[文科省]「学校施設バリアフリー化推進指針」改訂

令和2(2020)年12月25日、文部科学省は、「学校施設におけるバリアフリー化の加速に向けて~誰もが安心して学び、育つことができる教育環境の構築を目指して~」という報告書と「学校施設バリアフリー化推進指針」の改訂版を公表しました。

同省は、本年5月20日に改正された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」により、「特別特定建築物」に小中学校が追加されたこと等を受けて、「既存施設を含めた学校施設におけるバリアフリー化等の推進方策について検討するため、学校施設のバリアフリー化等の推進に関する調査研究協力者会議(主査:髙橋儀平 東洋大学名誉教授)」を設置し検討を行ってきました。

このたび、同会議における報告書が取りまとめられたものです。

また、同報告書を踏まえ、学校施設バリアフリー化推進指針が改訂されました。

同報告書では、学校施設のバリアフリー化に関する整備目標案として、総学校数の約95%に相当する小中学校で車椅子使用者用トイレを設置することや要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校の校舎にエレベーターを整備する(総学校数の約40%に相当)こと等が提言されています。

また、指針の主な改正内容は、下のようになっています。

第1章 学校施設のバリアフリー化等の推進に関する基本的な考え方

1 学校施設のバリアフリー化等の視点

  • インクルーシブ教育システムの理念を構築し、障害のある児童生徒等の教育環境を充実していく重要性を明記。
  • バリアフリー法改正を踏まえ、既存施設も含めた学校施設のバリアフリー化を一層推進していく重要性を明記。
  • 校舎や屋内運動場などの建物内部はもとより、敷地内の経路等も含めたバリアフリー化の重要性を明記。
  • 障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との交流及び共同学習の円滑な実施への配慮の重要性を明記。
  • 良好な避難生活など求められる防災機能を発揮できる学校施設として計画していくことの重要性を明記。

2 既存学校施設のバリアフリー化の推進

  • バリアフリー化の整備計画の策定に際し、学校施設を利用する地域の障害者、高齢者、妊産婦等の意見を聞き、検討することの有効性を明記。
  • バリアフリー化の整備計画の策定に際し、学校施設のバリアフリー化の現状に加え、配慮を要する児童生徒や教職員の在籍状況、避難所の指定状況等を調査し、安全かつ円滑な利用に対する障壁を的確に把握すること、重点的的・優先的に対応すべき施設・設備を明確化し整備目標を設定すること等の重要性を明記。
  • 学校施設の長寿命化改修の機会の活用を含めたバリアフリー化の重要性を明記。

第2章 学校施設バリアフリー化等に係る計画・設計上の留意点

  • 使いやすく、安全で快適な各室計画となるよう、教室等の計画や、移動しやすい屋内の通路、円滑に利用できる階段、トイレの洋式化、車椅子使用者用トイレ、出入口の整備など、計画・設計上の留意点を追記。

詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/059/mext_00001.html

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