厚生労働省 平成20年度 障害者保健福祉事業 「障害者自立支援調査研究プロジェクト」
『障害者の芸術文化活動の普及と作品の評価向上に関する調査研究』
☆概要:アート専門の指導者が不足している。その不足により養成講座へのニーズがある。アートの指導者は内部よりも外部のスタッフで比率が高く、陶芸のような作業活動への従事者が多い可能性がある。本来、陶芸などは創造性においてアートとして充分成立するものであるが、アートの観点から指導出来る人材が不足しているのだろう。
☆今後の課題:活動目的には今後「作家活動」という観点を付加する必要性があるだろう。歌唱・演奏を含めた音楽分野へはさらなるリサーチが必要である。
今回のアンケート回答をいただいた657施設の回答より以下のようなデータが得られた。
1、知的障害者施設は常勤職員数30名未満が7割、非常勤職員は10名未満が7割
2、芸術・文化活動を行っている施設は76%=行っていない:24%
公募展への応募経験あり:40%=なし:60%
公募展での入賞経験あり:76.7%=なし:23.3%
3、芸術・文化活動専門指導者がいる:58.7%=いない41.3%
内部の専門スタッフの内、アート専門は33%=67%はアート以外
外部の専門スタッフの内、アート専門は63%
■職員数は全体では20~29名(31%)となるが、入所・通所者50名未満の施設では1~19名の小規模の施設が80.5%ある。入所・通所50名以上の施設では職員数は20名未満は15.4%しかない。
■非常勤職員数は規模の大小にかかわらず1~9名が最大となっている。知的障害者施設は、常勤職員で運営されている施設と言える。
■入所者全体でみると50名台が突出しており、それ以外はバラついている。
■全体の入所者が100人以上が1割近くある。
■入所者の種別では、そのほとんどが知的障害者である。したがって、以後の結果をみるにあたって、当調査の対象施設は、ほぼ「知的障害者施設」としてよい。
■主たる施設で、知的障害者施設7種をトータルすると89.7%、調査対象は適切に抽出されている。
■76%が芸術・文化活動を実施している。また「かつて実施していた」を含めると9割近くになる。
■実施状況を規模別(入所者数別)にみると、規模が大きい施設の実施率が高く、50人以上の大規模施設では8割が現在実施している。
■現在、芸術・文化活動を実施してない施設の今後の意向では、19.7%が「今後取り組んでいきたい」としている。また「どちらともいえない」:32.8%をどのようにしたら取り組んでいただけるかは今後の課題である。
注.質問2①で「2.かつて実施していた」「3.これまで実施したことはない」の回答者
■余暇活動として実施しているとする率が最も高く、これは施設規模別にみても差はみられない。
■次に作業活動と療育目的が高く、知育目的はもっとも低い。
■余暇・療育・知育目的では、いずれも「絵画」がトップであり、作業活動としての活動では「陶芸」がトップとなっている。
■その他上位の活動内容としては、「歌唱」「演奏」「ダンス」「陶芸」「書」などであるが、活動目的別にみるとその順位はやや異なる。
■当該施設で展覧会・展示会などを主催したことのある施設は全体で23%であり、これを施設規模別にみると、大規模施設の方がやや高い。
■公募展への応募経験率は全体で4割であり、この場合も大規模施設の方がやや高い。
■応募したことのある施設のうち受賞歴のある施設は76%であり、そのうち44%が1回受賞、20%が2回受賞、12.7%が3回受賞となっている。
■受賞歴自体は、施設規模別にみても差がなく、3回受賞だけにかぎると、むしろ小規模施設の方がやや高いといえる。
注.質問2⑥で公募展への応募「ある」(n=242)の内、応募歴・受賞歴の記載があった延べ291件を母数とした。
■芸術・文化活動の作品発表の場が欲しいかという質問に対しては、33%が「展覧会のような発の場が欲しいと」回答しており、この率は若干であるが、大規模施設の方が高い。
■また16%が「作品そのものを販売する場が欲しい」としている。
■一方、51%は「発表の場は現状で充分」としている。
■芸術・文化活動について20%の施設がマスコミの取材を受けており、この率は大規模施設の方が若干高い。
■他方、他の人の作品を鑑賞する機会が欲しいとする率は61%に達している。
