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発表会
安心と安全
-在宅障害者とともに創るチームのかたち-

当日資料

アメリカにおける看護と介護の役割分担
「難病療養者支援における看護と介護の連携」

リボウィッツ・志村よし子(青森県立保健大学)

趣旨

近年、わが国においても保健医療福祉によるチームアプローチと専門職種間の連携が提唱され 久しい。連携とは、「同じ目的をもつものが互いに連絡をとり、協力し合って物事を行うこと(広 辞苑)」と記され、独立した専門職との関係性と考える。 一方、連係は、「繋がって次に及ぶこと=広辞苑」であり、英英辞典ではBuilt up a closer connectionとあり継ぎ目なく繋がりあうことである。 米国での看護と介護者(看護助手)との関係は、むしろ連係に近い。それは、介護は、看護師から看護のー部を委任された ケアを提供するという考え方であるからである。

シンポジウムでは、米国での高齢者保険下(メディケア)における在宅ケアの看護と介護(在 宅看護助手)の法的位置付け、役割、責任等を紹介し事例から役割分担について紹介したい。

米国における看護と介護

日本で2000年に介護保険が開始され早7年になる。英訳では看護も介護も看護であり明確な 訳がない。強いていえば、看護の一部を看護師の指示のもとに介護士(看護助手)に委任しケア が提供されるのが米国のアプローチであり、介護が福祉分野から独立した専門職としているケア システムの日本との相違がある。

無資格者UAP(Unlicensed Assistive Personnel)とは

米国での看護の変遷から、看護師・医師不足、医療費の上昇、看護の拡大役割等の様々な背景 から病院、施設、在宅により様々な看護補助者を利用してきた。看護が雑用に追われず、看護に 専念できるための手段でもあった。

UAPとは、患者・利用者のケア活動の提供において看護師の補助的役割の機能を果たす訓練が され、看護師より委任された無資格者の個人である。看護助手、付き添い、テクニシャン、搬送 者等が含まれる。無資格者に対しての責任は国家資格を持つ看護師である。米国では、1950年か ら無資格補助者は存在してきたが、近年看護師不足に伴いUAPの雇用に関し問題が提起されて いる。シンポジウムでは、米国看護協会、看護弁護士会、連邦国家試験協会の見解を紹介する。

看護・介護の役割分担

在宅のケアの統合者(ケースマネージャー)は、看護師と法的にメディケアにおいては認可さ れている。本日は、76歳の長期在宅療養のMr.Aの事例から主に看護師と看護助手の役割と成 果について紹介する。