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機能障害の学生について 教師及びその他の職員のためのガイドブック

第5 4つの一般的な機能障害

聴覚障害
視覚障害
読み書き困難
肢体不自由

『障害とは、誰か人を指す言葉ではありません。環境から与えられる壁からそうなるのです。しかしその壁からは助けることができます』

政府の宣言1999年より抜粋

導入
以下の4種類の機能障害はストックホルム大学で、最も一般的に見受けられるものからの抜粋である。各章は短い一般的な概要から始まる。その後に続く文章では、機能障害の学生と教師や講義時間の各講師の間及び、試験の状態における最適なコミュニケ-ションの為の機器やヒントを述べている。我々はそれを教育的戦略と呼んでおり、これは大学在学期間いかに容易に障害の壁を取り除くかに関する、ヒントと助言である。その後にはそれぞれの機能障害に対する、一般的な支援形態を述べる。 講義に機能障害の学生が同じ条件で参加するには、教師または講師が新しい考え方に前向きで、変化を恐れないことが必要である。 我々が経験から知っているのは、一部の人々は障害と共に生まれ、その他の人々は様々な理由から、後になってなんらかの障害を負ったということである。まったく同じ障害は2つとない。適応したり、変化したりしていく能力は人によって様々である。つまり様々な過程において様々な支援形態が必要となるのである。人には誰でも個々の前提条件があり、多くの場合その必要性は変化していく。 機能障害の学生はほとんど、自分の障害と共に大変長い間生きており、自分の支援の必要性に関してはエキスパートである。それゆえもし手助けをしてほしいのかどうか不確かな場合は、常に学生本人に尋ねるべきである。

機能障害とは何か?
世界保健機関WHOは、損傷、機能障害、それにハンディキャップの概念を分けている。 損傷とは物理的または精神的な機能の低下を招く、実際の怪我、病気、またはその他の疾患である。 機能障害とは損傷の結果、ある個人の機能的な能力が制限されることである。 ハンディキャップは損傷と機能障害により、ある個人の日常生活が制限されることである。 ハンディキャップはある個人の特性ではなく、環境や社会状況の欠陥の影響である。つまり機能障害を持つ人はある環境の中ではハンディキャップを抱えているが、別の環境の中ではそうではないのである。 各機能障害に関するさらなる情報は様々な障害者団体や関係団体等から得られる。
支援器具学会のリンクサイト www.hl.se/

聴覚障害と聾の学生
聴覚障害及び聾に関する以下のインフォーメーションは、その全貌を述べているわけではなく、一般的な概要に過ぎない。しかしこれによって、様々な支援形態に対する学生達の必要性や、学習場面において配慮するべき事柄についての説明と理解を伝えることはできる。 これまでに我々の大学で学んだ機能障害の学生達から得た経験や、様々な障害者団体や我々の手話通訳者から日々入ってくる情報は大いに役立っている。 聴覚障害には、先天的な場合も後天的な場合もある。遺伝的な要素によることもありえるが、年齢による変化や外的要素等によってなることもある。 聴覚障害は軽度の聴覚低下から聾までを意味している。十分に聴こえないということは、特に学習の場面において影響を及ぼす。 聴覚低下の学生を除き、多くの学生が耳鳴り(耳の中の雑音)と音に対する過敏症の深刻化に苦しめられている。耳鳴りとは、絶え間なく蘇ってくる、これまでに体験した音声であり、本人の周囲が静かで穏やかな時ほど特に強く聴こえてくる。 深刻化した、音に対する過敏症には騒音が伴うものであり、それは矛盾するようであるが、健常者よりも聴覚障害者にとってつらいものである。 低下した聴覚はそれ自体がストレスの要因であり、外部の音を聴いたり、周囲の会話についていく為により集中する必要がある。そして周囲の状況を正しく把握しているかどうかを知ることはできないのである。 それらによる緊張は、頭、首、それに肩の痛みの原因となる。 周囲の状況を正しく理解しているかどうかに対する不安感も緊張も学生が非常に疲労することに起因しており、一日が終わる頃には彼らは精根尽き果ててしまう。 聴覚障害は外からは見えない障害であり、ある程度は補聴器で補うことができる。補聴器は換気扇の音や往来の騒音など通常は意識からふるい落としてしまうような音も含めて、全ての音を強調する。 聴覚障害を持つ人々は彼らに聴こえないものを、多くの場合視覚で補っている。 読唇とは人々が何を言っているのか理解する為に、相手の表情、口の動き身ぶり手ぶり等を見ることである。いつどの程度の聴覚障害を負ったかによるが、多くの人々が話すことにも困難を持っている。もし言葉を人々が正しく発音するのを聞いたことがなかったら、それを正しく発声することも難しくなり、話すことも不明瞭になるのである。

技術的機器
ある種の技術的な機器は、医療区県会の聴覚クリニックを通して準備される。多くの場合機器は個人的に試してみなければならない。その為、学生が早期に自分で連絡を取ることが望ましい。 その機器を中心に置き、話しかける者は皆マイクを使用する。学生はその機器を自分で持ち運ぶ。 大学の講堂や、アウラ・マグナまたはGホールといったホールには生徒が利用できる聴力調整リングがある。講師やその他の話し手が、そこにあるマイク装置を必ず使うことは大変重要である。特別な手動パネル上では、マイクのスイッチが入るはずである。講師の声に照準があい、それがループコードを通して学生の補聴器に届く。たとえ講師が大変力強い声をしていたとしても、それは聴覚障害の学生にとっては助けにならないのである。またこの障害は外観からは見えない為、講堂内では誰が聴覚障害なのかは判別できない。

