はじめに

 ひきこもり状態にある方については、従来から、精神保健福祉業務の一環として、保健所や精神保健福祉センター(大阪府こころの健康総合センター)において相談・訪問を行うなどの支援を行ってきました。

 また、平成15年には、国は『10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン 精神保健福祉センター・保健所・市町村でどのように対応するか・援助するか』を業務参考資料として各都道府県・指定都市等に配付して、関係機関と連携し、相談活動の充実を図るよう通知するなど、ひきこもりに対する社会の取り組みも、高まってまいりました。

 大阪府においては、ひきこもりについての社会的ニーズに対応するため、平成17年度から緊急対策として「ひきこもり対策地域ネットワーク等推進事業」(以下、「推進事業」という。)を立ち上げ、「社会的ひきこもり」地域ネットワーク会議や社会的ひきこもり社会参加支援グループモデル事業により、ひきこもり状態にある方への支援ネットワークづくり等を約4年間行ってきました。

 その中で、「社会的ひきこもり」に関する支援のうち、通常の相談室での支援では相談が途絶えがちな層が存在し、その人たちには、よりきめ細やかな「よりそう」支援が有効ではないかということが明らかになり、平成20年度については国の障害者保健福祉推進事業を活用し「社会的ひきこもり」よりそい支援事業をモデル事業として実施し、本冊子をそのまとめとしました。

 関係機関の皆様には、本事業で蓄積された支援に関する知見やネットワークを活用し、地域の実情に応じてひきこもり状態にある方に、必要な支援を行っていただきたいと考えております。

 ひきこもりの原因やニーズ、支援方法は様々であり、ひきこもりへの支援は、関係機関がそれぞれの特徴を活かし、連携して支援を行う必要があることから、本冊子を活用いただき、より一層の連携と支援の充実を図っていただきますようよろしくお願いいたします。

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