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TWG-DC(障害問題作業部会)

TWG-DC第3回会議(2001年12月9~10日)議事録

(財)日本障害者リハビリテーション協会

項目 内容
発表年月 2002年2月15日
備考 英語版:原文

UNITED NATIONS
REGIONAL COORDINATION MECHANISM
THEMATIC WORKING GROUP ON DISABILITY-RELATED CONCERNS

日時:2002年12月9~10日
場所:ホライゾン・ホテル ハノイ・ベトナム

議事録

開会

第三回障害問題作業部会は、高嶺豊氏を議長、松井亮介氏を副議長として開催された。本部会には、3つの国連機関と専門機関、NGO24団体、12の政府機関と1つの政府間機関、更に17人のオブザーバーが参加した。

また本部会は、労働福祉社会省の副大臣で、「アジア太平洋障害者の10年」キャンペーン組織委員会・委員長のダム フー ダック氏の祝辞を持って開催された。ダック氏は、キャンペーン会議の準備が最終段階に入っており、TWGDCメンバーがハノイに来てキャンペーン会議に参加することは大変喜ばしいことだと感謝の意を表明した。

次に、ESCAP社会開発部部長 Ms Kim Lamの声明文が高嶺豊氏によって読み上げられ、本声明文では、東チモールから参加した代表二人に特別な賛辞が送られた。またはじめて出席した参加者にも感謝の意を表明した。Ms Limは、本部回はTWGDCの中間期にあたる重要な会議だと位置付け、TWGDCとタスクフォースが自ら設定した明確な目標や成果に向って積極的に行動していることを評価した。第二回部会で設置された3つのタスクフォースは、いくつかの重要な活動を担っている。

Ms Limは、「10年」の達成度を検証する第一歩として、「アジア太平洋障害者の10年」の行動課題がどの程度実施されているか調査するアンケートを開始したと報告した。また、2002年10月25-28日、滋賀県大津市で開かれる「アジア太平洋障害者の10年」を終結する政府間上級高官会議の準備も着々と進んでいる旨も報告された。/p>

仮議題採択およびTWGDC第2回部会議事録

本会合の議題は採択され、2001年5月10-11日に開催されたTWGDC第2回部会の議事録も承認された。

「アジア太平洋障害者の10年」検証の枠組み

ESCAPは、2001年9月に、ESCAP地域57カ国政府に対し、2部構成からなるアンケートを送付した。本アンケートの第一部では、行動課題の12の主要領域において最も成功した事例を3つ上げてもらい、第二部では、これから2002年12月の「10年」の終結までに、12の領域からなる行動目標を達成する為に、最も重要な3つの活動は何かを上げてもらっている。本アンケートには、今までに、11の加盟・準加盟国政府から回答が寄せられた。本アンケートの結果を元に、2002年10月の滋賀県大津市で開かれる政府間上級高官会議で「10年」の評価報告が成される予定である。ある政府機関の報告に拠ると、NGO、国際機関、政府内機関と協議を進めながら本アンケートを完成させるには、約4ヶ月必要だったということだ。しかし、このアンケート形式は支持され107項目の全ての目標を細かく見直すより効率的であるとの評価を得た。また、未提出の政府機関にはフォローアップレター送付し、時間的余裕を与えた方が懸命だとの提案があった。それと同時に、各国、各地域での評価のフォローアップが進められるように、本アンケートの配布先リストをTWGDCメンバーに公開して欲しいと要望があった。

「アジア太平洋障害者の10年」最終年記念フォーラム(2002年、日本)と政府間上級高官会議(2002年、滋賀県、日本)の経過報告

大阪フォーラム:「アジア太平洋障害者の10年」最終年記念フォーラム - 障害者の権利へのパートナーシップ -は、2002年10月21-23日まで、大阪で開催されることがTWGDCで発表された。大阪フォーラムには、以下の4つの会議が企画されている。

  • 第12回RIアジア太平洋地域会議
  • 「アジア太平洋障害者の10年」:キャンペーン2002
  • リハビリテーション会議
  • 職業訓練国際研究会議

また、大阪フォーラムに併せて開催される他の会議についても報告がなされた。

  • 2002年10月15-18日、第6回DPI世界会議札幌大会
  • RI実行委員会、2002年10月17-18日、札幌
  • RI総会、2002年10月19-20日、大阪
  • RNN会議、2002年10月20日、大阪

上記一連の会議は、以下の会議で総括される;

  • 「アジア太平洋障害者の10年」を終結する政府間上級高官会議、2002年10月25-28日、滋賀県大津市。運営:ESCAP。主催:日本政府と滋賀県。
  • 「アジア太平洋障害者の10年」行動課題の地域別達成度評価レポートの草稿がESCAPによって準備され、2002年6月のTWGDC(障害問題作業部会)第4回部会で発表される予定である。またTWGDCに続いて専門家会議が開催され、2002年10月の政府間上級高官会議における最終報告書の準備として、そのタスクを見直し、より充実したレポートを作成する予定である。TWGDCからはNGOの代表も高官会議には招待される予定である。TWGDCはNGOメンバーに、自国政府が「10年」の目標達成評価レポートを完成し、日本での評価会議に参加するよう働きかけた。

2002年以降の行動計画骨子

TWGDCは、ESCAPの「アジア太平洋障害者の10年」は非常に有益だったと考えている。本計画は、障害者発展において世界をリードし、今日では他地域での障害者活動のモデルとして貢献している。1999年に「アフリカ障害者の10年」(1999-2009年)が宣言され、「アラブ障害者の10年」も最近提案された。