重度聴覚障害/聾
生まれつきの聾は、遺伝的疾患かもしれず、出産時の傷病によることもある。また外からの暴力も聾の原因になり得る。 実際のところ、なんらかの形の聴力の残余をまったく持たない聾者は少ない。しかし音を聴き取る能力や音声を理解する能力には大きな個人差がある。また聾と聴覚障害の境界線をどこに引くのかも、人によって違う。スウェーデン聾者全国協会SDRは、聾を医学上の用語というよりは文化的、社会的及び言語的なアイデンティティーとして捉えている。聾の人々は、多くの人々と最も確実なコミュニケーション方法として手話を用いている。他の手話使用者と一緒にいる時、聾者は障害者ではないのである。聾は知性や音声を作り出す物理的な能力には何も影響を及ぼさない。 手話とは一種の身ぶりであり、視覚を用いる言語である。手、体、唇、顔の動きによって表現する。手話には独自の文法と統語的構造がある。これは国語の一つであり、この国にもスウェーデン語手話がある。それでも聾の人々は多くの場合、万国でお互いに理解しあうことができる。 聾者または重度の聴覚障害者は学習の場面においては手話通訳を必要としており、できれば希望の学科が開始する一学期前、または遅くとも大学に申請を出すのと同時に手話通訳の必要性を届出ることが望ましい。国内の有能な手話通訳者は数が足りず、その為計画を前もって立てることが重要なのである。

手話通訳
聾の学生が多くの場合学習の場面で手話通訳を利用していたとしても、その他の音声や視覚を通した印象は、授業で紹介される内容に対する理解の手助けをする。中には補聴器を用いている学生もいる。 ストックホルム大学では複数の通訳者が雇用されている手話通訳用の部署がある。 どの学生にも学習の場において、二人の手話通訳者が同行することになっている。一方の通訳者が講義を通訳し、もう片方が補助通訳を行う。通訳者達は約15分毎にこの役目を交代する。なぜなら講義全体の通訳は、高い集中力を要求されるきつい業務だからである。 手話通訳者が、授業で用いる文献やシラバスにコース開始前には精通していることは大変重要である。授業において通訳ができるだけスムーズに続けられる為である。専門的な表現が文献に出てくるのはよくあることであり、その為手話通訳者はある程度の準備の時間が必要である。ほとんどの場合手話通訳者は、各学課にあるコース用の文献やその他の印刷資料を借りることができる。なぜなら文献が必要となるのは一時的だからである。通常は通訳者達がコース開始前に情報を得るため、担当の教師達に連絡を取る。 休み時間には手話通訳者も休憩を取る。これは彼らにはぜひ必要である。手話通訳の専門家として彼らは、学生のコミュニケーションの道具としてのみ、機能するべきである。手話通訳者にも職業人としての守秘義務がある。

教育戦略
どんな学生に対しても前向きで打ち解けた対応こそが望ましい。聴覚障害を持つ学生に対しては特にそうである。聴力が情報や教育を手に入れる第一の方法であるような状況において、聴覚の低下は学習環境に大きな影響を及ぼす。周囲の対応は多くの場合、聴覚障害の学生が自分の学習を成功させられるかどうかの鍵となる。

聴覚障害と聾の学生に対して教師の側から配慮する事柄

  1. 聴覚障害と聾の学生には講師、通訳、黒板に顔が向いていて、尚且つ自分のグループと接触できる場所を提供する。
  2. 講義の前に彼らの注意を促すように心がける。
  3. 顔は、手話通訳者に向けてではなく、聾の学生とそのグループに向けて話す。
  4. 講師から注意がそれたり、コミュニケーションにおいて講師の顔に影がかかったりするので、窓の近くや強い電気の光の下には立たない。また口元を手で覆ったりその他の方法で顔を隠したりはしない。
  5. 通常の声の強さで明確に話す。速度が速すぎないように注意する。(手話通訳者が言葉を通訳できる速度であるように気をつける)
  6. OHP資料が講義の前に準備ができているかどうかは、聴覚障害と聾の学生にとっても手話通訳の学生にとっても大変重要である。
  7. このグループの誰か、特に教室の後方から問われた質問は繰り返す。
  8. 誰か一人と話す時と同様に、重要な点は強調する。
  9. マイクがあるならば必ず使用する。
  10. 黒板に書かれた文字は読み上げる。
  11. 定期的に休憩を取る。
  12. 学生がためらうようなそぶりを見せたら、質問する。

聴覚障害を持つ学生または聾者の学生に対する一般的な支援形態

一般的にはこのような学生は一つまたは複数の支援を組み合わせて利用している。

ノート筆記支援:一般的にはクラスメートがこの支援を行う。多くの場合は協力学生である。手話通訳を見ながらノート筆記を行うのは困難な為である。

聴力調整リング:全ての大教室と比較的新しい講堂内の各所には聴力調整リングが備え付けられている。これらの大教室で利用できるマイク機器を持ってくること。マイクのスイッチが入る、特別な手動パネルがある。この機器が機能するように毎日確認されている。たとえ講師が通常は教室中に届くような、大変力強い声をしていたとしても、それは聴覚障害の学生の元にはきちんとは届かないのである。 セミナー室には聴力調整リングの設置はない。そのため学生はグループディスカッションの折には、自分で試してみた、持ち運びのできる機器を携帯してくることが望ましい。

