「相談受付票」は、本人(場合によっては、家族等)からの相談内容のほか、本人の基本的情報が記載されます。
障害程度区分認定調査における「概況調査票」の多くの項目と重複していることから、認定調査が終了している場合は、概況調査票から情報を得ることができます。認定調査が終了していない場合は、概況調査票の作成を兼ねることから、繰り返して聞き取りをすることも解消され、作成の効率化が図られます。
相談受付票は、以下の12 項目により構成されています。
◎ 基本情報 ◎ 相談内容 ◎ 障がいに関する状況 ◎ 家族の状況 ◎ 介護者の状況 ◎ 保健福祉サービス等の利用について ◎ 医療に関すること ◎ 社会参加等について ◎ 就労関連について ◎ 日中活動について ◎ 居住関連について ◎ その他参考となる事項 |
記載については、文字の色を1 回目の面接では黒、2 回目は赤、3 回目は青などに色分けする工夫もよいでしょう。その際、面接日時も記載するようにしましょう。
◎ 基本情報
各項目にしたがって記載します。
☆ポイント 本人以外の方が相談した場合でも、各項目については本人の状況について記載します。その場合、「相談者氏名欄」に本人氏名のほか、相談者氏名及び本人との関係を( )で記載します。 |
◎ 相談内容
具体的な相談内容を記載します。
☆ポイント ・できる限り本人の言葉や表現を使用し、専門的な用語は避けて簡潔に記載します。 ・ここでの相談内容が、本人が希望するくらしやそれらを実現するための目標設定、支援の手がかりや方法に係る基礎情報となります。 |
◎ その他の項目(3 障害に関する状況 ~ 12 その他参考となる事項)
各項目にしたがって記載します。
☆ポイント ・各項目について、すべて一度に聴き取る必要はなく、相談内容や個別支援計画作成、支援の際に必要と判断される項目を聴き取ります。したがって、必要のない項目は空欄で構いません。 ・記載されなかった項目の情報が必要と判断された場合は、随時、本人から聴き取っていきます。その際は、本人に必ずその情報が必要であることの説明をします。 |
《「私の希望するくらし」を用いた事業者の声》 |
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支援者が利用者の話を聞いていて「私に何ができるだろう?」と途方にくれてしまう場面 は、多くあるのではないでしょうか。 私も以前は良い解決策が浮かばず、どうしたら良いのかわからなくなることがよくありま した。何とか利用者の問題を解決してあげたい、と一方的に思いすぎていたことが理由であ ったように思います。また、勝手に「あれはできないだろうな」と利用者の限界を勝手に決 めてしまっていたようにも思います。 「私の希望するくらし」を使ってみて、利用者の気持ちを尊重することの大切さを改めて 感じました。はじめは失敗するかもしれないけれど、誰でもやったことのないことはすぐに はできません。何度か挑戦するうちにうまくできるようになっていくものです。その中でご 本人の秘めた力、ご本人の一生懸命さに触れると、支援者側も、「また頑張ろう」という気持 ちになれる気がします。「利用者と共に歩む作業」を通して、利用者本人も自信をつけ、どん どんやれることが増えていくように思うのです。そして支援者にも、「利用者の可能性を発見 する視点」が育まれるだろうと思います。 |
[地域活動支援センターあけぼの 高橋 真紀子] |