■これを先の「作品発表の場が欲しい」(33%)と比較すると倍近い数値となっている。つまり、作品発表の場よりは作品鑑賞の場に対するニーズのほうが高いということになる。
■20%の施設が芸術・文化活動の内部スタッフを擁しており、47%が外部の協力を受けている。それに対し41%は内部にも外部にも専門の指導者はいない。
■内部スタッフでは33%がアート専門スタッフである。
■また外部スタッフでは63%がアート専門スタッフとなっている。
■「口頭告知」がもっとも多く、ついで「掲示板」である。
■全体の総計%は140%になるので、1施設あたり、1.4種類の周知方法をとっていることになる。
■「原則として外部の人は見学できない」は5%なので、ほとんどの施設が外部に開放していることになる。
■施設に所属しながら個人的(施設のカリキュラムとは別)に芸術・文化活動をおこなっている専門スタッフがいるのは21%の施設である。
■それら専門スタッフが施設外で活動しているのは78%であり、この率は小規模施設の方が高い。
■個人的の活動している領域は、全体では「余暇活動」「アーチストとして」「生きがいとして」「知育目的」「療育目的」の順である。
■「余暇活動」「アーチストとして」「生きがいとして」「個人目的」とし、「知育目的」「療育目的」を「業務目的」とすると、「個人目的は131%であり、「業務目的」は48%となる。そしてこの両者の比率をみると、「個人目的」は73%で「業務目的」27%となり、個人目的の方が多いといえる(ただ、選択肢の数にも影響されるので傾向値としてである)
■5つの領域で上位にランクされている活動は「絵画」「陶芸」「詩歌」「ミュージカル」「書」などが目立つ。
■業務目的の場合よりも個人目的の場合の方が活動の幅が広い傾向がみられる。
■個人的な芸術・文化活動の86%は施設外活動である。
■個人的な芸術・文化活動の参加者は「1~9名」という小人数のケースと「50名以上」と大人数のケースが多い。
■芸術・文化活動の指導者の経歴は「大学(専門履修)」と「プロフェッショナル」が多い。
■またその形態は37%が職員で30%がボランティア、24%が契約と分散している。
■嘱託・契約の年間費用は、全体でみると嘱託では「1~10万円未満」「10~20万円未満」「20~30万円未満が多い。※ただし回答数が少ないのであくまで参考まで
■小規模施設の方が大規模施設よりも年間費用の高いカテゴリーが多い。
■契約では全体で「20~30万円未満」「10~20万円未満」「30~40万円未満」「70~80万円未満」が多い。
■アート活動実施の効果として「本人の生きがい」がもっとも高く、ついで「能力開発」「社会参加の機会」がほぼ同率で続いている。
■これらは施設規模によって差はないが、「雰囲気がよくなる」については大規模施設の方がやや高い。
以下は自由回答「芸術文化教育についての抱負」を、大都市と地方をサンプルとして抽出し、事例としてその回答をまとめたものである。
抽出した事例は以下の地域であるが、当該地域については質問に記入のあった施設のうちから一定数を抽出した。ただ、学校の場合よりも記入率が低いので、95%~100%をカバーしていると想定されほぼ全回答を網羅していると考えてよい。また、できるだけ元回答のニュアンスをそこなわないように配慮したが、スペース制限や表現統一などの理由で字句の一部を変更・カットしたケースもある。
■東京都の障害者施設
*多くの人に観てもらうと同時に、観た人が購入したいなと思うような作品づくりを支援していきたい。
*今後も継続して作品に取り組んでもらえるようにする。また、地域での作品展示などにアプローチしたい。
*気軽に展示や販売ができる常設の会場があるとよい。
*ダンス・絵画・造形・太鼓などの専門指導者が欲しいが予算がない。太鼓とあわせたソーラン節や絵画でオリジナル・カレンダーやシールにしたり、展示会などもしたいが何も具体的には動いていない。
*アウトサイダーアートの展開により、利用者の心の解放をめざしている。施設外の人の目に触れ理解の一環となればよい。
*余暇活動として絵画・手芸をやっている。その中で「外部ボランティアの活用」「休日に障害者自身が参加できる場」が必要。
*個人の感性を磨くには芸術文化活動は有効なので、個々の能力と嗜好に応じて取り入れていきたい。
*施設主催の作品展の実施と、障害とうまく付きあってできるアートの模索。
