「障害者の権利条約」国連特別委員会議長草案に関する意見書
第2部
第16条〔搾取、暴力及び虐待からの自由〕
○修正- 第3項の目的として、防止のみならず「救済」を挿入する
- 第3項の独立の機関の前に本条に関するファシリテーター案にあった「市民社会との効果的な協議の下に」を挿入する。
- 第5項において、発見、調査、場合によっては訴追というだけでなく、「処置」「事後措置」という言葉を挿入する。
- 救済の目的に関して:本条約上の権利の救済に関し一般規定があれば格別、救済に関する項がない現段階では少なくとも虐待からの救済だけは規定する必要がある。
- 市民社会との連携に関して:虐待防止等の監査機関は、市民社会の社会資源との連携なしには、その効果を発揮できない現状であることは周知のところでもあり、我が国の子ども虐待防止法の下でも積極的に推進されているところである。
- 救済に関する権限:独立の機関の権限として、発見、調査したあとの措置として、「処置」ないしは「事後措置」がなければ、調査で終わるということになり、期待されている救済機能が果たせないことになる。第4項は、回復について触れているが、回復過程の最初は事件からの救済にあるのであるから、救済に関する権限を挿入する必要性がある。
第17条〔人のインテグリティ(無傷性)の保護〕
- ○修正
- 第15条に統合(第15条の部分を参照)
第18条(移動の自由)
- ○意見
- 本条は、自由権規約第12条「移動・居住の自由」、女性差別撤廃条約第9条や子供の権利条約第7条の国籍に関する権利規定に沿ったものであり、問題ないように思われる
第19条〔地域社会における自立した生活及びインクルージョン〕
- ○修正
- 新しく(d)として、「地域生活を可能にするために、障害のある人のニーズに応じて、効果的なサービスの提供を行うことができる計画的な基盤整備とそれに伴う社会資源を増やし分配することを確保する」という旨の新しい条項を追加する。
- ○意見
- おおむね支持できるが、国内法制との関連で、障害者自立支援法に基づき都道府県、市町村に義務付けられる「障害福祉計画」の策定と実施においては、ニーズ調査に基づく数値目標の設定と財源等の確保が有効に行うことが求められているため。
第20条 〔人のモビリティ(移動のしやすさ)〕
- ○意見
- 第9条のアクセシビリティに入れ込む。