音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

当日資料
発達障害の家族支援の新しいパラダイム
スライド4

スライド4


家族(親)の診断受容

- 最初の気づきから診断、現在の受容状況 -

分担研究者 / 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター 助教 宮地泰士

親の最初の気づきから診断にいたるまでの期間

最初の気づき
26.1ヶ月

↓ 20.1ヶ月

最初の相談
45.9ヶ月

↓ 21.0ヶ月

最初の診断
67.0ヶ月

↑ 41.0ヶ月

最初の気づき
26.1ヶ月

[補足事項]

高機能広汎性発達障害(アスペルガー障害、高機能自閉症等)の場合、
最初の診断時期が平均80.5ヶ月時とさらに遅れる。

親が子どもの発達の問題に気づいた時期と内容

棒グラフ

0~18(月齢)
運動発達の遅れ
抱きずらさ
視線の合いずらさ
表情の乏しさ

18~36(月齢)
言葉の遅れ
呼名反応の弱さ
視線の合いずらさ
多動傾向

36~72(月齢)
言葉の遅れ
集団活動での不適応
他児との交流困難
多動傾向

72~(月齢)
集団活動での不適応
指示理解の弱さ
友だちとのトラブル
パニック

72%以上の親が、子どもが3歳未満(約20%の親が1歳前)から、子どもに発達の問題があることを疑っていた。

発達障害診断の適正時期について

診断の適正時期はいつ頃だと思うか質問したところ、約75%の親が3歳以下と回答した。
ただし、適正な診断時期は個々の事情によって左右されるものであり、診断後の療育や支援体制の整備は絶対必要条件であるとの意見が多かった。

母親の子どもに対する受容状況

棒グラフ

発達障害への理解
感情的な受け入れ
発達障害に関する知識習得
適切な対応の実践
子どもを受容する気持ち

選択肢
できていると思う
どちらとも言えない
できていないと思う
どちらかと言うとできている
どちらかと言うとできていない
無回答

発達障害に関する知識や理解の程度と比較し、子どもの言動に対する感情的な受け止めや適切な対応の実践に自信のない親の割合が高かった。

発達障害のある子どもの支援ニーズ

  • 発達早期から保護者には支援のニーズがあり、障害理解を促進するプログラムや臨床家の配慮によって、早期からの支援は可能である。
  • 1歳半~3歳あたりまでには、家族は支援のニーズを感じていることが明らかになっている。そのタイミングで何を提供していくかが問題である。