*当初は授産施設であるため、作業中心のプログラムになっている。したがって芸術文化活動は各個人で取り組む。
*より多くの展覧会等に出品したい。
*自個表現の場として、いろいろな機会を通して触れていきたい。
*全員が同時に参加するものではないので、施設外に多様な選べる活動があるとよい。
*身近に指導者がいないので、絵画・造形・演劇などのボランティア指導者が欲しい。心の表出が「形」になることを願う。現在ミュージックセラピー、童話の読み聞かせを実施している。アート・芸術活動が障害者のイメージ変化と自立性をもたらす。
*利用者がやりがいを感じアート制作が日課の一部となるように、生活全体の活性化に欠かせない要素にする必要がある。
*作業場・本施設の外壁・屋外のいたるところに作品を飾り青空展示してきたが、さらに充実したい。
*現状はきわめて限られた時間内でしかできない。もう少し時間をかけていろいろな芸術活動を提供し、自分にあったものを選べるようにしてきたい。
*当所では日中活動として造形をやっている。その中で利用者の個性を生かした作品を作り発表していきたい。
■大阪府の障害者施設
*地方の方々の参加を呼びかけたい。
*誰もが気楽に取り組めるものを開発していきたい。
*新しい取り組みはできないので、継続を心がける。
*作品より、楽しく活動できる芸術文化活動をおこないたい。
*施設での取り組みはきっかけづくりであり、興味をもった人はアート教室などに参加している。
*年々週末の帰省者が減り、週末の施設残留者の余暇活動が必要になった。数年前にエアロビクスを開始したが、多人数で対応しにくくなったことと利用者の選択肢を増やすため絵画を開設した。また、現在陶芸も検討している。
*障害者の文化フェスタなどがあるので、参加できる機会を利用している。
*障害者の素直な目線で思うがままに絵画を描いてもらえばよいと思っている。
■京都府の障害者施設
*利用者の「思い」の実現やゆとりある余暇活動の充実を図りたいので、芸術文化活動はできることからはじめたい。
*利用者の芸術文化活動がより豊かに広がるために、まず職員が専門家による研修を受けさせていきたい。
*作品づくりを通して精神的な安定につなげ、作品の販売により地域の人に障害者の理解を求めていく。
*知的障害者の作品の魅力を人々に知ってもらいたい。
*利用者の高齢化・重度化により所内移動も困難なケースもあるが、アート活動に参加する人の表情は明るい。歳をとるごとによい作品が出てくるので、外部発表の場を追求したい。
■兵庫県の障害者施設
*余暇活動のひとつとして芸術文化活動を実施しているが、職員の意識とともに時間的な余裕がないので、現状のままでいきたい。
*芸術文化活動は堅苦しくとらえず、楽しくおこなうことを第一として今後も取り組んでいきたい。
*絵を描き展示館に出品することによって、本人の生きがいや目標づくりとしていきたい。
*地味ながら継続しつつ、新しい刺激を取り込んでいく。
*個人の要望に応じた活動を選択したい。常に生きがいや可能性を引き出せるように勤めたい。
*著作権などがからんでおり難しい部分を含んでいる。成年後見などを考えたい。
■埼玉県の障害者施設
*利用者の作品を専門家にみてもらい、正しい指導法を学ぶ機会をつくりたい。
*余暇活動として、利用者の楽しみになるよう積極的に支援していきたい。
*積極的に取り組んでいきたい。
*法人内の集まりの中で、作品展のブースに利用者の作品を展示できるようにしてもらいたい。
*活動を通じた人との触れあいの中で、個人の成長や豊かな人生につなげるようサポートしていきたい。また、施設外で発表し外部の意見を聞く機会としたい。個人の満足と、努力を認められることが喜びとなるような活動をめざしたい。
■神奈川県の障害者施設
*平成20年で陶芸日はなくなる。今後は未定である。
*美術の教員をしていた人がボランティアで絵画指導をしていたが、現在はやっていない。今後同じような形でやりたい。
*利用者にとって毎日が単調になりやすいので、芸術文化活動で楽しみ社会参加できればよい。
*多くの人に見てもらえるようにしたい。
*作品の販売が工賃収入になるので、より完成度が高いものをめざしたい。
■愛知県の障害者施設
*本人が主体的に楽しみながら取り組めるよう工夫して、自己表現・自己実現の場となるように支援していきたい。
*利用者の心の安定や趣味として、生活が豊かになるひとつの材料としたい。
*4年後の展覧会に向けて活動をしている。
