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公共図書館と成人ディスレクシアの利用者:あるモデルとその評価

2007年8月21日
IFLA(国際図書館連盟)年次大会2007(ダーバン、南アフリカ)

リトゥヴァ・ヤルヴェリン(Ritva Järvelin)
タンペレ市立図書館
タンペレ
フィンランド

マルヤアナ・メリライネン(Marjaana Meriläinen)
タンペレ市立図書館
タンペレ
フィンランド

摘要

ディスレクシアは、読み、書きおよび綴りの障害の最も一般的な原因である。生涯学習、複雑な職業人生および日常生活におけるICT技術に対するニーズは、ディスレクシアがいかにありふれているかを明らかにした。情報へのアクセスを提供し、従来の読み書き能力とデジタルな読み書き能力の両方を促進することは、公共図書館の中心的な任務となっている。フィンランドは、読み書き能力の到達度に関する国際的な比較表において、常にトップの座を維持してきた。しかしフィンランドでも、他の地域と同様にディスレクシアが存在する。タンペレの地域ディスレクシア協会は、ディスレクシアの人々のために、タンペレ市立図書館内に特別な情報およびサービス拠点を設けることを提案した。フィンランド教育省は、2004年から2006年までの間、ディスレクシアの利用者を対象としたサービスを創出するプロジェクトを開始するための助成金をサンポラ図書館に提供した。本論文では、ディスレクシアのためのサービス拠点と連携モデルがどのように開発されたかを解説する。この連携モデルは他の分野にも適用できる。

1.はじめに

ディスレクシアは、読み、書きおよび綴りの障害の最も一般的な原因である。ディスレクシアは病気ではないので、治療方法はない。しかし、正確な診断と適切な指導、支援およびリハビリテーションによって、ディスレクシアの人々は学校やその後の職業人生において成功を収めることができる。ディスレクシアの原因は神経生物学的かつ遺伝的である。ディスレクシアは、さまざまな民族的および社会経済的背景の人々はもちろん、男性にも女性にもほぼ等しく発症する。ディスレクシアは、学校での学習を困難にするだけでなく、その人のさらなる学習意欲を低下させるので、かなり低いレベルの教養しか身につかない可能性がある。ディスレクシアは、知性の欠如を意味するものではないということを、心にとめておくことが重要である。ディスレクシアは、大学生を含む、すべての教育段階において発見することができる。ディスレクシアの現れ方は、年齢によって異なるが、これはおそらく、その欠点を補う個人的な手段に加え、神経学的な成熟や、練習と経験の増加に起因すると思われる。

IFLAが発行した、「ディスレクシアのための図書館サービスのガイドライン」では、文化、文献および情報へのアクセス権は、さまざまな程度の読みの障害を抱える人々を含む、すべての人に属すると強調している。すべての国民が、社会で起こっていることについての情報を得られるようにすることが重要である。また、市民権および民主主義的な権利を積極的に行使し、自分自身の人生をコントロールするためには、十分な情報を与えられる必要がある。読み書きができるということは、途方もなく大きな自信を与え、世界観を広げ、自分自身の人生をコントロールできるようにするのである。読み書き能力は、人々がアイディアや思想、そして経験を共有し、人間として成長する手助けをする。

情報社会における積極的な市民権の行使には、さまざまな種類の読み書き能力が要求される。生涯学習、複雑な職業人生および日常生活におけるICT技術に対するニーズは、ディスレクシアがいかにありふれているかを明らかにした。ディスレクシアの人々は、ますます増加しつつあるさまざまな問題に直面する。新たな読み書き能力のニーズには、情報を敏速に収集し、論評する能力に加えて、情報を検索し、評価する能力や、電子メールおよびその他のデジタルコミュニケーション手段を使用する能力も含まれる。メディア中心のこの世の中では、デジタルメディアリテラシーが必要である。読み書きの障害を抱える人は、ICT技術を身につける際にも、同様な困難に直面するだろう。

従来の読み書き能力であろうと、またデジタルな読み書き能力であろうと、それらを促進することは、そして情報へのアクセスを提供することは、公共図書館の中心的な任務である。図書館は万人のためのものであり、入りやすく、利用しやすいものでなければならない。ディスレクシアの人々がこれらのサービスから利益を得られるよう、特別な配慮が必要である。多くの成人ディスレクシアは、図書館を利用しない。このような人たちが図書館を利用する場合、図書館職員にディスレクシアであると知られてしまうことを望んでいない可能性がある。また、図書館職員も、支援が必要なディスレクシアの利用者を特定できない。地域ディスレクシア協会が介入し、ファシリテータとしての役割を果たせるのは、この部分である。

