北海道 地域生活移行フォローアップ調査報告書

全道地域生活移行フォローアップ調査の概要

1 調査目的
 北海道障害福祉計画では、平成23年度までの間に福祉施設入所者の2,366人を地域生活に移行することを目標としています。地域生活の移行については、利用者や家族の意向を踏まえて実施されるものであり、また、施設からの退所後は、継続して地域で生活するための支援のあり方が重要です。このため、地域移行した障がい者の生活状況を把握し、地域移行の阻害となっていた要因や移行後の課題を分析することにより、地域移行が円滑に実施されるための基礎資料とするため調査を行ったものです。

2 実施主体 北海道

3 調査受託 社団法人北海道知的障がい福祉協会(担当:更生施設部会)

4 調査期間 平成20年12月15日~平成21年1月24日

5 調査区域 北海道内

6 調査対象と調査内容
 北海道保健福祉部障害者保健福祉課の資料に基づき、平成17年10月1日より平成19年10月1日の間に入所施設からの「地域移行生活者」510名を対象とし、次のとおり調査対象と調査の内容を定めました。

《調査対象1》
共同生活介護に移行した240名と共同生活援助に移行した150名・計390名
《調査対象2》
共同生活介護と共同生活援助に移行した390名の保護者・ご家族
《調査対象3》
福祉ホーム・通勤寮・一般住宅・自宅家庭復帰・その他の移行者・計120名
個別調査
・対象者のプロフィール
⇒事業所で記入
・生活実態の聞取り
⇒事業所職員から利用者に聞取り
・入居しているGH・CHの概要
・⇒事業所で記入
ご家族アンケート
・移行に対する思い
・支援の内容について
・将来への思い
・支援内容に対する要望
⇒アンケート用紙を事業所から転送⇒家族が記入
グループホームやケアホーム以外の移行についての調査
・上記の移行に際しての主たる事由
⇒移行する前に入所していた施設に対する問合せ

 なお、地域移行生活者510名が移行の前に入所していた施設の運営主体と移行後の生活形態の内訳は次のとおりです。
 法人の種別・移行前の入所施設の種別・移行先の別については北海道保健福祉部障害者保健福祉課が集計した「地域生活移行者の市町村別内訳(H17.10.1.~H19.10.1.)」に基づくものです。

入所更生施設(386名)

地域移行者が移行前に利用していた施設の運営主体と移行数 共同生活介護 共同生活援助 福祉ホーム 通勤寮(旧法) 一般住宅 自宅家庭復帰 その他
社会福祉法人運営の73施設から372名が移行 188 102 1 8 8 56 9
市町村立運営の3施設から6名が移行 1 1 0 1 0 2 1
事業団運営の1施設から8名が移行 5 0 0 2 0 1 0
194 103 1 11 8 59 10

 

入所授産施設(124名)

地域移行者が移行前に利用していた施設の運営主体と移行数 共同生活介護 共同生活援助 福祉ホーム 通勤寮(旧法) 一般住宅 自宅家庭復帰 その他
社会福祉法人運営の16施設から122名が移行 44 47 0 0 9 22 0
社会福祉法人運営の16施設から122名が移行 2 0 0 0 0 0 0
46 47 0 0 9 22 0

 

 入所更生施設と入所授産施設からの移行者の合計

地域移行者が移行前に利用していた施設の種別と移行数 共同生活介護 共同生活援助 福祉ホーム 通勤寮(旧法) 一般住宅 自宅家庭復帰 その他
入所更生施設 386名
入所授産施設 124名
240 150 1 11 17 81 10
移行形態の割合 47.1% 29.4% 0.2% 2.2% 3.3% 15.9% 2.0%

 

グループホーム・ケアホーム移行者の個別調査結果

 施設入所からグループホームやケアホームに移行した利用者が、現在の生活についてどのように感じ、また今後何を望んでいるのか、実態について明らかにするため、各事業所のご協力を頂き、アンケートを実施しました。

Ⅰ 調査対象者プロフィール

対象者 390人(共同生活介護240人・共同生活援助150人)
回答数 306件
回答率 78.5%

1.本人聞き取りの可否

 回答のあった306件の利用者への聞き取りにあたっての聞き取りの可否では87.9%の269人が聞き取り可能との回答でした。

無回答 不可 合計
11人
3.6%
269人
87.9%
26人
8.5%
306人

 

2.対象者の性別

 グループホームやケアホームへの移行者の性別は男性の割合が64.4%、女性が34.0%となっており男性の割合が高くなっています。

無回答 男性 女性 合計
5
1.6%
197
64.4%
104
34.0%
306

 

