3.資材倉庫で働く

株式会社ホシプラ Yさん
仕事の内容: 組み立てと倉庫での資材の搬入、資材管理業務など
フォークリフト運転技能講習修了証取得時期:2008年3月

 株式会社ホシプラは、大阪府八尾市であらゆるプラスチック製品(建築用ドアハンドル・物流機器・家庭用品・工業部品の企画・設計・製造・組み立て・販売までを一貫生産をしている会社です。従業員数は70名で現在、知的障がいのある人が2名働いています。Yさんは、養護学校卒業後、2年間職業能力開発施設で訓練され、2006年10月に入社されました。

 会社は、知的障がいのある人の受け入れは初めてだったので不安と戸惑いはありましたが、「Yさんの立場に立って、一緒に悩んだり、笑ったり、考えたりしながら私たちも成長していこう」と前向きに考えられ、採用を決められたそうです。入社当初Yさんは、組立作業などを中心に 行っていましたが、現在では組み立て作業以外に作業場の資材管理、倉庫からの資材(しざい)のピックアップ、各作業場への資材搬入作業などもされています

 会社内でフォークリフトが資材を運んでいる様子を見ているうちに「自分もフォークリフトを乗って仕事をしてみたい」「フォークリフトの運転が出来れば、もっと段取りよく仕事が出来るのに!」と強く思うようになり、仕事が終わってからも、倉庫内を動き回るフォークリフトをずーっと見ていることが多くなりました。周りの方もフォークリフトに興味があるんだなー。免許とれればいいね。と思っていたそうです。

資材倉庫で働くYさんの写真

 Yさんは、会社に免許をとりたいと申し出て、会社に行きながら、能力開発施設でフォークリフトの授業を受けるという日々がはじまりました。朝会社で仕事の段取りをしてから施設での授業を受けにいき、夕方会社に戻って残業して帰宅するのです。このように会社に配慮 をしてもらい、施設での勉強・練習を続(つづ) け、Yさんのがんばりもあって、教習所で無事免許をとることが出来ました。

 施設での授業や教習所の講習では、カウンターバランスフォークリフトを使っていましたが、じっさい会社では、リーチフォークリフトなので最初は戸惑いもあったようですが、乗っているうちに、すぐに慣れられたようです。

 今では、作業場の段取りを確認して資材を準備することができるようになるなど会社には欠くことのできない存在となっています。フォークリフトが乗れるようになってからは、倉庫からのピックアップ、作業場への資材搬入も自分ですべて出来るようになり、作業もたいへん効率よく行えるようになったそうです。また、フォークリフト免許取得後は、自分の力で大きな目標を達成したという自信がついたことにより、仕事に対しての責任感、積極性が以前より、ますます強くなりました。

 会社は、フォークリフト免許を取得するなど受け入れ前には考えていなかったような Yさんの成長を喜び、色々な可能性を持っていることを確信したそうです。Yさんは、本当に免許がとれてうれしいですと言います。これからも Yさんは、働きながら新たな目標を見つけ、その目標に向かってチャレンジしていくことでしょう。

フォークリフトを操作するYさんの写真
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