フィンランドは、読み書き能力の到達度に関する国際的な比較表において、常にトップの座を維持してきた。しかしフィンランドでも、他の地域と同様にディスレクシアが存在する。ディスレクシアの数に関する推計値にはかなりばらつきがあり、最も限定的な推計によれば、ディスレクシアはフィンランドの人口の6-7%に及んでいるが、理解と学習における全般的な困難を含めるよう定義を広げれば、軽く20%に達する。ということは、このタンペレ市では、12,000人のディスレクシアと、40,000人の学習障害者がいることになる。

タンペレには、PEOと呼ばれる活発に活動している地域ディスレクシア協会がある。PEOはディスレクシアの人々とその家族、そして当局に情報提供している。フィンランドでは、他のすべての国と同様に、ディスレクシアは子供たちの間で最も一般的に見られる学習障害である。フィンランドの進んだ医療制度では、ディスレクシアの子供を早期に発見し、適切なリハビリテーションを始めることができる。成人の方が、問題を特定し、支援方法を見出すことが難しい。このためPEOは青年および成人をターゲットグループとして焦点を当てている。図書館がどのようにディスレクシアの利用者を支援できるかを研究するというアイディアがPEOから生まれ、PEOは2000年に、ディスレクシアのための特別な情報およびサービス拠点を、タンペレ市立図書館内に設置することを提案した。同図書館はこの難題に立ち向かい、動き始めた。

2.サンポラ分館におけるディスレクシアのためのサービス拠点

2.1どのように計画を開始し、地域の協力を得たか

タンペレ市立図書館は新設のサンポラ分館にサービス拠点を設置することを決定した。サンポラ分館はかなり小さな分館で、一日に1200人の利用者と1200件の貸し出しがあり、職員数は14人である。タンペレ市の総合学校および成人教育センターが同じ場所に置かれている。サンポラ分館は、市内中心部に近く行きやすい、よく知られた建物である。

何年もの間、成人教育センターはPEOと連携をとってきた。私たちは協力して、2003年9月に開設された新たなサービス拠点の運営方針を作成した。以来、この協力関係は、容易にかつ円滑に続けられている。

サービス拠点の開設は、地元の新聞やラジオでも取り上げられ、その知らせはうまく広まった。正確にはどのような人たちがこのサービスを利用するのか、また人々がどのような情報を求めているのか、私たちにはわからなかった。そして実際、広範囲にわたる質問が寄せられ、私たちは驚いた。利用者は総合学校で落ちこぼれてしまった人たちから、大学生に至るまでさまざまだった。彼らのディスレクシアの問題には、彼らが必要とするサービスや情報と同じように、大きなばらつきが見られた。このようなサービスが結果的にニーズを満たすということは、すぐに明らかになった。さらに、サービス拠点が、多くの利用者の過大な期待にはこたえられないということも明らかであった。このように、多くの問題が、PEOのチューターや図書館職員の能力や知識を超えていた。

フィンランド教育省はサンポラ分館に、2004年から2006年までの間、地域ディスレクシア協会および成人教育センターとともにディスレクシア利用者のためのサービスを創出するプロジェクトを開始するための助成金を提供した。このプロジェクトの中で、ディスレクシアのためのサービス拠点と連携のモデルが最終的に開発された。

2.2ディスレクシアサービス拠点が提供するサービス

ディスレクシアサービス拠点の目的は、

  • 情報および支援の提供
  • 読みの練習の奨励
  • ディスレクシアの人々がコンピュータやインターネットを利用できる非批判的な環境の提供

ディスレクシアの子供は早期に発見される傾向があるので、おもな焦点は青年および成人に当てられる。このサービスは、ディスレクシアの問題を抱える人だけでなく、すべての学習障害者も対象としている。

施設

サービス拠点は、サンポラ分館の「ネットスクエア」と呼ばれるところに置かれている。ネットスクエアは20台のコンピュータを備えた部屋で、学校のコンピュータ室と同じような設備が整っており、コンピュータの使用を支援してくれる職員が常駐している。地域ディスレクシア協会自身がこの場所を選んだ。ネットスクエア内の、小さく仕切られたサービス拠点は、他の利用者にも人気があり、誰もレッテルを貼られる恐怖からそこを避ける必要はない。