3.年齢構成

 移行者の年齢構成割合では20歳から50歳代までは有意差はみられませんでした。60歳代でも9.5%の29人がグループホームやケアホームで生活されています。今回の個別調査の対象者の平均年齢は41.7歳となっています。(男性41.5歳・女性42.0歳)

無回答 20代 30代 40代 50代 60代 合計
7人
2.3%
68人
22.2%
79人
25.8%
67人
21.9%
56人
18.3%
29人
9.5%
306人

 

4.グループホーム・ケアホームの利用開始年月日

 対象者のグループホームやケアホームの利用開始の時期は下記のとおりです。平成17年度以降、移行者が増加していることがわかります。
 利用開始年月日の不明が57人となっています。これは入所施設の利用開始年月日が記載されていると推測されるもの等によるものです。

無回答 不 明 平成17年 平成18年 平成19年 合計
30人
9.8%
57人
18.6%
36人
11.8%
81人
26.5%
102人
33.3%
306人

 

5.対象者の障害程度区分

 306人の障害程度区分については、非該当が2%の7人、区分1が7%の20人、区分2が25%の77人、区分3が34%の104人となっていました。区分3以下の合計が208人の68%(障害程度区分について回答のあった264人の割合では78.8%)となっています。区分4から区分6の合計は56人の19%(同21.2%)でした。264人の平均障害程度区分は2.69です。

障害程度区分

 

6.日中活動の種別

 グループホームやケアホーム利用者の日中のサービスの利用状況は下記のとおりです。

無回答 一般就労 就労移行 就労継続A 就労継続B 生活訓練 生活介護 その他 合計
13人
4.2%
36人
11.8%
15人
4.9%
1人
0.3%
119人
38.9%
18人
5.9%
44人
14.4%
60人
19.6%
306人

 上記の「その他」60人の内訳

無回答 旧通所更生 旧通所授産 地域活動支援 入所施設日中活動
8人 20人 22人 2人 8人

 

7.年金の種別

 受給している年金の種別では障害年金1級が26.1%、2級が61.1%でした。「その他の年金」では、障害厚生年金や遺族年金を受給されています。

無回答 障害年金1級 障害年金2級 その他の年金 合計
34人
11.1%
80人
26.1%
187人
61.1%
5人
1.6%
306人

 

8.就労および工賃収入月額

 就労や日中のサービス利用による賃金や工賃の状況は次のとおりです。

無回答 一般就労 工賃収入 就労&工賃 合計
60人
19.6%
34人
11.1%
200人
65.4%
12人
3.9%
306人

一般就労者34人の平均賃金は66,824円でした。(最高で123,887円、最低6,000円)

 

工賃収入についての回答の集計は次のようになりました。工賃収入の平均額は14,118円となっています。(最高66,000円、最低1,000円)

無回答 3,000未満 3,001~5,999 6,000~8,999 9,000~11,999 12,000~14,999 15,000~19,999 20,000~29,999 30,000
以上
2人
1.0%
20人
10.0%
45人
22.5%
16人
8.0%
24人
12.0%
31人
15.5%
24人
12.0%
14人
7.0%
24人
12.0%
累計 10.0% 32.5% 40.5% 52.5% 68.0% 80.0% 87.0% 99.0%

 

9.生活保護の受給状況
 グループホームやケアホームを利用する306人の内、生活保護を受給している人が9人との回答がありました。その受給平均は36,666円となっています。

 一般就労による賃金と日中サービス利用による工賃を併せて収入を得ている12人については、賃金の平均額が30,666円、工賃の平均が11,687円、計42,353円となっています。

無回答 なし あり 合計
49人 248人 9人 306人

生活保護受給額

無回答 ~2万 ~3万 ~4万 ~5万 ~6万 合 計
3人 1人 3人 0人 1人 1人 9人

 

10.ホームの入居費など毎月の固定経費支出額

 グループホームやケアホームを利用している人たちの月々の経費で固定的な支出額の合計は次の表のとおりです。平均額は55,767円でした。

・ ホームの入居費
・ 日中のサービス利用の負担金
・ 日中の昼食代 等

毎月の固定経費支出

11.固定費以外で毎月かかる経費

 上記の固定的支出のほかにかかる経費として、141人が医療費の自己負担があるとし、その平均額は4,086円となっています。月々1万円以上の負担となっている人は13人でした。 その他の経費として86人から回答があり、保護者会会費、国民健康保険料、各種保険料、送迎費用等の平均の支出は6,345円になっています。

