荷物の積みおろしをする装置を荷役 装置と呼びます。
荷役 装置の働きはフォークの昇降 (上げ下げ)と、マストの前後 傾(チルティング)の二つの動作によっておこなわれます。
リフトレバーを前後に動かすとリフト シリンダが伸び縮みしてフォークが 上下に動きます。
リフトシリンダが伸び縮みすると、 フォークはその2倍の長さを上下し ます。
リフトレバーを前に押してフォーク が下がるときは、フォークやマストは 荷 物の自重で降りてきます。
チルトレバーを前後に動かすと、チルトシリンダが伸び縮みしてマストが前後に傾きます。
パスカルの原理
閉じ込められた液体の一部にくわえた力は
容器の全ての部分 に同 じ力がかかる
このような液体の性質を「パスカルの原理」とい います。油圧 装置はパスカルの 原理を応用して離れたところに大きな力を伝える仕組みです。
小さい力を大きい力に変えることができます。たとえば、下の図のような油圧 装置をつかって、左の小さいピストンに乗った60㎏の人の重さで、右の大きなピストンに乗っている600㎏の自動車 を持ち上げられます。
大きいピストンの面積は、小さいピストンの面積の10倍で、力の加わる面積が10倍となり 10倍の力を伝えることができます。
ただし、大きいシリンダが持ち上がる高さは小さいシリンダが下がる距離の10分の1となります。
このような油圧の力を使うことで 大きな荷物を上げ下ろしすることが できるのです。
荷役装置を動かすリフトシリンダとチルトシリンダは「油圧」で動かします。 油 圧 装 置は荷役装置だけでなくハンドル操 作にも使われます。 フォークリフトの油 圧 装 置の動きを追ってみましょう。
フォークリフトの油圧装置
エンジンを始動すると油圧ポンプが回りだし、作動油タンクの油をコントロールバルブ に送り油圧が発 生します。操作レバーを動かさなければ油はそのまま作動油タンクに戻ります。
リフトレバーを後ろに引くと、コントロールバルブからリフトシリンダの下側に油圧が送られ、リフトシリンダが伸びてフォークが上がります。
リフトレバーを前に押すと、コントロールバルブが油圧を開放してフォークは自重で下がります。
リフトシリンダは単動形油圧シリンダといいます。
チルトレバーを後ろに引くと、コントロールバルブからチルトシリンダの前側に油圧がおくられ、チルトシリンダが縮んで、マストが後ろに傾きます。
チルトレバーを前に押すと、コントロールバルブからチルトシリンダの後ろ側に油圧がおくられ、チルトシリンダが伸びて、マストが前に傾きます。
チルトシリンダは複動形油圧シリンダといいます。
油圧ポンプで発生した油圧は、パワーステアリングコントロールバルブにもおくられます。
ハンドルを回さなければ油はそのまま油圧タンクに戻ります。
ハンドルを右に回すと、パワーステアリングコントロールバルブからパワーシリンダの片側に油圧がおくられ、タイヤが左方向に向きを変えます。
ハンドルを左に回すと、パワーステアリングコントロールバルブからパワーシリンダの反対側に油圧が送られ、タイヤが右方向に向きを変えます。
パワーシリンダは複動形油圧シリンダです。
パレットとは、たくさんの品物を積んだり、おろしたり、運んだり、保管するのに便利なよう、取りまとめて載せることができる面を持った物をいう。
使用されているパレットには、使い方に応じたいろいろな形のものがある。
フォークリフトで荷にを取り扱う場合、パレットを利用することが多い。またパレットを上手に使うことが、フォークリフト運転者として必要となる。
平パレット
パレットを使用した荷役 作業
パレットへの基本的な積付けパターン(パレットに品物を載せる時の配列 方式には、「ブロック積付け」・「交互列 積付け」・「レンガ積付け」・「スプリット積付け」・ 「ピンホイール積付け」の5種類がある。
積付けは、荷 崩れを起こさないようきっちりと積むよう心掛けねばならない。一般には交互列 積付けまたはレンガ積付けが行われている。
品物を全部同じ方向に並べ各段の配列も同じように積付ける。
この積付けは、一般に荷 割れしやすく、バンド締めをしっかりする必要がある。
正方形のパレットの場合に、一段の品物の配列は全部 同じ方向とし、各段ごとに方向を直角に変えて積付ける方法である。正方形以外の品物であれば一般に荷 割れしにくく積付けが 簡単で、バンド締めもやりやすい。
品物をタテ・ヨコに組み合わせ、図のように配列する。
各段の配列は同じであるが方向を180度変える。
レンガ積付けを行ったとき品物の形により、品物と品物の間にすき間ができる状態の積付けをいう。
品物のタテ・ヨコを組み合わせて風車形に配列し、各段の配列は向きを逆にする積付けで 風車形積付けともいわれる。