筆記通訳:学習の場面によっては学生が筆記通訳を必要とすることがある。これはつまり誰かが、教室の中でコンピューターまたは文字電話を使って教室内で話された事柄を書いていくことである。

コピーサービス:REPRO(印刷会社)では機能障害の学生はノート等自分の障害の故にしなければならないものは無料でコピーができる。

手話通訳:学生が余裕を持って手話通訳の必要性を申請するならば、全就学期間手話通訳の支援が保証される。

申請
特別な理由による申請。聴覚障害または聾の学生は、医療上の理由による特別枠で入学申請を行うべきである。その場合彼らの手話通訳等に対する特別な必要性が、早い段階で考慮される。

試験
どのような方法で試験問題を読むのか希望を学課に申し出るのは、学生自身の責任である。例えばディスクで受け取るのか、手話通訳者に通訳してもらうのか等。 試験時間の延長は、個別試験や手話通訳者付きの試験と組み合わせた場合等に認められる。 例えば自宅で受ける試験等、選択的な試験は耳鳴り等の為に通常の試験に失敗した時等に、助けとなる可能性がある。 口答試験においては、常に手話通訳者を利用することができる。

視覚障害者の学生
視覚障害に関する以下の情報は、その全貌を述べているわけではなく、一般的な概要に過ぎない。しかしこれによって、様々な支援形態に対する学生達の必要性や、学習場面において配慮するべき事柄についての説明と理解を伝えることはできる。障害サービス課がこれまでに我々の大学で学んだ多くの機能障害の学生達から得た経験談や、様々な障害者団体から日々入ってくる情報が役立っている。 世界保健機構(WHO)によれば重度の視覚障害とは、人が通常の文字を読むことが難しいか不可能である、または視覚の助けによって日々の生活の中で正しい方向に移動することが難しい等を意味する。 弱視の人々は定義として、屋内及び屋外で自分を正しい方向に導くことができたり、視覚的な補助器具を用いて文字を読むことができるような視力が残っている。 彼らは状況によっては、例えば暗闇の中では“全盲”になってしまう。 その人物が残された視覚を使えるかどうかは、疲れているか、十分に休養を取ったかどうかに大きく左右される。視覚は特に色彩とその深みが見える可能性、遠近の認識、視界の広さ及び目に映る物を脳が認識する能力から成り立っている。 通常の方法でコースの文献を読むことができない学生の大半は、読むことが可能である媒体で文献を受け取るべきである。重度の視覚障害の学生は文献を点字、ディスケット、または録音図書の形態で受け取るべきである。弱視の学生は文献のテキストが拡大されていれば大丈夫だろう。情報は拡大文字で文書として作成するべきである。『これは少なくともポイントサイズ14で書くべきです』等。 視覚障害の学生は録音点字図書館を通じて本人が希望する媒体で文献を受け取ることができる。ほとんどの文献をテープやディスケット形態のe-テキストで受け取る学生も多数いる。 問題はほとんど、様々な理由から文献リストがコース開始時に変更されてしまっていた場合に発生する。録音点字図書館が新しい文献を間に合うように録音できないのである。 コースの開始時期には、録音業務は山をなしている。そのため録音点字図書館は次の学期に必要な文献を、余裕を持って発注するように望んでいる。今日、もしすでに録音されている文献がないならば、製作には8週間かかる。けれどももしすでにあるならば、2週間で済む。多くの場合学生たちは、次の授業に必要な文献をすぐに吹き込める、介助者による参考文献の録音支援を必要としている。 中にはノート筆記支援を必要としている学生もいるが、ほとんどの学生は点字器または持ち運びのできるコンピューターを使って自分でノートを取っている。 弱視の学生は多くの場合ノート筆記の手助けや拡大文字の文書による支援を必要としている。時にはこのような学生が、授業をテープに録音する許可を取らなければならないこともある。 多くの場合、視覚障害の学生たちはOHPの画像や黒板に文字で書かれた情報を得ることができないままである。それゆえ学生が資料を、できれば授業の前までに受け取ることができる方が良い。そうすれば障害者サービスが学生の為に点字または拡大図書等彼が読むことのできる媒体に変換できる。

同行支援
学生達は多くの場合学科の開始時期に、学内の建物の場所を覚えられるように自分で同行者を準備する。時には家主が登録の時や前文で述べた状況時に手助けを行う。障害者サービスには大学キャンパスの触って分かる地図があり、これは重度の視覚障害の学生ならば誰でももらうことができる。

盲導犬
盲導犬を用いている重度の視覚障害の学生はますます増えている。盲導犬が白いハーネスを身につけていたら、その犬は支援の業務についており、誰も邪魔をしてはならない。