 

12.お小遣いとして残る金額

 受給している年金や生活保護費、就労賃金、工賃から月々の固定的支出や医療費、その他の経費を差し引いてお小遣いとして残る金額の平均は16,407円となっています。回答のあった267人のうち、2万円以下が177人(66.3%)で、2万円をこえているのは90人(33.7%)との結果でした。お小遣いとして残る金額がないとしている人が41人(15.4%)にのぼっています。

お小遣いとして残る金額

 

13.預金の取り崩し

 月々の預貯金の取崩しについては306人のうち288人から回答があり、うち31.9%の92人が取崩しをしていると回答しています。その平均額は8,013円です。

 

14.ホームヘルパーの利用

 ホームヘルパーの利用ありと答えた人は37人います。その利用時間については30人から回答があり、その一日あたりの利用状況は次のとおりです。表のとおり、障害程度区分と利用時間との有意差はみられません。

  1時間 2時間 3時間 4時間 6時間 8時間 10時間
区分 1 0 0 0 0 0 1 0
区分 2 1 2 1 2 1 3 0
区分 3 1 2 0 2 0 1 2
区分 4 0 1 0 2 2 1 1
区分 5 0 0 0 2 0 0 1
区分 6 0 0 1 0 0 0 0

 

15.ホームを利用する前の生活場所

 入所施設を経てグループホームやケアホームを利用するに至る以前の生活場所についての状況は下記のとおりとなっています。

無回答 施設 自宅 学校の寮 一人暮し その他 全体
8人 281人 8人 5人 2人 2人 306人
2.6 % 91.8% 2.6% 1.6% 0.7% 0.7% 100 %

 

Ⅱ 生活実態調査(担当者による聴き取り調査)

1 地域生活を始めた理由について(複数回答あり)

無回答 自分の希望 施設から
進められた
家族の希望 わからない
8.2% 28.4% 41.0% 9.8% 12.6%

 

2 ホームの立っている場所について

無回答 生活しやすい 生活しにくい どちらともいえない
7% 68% 9% 16%

 

3 生活しにくいを選んだ理由

2で生活しにくいと回答したその理由(複数回答あり)

買物 交通機関 職場への距離 活動場所への距離
20件 15件 14件 16件

 

4 住まいの使いやすさについて

  居室 食事の場所 デイルーム 浴室 トイレ
使いやすい 70.6% 70.6% 61.5% 66.0% 78.8%
使いにくい 14.7% 13.7% 7.5% 17.3% 6.9%
わからない 5.5% 6.5% 9.8% 6.5% 4.6%
無回答 9.2% 9.2% 21.2% 10.2% 9.7%

 

5 入浴について

無回答 回数が決まっている 自由に入浴できる
9.2% 28.7% 62.1%

週の入浴回数が決まっていると答えた人の入浴回数

2回 3回 4回 5回 6回 7回
2人 62人 20人 0人 0人 4人

 

6 食事について

無回答 満足している 不満がある どちらでもない
8.5% 72.2% 9.8% 9.5%


食事の不満理由

 

8 同居者との関係について

無回答 仲良くやっている 何とかやっている 余りうまくやっていない
9.5% 50.7% 32.0% 7.8%

 

9-1 世話人さんとの関係について(話を聞いてくれますか?)

無回答 聞いてくれる あまり聞いてくれない 全く聞いてくれない
9.5% 81.1% 7.8% 1.6%

9-2 世話人さんとの関係で困った事はありますか

無回答 ない ある わからない
8.2% 70.2% 9.8% 11.8%

世話人さんとの関係で困った事があると回答した人の具体的内容

世話人との人間関係の問題 4件 ・世話人によって言いにくいことがある
・あまり会話が上手でない
・性格が合わない      等
食事に関する問題 5件 ・ご飯やおかずの味付け
・世話人の食事が口に合わない
・おやつをくれない      等
世話人の態度に関する問題 11件 ・子ども扱いされる
・他の入居者と区別される
・話し方がきつい
・しつこく話しかける     等
プライバシーに関する問題 2件 ・様子を見に来られる
・自分の部屋に入るような気がする
その他 4件 ・買い物についていってもらいたい
・お小遣いの額       等

9-3 世話人さんが休みで困った事はありますか

無回答 ない ある わからない
7.8% 69.9% 10.8% 11.4%

世話人さんが休みで困った事があると回答した人の具体的内容

食事で困る 5件  
同居者とのトラブルの時に困る   4件  
体調が悪い時に困る 4件  
活動場所に行けない、遅れる 3件  
その他 12件 ・ごみの捨て方
・入浴の時
・電話の対応
・買い物のこと
・自分の仕事が増える 等