*作品が、地元だけでなく広範囲の人に知ってもらう機会をつくり、各自がアーティストとして社会参加できるよう指導していきたい。
*芸術文化活動に多数が参加指定いきたいが指導者が不足している。外部からのボランティアを求めている。
*利用者の余暇の充実のために取り組んでいきたい。
*利用者の芸術的特技を発掘し、陶芸・絵画を通して生きがいを感じ生活を充実するよう支援をしていきたい。また、作品の展示・販売により自身と社会意識をもってもらい、同時に一般の人に知的障害者を理解してもらう機会としたい。
*レクレーション活動の一環として、今後も取り組んでいきたい。
*それぞれのよさを引き出す(作品の充実と商品化)。作品を通しての地域交流。
■北海道の障害者施設
*個人の楽しみ・気持ちの充実感を満たす取り組みの検討。
*利用者の余暇活動の一環として継続していきたい。また、発表・展示の機会があれば参加していきたい。*芸術活動は、創造者・観覧者の生活を照らしし命を照らすものである。今後も表現活動を広くサポートしていく。
*芸術活動を通して障害者の能力を最大に発揮するとともに、目標をもち充実した生活がおくれるよう支援していきたい。
*利用者が高齢化しており、無理なく継続していきたい。
*陶芸品の創作は基本的に販売目的だが、芸術活動として日中活動の中で時間を割いて取り組んでいきたい。
*高齢化が進んでおり、文化活動としてリハビリを含めて生きがい活動として継続していきたい。
*現在は余裕がなく実施してないが、利用者の能力を高めるのに必要であれば、職員の協力を得て活動準備したい。
*継続することで、芸術文化活動への理解・意欲が生じる。背伸びせずコツコツやっていきたい。
*「みんなアート」には毎年応募。農村地帯なので、外部の人が見にきたりこちらが展示会に行くことは困難。窯たき再開の予定。
■青森県の障害者施設
*音楽活動で利用者の力が少しづつついて、自信や達成感につながっている。今後もいろいろな体験ができるよう活動していく。
*日中活動では作業・生産活動がメインである。経費面でクラブ活動も休止しており、今後の課題が多い。
*施設でできる範囲での活動を実施したい。
*地域のイベンントにあわせて音楽発表などをしている。だが高齢化・重度化で思うようにできない部分もありできる範囲でやりたい。
■岩手県の障害者施設
*自閉症という障害特性のため充分な文化活動ができないが、作品づくりを楽しみにしている利用者もおり、楽しめる活動をめざす。
*優れた芸術作品に触れさせたい。音楽・コンサートなどに積極的に参加させたい。ボランティアを募り創作活動をさせたい。
■新潟県の障害者施設
*芸術文化活動は入所者の生活を豊かにし、情緒安定・身体機能の低下防止につながる。今後も入所者の希望を取り入れながら活動内容を充実させていきたい。
■群馬県の障害者施設
*知識・技術の押しつけや展覧会のための作品でなく、自分の思いを大事にし考えたり表現したりなど主体性を大切にしたい。美術の活動時間だけでなく、施設内の展示・地域の文化祭にも積極的に参加していきたい。
*余暇時間の活動として実施しているので自主的活動が困難だが、少しでも職員が参加して余暇外活動をできるようにしたい。
*利用者が楽しめる活動を。主体性を引き出すのが困難なので、どうすれば積極的に参加してもらえるかを模索している。
*施設では人的資源がないので、展示などバックアップしてもらっている。今後もその方針である。
*利用者の主体的な活動をサポートできるよう工夫し、支援したい。
*個人的な活動や市の芸術祭に参加している人もいる。今後も、利用者のペースで趣味から活動に広げるよう支援したい。
■石川県の障害者施設
*作品を展示する場がないため、埋もれてしまっているものがある。それらをもっと外に出したい。
*必要に応じて支援者の依頼をしており発表の場はある。アート活動はゆきすぎると余暇的活動が強くなりすぎる。
*創作活動を通して世界観を広げていく。また制作者が福祉という枠にとらわれず、正当な評価のもとにアーティストとして活動できる土壌をつくりあげ、創造活動が各々の喜びとなるような環境づくりをしていきたい。
■長野県の障害者施設
*芸術文化活動を通して達成感・充実感が生まれ、いろいろなひとから「上手だね」と声かけをしてもらうことは生きがいとなる。
*アート活動は必要な時間。だがそれをサポートする時間が職員にないため、充分な時間をとれない。
