[文科省] 「令和の日本型学校教育」構築にむけた答申の中間まとめ案公表

令和2(2020)年9月28日、文部科学省は、中央教育審議会初等中等教育分科会(第127回)に、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(中間まとめ)【案】」を提出しました。

同まとめでは、「令和の日本型学校教育」の構築に向けた今後の方向性として、これまで日本型学校教育が果たしてきた、①学習機会と学力の保障、②社会の形成者としての全人的な発達・成長の保障、③安全安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保障を学校教育の本質的な役割として重視し、継承しながら、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現するために、次のような方向性を打ち出しています。

 (1)学校教育の質と多様性、包摂性を高め、教育の機会均等を実現する
 (2)連携・分担による学校マネジメントを実現する
 (3)これまでの実践と ICT との最適な組合せを実現する
 (4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる
 (5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する
 (6)社会構造の変化の中で、持続的で魅力ある学校教育を実現する

このような方向性に沿って、特別支援教育については、次のような在り方を提案しています。

〇障害のある子供の学びの場の整備・連携強化
 ① 就学前における早期からの相談・支援の充実
• 関係機関や外部専門家等との連携による人的体制の充実
• 幼児教育の観点から特別支援教育を充実するために教師や特別教育支援員の資質向上に向けた研修機会の拡充
• 5歳児健診を活用した早期支援や、就学相談における情報提供の充実
 ② 小中学校における障害のある子供の学びの充実 
• 副次的な籍の導入による学級活動等の充実化や、年間指導計画等に基づく教科学習の共同実施
• 通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒の把握・支援、自校で専門性の高い通級による指導を受けるための環境整備
• 通級による指導等の多様で柔軟な学びの場の在り方の更なる検討
• 通級による指導の担当教師等の配置改善や指導体制の充実
 ③ 特別支援学校における教育環境の整備
• ICTを活用した職業教育に関する指導計画・指導法の開発
• 特別支援学校の設置基準策定や教室不足の解消に向けた集中的な施設整備の取組推進
• 特別支援学校のセンター的機能の充実や設置者を超えた学校間連携を促進する体制の在り方の検討
• 知的障害者である児童生徒に対する各教科等の在り方の検討や授業改善に向けた取組の充実
 ④ 高等学校における学びの場の充実
• 通級による指導の充実や指導体制、指導方法など、高等学校における特別支援教育の充実
• 本人や保護者が障害の可能性に気が付いていない場合の支援体制の構築
• 進学先の高等学校や卒業後の進路に対する情報の引継ぎなど、関係機関等の連携促進
〇特別支援教育を担う教師の専門性向上
 ①全ての教師に求められる特別支援教育に関する専門性
 ②特別支援学級,通級による指導を担当する教師に求められる特別支援教育に関する専門性
 ③特別支援学校の教師に求められる専門性
〇関係機関との連携強化による切れ目のない支援の充実
• 関係機関等と家庭の連携、保護者も含めた情報共有、保護者支援のための連携体制の整備、障害の有無に関わらず全ての保護者に対する支援情報や相談窓口等の情報共有
• 地域の就労関係機関との連携等による早期からのキャリア教育の充実
• 個別の教育支援計画(教育)・利用計画(福祉サービス)・個別支援計画(事業所)・移行支援計画(労働)の一体的な情報提供や情報共有の仕組みの検討
• 移行支援や就労支援における特別支援学校と関係機関との役割や連携の在り方の検討
• 学校における医療的ケアの実施体制の構築、医療的ケアを担う看護師の人材確保や配置等の環境整備
• 学校に置かれる看護師の法令上の位置付け検討、中学校区における医療的ケア拠点校の設置検討

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/1416449_00008.htm

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