技術的機器
当大学には点字プリンター、スクリーンリーダー、スキャナーなど各自に合った技術的機器が視聴覚室の1つに備えつけられている。障害者サービスには固定の点字機器の取り扱いを支援する視覚障害者専門のコンタクトパーソンがいる。ここでは学生達はコースのシラバスやその他の文献、または授業で配布される資料の変換の支援を受けたり、機器に関する個人的なガイダンスや、様々なプログラムに関するヒントやアドバイスを受けることができる。大学の教師も、視覚障害の学生に適した媒体で試験問題を作成する時等の支援を受けることができる。 多くの学生が学習の場面で利用できる自分自身の持ち運びのできる点字機器を持っている。 弱視の学生の為には拡大読書器があり、拡大プログラムのついているスプリットヴィジョン用のPCに接続されている。このプログラムは全てのコンピューターに入っている。独立した機器である、一般的なマグネヴィジョン(拡大読書器)または読書カメラは各視聴覚室にも図書室にも備え付けられている。

教育的戦略
どんな学生に対しても前向きで打ち解けた対応こそが望ましい。機能障害を持つ学生に対しては特にそうである。視覚が情報や教育を手に入れる第一の方法であるような状況において、視覚の低下は学習環境に大きな影響を及ぼす。周囲の対応は多くの場合、視覚障害の学生が自分の学習を成功させられるかどうかの鍵となる。

視覚的な情報を受け取るということ

  1. 教師が新たな生徒達の前で初めて自己紹介をする時、自分の容貌についても話すのはとても良いことである。それによって視覚障害を持つ学生が、教師について現実に即した理解をすることができるからである。
  2. “拡大文字”は拡大された文字を使っている印刷図書である。最低でもポイントサイズ14の文字で書かれているが、推奨されているのはポイントサイズ16~18である。これらは拡大コピーされた写真と共に簡単に用意することができる。
  3. さらに教師の側から配慮する事柄
  4. 授業の資料を学生が使いやすい媒体で提供する
  5. 規則的に休憩を取り、授業時間を守る
  6. 黒板に書いた事は読み上げたり、OHPで映し出したりする。
  7. 提出物の期限は柔軟に設定する
  8. 提出物は提出の形態を選択可とする。また機能障害の為に従来の形式での試験が不可能ならば、家での記入を可とする。
  9. 他にアレルギーの者がいない限りは盲導犬を許可する
  10. 学生が不安そうなそぶりを見せたら必ず質問する。

弱視または重度の視覚障害の学生に対する一般的な支援の形態
視覚障害者の学生は1つまたは複数の支援形態を組み合わせて利用するのが一般的である。

ノート筆記支援
一般的にはノート筆記支援は仲間の学生に任される。多くの場合は学習グループの中で、その学科に慣れている学生が自分のノートとして筆記する。視覚障害の学生達が授業を録音するか点字器で筆記するならば、OHPの図や黒板に書かれた内容をより詳細に説明する方が良い。 OHPの図は、学生が勉強しやすいように先にコピーしておく。弱視や重度の視覚障害の学生等、ディスクを通して授業を理解したいと望む学生の為に準備をしておけば大きな助けとなるであろう。例えばスクリーンリーダーや点字に対応するスキャナーを用いると、彼らは安心して授業に専念できる。 コンピューター機器に適しているコンピューターは視聴覚室にある。

コピーサービス:REPRO(印刷会社)では機能障害の学生はノート等自分の障害の故にしなければならないものは無料でコピーができる。

筆記通訳:学習の場面においては、視覚障害を持つ学生が筆記通訳を必要とすることもある。これは誰かが学生と同じ室内でコンピューターや文字電話を用いて、授業で話されている事柄を筆記することである。 各個人に適した媒体によるコースの文献:視覚障害の学生は大学に入学すると、録音点字図書館より各々に適した媒体によるコースの文献を借り受けることができる。彼らは録音図書、e-テキストブック、ディスケットブック、点字図書、拡大図書のうちから選ぶことができる。大学に対する録音点字図書館のサービスで借りる場合、学生達は費用を支払う必要はない。

介助者による参考文献の録音支援:このサービスは多くの場合、録音点字図書館が録音しない、補助教材やシラバスのような短い文献に対して行われる。録音支援ボランティアバンクというものがあり、視覚障害の学生達が必要としている資料を吹き込む介助者達がリストアップされている。学生は同時に複数のボランティアに依頼することができる。視覚障害の学生達は吹き込みに関しては費用を払う必要はないが、介助者が彼らを通してカセットテープを入手するようにしなければならない。学生達は有効なレシートを見せることにより、その費用を受け取ることができる。

手で触って見ることのできるキャンパス全体の地図:これは視覚障害の学生は誰でも利用できる。

申請
医療上の優先権を通した申請:機能障害の学生は、医療上の理由による特別枠で入学申請を行うべきである。 彼らの特別な必要性が、そうでなかった場合よりも早期に配慮され、録音図書等の予約のような準備も、早い段階で行うことができる。

試験
どのような方法で試験問題を読むのか、余裕を持って学課に届け出るのは学生自身の責任である。例えば試験問題を点字で受け取るのか、またはディスクで受け取るのか等。試験の形態の項を参照。 彼らが最適な状態で試験を受けられるようにする整備は、ほとんどの場合点字コンピューターのある視聴覚室のどれかで行われる個人的な試験と組み合わされている。学課は試験監視員を用意する。例外的な場合においてのみ、その部屋の責任者が手助けを行う。 試験時間の延長はほとんどの場合、個人的な試験と組み合わされている。家で記入する試験等の選択的な試験形態は、それが可能であるならば学生にとって試験を容易にする。

