障害者自立支援調査研究データベース 事業実施報告内容 平成20年度 通番号52
項目 |
内容 |
通番号 |
52 |
番号 |
5 |
年度 |
平成20年度 |
指定テーマ |
【指定6】 発達障害者の地域支援を効果的に行うための調査研究事業 |
事業名 |
発達障害をもつ子供のトータルな医療・福祉・教育サービスの構築 |
事業目的 |
過去5年間において、特別支援教育を受ける子供の数が急速に伸びており、毎年の増加数は1万人を超える。原因としては、障害発生率の高まり、育児環境の悪化、行動障害に対する社会の気づきの昂進、特別な支援に対する期待の高まりなどが考えられる。
こうした子供達は、学校での支援だけでなく放課後の地域生活における支援や、また、卒業後も支援を要しており、近年の増加状況に応じた彼等のよりよい地域生活のための施策が求められている。特に、具体的対応のためのスタッフの確保をはじめとする条件整備、そのレベルを保つための質の保証など、これまでとは異なる次元の取組が必要となる可能性もある。
この事業では、特別支援教育を受ける子供の増加の背景にある原因を明らかにし、また、彼等と家族が求めている医療、教育、福祉サービスの内容を理解することにより、増加への対策と必要とされている支援サービス構築に向けた提言を目的とする。 |
事業概要 |
当事業のために、1大委員会と3小委員会を設置した。大委員会の役割は事業全体の企画・運営である。また、各小委員会は、(1)医療面調査委員会(2)教育面調査委員会(3)ニーズ調査員会とした。なお、委員会の委員には、教育、医学、福祉等に知見の深い専門家等を配置した。
当事業は3つに大別される。
1.諸外国も含む文献、統計資料の収集と分析
2.保護者、関係者へのアンケートによるニーズ等調査と分析
3.本人、保護者、専門家(医師)への面接調査と分析
このほかに、報告会の開催、報告書の作成を行った。 |
事業実施結果及び効果 |
文献や統計資料の収集、アンケートによるニーズ調査、面接聞き取り調査、などにより、以下のことがわかった
(1)特別支援教育を受ける子どもの増加現象の理由について
●特別支援学校の児童生徒数は、平成7 年以降、増加している。
●疫学的には、増加しているという確実な証拠はない。増加の原因としては、①発達障害概念の拡大②保護者の障害受容の高まり③特別支援教育等の充実④発達障害への敏感さの増大などが考えられる。増加の原因は複合的で、複雑に絡み合っているのではないかと思料される。
(2)増加する子どもの発達障害(知的障害を含む)の内容や程度について
●自閉症スペクトラムが増加し、障害の程度としては軽度が多い。
●山梨県、名古屋市での調査では、自閉症スペクトラムが増加していることがわかった。
●診断の機関があると、発達障害の診断名が付くという傾向が見られた。
(3)求めてられている医療、教育、福祉サービスの内容について
●長期休業中サービスや入所施設への短期入所などについては、障害種別によってニーズに意識差がある。福祉ザービスについては、6 割以上が不十分としている。
●小学部では満足度が高いが、子どもの年齢が上がるにつれて、不十分、不足の割合が高まる。
●利用手続きも含め具体的支援へのニーズが高い。
報告会は、短期間の広報であったにも関わらず266名の参加があった。本研究への関心の高さがわかった。報告書は作成次第(5月中旬予定)、関係者等に配付予定である。 |
事業所/団体名称 |
社団法人 日本発達障害福祉連盟 |
事業所/団体〒 |
102-0074 |
事業所/団体住所 |
東京都千代田区九段南3-7-7 九段南グリーンビル5階 |
事業所/団体TEL |
03-5275-1128 |
事業所/団体FAX |
03-5275-1205 |
事業所/団体EMail |
jlidmf◎dream.com (◎を@に置き替えてください) |
事業所/団体URL |
http://www.gtid.net/jp/ |
報告書 |
「発達障害をもつ子供のトータルな医療・福祉・教育サービスの構築」研究報告書 いま、発達障害がふえているのか その実態と理由、新たなニーズを探る
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