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手作り工房あゆみ

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更新日 2008-04-11 | 作成日 2008-01-31

障害者支援施設名称:手作り工房あゆみ

キャッチフレーズ:企業ニーズ情報の収集を通じて就労移行支援にチャレンジ

施設概要

所在地:三重県四日市市西坂部町1004-1
旧体系での名称(変更した場合):心身障害者小規模作業所ケアサロンぬくもり
運営法人の名称:社会福祉法人ぬくもり結の里
運営法人の種別:社会福祉法人
運営法人の他事業運営状況:当該事業所のみ
施設連絡先(TEL):059-334-1591
施設連絡先(FAX):059-334-1591
施設連絡先(Eメール):nukumori @ m6.cty-net.ne.jp
事業を開始した時期(旧体系下):平成13年4月
旧体系での施設種別:身体障害者小規模作業所(法定外),知的障害者小規模作業所(法定外),精神障害者小規模作業所(法定外)
新体系へ移行した時期:平成19年4月
新体系での実施事業:就労移行支援,就労継続支援(B型)
キーワード:一般企業等への就労をサポート(就労移行重視),商品開発や工賃アップで働きがいを向上(工賃・商品開発重視),障害者支援の地域ネットワークをつくる(ネットワーク重視)

施設の事業圏域

サービス提供範囲:四日市市・桑名市・鈴鹿市・亀山市
利用者の通所範囲:四日市市・亀山市

新体系事業の定員・利用者数

事業名 定員
(20年2月)
新体系移行直後の利用者数
(19年4月)
現在の利用者数
(20年2月)
就労移行支援 6名 3名 5名
就労継続支援(B型) 20名 15名 18名

職員数

常勤職員数:6名(20年2月)
非常勤職員数:2名(20年2月)

事業所全景
事業所全景

新体系事業

新事業として実施する際に留意したこと:

就労移行支援を新しく始めるために、以下の3点に留意した。 ①就労支援センター、ハローワークといった関係機関との連携 ②インターネットや関係機関からの就労先や企業のニーズに関する徹底的な情報収集 ③行政の文書から必要なことの読み取り

サービスで力を入れていること:

就労移行支援では、チャンスがあればいつでも就職に挑戦できるように、実習とともに就職活動の練習として履歴書の書き方や面接などの指導を併行して行っている。

取り組みの工夫:

障害者のための合同就職説明会やハローワークからの情報収集などで企業のニーズ(どういう人が欲しいのか、どういう人がやめていくのか)を調査した。 その結果、仕事の内容は補助的なことが多いので障害者でも挑戦することができること、また、仕事をする上で基本となる、挨拶や受け答えなどの生活指導は施設で行ってから就労させる必要があることが分かった。そこで就労移行支援では、挨拶等の基本的な指導と、実習前の実践的な訓練を実施している。 実習前の訓練では、実習内容を事前に把握し、各利用者に訓練項目のマニュアルを作成し、同じ状況を施設内に作って事前に練習させている。また、ミスマッチングを防ぐために、雇用する前にはなるべく実習期間を設けてもらうようにしている。 指導においては、自分で考えさせることを基本とし、指導するときも、「なぜそうするのか」ということを理解させるようにしている。

就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:

就労継続支援Bのサービス内容は、おおむね移行前のサービス内容を継続しているが、移行後は、将来的に就労を考えている利用者のために支援を行うようになった。 就労移行支援の実施により、就労継続支援Bの利用者にいい刺激が与えられるようになったし、就労継続支援Bから直接、一般就労につながるケースがあってもいいと考えている。 工賃は、現在のところ平均で5000円。工賃アップの5年計画に手を挙げており、5年後には平均で30000円程度をめざしたい。 工賃アップの取り組みとして、流行を取り入れた新商品の開発を行っている。販売時にお客さんからの要望を聞き取るようにしており、今後は単価も高く人気もある商品を生産販売する予定である。また、経営コンサルタントの助言などもふまえて、他の事業も見直していきたい。

投資内容と成果

投資の具体的内容:

施設及び授産設備

おおまかな投資額:

施設(本体施設7000万、外構760万)、就労訓練設備(100万) 国・県からの補助金が7000万円、借入金600万円で、施設からの持ち出しは100万円程度であった。

専門職種の雇用人数・雇用の理由:

社会福祉士1名と、3名の職員を新たに雇用して、支援する職員を増やした。

利用者の変化:

就労移行支援を始めたことで、一般就労をめざす人が新たに2名入り、養護学校などから就労継続支援Bにも3名入って、若干、利用者が増えた。また、移行時に一般就労支援を希望した2名の利用者もいるほか、就労継続支援Bを利用しながらも一般就労をめざす利用者も出てきている。

サービスの質の向上におけるポイント:

移行によって一般就労を目指す人の希望をかなえることができた。また、ハローワークや就労支援センターとの連携が進み、就労に関する情報収集もできるようになった。そのため、支援内容に反映することでサービスの質はある程度は向上したと思う。

運営面の状況、運営の安定におけるポイント:

移行したことによって、収入が大幅に増えたので、現在は経営が安定しているが、長期的に見ると不安がある。 一般就労を考える障害者はまだ少ないと感じている。就労移行支援から利用者が一般就労した後に、すぐに就労移行支援に人が入らないと経営は厳しいと思う。就労移行支援に利用者が集まるよう、特色が必要と考えている。運営面は厳しい状況、緊縮予算で打開している。

関係機関や地域等との連携

行政、医療機関など専門機関との連携状況:

他の関連機関と情報交換や利用者の紹介など支えてもらっている。 平成19年4月の施設の開所にあたって、関連機関担当者が親身になって相談に乗ってくれた。現在も、報告や連絡調整を密に行っている。

企業や学校等との連携の状況:

市内の養護学校の卒業生を受け入れるほか、進路担当者と情報交換をしている。 実習先や就労先は、ハローワークや就労支援センター等と連携して情報を収集し開拓している。企業の方から利用者を紹介してほしいと依頼もあった。 就労訓練製品の販路として、喫茶店等を人づてで開拓している。

地域の交流・連携の状況:

地域とは、作業所時代からのつながりがあり、絆ができている。施設の土地は、地域住民から無償で譲り受けた。 施設内の多目的室は、地域の人が利用できるようにしている。また、他の部屋と引き戸を開けることで広い部屋として活用できる設計になっており、催し物などもできるように考えている。地域の緊急時の避難場所にもなっている。

課題等

施設整備申請、社会福祉法人としての申請、新体系への移行申請を同時に進めたので苦労したが、作業所時代からの地域との絆により支援があったことや行政からも理解を得られたことで移行することができた。 支援では、実習前の訓練をより実践的にできるように、実習先担当者や支援員の話を参考に指導内容を強化していきたい。 将来的には、利用者の高齢化を想定して、ある程度フォローできるように、また経営面も考えて、自立訓練(生活訓練)やグループホームもサービス内容に加えていきたい。 一般就職した場合の運営支援として、2~3ヶ月間の補助支援や奨励金があればと思う。 ジョブコーチとしてのスキルも身につけ、より内容の濃い支援を目指したい。