読み書き困難の学生
読み書き困難に関する以下のインフォーメーションは、その全貌を述べているわけではなく、一般的な概要に過ぎない。しかしこれによって、様々な支援形態に対する学生達の必要性や、学習場面において配慮するべき事柄についての説明と理解を伝えることはできる。我々は経験により、読み書き困難とは、一般的には能力は正常であるにも拘らず、読み書きに困難があることだと知っている。これは現代社会で、特に教育現場において、より明確に把握されるようになった障害である。それは教育現場では制限された期間の中で大量の文書が読まれ、各個人の資料が作成される為である。 読み書き困難は目には見えない、隠れた機能障害であり、今日でもこれに対する無知と偏見とが残っている。その為に学生が自己を守る為に、物事を避けるような態度を取らざるを得なくなってしまうことが多い。 我々の診断医によると、読み書き困難/ディスレクシアとは、目に付きやすく因果関係の深い綴りの能力や読む能力ばかりでなく、情報を受け入れる能力や、情報を加工し、分類し、まとめる能力にも影響を及ぼすという。またストレスを受け、抑圧されるような状況下でよけいに目立ち、ひどくなる。 その他の明らかな兆候として、読み上げ速度の遅さ、読みまちがい、文字や単語や数字の逆読み、母音や語尾の飛ばし読み、ウムラウトや輪(スウェーデン語にはAの上に小さい輪をつけるアルファベットがある)の付け忘れ、読めないような手書きの文字による綴り間違いのごまかし、聞き間違い、短期記憶において口頭の情報を覚えていることが難しい等がありえる。 原因や背景に拘らず、もし正しい支援体制が整っていたら読み書き困難の学生達のほとんどは学習に成功すると、彼らが立証しているのである。

技術的機器
読み書き困難の学生にとって技術は、大変大きな役割を果たし、コンピューターは彼らを補助する支援器具の機能を持つ。視聴覚室ではコンピューターが高い頻度で使用されている。それは特に綴りの校正プログラム”Stava ratt”やワードファインダー、ノーシュテッド社の英語/スウェーデン語辞典及びスウェーデン語/英語辞典、類義語辞典、同じくノーシュテッド社の大スウェーデン語辞典等の支援プログラムが入っている為である。これらはスウェーデン語と英語で画面の文章を読み上げるスクリーンリーダーと同様になくてはならないプログラムなのだ。 一部の学生は講義の録音や、録音された文献の再生等のためにテープレコーダーを必要としている。障害者サービスには数台の貸し出し用テープレコーダーがあり、視聴覚室にも聴音器具付きの固定型のテープレコーダーがある。 今日では多くの補助的な支援器具を、市場で目にするようになった。文字をなぞると英語からスウェーデン語に翻訳してくれるCペンもその1例である。さらに学生の中には、上記と同じようなテキストを読み込んでくれるペンを使っている者もいる。彼らは読み込んだテキストを簡単な方法でコンピューターに転送し、スクリーンリーダー等によって聴くことができるのである。 読み書き困難の学生が視聴覚室で個人的に試験を受けるのは、よくあることである。彼らはコンピューターを使い、彼らの多くが必要としているように試験時間を延長するのである。 読み書き困難の学生達は、利用する機器のガイダンスを受ける時には視聴覚室の管理人に連絡を取る。

教育的戦略
どんな学生に対しても前向きで打ち解けた対応こそが望ましい。読み書き困難を持つ学生に対しては特にそうである。周囲の対応は多くの場合、ディスレクシア等の学生が自分の学習を成功させられるかどうかの鍵となる。

ストックホルム大学は全ての人々の為の大学であり、それは今日機能障害の学生達も、ほとんどのコースや学部に在籍していることを意味する。最良なのはコース計画を立てる時点で、様々な機能障害の人々にとって利用しやすいように考慮することである。

読み書き困難の学生に関し、教師の側から配慮する事柄

  1. 講義の前にOHPの画像を彼らに提供する
  2. OHPを見せるときや資料を配布するときは最低ポイントサイズ14の拡大文字を使う
  3. 学生の中には講師の話に集中しつつ、ノートを取ることはできない者もいる。そのような学生にはディスケット形態で授業内容を提供する。
  4. このような学生のほとんどには、試験時間の延長が必要である。
  5. 黒板に書かれたことを復唱し、先に配布してあってもOHP画像に書かれている文字を読み上げること。
  6. 彼らには視聴覚室での試験が推奨される。
  7. 提出物の期限は柔軟に設定する
  8. 試験日、課題、期待されている結果等に関するインフォーメーションの中の事柄は明確でなければならない
  9. 課題の提出形態は選択可とし、可能ならば試験は家で記入することを許可する
  10. 補講及び特別指導も許可するべきである
  11. 学生が何かためらっていたら、本人に聞く

読み書き困難の学生に対する一般的な支援

ノート筆記支援:一般的にはノート筆記支援は仲間の学生に任される。読み書き困難の学生は講義を聞くほうに集中しなければならない。

コンピューター:コンピューターは視聴覚室にある。頻繁に要望されるのだが、我々のところには貸し出し用の持ち運びができるコンピューターはない。視聴覚室にはスクリーンリーダーのついている、各々に適したコンピューター対応機器がある。

コピーサービス:REPRO(印刷会社)では機能障害の学生はノートを無料でコピーができる。

修正サービス:これは一般的にはレポート作成の時に利用されるサービスである。必要により、文章構成についてもある程度は手助けを行う。 介助者による参考文献の録音支援:このサービスは多くの場合、録音点字図書館が録音しない、補助教材やシラバスのような短い文献に対して行われる。録音支援ボランティアバンクというものがあり、視覚障害の学生達が必要としている資料を吹き込む介助者達がリストアップされている。