 

10-1 家族との関係について 帰省先はありますか

7割以上の人に帰省先がありますが、何らかの事情で帰省先のない人も16.7%となっています。

無回答 あ る な い
8.8% 74.5% 16.7%

年間帰省回数

帰省先
ある
228人
無回答 1~3回 4~6回 7~9回 10回~ 20回~
20人
8.8%
139人
61.0%
23人
10.1%
1人
0.4%
16人
7.0%
29人
12.7%

10-2 家族との関係 電話連絡

 電話連絡がないと答えた人が2割以上にのぼり、帰省先がないとの回答数よりも多い結果となりました。
 電話連絡の回数は、月に1回から2回が65%となっています。

無回答 あ る な い
9% 67% 24%

10-3 家族との関係 家族のホームへの訪問

無回答 あ る な い
16% 43% 40%

 訪問回数は平均で月に1~2回程度、年間でも1~3回程度となっています。月に4回以上の訪問がある人もみられます。

 

11 休日の過ごし方について

 休日は主にホームで過ごすか、外出するかを質問しています。どちらとも言えない場合は両方の回答となりました。主にホームで過ごす人が約半数に上っています。

無回答 ホーム 外 出 ホームと外出
8% 48% 29% 15%

 ホームでの過ごし方(複数回答)

ホームでの
過ごし方
テレビゲーム 掃除洗たく 音楽 その他
128件 92件 52件 24件

外出の内容(複数回答)

外出内容 買い物 遊び スポーツ その他
115件 23件 6件 19件

 

12 外出する場合、主に誰と出かけますか

外出の時一緒に出掛ける人

 

13 地域の行事に参加していますか

地域差があり、町村部に生活する人が地域行事に参加している割合が高いようです。

参加している行事
 季節的なお祭りへの参加が多くなっています。その他の内容としては、町内会のお祭りや運動会などの行事、または地域の清掃などボランティア活動への参加が多数ありました。(複数回答)

無回答 あ る な い
16% 43% 40%
盆踊り 地域の
お祭り
学校行事 その他
58件 117件 15件 44件

 

14 近くのお店で買い物をしていますか

 近くのお店で買い物をしていないと答えた人が6.2%います。この回答数は3の買い物が不便と答えた人との関連がみられます。

無回答 している していない
10.8% 83.0% 6.2%

 

15 地域生活で嫌なことや困った事、危ないと感じたことはありますか

無回答 ある ない わからない
8.5% 19.0% 51.6% 20.9%

「ある」とした回答の内容(類似した内容についてはまとめて件数をあげています)
・同居者との人間関係の問題  23人
 けんか・騒がしい・決められた事をしない(掃除等)・気の合わない人がいる
・交通安全の問題   18人
 ホーム前の道路が怖い・横断歩道がない・交通事故に遭いかけた・冬道路が滑る
・周辺環境の問題   5人
 交通の便が悪い・家に帰る時に不便・冬の除雪が大変・店が少し遠い
・住環境の問題     3人
 部屋に暖房がなく少し寒い・玄関の階段が急で怖い・電気毛布で火が出た
・その他     4人
 間違い電話・お年寄りの人が困る・世話人さんが調理器具の片付を忘れる

 

16 困っていることはおもに誰に相談しますか(複数回答)

無回答 世話人 施設職員 職場の人 同居者 家 族 友人 その他
31件 145件 189件 16件 12件 29件 15件 5件

 

17 ホームでの生活は以前とくらべどうですか

無回答 生活しやすい 生活しにくい どちらでもない
10% 68% 3% 19%

 

18 ホームでの生活をこのまま続けたいですか

無回答 続けてもよい 続けたくない わからない
10% 68% 9% 13%

 下の図は、ホームでの生活を続けたくないと回答した人について、上記17の生活のしやすさとの関係を表しています。

ホームでの生活を続けたくない

18-2 続けたくないと答えた人は、どのような生活がしたいですか

今後の生活の希望

 

19 将来、病気やけがで働けなくなったらどうしますか

無回答 施設を利用 家族と暮らす 別な方法を考える わからない
10% 16% 16% 10% 48%

 

