4.工場で働く

シナール電機株式会社Kさん
仕事の内容:照明器具製造と入出荷業務
技能講習修了証取得時期:2006年9月

 シナール電機株式会社は、大阪府八尾市で事業所向けの照明器具を製造している会社です。この会社で働くKさんは、養護学校卒業後、大阪市内にある職業訓練施設に一年間通う中で、フォークリフトの講習を受けて資格を取りました。2007年4月に入社しましたが、工場長さんは、フォークリフトの資格を取れるぐらいならばいろいろな仕事を任せられそうだと考え、採用を決められました。

 Kさんの最初の仕事は、捨てることになったパレットをばらばらに解体する作業でしたが、とても熱心に仕事をする様子を見た工場長さんは、照明 器具を生産する機械の操作と調整の指導をされました。この機械は薄い鉄板から照明器具のかさを成型するもので、たくさんの部品を交換・調整する必要がありますが、Kさんはとてもはやく覚えられました。工場長さんは、この様子ならフォークリフトの運転も任せてみようと思い、Kさんの練習を始めました。

工場で働くKさんの写真

 Kさんがフォークリフトの講習で乗ったリフトはバッテリー式だったのですが、会社にあるフォークリフトは3台ともガソリンエンジン式でクラッチ操作も必要なため、最初はかなり戸惑いがあったようです。しかし、会社の広い場所で何日か練習をするうちにどんどん上達し、工場の中でも一人で乗りこなすことができるようになりました。商品を高く積んだパレットの運搬や狭い場所での作業は、はじめは怖いという気持ちが強かったようですが、仕事で繰り返し経験をすることで、周囲に注意をはらい確実に荷役を行うことができています。

 フォークリフトの運転中はもちろんのこと、機械の操作や調整のときにも安全面に十分注意しなければ事故やけがにつながります。工場長さんは最初に安全面の指導をされましたが、Kさんは慎重な性格でいつも注意を守っており、これまでに事故やけがはありません。今では、機械の調整が会社で一番速くできるようになり、仕事の段取りを考えてリフトで荷物を運ぶことができるようになりました。工場長さんをはじめ会社の人たちから温かく見守られ、Kさんは会社にとってなくてはならない存在へと成長しました。

フォークリフトを操作するKさんの写真(2枚)
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