申請
機能障害の学生は、医療上の理由による特別枠で入学申請を行うことができる。彼らの特別な必要性が通常よりも早期に配慮され、録音図書等の予約も、早い段階で行うことができる。

試験
個人的な試験を受ける場合は、余裕を持って学課に申し出なければならない。学生はその目的のために視聴覚室を予約することができる。また就学期間内保持できる専用の鍵を注文することができる。学課は試験監視員を用意する。例外としてこの部屋の管理人のみが手助けをすることができる。 試験時間の延長は、個人的な試験と組み合わせで許可される。 もし学生が希望するならば、筆記試験に変わって口答試験のような選択的な試験を実施することにより、読み書き困難の学生が試験を受けやすくなる。

詳細については試験形態の項目を参照のこと。

様々な形態の肢体不自由の学生
様々な肢体不自由に関する以下のインフォーメーションと背景となる原因は、様々な症状の全貌を述べているわけではなく、一般的な概要に過ぎない。しかしこれによって、様々な支援形態に対する学生達の必要性や、学習場面において配慮するべき事柄についての説明と理解を伝えることはできる。障害サービス課がこれまでに特に我々の大学で学んだ機能障害の学生達から得た経験談や、様々な障害者団体から日々入ってくる情報が役立っている。

肢体不自由とは一連の様々な損傷や傷病の総合的な概念であり、多くの場合は神経的な背景があるか、または身体の運動器官に直接的な損傷がある。あるものは症状がゆっくりと進行するが、あるものは突発的に発生する。兆候を繰り返しながら何度も突発的に発生することを周期と呼ぶ。この周期は数日という場合もあれば、数ヶ月という場合もある。

神経学:これは神経病に関する学問で、脳、脊髄、末梢神経、筋肉等の病気を扱っている。神経病の際に起こる兆候は、麻痺、調整的な筋肉機能を制御することが困難(いわゆる運動行動の抑制)、バランス障害、言語障害、及び視覚または聴覚の低下等であり、呼吸機能が影響を受けることもある。
神経病の際のその他の兆候はてんかん発作、不随意の筋収縮、頭痛等がある。

上記の兆候を伴う神経病は多くの場合学習の場面において決定的な機能障害を引き起こしうる。一般的な損傷または傷病の中でも多発性硬化症、MSは進行性の病気であり、中枢神経系に発生する。その経過は視力低下や軽い感覚障害等の軽度機能低下から麻痺や行動調整の不能まで様々である。

脊髄損傷の一般的な理由には、交通事故とスポーツ中の事故がある。最も一般的な兆候は全身または身体の部分的な麻痺で、それはどの部分を損傷したかによる。頚椎の損傷には、呼吸障害も伴う。移動困難とバランス障害を持つ学生もいる

むち打ち症候群:これは特に首の後部に様々な衝撃が加わった時に発生する。手の筋肉衰弱を伴う首から肩にかけての慢性の痛みは特に一般的な症状である。特に交通事故に遭ってしまった学生は、短期記憶や集中力に困難がある等、その他の障害を負っていることもある。

失語症または不全失語症とは、脳溢血、脳出血、またはウィルスの為に脳が損傷し、それによって負った言語障害である。多くの場合半身の麻痺も伴う。

脳性麻痺 CPは出産時に起こった損傷の総合的概念である。この損傷から、希望通りに身体を動かすことに困難が表れる。症状は損傷の範囲により様々である。

筋肉緊張の入れ替わりは腕や足の動きの調整に大きな困難を与える。感情刺激は筋肉緊張に大きな影響を与える。

肢体不自由者は、中には重症の言語障害を負う者もいるが、多くの場合は正常な能力、または優れた能力を持っている。

てんかんは脳内で電気の放電が繰り返された結果起こる。この損傷は多くの場合脳卒中、頭蓋骨損傷、脳性麻痺等の他の損傷と関連して発生する。てんかんには様々な種類があり、その人物が恐らく放心しているか何かを凝視しているように見える、ほとんど気が付かれないような小発作から、地面に倒れこんで意識を失うような激しい痙攣を伴う大発作まである。

その人物は倒れた時に怪我をするかもしれないが、それ以外は発作の後には特に疲れ、筋肉痛、困惑を感じ休息が必要になるものである。

多くの場合は発作について連絡を受け、どのような支援をその肢体不自由の学生が必要としているのかを知っている、協力学生がいるものである。当大学にも複数のてんかんの学生がいる。しかし大発作が起こることはほとんどない。

その他の肢体不自由
身体の運動器官といえば、それは関節面、関節包、靭帯、筋肉、中でも骨格等、つまり身体に体力、持久力、可動性を与える器官を指すだろう。多くの慢性的な炎症疾患、いわゆるリウマチ疾患は運動器官を侵す。この疾患はそこで繊維、骨、関節包等を攻撃するのである。ある関節が炎症を起こした場合、それは関節炎と呼ばれる。関節の変形を伴うこの疾患は、多くの場合ゆっくりと進行する。しかしその後、身体中の関節器官に広がる可能性がある。様々な痛みと薬の服用が健康状態に影響を与える。また集中困難が伴うのも一般的である。