TWGDCは、ESCAP地域の政府はアジア太平洋障害者の10年(1993-2002年)を、障害者国際権利条約の推進と遂行を手助けする地域機構として、さらに今後10年の、2003年から2012年まで、延長するべきだと強く主張した。本勧告は、TWGDCの全員一致を持って支持された。

次の「10年」の計画は次のように提言された。

  • 各地域別に重点を置き、キャンペーン会議は2年ごとに、5つの地域の1箇所で「10年」の間に行う。
  • 戦略上特に重要な分野を、例えば教育、訓練と雇用、障害者の物理的なアクセスと情報およびコミュニケーション技術(ICT)へのアクセス、社会保障、所得保障などを、性差別問題にも配慮して明確にする。
  • 主な目標として、障害者権利国際条約の達成、2001年11月28日に承認された障害者の権利と尊厳の推進と保護に関する包括的かつ全面的な国際条約の決議22条の草稿を支持する。(その後の2001年12月19日の国連総会決議56/168条)
  • 全てのESCAP地域の国と地域が、第二回「アジア太平洋障害者の10年」に積極的に参加できるという目標を含む。
  • 小地域の協力を強化し、地域間の連携、協力を推進するために、TWDGCが地域ごとの障害者同盟を発展させることが出来るメカニズムを構築する。

タスクフォースレポート

  • 情報技術(ICT)タスクフォース

ICTタスクフォースは、自由でアクセシブルな知識、情報の共有を促進する継続的な活動、及びその良い実践例を報告した。また障害者の為のICT会議を開催することも提案された。会議は2002年6月18-22日、TWGDC4回部会の開催に先がけて、直ちにタイのプーケットで開催する予定である。

  • 起業研修、小規模事業経営と所得創出活動、開発(起業家精神) タスクフォース

タスクフォースは、討議すべき活動領域を定め、貧困緩和、クレジットや関連した起業家開発プログラムなどにおける障害者のインクルージョンを促進する良い実践例を伝えることに重点を置いた。タスクフォースは、ケーススタディーや良い実践例を文書化し、それがモデルケースや発想の基になるように、最大限に注目・活用されるような普及の方法を開発すると発表した。

  • 障害をもつすべての子どもと若者のための教育(EFA) タスクフォース

タスクフォースは、開発の根底に横たわる基本的人権として、UNESCOがアジア太平洋地域と全世界で主催する「全ての人に教育を」(EFA)に、障害児童のインクルージョンを特に推奨するよう、バンコクのUNECOアジア太平洋地域本部の所長に強く申し入れた。多くのタスクフォースメンバーは、2001年7月9-11日にバンコクで開催されたアジアにおける「全ての人に教育を」の行動計画(ダカール宣言)を推進する為のUNESCO地域セミナー「NGOの能力向上」、および2001年7月12-14日にバンコクで開かれたNGOのEFA年次総合協議に出席した。障害児のインクルージョンを特に促進するよう、更なる介入もなされ、この点について、報告書の改正も要求された。

UNESCOによって、タスクフォースを代表し草稿文書も用意され、EFA活動の一部であるインクルーシブ教育計画に沿った障害児の教育促進の必要性を強調した文書が、地域各国のEFA担当官に送られた。本文書は、EFAタスクフォースによって2001年12月9日、ハノイ会議にて是認された。またTWGDCも本活動を推奨している。

  • 東チモール

東チモールタスクフォースは、東チモール新政府が今後取り組む国家開発計画に、障害者のインクルージョンを保障する戦略を模索した。それらは、東チモールの障害者の発展において、断片的な取り組みを避け、包括的かつ組織的なアプローチを目的とするという立場をとるものである。

目下検討中の計画案は、国内障害問題調整委員会(NCCD)、東チモール技術支援グループ(ETTSG)及び、国家行動計画(NPA)の発展、NCCDに対する資金と技術協力の体制作り、また障害者関連サービスの向上を目的として作成している。2万ドルの予算は、アジア太平洋リハビリテーション・インターナショナル(RI)地域委員会、第16回RI世界会議基金から50%、また、M.B Lee, SBS, MBE, JP氏を通し、アジア信託によって50%提供される予定である。

ESCAPは、東チモールの労働・連帯部門の障害・老人問題担当官のサルメント氏と社会サービス部アドバイザーのシエラ クヌッドセン女史をハノイのTWGDC3回部会に招待し、タスクフォースにも出席してもらった。彼らは、東チモールにおける障害問題の現在の状況を詳細に説明した。議論を進めるに連れ、タスクフォースメンバーが援助できる領域が明らかになってきた。そしてタスクフォース・ネットワークが、東チモールの障害問題に対し情報センターとしての役割を担うことで同意した。

タスクフォースは、提出されたプロジェクト・プロポーザルに大筋で同意し、東チモールの障害問題における国家行動計画の発展を促進する計画を支持した。

2001年12月9日にハノイのホライゾンホテルで開催されたタスクフォース会議の議事録は、別紙に添付。

その他

2001年5月1日に世界保健機構(WHO)が採択した、障害者の分類システムである国際機能分類(ICF)の改訂の情報が提供された。

ESCAPの刊行物「パスファインダー:ESCAP地域障害者のフルインクルージョンと平等に向けて」の次号に、TWGDCメンバーが良い実践例のケーススタディーを寄稿したことに対し、感謝の意が贈られた。

国連子ども特別総会は、2001年9月から2002年5月8-10日に延期されたと報告があった。

TWGDC第4回部会は、2002年6月にバンコクにて開催される予定である。(日時は未定)