サービス拠点は、場所、標準のソフトウェアを備えた専用機器、コンピュータを利用したプログラムを使った読み書きの練習の機会と、施設の利用ガイダンスを提供する。機器やプログラムの使用方法に関する読みやすい説明書も利用できる。

マーケティングと情報

ディスレクシアの人々とその家族、そして専門家が情報を利用できる。私たちはディスレクシアやディスレクシア協会、およびディスレクシアや学習障害に取り組んでいる当局に関する情報を提供している。サービス拠点は www.tampere.fi/kirjasto/sampola/lukitoriというウェブサイトを運営している。そして、研究およびリハビリテーション、学習障害、ディスレクシアに関する役に立つ論文、教師へのアドバイスなどのさまざまなテーマの最新の情報フォルダを提供している。ディスレクシアのための図書館サービスに関する読みやすいパンフレットも利用できる。また、これらのサービスに関する情報を広めるために、さまざまなイベントのマーケティングにも取り組んでいる。

講座とブックトーク

成人教育センターは、地域ディスレクシア協会PEOとともに、ディスレクシアのための講座を企画している。タンペレ市立図書館は、図書館サービス、文献あるいは基礎的なコンピュータ技術を扱う講座の企画には常に参加している。指導は最高10人の小集団で行われる。必要に応じて2、3人の講師が派遣され、ゆったりとしたペースで指導が進められる。

図書館はまた、いわゆるブックトークも提供する。ブックトークでは、読みやすい本や、その他の簡単に理解しやすい文献を司書が紹介する。ブックトークでは、利用者にさらに読書を勧めるために、本の内容を抜粋して読み聞かせることもしている。

ピアサポート

しかし、最も重要な個別サービスは、ピアサポートである。当番のピアチューターが、ガイダンスやカウンセリングおよびサポートを提供する。地域ディスレクシア協会は、学期中は月曜日の晩にピアサポートを提供している。誰でも自分自身の問題や家族、あるいは生徒の問題を、その問題を直接経験したことがある人と話しに来ることができる。このサービスを利用するための敷居はできるだけ低く設定されており、予約なしでただふらりと訪ねることができ、またサービスは無料である。さらに時間外にも個人的に予約を取ることが可能である。また、時間外のグループでの訪問も歓迎されている。

当番のピアチューターはディスレクシア、学習障害あるいは利用者の状態に関するどのような質問にも答えてくれる。もしチューターが答えを知らなければ、全国的な支援ネットワークの助けを借りて、あとで回答する。PEOは電子メールによるすべての問い合わせにも回答している。さまざまな状況において、サービス拠点へのコンタクトが見られるが、その中でも最も一般的であるのは、以下の通りである。

  • ディスレクシアという診断を受けたが、どう対処するべきか?
  • ディスレクシアおよび学習障害全般についての情報を得るには?
  • ディスレクシアの検査あるいは診断を受けるには?どこで、またどのようにして検査や診断が実施されるのか、どのくらいの料金がかかるのか?
  • リハビリテーションを受けるには?
  • 日常生活を管理するための手段や機器を得るには?
  • 学校での課題、学習スキル
  • ディスレクシアによって引き起こされる社会性の問題
  • どのように子どもに読むことを促すか?

要望に応じて、個人のディスレクシアの状態に合わせて選ばれた練習課題が入ったCD-ROMを、ピアチューターが準備し、利用者が家庭で練習できるようにする。時間帯によっては、学習ガイダンスが利用できる。昨年度は、ピアチューターと特別支援担当教員の二名が、当番としてサービス拠点に入った。

素早くディスレクシアを診断するテストが、サービス時間内に利用できる。

その他の活動

従来の図書館サービスも利用可能である。ディスレクシアの人々は図書館のサービスを利用するために、図書館司書と個人的に予約を取ることができる。専門家の勧告に従って、練習用CD-ROMが購入されてきた。図書館職員は、地域のディスレクシアネットワークの会員にもなっている。

どのように責任を分担しているか

図書館はディスレクシアに関する情報や貸出可能な資料に加えて、場所やコンピュータ、プログラムやガイダンスを提供する。職員は、サービス拠点のピアチューターと利用者の両方を指導する。サービスはPEOと共同で開発され、PEOはピアサポートと当番のサービスに関わるすべてに責任を負う。PEOは情報資料が最新のものであるように注意し、PEO会員に常に情報提供し、イベントに参加し、講座を提供する。ディスレクシアの利用者は、個別のサービスを受けることを望んでいるが、それを依頼するのは恥ずかしいと感じている場合がある。PEOのピアチューターは図書館サービスに精通しており、図書館の使用方法について利用者に指導することができる。成人教育センターは、ディスレクシアの学習者のための講座を提供し、また専門家の会議も企画する。