20 ホームでの全体的住み心地はどうでしょうか

ホームでの全体的住み心地

21 最後に、現在の生活についての感想や将来の夢などを自由にお書きください

92人(女性が38人、男性が52人、性別不明2人)の全文を掲載しています。

女性 自分の部屋がもう少し広いといいなと思う、友達が欲しい
女性 美容師になりたい、グループホームは楽しいです。
女性 いつか札幌にいって一人暮らしがしたい。
ハローワークに行ってみて仕事を探したいです。
そして、お金が貯まったら好きな人と結婚がしたいです。
服屋さん、本屋さんに働いてみたいです。
女性 いろんな事がありますが、現在は楽しいです。
将来の夢は、自分に合っている仕事に就きたいです。
女性 お母さんの近くに住みたい
女性 ケーキ屋さん、花屋さんの販売員
女性 これからもグループの生活を継続したい
女性 これからも健康に気をつけて作業(仕事)を頑張っていきたい
女性 できれば専門の資格をいくつか取りたい、パソコンも
女性 ひとりで生活してみたい
女性 ホームを出て一人暮らしをしたい
女性 もう施設で生活するのは嫌だ
女性 違うホームでも暮らしてみたい
女性 一人暮らしをしたい希望がある
女性 一人暮らしをするための練習をしたい(炊事・洗たく)
女性 介護の勉強をして、おじいちゃん、おばあちゃんのお世話がしたい。
女性 皆と一緒に旅行に行きたい
女性 頑張って生活して、いずれは妹と二人で暮らしたい
女性 近くにお店が無いため不便である
女性 結婚したい
女性 今の仕事で頑張り将来きちんとしたお金をもらい、仕事をしてみたい
女性 仕事を頑張っていきたい、結婚して子供を作りたい、楽しい生活を送りたい、みんなと仲良くしたい
女性 施設にいた時よりも自分の時間があるので過しやすい
女性 施設入所からケアホームに移り自分の自由に生活できて良かった
女性 充実した場所で暮らしたい。
女性 将来、自分でやれる仕事を行いたい。また、クリーニングの仕事でお金がもらえれば、そこの仕事をしたい。
女性 将来の夢はパティシエになりたいです。好きな人と一緒に暮らして生活をしたいです。
ハローワークに職員の人と一緒に行ってみたいです。
○○市で暮らせたらいいなあと思っています。
女性 将来はお金を貯金して、好きな人と結婚したい。
女性 将来はお金を貯金して、今現在仲良くしている人と結婚したい。兄の面倒を見てあげたい。
女性 将来は一人暮らしをしてみたい
女性 大きなお風呂屋さんに行きたいです。
女性 短い期間なら農耕班などの畑の仕事をしてみたい。
女性 働いて結婚したい
女性 特にない。今のままでよい。新しい家になったらもっと良い
女性 特に思いあたる事はない
女性 別の仕事をしてみたい
女性 洋菓子店に就職したい
女性 洋服の店員さんになりたい
男性 GHに通いながら、他の職場(食堂関係)で働いてみたい
男性 いずれは一人で暮らしたい。けど、自信がないので今のままでいいと思います。
男性 お母さんと一緒に住みたい
男性 グループホームで生活したい
男性 これからも続けて仕事をしたい。
男性 スーパーで働きたい
男性 ひとりで暮してちゃんとした生活をしたい
男性 もっと、○○寮でゆっくりしたい。
男性 もっと高年齢になったら老人ホーム等で暮らしたい
男性 りんご飴を作りたい
男性 違うGHにいきたい
男性 違うグループホームでも生活してみたい
男性 一人で住み仕事もしたい、食事の作り方を覚えたい
男性 一人暮らし
男性 一人暮らし、結婚
男性 一人暮らしがしたい
男性 一人暮らしがしたい
男性 一人暮らしがしたい
男性 一人暮らしをしたい、結婚したい、車を買いたい、もっと大きなテレビがほしい
男性 一人暮らしをしてみて、大変さがみにしみた。でも皆と暮らしができるのでうれしい。
親と暮らすのが夢でもあり、もっと仕事を覚えて頑張って仕事をしたい。今の仕事が楽しくて仕方がありません。
男性 家に帰って、仕事を探して仕事をしたい。
男性 家族の近くで就職したい
男性 気楽な仕事を続けたい
男性 芸能人になりたい、漫画家になりたい、歌手になりたい
男性 結婚、一人暮らし、就職
男性 結婚して2人で生活していきたい、仕事を頑張っていきたい
男性 元気なうちは、ホームで生活したい
男性 今の仕事を続けたい。
男性 今はグループホームで年をとったら施設に戻る。
男性 仕事をして、一人で暮らしたい
男性 自宅に帰りたい(両親と一緒に生活したい)
男性 自立して一人で暮らしたい
*自立とは何?とたずねると「社会に出ること」と答えていました。
男性 実習を多く経験し、早く就職先を探したいです
男性 車の免許、一人暮らし
男性 車の免許を取りたい
男性 将来、結婚したい
男性 将来はホームを出て一人暮らしをしてみたい
男性 将来的には結婚をしたい、一人で暮らしたい
男性 職場でもっとお金をかせぐように居場所を見つけて働きたいです。
あともっと外出して楽しめるように明るく豊かな生活に取り組みたいです。
男性 職場実習などを体験してみたい
男性 色々な仕事をしてみたい
男性 早く就職したい
男性 大きいケアホームで生活してみたい
男性 農業の実習などをやってみたい。
男性 ○○町で結婚し就職したい
男性 ○○町で働きたい
男性 夫婦でもう少し広い部屋で暮らしたい
男性 福祉系の職に就き一人暮らしをしたい
男性 別なところに住んでみたい
男性 利用者同士の電話に困る、結婚したい人がいる
男性 老後は老人ホームに入りたい。
男性 腰痛の心配があるので、病気療養を続けていきたい。 年齢が現在43歳なので、高齢になったとき動けなくなるので、動けるうちに
GHをやめて、家族と住みたい
自分達夫婦だけで暮らしたい
早く結婚して自立したい

