[英国]労働年齢の働く障害者数が増加

2022年10月6日、リゾリューション財団(Resolution Foundation)は、「労働市場の見通し2022年第3四半期(Labour Market Outlook Q3 2022)」を発表しました。

リゾリューション財団は、低中所得者の生活水準の向上に焦点を当てた独立したシンクタンクで、低中所得者が直面している課題に対する政策的解決策を考えられる高品質の調査と分析を行うことを目的として2005年に設立されました。

このレポートでは、障害者の労働市場の動向について分析しています。

注目される内容は、労働年齢(16-64歳)の雇用されている障害者数は大きく増加しているものの障害者の雇用率はあまり上昇していないということです。

労働年齢の雇用されている障害者数は2013年から2022年にかけて230万人増加しています。そのため、英国政府が掲げている2027年までに障害者の雇用を100万人増やすという政策目標を5年早く達成してしまいました。

しかし、障害者人口(54%)と健常者人口(82%)の雇用率の差は依然として大きく、約28%の差があります。

この原因は、雇用されている労働年齢層の障害者の割合が増えたことにあります。2013年から2022年の間に、労働年齢人口に占める障害のある人の割合が約10%から15%に増加しました。

230万人働く障害者が増加したけれども、そのほとんどは、それまで障害のなかった労働年齢の人で、新たに障害者になった人が190万人いたということです。

本来は、働いていない障害者に働いてもらうということが目的であったのが、働いている障害のない人が新たに障害者になったために障害者の雇用者数が増えました。

この理由として、精神疾患の増加などが考えられますが、はっきりしません。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.resolutionfoundation.org/publications/labour-market-outlook-q3-2022/

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