物理的な利用しやすさ
この環境の中でも特に古いKマークの建物は、十分に物理的な利用しやすさを常に提供しているとはいえない。 もし学生がキャンパスに自家用車で来るならば、全ての建物に隣接する障害者用の駐車場を利用できる。 就学期間中大学と家との往復に送迎ボランティアを申し込んでいる者は、通常よりも多くこの支援を利用する権利が与えられる。 一般的には出身の地方自治体が、大学の入学及び、学生が週に幾つの講義に必ず出席するのかを示す証明書を要求する。この証明書は機能障害の学生を対象とする、各学課のコンタクトパーソンが発行する。 肢体不自由の学生は、ぜひとも視聴覚室専門のコンタクトパーソンに連絡を取る方が良い。そこで学生は、実際に利用するコンピューター機器に関するガイダンスを受けることができる。視聴覚室には特に拡大キーボードがあり、また肢体不自由の学生の為の、高低を自由に変えられるデスクがある。詳細については『視聴覚室』の項目を参照すること。

個人的介助者
肢体不自由のカテゴリーの中では、学生が特に学習の場面において、他の支援に加えてアシスタント補償法に基づく個人的介助者を必要とするということが一般的である。アシスタント保障法とは個人的介助を利用する権利について定めた法律である。学生の中には一昼夜、または起きている時間のほとんど、個人的介助者を必要とする者もいる。介助者は学生の近くにいて、学生が自分の機能障害の為にできない事柄を全て遂行する。個人的介助者として勤務する者には、一定の機能的な障害を有する人々への援助とサービスに関する法律(LSS法)第29条及び社会サービス法(SoL法)第27条に基づく守秘義務が課せられる。守秘義務とは、個人的介助者が口頭またはその他の方法によって権限のない者へ、学生や学生の個人生活に関する情報を漏洩することの禁止を意味する。学習の場面において学生は、多くの場合ノート筆記介助を必要とする。その役割を果たすのは、ほとんどの場合協力学生である。きちんとした意味のあるノート筆記のためにはその人物は、当該の科目や概念に精通していなければならない。時には障害者サービスが、日刊の新聞や就職フォーラムの掲示板にアナウンスを出して個人的介助者を募集することもある。

技術的支援機器
当大学の学生の中には、文献が重くて運べない為に図書館に書籍用の戸棚を持っている者が何人もいる。肢体不自由の学生の中にはペンを握るのさえ困難な者もいる。そのために多くの肢体不自由の学生が特別に製作された支援器具を持っている。一部の学生は、時間はかかってもコンピューターで書くことを好んでいる。視聴覚室には試験の時や提出物の作成時に使用できるコンピューターがある。その多様性は機能障害の数と同様である。各々に適した角度で高低が変えられるデスクや柔らかい椅子のように、特に必要性が高いものは視聴覚室にある。 C館の第3棟には特に重度の肢体不自由の学生に合うように、リフト、高低を変えられる便座、手すり等がついた特別装備のトイレがある。彼らは自分用の電子キーを、家主を通して注文できる。

教育的戦略
どんな学生に対しても前向きで打ち解けた対応こそが望ましい。肢体不自由を持つ学生に対しては特にそうである。周囲の対応は多くの場合、肢体不自由等の学生が自分の学習を成功させられるかどうかの鍵となる。最良なのはコース計画を立てる時点で、できるだけ柔軟に対応できるように考え、様々な機能障害の人々にとって利用しやすいように考慮することである。

肢体不自由の学生に関し、教師の側から配慮する事柄

  1. 肢体不自由の学生に対し、十分に広い講義の視聴に最善な場所を提供すること。
  2. 学生の中には集中困難と物理的な負荷のために疲労している者もいる。この物理的な負荷が意味するのは、筆記したり座ったりといった日常的な動作なのである。
  3. 試験時間の延長は必要不可欠であり、数回に渡る休憩も必要である。学生の中には身体が『硬直』するのを防ぐ為に、頻繁に身体を伸ばしていなければならない者もいる。
  4. 視聴覚室での試験が推奨される。
  5. 提出物の期限は柔軟に設定する
  6. 提出物は提出の形態を選択可とする。また機能障害の為に従来の形式での試験が不可能ならば、家での記入を可とする。
  7. 休憩の時間を守る
  8. 学生が何かためらっていたら、本人に聞く

肢体不自由の学生に対する一般的な支援の形態

介助者による参考文献の録音支援:このサービスは多くの場合、録音点字図書館が録音しない、補助教材やシラバスのような短い文献に対して行われる。学生は吹き込みを誰に頼んでも構わない。多くの場合はこのような学生の学習状況にすでに関わっている介助者がいるものである。録音介助者を探すにあたり、障害サービス部も手助けを行う。

ノート筆記支援:一般的にはノート筆記支援は仲間の学生に任される。学生はそちらの方が良いと思えば授業をテープに録音することもできる。また可能ならば肢体不自由の学生は、講義内容をディスケットで入手することで学習が容易になる。

介助者:肢体不自由の学生の介助にかかる経費はSISUSが支払う。介助の内容は授業場面、住まい、自由時間における実際的な支援である。ノート筆記のような形態の介助は、講義やセミナーの時のみに発生するので協力学生が行ってもよい。学生は介助者の必要性を障害者サービス部に申請し、どのような形でどのように組織するのかは自分で決定する。