 

Ⅲ 入居しているGH・CHの概要(事業所調査)

1.調査対象者390名が入居しているホーム数 135か所

2. ホームの種別

無回答 GH CH 一体型 合計
19 15 38 64 35

3. 調査対象ホームの定員数
 対象ホーム数135か所、定員合計642人

ホーム定員

 

4. 調査対象ホームに入居している方の障害程度区分
 回答116か所・529人の状況(障害程度区分の平均 : 2.67)

障害程度区分分布

 

5. 居室の状況 回答119か所・566室の状況
 10畳以上の居室ではご夫婦で入居している方も数名います。

居室の状況

 

6. 各ホーム設備における暖房の設置率(対象135か所)

無回答 居室 食道 談話室 その他
5.9% 86.7% 56.3% 28.1% 19.3%

 

7.その他の設備の状況(対135か所)

その他の設備の状況

 

8.食事の場所

 すべてのホームで食堂、または居間で食事をしている結果となっています。

 

9.共通スペースの設置状況(対135か所)

無回答 居室 食道 談話室 その他
5.2% 94.8% 29.6% 29.6% 13.3%

 

10. 喫煙について(対135か所)

 禁煙のホームの中にはタバコをすう人がいないホームも多く含まれています。

無回答 禁 煙 場所の指定 自由に喫煙
10.4% 29.6% 58.5% 1.5%

 

11.飲酒について(対135か所)

無回答 禁酒 一部
飲酒可
飲酒可
8.9% 16.3% 36.3% 38.5%

 

12.世話人の状況(対135か所)

無回答 住み込み 通い
8.1% 14.1% 77.8%

世話人の一日の勤務時間

無回答 4時間 5時間 6時間 7時間 7.5時間 8時間
25.9% 8.1% 18.5% 25.2% 3.7% 3.7% 14.8%

 

13.夜間支援の状況(対135か所)

定時見回り 泊まり込み 夜間支援なし
56
41.5%
19
14.1%
60
44.4%

定時見回り回数

1回 2回 その他
40か所 11か所 5か所

 

14.入居者負担(月額)の状況(対306人)

 食費

無回答 20,000
未満
20,000~
25,999
26,000~
29,999
30,000
以上
11.4% 38.9% 34.0% 4.3% 11.4%

部屋代

無回答 16,000
未満
16,000~
19,999
20,000~
29,999
30,000
以上
12.4% 47.7% 10.2% 25.8% 3.9%

共益費

無回答or
負担なし
10,000
未満
10,000~
15,999
16,000~
19,999
20,000
以上
16.0% 14.4% 48.4% 7.8% 13.4%

 その他の負担

無回答or
負担なし
10,000
未満
10,000~
15,999
16,000~
19,999
20,000
以上
60.1% 33.3% 2.0% 1.0% 3.6%


月額合計負担額

 

