障害者支援施設名称:サンワーク六郷
キャッチフレーズ:働く(はたらき)生活(あんしん)を多機能的に支援
施設概要
所在地:秋田県仙北郡美郷町野中字下村55番地2
運営法人の名称:社会福祉法人慈泉会
運営法人の種別:社会福祉法人
運営法人の他事業運営状況:当該事業所以外にも障害者福祉事業を運営
施設連絡先(TEL):0187-84-3809
施設連絡先(FAX):0187-84-3335
事業を開始した時期(旧体系下):平成15年4月
旧体系での施設種別:知的障害者通所更生施設,身体障害者通所授産施設
旧体系で実施していた事業:身体障害者デイサービス
新体系へ移行した時期:平成18年10月
新体系での実施事業:生活介護,共同生活介護(ケアホ-ム),自立訓練(生活訓練),就労継続支援(B型),共同生活援助(グル-プホ-ム)
キーワード:個々に応じたきめ細かいサービスを提供(個別支援重視),一般企業等への就労をサポート(就労移行重視),商品開発や工賃アップで働きがいを向上(工賃・商品開発重視)
施設の事業圏域
サービス提供範囲:美郷町、大仙市、仙北市、横手市、湯沢市、秋田市
利用者の通所範囲:美郷町、大仙市、仙北市、横手市、湯沢市、秋田市
新体系事業の定員・利用者数
事業名 | 定員 (20年2月) | 新体系移行直後の利用者数 (18年10月) | 現在の利用者数 (19年10月) |
---|---|---|---|
生活介護 | 30名 | 32名 | 15名 |
共同生活介護(ケアホ-ム) | 5名 | 7名 | 5名 |
自立訓練(生活訓練) | 20名 | 19名 | 18名 |
就労継続支援(B型) | 30名 | 23名 | 25名 |
共同生活援助(グル-プホ-ム) | 10名 | 3名 | 5名 |
職員数
常勤職員数:12名(20年2月)
非常勤職員数:12名(20年2月)
事業所全景
就労継続支援事業
生活訓練事業
新体系事業
新事業として実施する際に留意したこと:
もともと身体・知的の複合施設としてスタートしており、身体・知的の壁をなくすというスタンスで運営していた。その意味で、新体系にはうまくマッチしたと思う。
新体系になって、障害者がサービスを選ぶという面がいっそう強くなり、それにこちらが応えていけるようにとの考え方で体制をつくった。
旧体系の身障授産はそれほど大きな変化はなかったが、知的更生については、生活訓練に加え、ニーズをふまえて就労・働く場という方向を強化した。
グループホームは移行前から運営していたが、移行に際して事業に位置づけなおした。
サービスで力を入れていること:
就労の場を確保するということで、特に旧の知的更生の利用者が働ける場としてパン工房(就労継続支援B型)を新たに始めた。
就労訓練の場として、多様な場を用意するようにしている。パン工房のほか、園芸やリサイクル(廃油の回収)、清掃などを実施している。
取り組みの工夫:
施設の中に閉じこもるのではなく、地域の中で働けるように、外での活動に力を入れている。施設も美郷町の中心市街地にあり、周りには公共施設なども多いので、場所的には恵まれていると思う。
日中サービス、居住サービスについてのスタンス・考え方:
利用者の状況はさまざまであり、目指すものも多様なので、それにあわせることが大切だと考えている。利用者の増加に伴い、作業メニューも増やしている。利用者が施設に合わせるのではなく、利用者に合わせていくことが重要。新体系になってこうした方向は取り組みやすくなったと思う。
もともと上記の方針で取り組んでいたので、新体系移行に際してサービスが変わることに、利用者も職員も抵抗はなかった。
就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:
工賃については、当初はコスト主義でやっていたが、新体系移行に際して日当制にし、利用者のやる気が出るようにした。今年の平均工賃は6千円で、昨年より倍になっている。
施設周辺には公共施設が多く、清掃業務など比較的仕事は得やすい環境である。
投資内容と成果
投資の具体的内容:
パン工房の新設に投資をした。
また、グループホームはこれまで借りていたが、移行を機に基盤整備をするために買い取った。
その他、パンの訪問販売用の車の購入やスタッフの雇用に投資をした。
おおまかな投資額:
グループホームの買い取りに約3千万円を要した。
利用者の変化:
利用者についてはあまり変化はない。
サービスの質の向上におけるポイント:
外で働く機会の充実が重要と思う。パン工房を新設したり、メニューを増やしたので、利用者が外に出やすくなったと思う。
運営面の状況、運営の安定におけるポイント:
移行前と比べて、収入は1割以上減った。特に日額制になったので、休む人が出た場合に収入が減る。職員の給与は月払いだが収入は日払いなので、この違いが大きい。収入に合わせて職員給与も日払いにするというわけにはいかない。
ただ、いろいろ細かいところでは制度上の問題は多いと思うが、長期的に見れば、補助よりも報酬単価の制度の方がいいと思う。
関係機関や地域等との連携
行政、医療機関など専門機関との連携状況:
地域自立支援協議会が立ち上げられ、当施設も参加しているが、実態はあまり動いていない。
ケース対応について、特に精神は難しく、当施設利用者にも1~2名いるが、医師との連携が重要と感じる。
企業や学校等との連携の状況:
学校とは以前からかなり連携をしている。実習や卒業生の受け入れでつながりは強い。
地域の企業とは、建物の清掃を請け負ったり、就労体験の協力を得るなどでつながりがある。
地域の交流・連携の状況:
地域の中での活動を重視しているので、普段から地域住民とはつながりがあり、いろいろな面で配慮をしてもらっていると思う。
課題等
これからは就労移行支援にも取り組んでいきたいと思っているが、なかなか難しい。就労支援センターも受けているのだが、これまで5年間で2名程度の実績である。今後、経験をつんで、取り組みを強化していきたいと考えている。