*機織り作品は作業活動でもあるので、販売の充実に向けていきたい。演奏(メロディーベル)は仲間と楽しむ生きがいとして演奏の場を開拓し気長に続けたい。また各自の能力や特性にあわせて、趣味・余暇の充実として活動を進めていきたい。
*作品を基にして販売品(ポスターやTシャツのプリント、カードなど)を作って、利用者の励みや収入になるよう支援したい。
■静岡県の障害者施設
*芸術活動をおこなう人的・金銭的余裕がなく、今後が見えてこない。
*利用者からの希望があれば対応する。
*ボランティア指導者の派遣と職員の研修をおこなう。
*展覧会や作品販売の機会を増やし、障害者のアートを世界に広めていきたい。
*利用者の中には素敵な絵を描く人やピアノ・踊りが好きな人がいるが、日々の流れに押され充分な活動ができていない。専門的な知識や技術をもっている人の力を借りたい。
■三重県の障害者施設
*余暇活動の一環として実施しているが、教育目的の色彩が強い。
*華道を通じて本人がもっている美的感覚を引き出し、施設での生活を楽しくなるようにしたい。
*施設の生活は単調になりがちなので、生活に文化活動を取り入れることは重要。反面、職員が担当として実施するのは難しい。
■鳥取県の障害者施設
*日本制覇・世界進出。
■山口県の障害者施設
*重度の利用者が多いので芸術活動への参加が難しい面もあるが、1人1人に合ったできることへチャレンジする環境づくり。
*当面は現状の活動を継続。
*利用者の個性を表現できるような活動(種目)を検討していく。
■香川県の障害者施設
*利用者で「さをりのタピストリー作家」がおり、作品の写真集を自費出版しているが一般への知名度は低い。だが、施設として個人の活動・販売・広報活動にスタッフの手を割くのは難しい。今後は、作品や作者の一般への認知を高める活動をしていきたい。
*現在、職員では芸術文化活動の運営や支援が困難であるため、講師の派遣・斡旋をする機関・団体があれば利用したい。
■愛媛県の障害者施設
*余暇活動の中で、生活するだけでなくアート活動を通じて、自己表現・気分転換・生活満足につながる支援をしたい。
■徳島県の障害者施設
*立派なアーティストを育てて海外進出する。
*個人の作品も集まっているため個展などの機会をもちたい。また、市・県・全国・海外など夢のある発表の場が欲しい。
*個々の特性や希望をもとに芸術に触れる機会を増やし、余暇活動の充実やストレス解消につなげたい。施設内でも実施できる環境を整備しているが、地域の教室などに参加して社会参加の一歩としたい。
*現在は絵画グループ4名と書グループ3名が活動して毎年作品展を開催している。今後も指導者の協力を得て継続するとともに、新たな参加希望があれば活動の輪を広げたい。
■福岡県の障害者施設
*現在は11月に開催される地元文化祭に出品している。今後は、活動や発表の場を広げていきたい。
*自主的に支援員たちで実施している。そのほかは、行事などを利用して続けていきたい。
*利用者の作品を使用した商品制作をおこないたい。利用者の還元できるシステムを構築していきたい。
*よい絵を描く人がいるので、発表の場をつくりたい。
*情緒の安定や向上を図るため、舞踊や歌唱を指導できるボランティアが欲しい。
*利用者の生活を豊かにするため、余暇活動の支援活動をしたい。また、施設外からの協力を得ながら取り組める分野を拡大したい。
■鹿児島県の障害者施設
*利用者の潜在能力を引き出す取り組みを充実させたい。また、芸術を職業にまで高めたい。
*よい作品ができたら、施設内外で展覧会を開きたい。
*公募展に応募できるような作品を作れるように支援したい。
*専門的な指導を受ける機会を得たい。
*個人的な支援の中で利用者の利点を生かし、地域の行事などの展示をおこない、地域の理解を深めていきたい。
■熊本県の障害者施設
*余暇を目的として喜んで芸術文化活動をおこなえるように支援したい。また、地域の人たちにもこうした活動を周知していきたい。
*作品を販売につなぎたい。
*今後も活動を継続させ、本人のいきがいの場としたい。そのためには活動メニューを増やし、本人が選択できるようにしたい。
*入所者が高齢化して、日常生活に追われている。
*重度の人が多いので生活支援でせいいっぱいである。ただ唖の人のちぎり絵・写真・刺し子などには光が見える。また盲の人の歌声もすばらしい。外部の支援を受けて伸ばしてあげたい。