場のための必要条件となることは明白な事実と考えられるのである。
 ところで道内企業の高齢者雇用率は、依然として全国レベルよりかなり低い水準にとどまり、定年制による就業阻止は高齢マンパワーの有効活用を抑止するネックとなっている。
 したがって本稿は、道内企業を対象としたこの問題をめぐる実態を調査して、

  1.  高齢者の雇用および受け入れを可能にする就業形態の整備と職場改善の状況を把握し、在職中の給与体系との関連も考慮した給与のあり方に示唆を与え得る資料を収集する。
  2.  高齢者が真に希求する定年制と、到達後の就業と生活をめぐる自己自身のありかたについての率直な意向を明らかにする。

 以上の観点をめぐる調査の結果を整理、分析して考察をすすめたものである。


主題・副題:
北海道における高齢者の雇用実態調査 132~132頁