15.ホームの取得方法

無回答 法人建築 一般住宅購入 借家 合計
42
31.1%
12
8.9%
4
3.0%
77
57.0%
135
100%

法人建築12か所の建築費用

1千万
未満
1千万
以上
2千万
以上
3千万
以上
4千万
以上
1か所 0か所 5か所 4か所 2か所

 一般住宅購入4か所のおおよその購入費用

600
万円
900
万円
2,300
万円
2か所 1か所 1か所

 借家による77か所の家賃月額

1万円
未満
1万円
2万円
3万円
4万円
5万円
6万円
7万円
8万円
10万円
5
か所
5
か所
5
か所
1
か所
7
か所
14
か所
11
か所
5
か所
9
か所
14
か所

 

ご家族アンケートの結果

 生活の基盤を入所施設からケアホームまたはグループホームへ移行するにあたってご家族の立場から移行にあたっての不安や移行後とその生活について、また将来のことへの思いやホームと施設側への要望、希望等も含めてアンケートに回答していただきました。

対 象 390家族
回答数 151件(家族)
回答率 38.7%

1 今回、地域生活(グループホームやケアホーム)へ移行するにあたって施設側と十分な話し合いができましたか。また、よく理解できましたか。

十分な話し合いができた 50.3%
もう少し話を聞きたかった 27.2%
無回答 22.5%
よく理解でき同意した 38.4%
一応理解し同意した 42.4%
理解できない点もある 15.9%
無回答 3.3%

 

2 地域移行に伴いご家族として不安はありましたか。
 不安があった方はどのようなことが不安であったかお答え下さい。

特に不安はなかった 34.4%
不安があった 60.3%
無回答 5.3%
金銭面 41件 健康管理 34件
十分な支援が受けられるか 45件 事故等の不安 40件
世話人同居者との人間関係 60件 地域住民とのトラブル 10件

 その他の不安

・ 報じられる事件と重なる思いがある (1)
・ 日常の過ごし方への不安 (1)
・ コミュニケーションに関する不安 (1)
・ 企業での雇用継続についての不安 (1)
・ 全てについての不安 (1)
・ 身の回りに関することへの不安 (1)
・ 保護者と世話人及び施設との関係についての不安      (1)

 

3 グループホームやケアホームでの支援内容について

よく支援されている 74.2%
支援内容を改善して欲しい 13.9%
無回答 11.9%

支援内容を改善してほしい、その内容

・世話人に係ることへの要望
  電話対応の改善      (1)

・施設に対しての要望      8件

世話人の位置づけ及び世話人と支援センターとの連携について明確に、
又年間の方針等も明確に
(1)
支援計画及び支援結果、年金の収支報告、普段の様子等を手紙などで知らせて欲しい    (1)
個室利用者への支援方法の検討と職員教育 (1)
ホームが値段の割には古くて便利が悪く、物置もない、駐車スペースも狭い (1)
本体施設と同じようにホームもきれいに (1)
保護者の指示がなくても動いてほしい (1)
保護者との関係を良好に (1)
世話人さんの生活に問題が生じた場合はその間、施設でケアを (1)

・利用者支援に関すること 9件

健康管理に関すること (1)
体調不良時のケアなど夜間支援の改善 (1)
犯罪防止ために夜間外出の制限を (1)
身の回りのケアに関すること (1)
1人にかける支援時間の不足 (1)
最低限の生活支援ばかりでなく趣味等の能力向上への指導も        (1)

 

4 グループホームやケアホームで生活されている方が将来、病気や高齢になられた場合どのように考えますか。

※(複数回答が6件あり、その内の5件は「ケアを充実したホームでの生活を続けさせたい」と「施設入所を考えたい」のダブル✓となっており、1件は「施設入所を考えたい」と「家族で引き取りたい」のダブル✓となっています)

ケアを充実しホームでの生活を続けさせたい 98件 62.4%
家族で引き取りたい 3件 1.9%
施設入所を考えたい 52件 33.1%
無回答 4件 2.6%
157件 100.0%

5 施設に対する希望があればお書き下さい。

・移行にあたって 3件

両親ともっと話し合いをもってもらいたかった (1)
本人に十分に理解させて欲しかった (1)
移行前にホームの修繕、掃除等の点検をして欲しかった      (1)

 

・支援に係る事項 20件

意見や希望の重視、同世代との生活等本人が楽しく過ごせるような支援 (4)
十分な健康管理 (3)
買い物、食事の用意、運動、遊び等生活能力向上への支援 (3)
子供のよいところをみて子供を信用して欲しい、えこひいきは止めて欲しい等    (3)
障害に応じた十分なケア (3)
ゆっくり話を聞いて欲しい (1)
一日中世話人がいないので心配だ (1)
普段の変化に早く気付いて欲しい (1)
犯罪防止のための規則の設定 (1)

