[内閣府]障害者政策委員会が政府の回答に合わせて見解をとりまとめ

障害者政策委員会は、令和4(2022)年4月26日、第64回委員会において、政府が国連の障害者権利委員会に提出する政府回答に合わせて提出する同委員会の見解をとりまとめました。 障害者権利条約第35条第1項により、各締約国は、国際連合事務総長に対し、障害者権利条約が締約国において有効となった後2年以内に(その後は4年ごとに)、この条約に基づく義務を履行するためにとられた措置に関する報告(「政府報告」)を提出して審査を受けます。この審査のプロセスは次のようになっています。 政府報告に対して、国連の障害者権利委員会は、事前質問事項(List of issues)という疑問点などを示した質問をします。そして、政府はそれに回答します。その後、政府代表と権利委員会が建設的対話(constructive dialogue)をし、最終的に、権利委員会は総括所見(Concluding observations)を採択します。 「総括所見」では、良い点とともに改善点も勧告され、場合によっては、改善結果を権利委員会に報告することが求められます。 現在、わが国は、事前質問事項に対して政府が回答する段階にあります。第27会期障害者権利委員会が2022年8月15日~9月9日に開催され、そこで、総括所見が採択される予定で、それにむけて政府の回答が準備されています。 2016年6月に提出された政府報告(第1回政府報告)では、障害者権利条約の国内実施状況を監視する機関として、障害者政策委員会の「議論の整理」を附属文書として提出しており、今回取りまとめられた「障害者の権利に関する条約の実施状況に係る障害者政策委員会の見解」は、その後の進捗に進展があった部分や残された課題等を踏まえて追加・修正したものです。 同見解では、第1回政府報告の提出に当たって特に重要な分野かつ大きな課題を有する分野として挙げた8分野を引き続き中心とし、さらに、政府報告提出後、進捗や懸念点があったと考えられる第5条、第7条、第8条、第9条、第11 条、第 16 条、第 30 条及び第 33条を新たに追加してとりまとめられています。 とりまとめにおいては、顕著に取組が進んでいるものと施策の方向性などに課題があると考えられるものに分けて記述しています。 課題があると考えられる内容としては、障害女性の同性介助、障害児虐待、防災・避難情報へのアクセシビリティ、精神医療における長期入院・拘束、障害者雇用率への難病者のカウント等があげられています。 今後、英訳して障害者権利委員会に送付されるとのことです。 詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)  https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/index.html
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