[英国]障害給付の申請が2倍に

2022年12月7日、財政研究所(Institure for Fiscal Studies: IFS)は、「障害給付新規請求者が1年で倍増(The number of new disability benefit claimants has doubled in a year)」というレポートを発表しました。

IFSは、英国のロンドンに本拠を置く英国の独立系経済研究機関で、経済社会研究評議会、国際機関、非営利団体など、さまざまな資金源から資金提供を受け、財政と歳出、年金と貯蓄、企業課税、消費者行動、貧困と不平等等に関する政策報告書や学術論文を発行しています。また、査読付きの季刊誌Fiscal Studiesも発行しています。

個人自立給付(Personal Independence Payment: PIP)は、移動や日常生活活動の困難により生活費の上昇に直面している個人を支援することを目的とした障害給付です。2021年7月までは、月に約15,000人程度の労働年齢層がPIPを請求しており、その数字は何年もほとんど変わっていませんでした。しかし、その後、一貫して増加し続け、2022年7月(最新のデータ)には約2倍の30,000人になりました。このレポートでは、その内容を分析しており、次のような結果が示されています。

  • すべての年齢層および障害種別で申請の増加が見られた。
  • 新規請求の約3分の1は、精神・行動障害によるが、25歳未満の請求者では、この数字は70%に達する。
  • 申請数の増加により、約250,000人の待機者が発生している。待機期間は平均18週である。
  • 受給が認められる割合は約40%で、2016年以降ほぼ横ばいである
  • 生産年齢人口の9.6%(400万人)の健康状態が悪化していることが考えられる。
  • 感染症による(COVID以外の)労働年齢の死亡者数も大幅に増加している。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://ifs.org.uk/news/number-new-disability-benefit-claimants-has-doubled-year

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