コピーサービス:REPRO(印刷会社)では機能障害の学生はノート等自分の障害の故にしなければならないものは無料でコピーができる。

申請
肢体不自由の学生は医療上の理由による特別枠で入学申請を行うことができる。それにより彼らの特別な必要性が通常よりも早期に配慮される。必要となり得る機器は、間に合うように導入する。

試験
どのような方法で試験問題を読むのか、余裕を持って学課に届け出るのは学生自身の責任である。試験の形態の項を参照。彼らが最適な状態で試験を受けられるようにする整備は、ほとんどの場合視聴覚室のどれかで行われる個人的な試験と組み合わされている。学生はその目的のために視聴覚室を予約することができる。また自分専用の視聴覚室の鍵を注文し、責任を持って就学期間内保持することができる。学課は試験監視員を用意する。例外としてこの部屋の管理人のみが手助けをすることができる。 試験時間の延長はほとんどの場合、個人的な試験と組み合わせで許可される。一般的には一時間程度の延長である。 試験官が承諾するならば、筆記試験に変わって口答試験のような選択的な試験を実施することにより、読み書き困難の学生が試験を受けやすくなる。それができるのは、学生が運悪く機能障害の為に再試験のような通常の機会を逃してしまった場合である。

第6 その他の学生サービス

就職フォーラム キャリアセンター
ストックホルム大学の就職フォーラムキャリアセンターは、学生と雇用者が自然に出会える場所である。そこで学生は専門的なアドバイスを受けることができ、講師の意見を聞き、様々な分野の企業から訪れた雇用担当者と会うことができる。

図書館
ストックホルム大学には学生に広範囲に渡るサービスを提供する図書館がある。また閲覧の場所も、様々なデータベースで検索のできるコンピューターもある。この図書館はホームページを作り直すにあたり、視覚障害者やディスレクシアのような読むことに困難のある学生に、特別な配慮をすることにした。機能障害の学生は特に、弱視者の為のマグネヴィジョン(拡大読書器)または読書カメラ、肢体不自由者の為のアレルギー物質を除去した閲覧室や、彼らを配慮した設備、必要に応じ専門介助者、特別な必要性のある学生の為に確保された閲覧場所と書籍用のロッカー等を見出すことができるはずである。図書館は機能障害者が出来るだけ居心地良く図書館を使えるように、利便性を高める為の努力を継続し、常に目が行き届くように配慮している。

住居
医学上の理由がある学生は、ストックホルム学生住居センター(SSSB)という住居斡旋所に優先的に申し込むことができる。

中央スタディーカウンセリング
学生課には学生が個人的に相談し、一般的な学習及び労働市場の問題等について話し合うことができるスタディーカウンセラーが何人もいる。スタディーカウンセリングを受けるには学生課のインフォーメーションディスクに連絡すること。

在学期間後の就職はどうなるか
ほとんどの機能障害の学生は、卒業の後に職を得ることができる。重度の視覚障害や重度のディスレクシアの人々は、雇用助成金受給の権利を持つ。さらに『若年障害者の為の職業安定所』という名前の、機能障害者のための職業安定所がある。

SISUS
特別教育支援の為の政府機関SISUSは就学期間中に個人的で実際的な助けを必要としている肢体不自由の学生の支援用の助成金に関し、責任を負っている。 SISUSはTHUT(大学教育における機能障害者の利便性)情報を準備している。つまりこれは国内の大学とカレッジの、特に学課と学友会の物理的な利用しやすさ及び一般的なサービスに関する情報である。

大学生健康管理センター
大学生健康管理センターとは、大学生を対象とする医療サービス施設である。学生は連絡を取り、医療や精神状態に関するアドバイスを受けることができる。大学生健康管理センターはノッルトゥール通り2、『学生の城』にある。また学生課では平日の午前中には健康管理センターの出張所が開かれている。

就学資金
もし学生が、学業に支障をきたすような障害を負っているならば特別審査を受けられる可能性がある。学生はまず障害者サービス部に問い合わせなければならない。それによって障害者サービス部が機能障害及び就学期間中に発生した問題について証明書を発行する。 多くの場合CSN(中央就学支援委員会)がこのような事柄を検討する。

学友会
ストックホルム大学の学友会(SUS)は学生達の利益の為に活動しており、会の中には特に機能障害の学生の為の活動グループAFSがあり、機能障害の学生の利益に配慮している。 この活動グループは社会団体としての側面も持つが、機能障害と大学教育に関してはリファレンスグループとしての役割も果たしている。学友会は学生達自身の助けにより、この分野で以前よりもさらに活動ができるようになった。AFSは、学生達に自分の学習環境に関して意見や考えを述べたり、他の機能障害の学生達に出会って話をしたりする機会を与えている。

AFSの電話番号は下記左を参照

重要な電話番号
就職フォーラム キャリアセンター     08-16 3737
AFS                      08-674 62 00
若年障害者の為の職業安定所      08- 659 36 90
中央スタディーカウンセリング       08- 16 28 45
家主会                     08- 16 22 16
大学生健康管理センター          08-674 54 88
SISUS                    08- 787 73 00
障害者サービス 代表           08- 16 21 23
障害者サービス 視聴覚室管理人     08- 16 13 57
障害者サービス 視覚障害者支援者    08- 16 17 82
手話通訳会                   08-16 34 10
文字電話仲介サービス            08-90 165
録音点字図書館 大学サービス課      08- 39 93 50