・支援者に係る事項 4件

できるだけ思いやりのある人に世話人を (1)
支援員が利用者を見下さないように (1)
職員は障がい者に愛情をもって従事し、継続できるように      (1)
障害を理解してもらう上から支援者をある程度同じ人 (1)

・施設やホームに係る事項 16件

施設側から法、制度について等社会的な働きかけを (3)
ホームでの生活に費用がかかるので給料の引き上げを (2)
連絡が施設に直接できるように (2)
施設の研修として定期的な職員への教育と指導を (1)
保護者への対応において、施設側とよい関係が保てるように接して欲しい    (1)
利用者へのケアを世話人だけに任せないで施設側も係わるべきだ (1)
金銭面の記録を明確に (1)
ホームにお湯が出る設備 (1)
食事対応を一日3食に (1)
電話を何時でも掛けられるように小銭の用意を (1)
通勤に2~3時間を要するので近くのグループホームへの移行を希望 (1)
将来は老人ホーム的な施設の充実を (1)

・施設入所に係る事項 4件

経済的な面から施設へ戻して欲しい (1)
今までのように施設の方へ移行していただきたい (1)
生活に変化があって個々に適切な指導があれば施設に入所していたかった   (1)
当地方に施設があれば入所を考えたい (1)

・将来の不安に関する事項 21件

親が病気や高齢になった場合、又は本人がホームでの生活に支障を来たすようになったときは施設へ入所させて欲しい    (6)
親亡き後のケアを施設が責任をもって行い、将来安心して生活をできるようにして欲しい (5)
今後もホームでの生活の継続を望む (4)
子供の高齢化、生活費、自立の継続について等生活全般について将来への不安がある (4)
グループホームの存在位置が判らないので将来が不安である (1)
いずれ親元へ返してほしい (1)

 

グループホーム・ケアホーム以外の移行についての調査結果

 入所施設を退所して、家族の元へ戻る、一般の住宅を借りるなどグループホーム、ケアホームの利用以外に地域で生活している人が120人に上ります。これらの移行について退所前に利用していた施設に対してその主たる事由を問うことにしました。

対象法人と対象者数

 対象法人数 52法人  回答数  32法人  回答率 61.5%
 対象者数   120人  回答数  60人    回答率 50.0%

移行先対象者数及び回答率

移行先においては自宅家庭復帰が他の移行先よりも遥かに多くなっています。

移行先 対象者数 対象者数の率 回答数 対象者数に対しての回答率
自宅家庭復帰 81人 67.5% 40人 49.4%
一般住宅 17人 14.2% 7人 41.2%
通勤寮 11人 9.2% 7人 63.6%
福祉ホーム 1人 0.8% 0人 0.0%
その他 10人 8.3% 6人 60.0%
全体 120人 100.0% 60人 50.0%

自宅家庭復帰 40人

主たる事由 人数
本人の希望と家族の同意 27人 67.5%
家族の都合 9人 22.5%
本人と施設に係わるもの 4人 10.0%
全体 40人 100.0%

自宅家庭復帰・再掲1

主たる事由が本人の希望と家族の同意に起因する者 27人

事由 人数
本人又は本人と家族の希望 14人
自宅から通所の施設を利用するため 10人
自分の子供を育てるため 2人
自宅に近い施設を利用するため 1人

自宅家庭復帰・再掲2

主たる事由が家族の都合に起因するもの 9人

事由 人数
家族の希望で退所 6人
自宅から通所の施設を利用させるため 2人
ホームの負担費用が高いため 1人

自宅家庭復帰・再掲3

主たる事由が本人と施設に係わるもの 4人

事由 人数
集団生活不適応 3人
契約終了 1人

一般住宅 7人

一般住宅というのは親元の実家や公営住宅以外のアパート等で生活することです。
一般就労者が3人います。

事由 人数
本人の希望により移行・2名は就労 4人
結婚へ向けて 1人
異性と同居のため・就労中 1人
支援団体の薦め 1人

通勤寮 7人

事由 人数
グループホームに空きがないため 4人
生活能力、作業能力が高いため現在就労 1人
一般就労が決まったため 1人
一般就労への準備のため 1人

その他 6人

事由 人数
無認可のグループホームを利用 2人
地元の他施設へ移行 2人
就労先の寮で生活 1人
生活ホームの一部に間借り 1人

 

北海道 地域生活移行フォローアップ調査報告書
実施主体:北海道
調査受託:社団法人北海道知的障がい福祉協会

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