福祉の店アミーチ
障害者支援施設名称:福祉の店アミーチ
キャッチフレーズ:新体系移行を機に事業規模を拡大、就労移行支援に取り組む
施設概要
所在地:山口県山口市小郡下郷1318番地1
旧体系での名称(変更した場合):山口市心身障害者福祉作業所
運営法人の名称:NPO法人福祉の店アミーチ
運営法人の種別:NPO法人
運営法人の他事業運営状況:介護保険・高齢者福祉事業を運営
施設連絡先(TEL):083-972-1023
施設連絡先(FAX):083-972-1235
施設連絡先(Eメール):amici @ oregano.ocn.ne.jp
施設及び運営法人HPのURL:http://amici-npo.sakura.ne.jp/
事業を開始した時期(旧体系下):平成8年4月
旧体系での施設種別:知的障害者小規模作業所(法定外)
新体系へ移行した時期:平成18年10月
新体系での実施事業:就労移行支援
キーワード:一般企業等への就労をサポート(就労移行重視),障害者支援の地域ネットワークをつくる(ネットワーク重視)
施設の事業圏域
サービス提供範囲:山口県内
利用者の通所範囲:山口県内
新体系事業の定員・利用者数
事業名 | 定員 (20年4月) |
新体系移行直後の利用者数 (18年10月) |
現在の利用者数 (20年4月) |
---|---|---|---|
就労移行支援 | 20名 | 10名 | 16名 |
職員数
常勤職員数:8名(20年4月)
非常勤職員数:2名(20年4月)
事業所全景
再生品トイレットペーパー作業
リサイクルショップ
新体系事業
新事業として実施する際に留意したこと:
就労移行支援については、利用者数の関係で新体系移行にあたってこれしか選べなかった。現在、利用者は16名である。
サービスで力を入れていること:
就労移行については、もともとのスタート時からやっていた事業である。毎年4~5名を就職させている。
取り組みの工夫:
これまではカンと度胸で就労支援をやっていたが、新体系になって事業としては明確になったと思う。2年という期限が切られたことで、職員にも利用者にも良い意味で緊張感が生まれたと思う。 事業範囲は山口県内で比較的広い。もともと旧小郡町の施策としてつくられた施設だが、町内には利用者が少なく、周辺からも利用を受けるようにしていた。
就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:
もともと福祉のためにつくった施設ではなく、商店街の空き店舗対策で、行政(旧小郡町)の施策の1つとしてつくられたもの。それもあって、福祉の目線ではなく障害者を見るスタンスがある。「障害者がかわいそう」という保護の視点ではなく、「障害者の能力がもったいない」という視点が大切だと思う。 施設の中で完結してしまうのではなく、地域の中で施設がどのような役割を果たしているか、民間企業にどう対応できるか、という観点を持つことが重要である。 利用者の「今を光らせる」ことに力を注いでいきたい。 就労移行支援は、職員が保証者みたいなもので、サポート体制が重要である。企業は採用した後、障害者がどうなるかが不安である。そこを保証しないと、双方満足できる就職は難しい。企業が困っているところをワークシェアできるかどうかが重要で、企業の本音にいかに近づくかがポイントである。 職員にも利用者にも夢がある。その夢に向かってどう進んでいくか、そこに意義を置いていきたい。
投資内容と成果
投資の具体的内容:
定員増にあたって施設の近くに作業棟を増設した。 職員は現在6名だが、4月から2名増員し8名となる。
おおまかな投資額:
作業棟の整備で1千万円ほど使った。運営には5百万円ほどかかっている。
利用者の変化:
定員が増加したこともあり、利用者数は増えている。
サービスの質の向上におけるポイント:
人的ネットワークが重要である。ネットワークがなければ、こちらから求めていく。経営者の勉強会などにも参加しており、そうした場を利用して企業とのネットワークをつくるようにしている。 就職できるかどうかは、最終的には能力というよりも運であり、縁である。実際にそうであるし、こうした考え方は障害者本人も傷つけない。能力、能力と追い詰めるのではなく、心に余裕を持って事にあたることが大切だと思う。 職員のスキルの向上が大切である。知的障害者の場合、これまで人が働いている姿に接してこなかった人も少なくない。そういう人にどのように就労意欲を持たせるかが難しいところであり、そのためには働く姿を見せることが重要である。職員には一緒に働く姿を見せながら利用者の能力向上を支援していくという役割が求められる。そういうこともあり、若い職員には積極的に研修に参加し、スキルを身につけてもらうとともに、人脈づくりの機会にもしている。
運営面の状況、運営の安定におけるポイント:
補助金の少ないときから比べると収入は増えた。書類的な作業負担はたいへんになったが。 経営は安定した。これまで小さな補助金をベースに運営していたところが、事業報酬が入るようになったので、小さい歯車から大きい歯車にギアチェンジしたような感じである。
関係機関や地域等との連携
企業や学校等との連携の状況:
人的ネットワークが重要で、特に就職先のキーマンとのネットワークづくりに留意している。 養護学校の卒業生は、卒業生の行き場所づくりとして利用されるのはあまり気が進まなかったので、以前は取らなかったが、最近は増えている。
課題等
社会のバリアフリーが進めば、わざわざ就労移行支援などしなくても障害者の就職は進む。その意味で、就労移行支援は過渡的なサービス、将来的にはそれほど長くは続かないサービスだと思う。 障害者の就職は難しくないということを知ってほしい。運を信じて、前に進むことが大切である。