浜松協働学舎根洗寮

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更新日 2008-04-11 | 作成日 2008-01-31

障害者支援施設名称:浜松協働学舎根洗寮

キャッチフレーズ:自閉症に特化したケアホームを整備、個別ケアを充実

施設概要

所在地:静岡県浜松市北区根洗町681-5
運営法人の名称:社会福祉法人ひかりの園
運営法人の種別:社会福祉法人
運営法人の他事業運営状況:当該事業所以外にも障害者福祉事業を運営 介護保険・高齢者福祉事業を運営 児童福祉事業を運営
施設連絡先(TEL):053-430-0596
施設連絡先(FAX):053-430-0597
施設連絡先(Eメール):kyodo @ process.ne.jp
施設及び運営法人HPのURL:http://www18.ocn.ne.jp/~hikari-1/
事業を開始した時期(旧体系下):平成9年10月
旧体系での施設種別:知的障害者入所更生施設
新体系へ移行した時期:平成19年4月
新体系での実施事業:生活介護,施設入所支援,共同生活介護(ケアホ-ム)
キーワード:地域生活への移行をサポート(地域移行重視),生活・日中活動の充実をめざす(生活重視),障害者支援の地域ネットワークをつくる(ネットワーク重視)

施設の事業圏域

サービス提供範囲:施設入所支援は県西部保健福祉圏域、生活介護と共同生活介護は浜松市が中心
利用者の通所範囲:浜松市

新体系事業の定員・利用者数

事業名定員
(20年2月)
新体系移行直後の利用者数
(19年4月)
現在の利用者数
(20年2月)
生活介護120名121名123名
施設入所支援43名49名43名
共同生活介護(ケアホ-ム)20名9名20名

職員数

常勤職員数:25名(20年1月)
非常勤職員数:29名(20年1月)

事業所全景
事業所全景
ケアホーム「ラポール根洗」
ケアホーム「ラポール根洗」
生活介護「根洗作業所」
生活介護「根洗作業所」

新体系事業

新事業として実施する際に留意したこと:

財源の確保。障害程度区分のシミュレーションを行ったところ、移行による収入増を見込めたので移行を決意した。

サービスで力を入れていること:

自閉症や行動障害の利用者が多く、従来から研修会等もやってきたのでハード整備として専用のケアホームを新築し専門的なケアを行っている。 ケアホームは施設入所支援に比べて個別のケアが可能で、利用者にとっても生活環境が良く、施設にとっても収入が高いので、全体のサービス内容ではケアホームを拡大していきたいと考えている。また、重度重複の障害者への生活介護の施設も現在、建設中である。

取り組みの工夫:

職住分離を従来から実施している。

日中サービス、居住サービスについてのスタンス・考え方:

自閉症に特化したケアホームの新築と職員の増員により、専門的なケアができるようになった。 施設入所の定員を減らしてケアホームにシフトしたことで、施設入所支援でもケアホームに近いケアができるようになり、日中活動も個別化されたプログラムをつくる等、個別化の視点が広がり地域移行への意識が高まった。 ケアホームでは、宿直を若干強化したもので対応している。夜間に手厚いケアが必要な利用者は施設入所支援に残っている。 施設入所支援ではユニットケアを実施しているので、将来的には定員を減らしてケアホームにしていきたい。 重度の障害者への支援としては、健康管理・事故防止を重視しており、今後はケアホームの地域での溶け込みや夜間体制を検討していきたい。

就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:

就労系のサービスは取っていないが、生活介護で就労活動を行っており、ほとんどの人が施設外の作業所でクッキーやパン作り等の作業をしている。工賃も支払っている。 ケアホームで住み続けるための収入を得てもらうために、重度の障害者でも働ける方法を考えるようになり、4名の一般就労が実現した。 現在の工賃は、3000~40000円。ケアホームの利用者の生活保障を優先しており、年金の級によって最低保障額を決めている。 工賃アップの取り組みとしては、県と小規模作業所連合会、静岡文化芸術大学が協働で、作業所の文化を守り、ものづくりで社会に貢献するという理念のもとで、製品開発プロジェクト(ブランドの立ち上げ)を行っている。企業からの支援もある。

投資内容と成果

投資の具体的内容:

ケアホームと生活介護事業所を新築(同じ建物にすることでコストを削減した) 設備導入、作業道具・車の購入 職員20名(うち、正職員8名)を増員

おおまかな投資額:

1億1000万円

利用者の変化:

全体として定員は増えていないが、養護学校の卒業生を受け入れ、虐待にあった在宅障害者が入所するケースなどが増えたことで、利用者が若干増えた。 実際には授産製品を生産・販売しているが、新体系のサービス内容としては生活介護としているので、就労を目指す利用者は離れてしまったと思う。

サービスの質の向上におけるポイント:

サービスの質はある程度は向上したと思う。ケアホームが増設されて、施設入所支援においても空間的にゆとりができたことで、以前よりも個別の対応が可能となった。 職員の意識も変化し、利用者の所得の保障を考えるようになったし、個別支援計画を作る中で支援の成果も検証できるようになった。 製品開発プロジェクト等で事業内容の見直しをすることができた。

運営面の状況、運営の安定におけるポイント:

経営が安定したかどうかはどちらともいえない。収入増を図るために事業を増やしたが、それにより職員の増員や管理が必要になり、経営状況を圧迫している。これを回避するために、再び事業を増やすとなると悪循環になってしまう。 ケアホームを増設したことで職員を増員したものの、投入する労力が大きいので職員の疲労感など厳しさを感じている。

関係機関や地域等との連携

行政、医療機関など専門機関との連携状況:

嘱託医は、内科と精神科を各1名配置している。医師とは定期的にケース検討会を開いている。 浜松市からは、赤字の福利厚生の売店を請け負って経営しており、利用者の就労の場となっている。 県がやっている就労支援サポーターの養成研修には、講師等として手伝っている。

企業や学校等との連携の状況:

就労では、雇用しているメンバーについて、ジョブコーチを推進している「くらしえん」と企業主とともにケア会議を実施して課題の洗い出しを行っている。 中小企業の同友会に小規模作業所連合会から職場開拓員を配置し、作業所と企業のパイプ役を担っている。

地域の交流・連携の状況:

利用者で地域で生活したいという人がいれば、ケア会議に市内の相談事業者すべてに集まってもらって役割分担を決めている。 ケアホームを増設したので、地域生活支援ネットワークを形成するための地域の組織化として、浜松グループホーム連絡協議会を立ち上げた。

課題等

市へ政策提言するための事業者や大学の先生による研究会を、4月から立ち上げる予定。 短期入所が日中活動と併用できないというのはおかしい。「駆け込み寺」としての役割を施設が果たせるような制度にして欲しい。 地域移行を進めるためのケアホームの報酬単価の見直し。利用者の所得保障の充実