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国連障害者の権利条約採択

国連総会で「障害者権利条約」を採択
WFD(世界ろう連盟)の見解新しい人権条約、広くろう者の権利を守る

WFD(世界ろう連盟)

項目 内容
翻訳 (財)全日本ろうあ連盟
発表日 2006年12月15日

世界ろう連盟 (WFD)は広い範囲のろう者の権利を対象とした国連障害者権利条約の採択を歓迎する。今でも、先進国、途上国の双方でろう者の人権擁護には重大な欠陥がある。この条約は障害に基づく差別を禁止し、平等な参加を促進する点において、重要な前進の一歩となるだろう。

世界ろう連盟はろう者にとっての最大の成果はろう者の言語的人権が認められたことであると見ている。たとえば、この条約では、手話で教育を受けたり、情報にアクセスすること、プロフェッショナルな手話通訳を使うこと、手話の使用を受け入れ、容易にすること、また、ろう社会の文化的・言語的アイデンティティを促進させることなどを掲げている。さらに、手話は言語として、さらに言えば、音声言語と同等の言語として定義されている。

全体で、5か条がろう者の権利に直接的に言及している。言語権に加え、条約50条のうちのほとんどが、すべての年齢、すべての生活面でろう者を擁護している。

障害に基づく差別は、世界的にまだ大きな問題である。途上国では、ほとんどのろう者はまったく教育を受けらず、世界の7千万人のろう者の約80%は教育を受けていない。1-2%のろう者だけが手話で教育を受けている。特に女性と子供の状況が劣っている。 法的整備と手話の承認はろう者の平等な社会参加を促進することができる。

WFDは各国が条約を批准し、国内法制で実施することを期待する。WFDは条約が各国の手話に翻訳されることを期待する。今後WFDは国際モニタリングに参加し、国内でのモニタリングをいろいろな方法で支援する。条約の実施とモニタリングにろう者が積極的にかかわっていくことが重要である。

今後、WFDは会員国のメンバーに対する研修を行い、会員、国および国連の専門機関での条約の実施を支援する。「手話を使う全世界のろう者に新しい時代が来ている、平等な権利を認める時が。」とWFDの名誉理事長であり、12月13日に国連総会でWFDを代表したリサ・カウピネンは語った。

WFDは過去5年間のすべての会議に参加し、条約策定過程にずっと関わってきた。障害者団体、非政府機関は新しい人権条約の創造に積極的に関わってきた。また、WFDは条約策定過程で、国際障害コーカスと呼ばれるより大きな連携団体の一員でもあった。

リンク:
世界ろう連盟:www.wfdeaf.org
障害者の権利及び尊厳の促進及び保護に関する包括的かつ総合的な国際条約:Comprehensive and Integral International Convention on the Protection and Promotion of the Rights and Dignity of Persons with Disabilities:http://www.un.org/disabilities/default.asp?navid=12&pid=150