IV.現状 (アンケート調査結果から)

 視覚障害者に対する移動支援事業のあり方について、より効率的・効果的な実施例や先駆的な事例を抽出し、マニュアルを作成することを目的として、アンケート調査を実施した。

1.調査期間:

 平成20年 7月 1日~ 7月31日

 (追加調査:平成20年10月 9日~10月30日)

2.調査対象:

 日本盲人会連合加盟59団体を通じて全国約600ヶ所の視覚障害者移動支援事業所

3.回答:

 226事業所(回答率38%)

 回答率について、全国59の視覚障害者団体にアンケートを10部ずつ調査依頼したが、団体によっては、県内で利用の多い友好的な事業所が1ヶ所のみの団体などがあり、実際の回答率は、以下のようになると思われる。
58団体×5部+1団体10部=300事業所(回答率75%)

4.効率的・効果的な実施例や先駆的事例について

 本調査から、グループ支援や、ボランティア団体による車両支援など、効率的・効果的に移動支援を行っている事業所及び自治体を抽出することはできなかった。視覚障害者に対する移動支援事業においては、利用者が安全で安心した支援を受けられ、ガイドヘルパーは、利用者へ的確な視覚情報を提供しなければならないことから、グループ支援は馴染まないことが伺える。

 また、事業所からの意見で、事業費単価が低く、事業所運営が困難であることが多く寄せられた。現状では、効率的・効果的なサービスを提供する前に事業所が無くなってしまう恐れを感じた。そのため、本アンケート調査結果からは、利用者ニーズに合ったサービスに併せて、事業所の運営も捉え、以下の項目を分析することとした。

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