[厚労省]令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性を発表

令和2(2020)年12月11日、障害福祉サービス等報酬改定検討チームは、「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」を公表しました。

同検討チームは、令和2年2月から17回にわたって議論を行うとともに、46の関係団体からヒアリングを実施した上で、下の主要事項を中心に、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について基本的な考え方の整理を行いました。

各主要事項と注目される改定項目などは次のようになっています。

1.障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等
(1)共同生活援助における重度化・高齢化に対応していくための報酬の見直し
 強度行動障害者に対する重度障害者支援加算の拡充、夜間支援等体制加算の見直し 等
(2)自立生活援助の整備を促進するための報酬・人員基準等の見直し
(3)地域生活支援拠点等の機能の充実を図るための見直し
(4)生活介護等における重度障害者への支援の評価の見直し
 重症心身障害者を支援している場合に新たな評価導入 等
(5)質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し
2.効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応
(1)効果的な就労支援に向けた報酬・基準等の見直し
 就労移行支援における基本報酬の算定に係る実績(「就労定着率」)の算定方法の見直し、就労定着支援における基本報酬の支給要件(「利用者との対面による1月1回(以上)の支援」)の見直し、就労継続支援A型における基本報酬の算定に係る実績(「1日の平均労働時間」)の見直し、就労継続支援B型の基本報酬体系の類型化、就労継続支援から一般就労への移行に対する更なる評価の設定 等
(2)在宅生活の継続や家族のレスパイト等のニーズに対応した短期入所の受入体制の強化
(3)施設入所支援における口腔衛生管理、摂食・嚥下機能の支援に係る評価
(4)訪問系サービスにおける利用者のニーズへのきめ細やかな対応
 重度訪問介護における自動車によって障害者を移送する場合の駐停車時の緊急支援の評価、重度障害者等包括支援の対象者要件の見直し 等
3.医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
(1)医療的ケアが必要な障害児への支援
 医療的ケア児に係る判定基準の見直し、障害児通所支援における医療的ケア児の基本報酬区分の設定 等
(2)放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し
 基本報酬の体系の見直し、ケアニーズの高い障害児への支援及び専門職による支援の評価 等
(3)児童発達支援の報酬等の見直し
 児童発達支援センターの基本報酬の見直し 等
(4)障害児入所施設における報酬・人員基準等の見直し
 障害児入所施設の18歳以上の入所者の地域移行の推進に係る報酬等の見直し 等
4.精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
 地域移行実績の更なる評価、可能な限り早期の地域移行支援の評価、医療と福祉の連携の促進、ピアサポートの専門性の評価 等
5.感染症や災害への対応力の強化等
(1)日頃からの備えや業務継続に向けた取組を推進するための運営基準の見直し
(2)支援の継続を見据えた運営基準や加算算定の要件の緩和
6.障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し
(1)制度の持続可能性を確保しつつ適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し
(2)障害福祉現場の人材確保・業務効率化
(3)その他経過措置の取扱い 等

なお、具体的な改定内容については、介護報酬における対応等を踏まえつつ、今後の予算編成過程を経て決定されるとのことです。

詳しくは次のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000704861.pdf

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