事業の目的は、就労移行訓練、就労継続A型とB型、授産施設と福祉工場に在籍する障害者の賃金と職業能力の評価に必要な要素5項目の実態と職業能力向上に取り組む事業所の事例を紹介して、関係者の意識改革と経営の体質改善、及び障害者の社会自立と福祉の増進を図ることにあります。
調査項目は、平成5 年の厚生省委託研究において策定した『職業能力共通評価表』を参考に、研究員は前年度との関連から主任研究員に渡辺次男氏、東日本・西日本・中日本の各地区担当研究員を増員して、現場の確認に力を注ぎました。
評価の基準は、製造業・サービス業の現場で働く中高年齢パート職の作業能力を標準とし、その作業能力の達成に必要とする要素(①身体機能。②体力。③作業意欲の維持・安定性及び適応性。④人間関係。⑤社会常識)の評価を数値化して、誰もが使いやすく、分かり易い仕様にしました。
評価方法は、障害者の働く現場で、福祉、労働、教育関係の人が複数で確認の上、評価後の数値を記入しました。
一次調査の回答は、93 事業所1,841 名と計画当初の50 カ所対象人数 約1,000 名の1.8 倍を上回りました。
二次調査は、一次調査の結果を参考に目標値の改善と実践を求めたもので47 事業所から有意義な報告がありました。
事例紹介は、米子市(鳥取)愛南町(愛媛)坂井市(福井)東京の各セミナー会場で実施しました。(参加者約 1,100 名)
また、事務局の受けた、就労・雇用に関する相談は62 件、この中には、各地の行政担当者の視察が19 件含まれています。
このことは、新法制度への移行期限が迫るなかで、就労についての関心が各所で高まりつつあると言えます。
以上、本事業の主旨と目的、調査項目と評価基準、並びに評価方法と経過であります。
職業能力実態調査実行委員会
事務局代表 松永 正昭