[国土交通省]「新幹線のバリアフリー対策検討会」開催

リハ協ブログ2019年12月24日より転載

令和元(2019)年12月23日、国土交通省は、「第1回 新幹線のバリアフリー対策検討会」を開催しました。開催目的は、「新幹線のバリアフリー対策を抜本的に見直すため、(中略)ソフト・ハード対策の両面から施策の議論を通じて、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道の実現を目指します」とのことです。

本検討会は、2019年12月3日、参議院国土交通委員会でれいわ新選組の木村英子参院議員が新幹線の車イス用スペースについて国土交通大臣に質問したことで、これまで、課題になっていた問題に手が付けられはじめたようです。

この検討会は、車イス用スペースについてのみ検討されるのではなく、バリアフリー全体について議論がなされるとのことですが、今回、新幹線の車いす用スペースについて問題になっているのは、次のような点です。

①車いす席の数・広さ

新幹線1編成16両全体で車イス用席は11号車にある1席のみである。多目的室を入れても2席にとどまる。また、車イス用席はスペースが狭く、少し大きい車イスは通路にはみ出してしまう。

②車イス席の予約・チケット購入

車イススペースを予約する場合、車イス利用者は、新幹線に乗る前日までは優先的に車イススペースを予約できるが、当日は一般に販売されるので、当日になってからではそのスペースを利用できないことがある。また、ウェブで購入できない、車イス用予約専用電話でないと予約できない、窓口で購入するのに長時間待たされるなどの問題もあるとのことです。

第1回の検討会には、北海道旅客鉄道(株)、東日本旅客鉄道(株)、東海旅客鉄道(株)、西日本旅客鉄道(株)から代表取締役社長、九州旅客鉄道(株)からは執行役員東京支社長、国土交通省からは、赤羽国土交通大臣、総合政策局長、総合政策局次長、鉄道局長、鉄道局次長、大臣官房技術審議官(鉄道)が出席され、新幹線と海外の高速鉄道のバリアフリー化の状況についての報告と、障害者団体からの意見聴取が行われました。障害者団体としては、認定NPO法人DPI日本会議、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会が招聘されています。

今後、ソフト対策とハード対策のワーキンググループが設けられ議論されるとのことです。

詳しいことは、下のサイトをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000167.html

また、参議院の議事録は下のサイトにあります。(寺島)
https://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0110/main.html

menu