2.3 スタッフの養成方法

プロジェクトを進める上で、プロジェクトセクレタリーが図書館職員に、ディスレクシアやこのような問題を抱える利用者への適切な対処方法を伝えた。これによって職員は、利用者へのサービス提供に関して、これまで以上に自信をつけた。プロジェクトセクレタリーはまた、さまざまな図書館分館を訪問し、この問題について語り、ディスレクシアの利用者の視点から、各分館におけるサービスのアクセシビリティを評価した。

3.活動の評価

サービス拠点の活動を評価するために、利用者数、準備されたCD-ROMの数、ピアチューターが当番に入った時間数について統計がまとめられた。ディスレクシアのためのサービスに対する需要が綿密に監視された。ピアチューターに寄せられた質問は、どのようなものも、情報を適宜吸い上げるために記録される。チューターのもとへは、タンペレ市外の周辺地域からも利用者が訪れる。現在、チューターはこれ以上の利用者を受け入れることができない。一人の利用者に必要な時間は30分から2時間まで幅があるが、平和的な環境のもとで予約が取れるようにしなければならない。

プロジェクトのために、タンペレ市立図書館職員とPEO会員との間でインタビューが実施された。その資料に基づいて、ディスレクシアのための図書館サービスに関する修士論文が、タンペレ大学の情報学部で作成されている。これは私たちに、図書館サービスに対するディスレクシアの利用者の認識に関する情報とともに、これらの問題に対する図書館職員の意識と認識に関する情報をも、さらに提供するだろう。

4.影響および将来性

図書館と地域ディスレクシア協会および成人教育センターとの連携の結果、タンペレはEqualと呼ばれる、欧州社会基金の資金援助を受けたEUのプログラムに参加することを承認された。このプログラムのフィンランド支部は、学習障害者のためのサービスおよびアドバイスセンターのモデルを開発することを目的としている。試験計画には四つの都市が参加し、各市が独自の活動モデルを開発する。そして最も良い事例が、全国的なモデルの基本として利用されるために選出される。タンペレの貢献の中で重要な内容は、ディスレクシアのためのサービス拠点を運営する過程において開発された連携のモデルである。

ピアサポートは小規模の活発なグループによるボランティア活動に基盤を置いている。これは、このような活動が長期的に見て不安定であることを意味する。ピアチューターもまた、あまりに忙しすぎて、当番時間内に情報フォルダやウェブサイトをモニタリングしたり更新したりすることに従事できない。いかにして、常に最新情報を伝えるかが課題となっている。

フィンランドでは、公共図書館の利用は大変活発で、アクセスも容易である。図書館は利用者にレッテルを貼らないので、このような特別なサービスにとっては理想的な場である。この活動の未来を確保するためには、多数のさまざまな関係者との協力が重要である。タンペレ市立図書館の場合は、地域ディスレクシア協会および成人教育センターとの連携が特に重要である。さらに、文化サービス、教育、雇用サービスおよび社会福祉関係者とともに活動する必要もある。将来は、多様な利用者グループにサービスを提供するために、図書館はこれらのグループと、これまで以上にさらに密接に協力していかなければならない。

より一般的なレベルにおいては、私たちのプロジェクトの影響が、本来対象としていたディスレクシアの人々を超えて広がっていくと信じている。たとえば、私たちは現在、移民の何人かをピアインストラクターとして教育するために、タンペレ市の成人教育センターおよび亡命希望者受け入れセンターとの連携を開始しつつある。この結果、彼らは今後他の移民に、自国の言葉でデジタルな読み書き能力を指導できるようになるだろう。このように、私たちはディスレクシアプロジェクトで開発された連携のモデルが他の分野にも適用できると考えている。

参考文献

Colin Davies(コリン・デイヴィース)Spelling and Literacy in Finnish(フィンランド語における綴り方と読み書き能力)Journal of the Simplified Spelling Society, 25(簡易スペリングソサエティジャーナル25号)1991/1 11-15ページ

The International Dyslexia Association(国際ディスレクシア協会)
http://www.interdys.org/servlet/compose?section id=5&page id=95 2007年3月11日検索

Nopola-Hemmi, Jaana(ヤンナ・ノポラ-ヘンミ)他 Familial dyslexia: neurocognitive and genetic correlation in a large Finnish family.(家族性ディスレクシア:あるフィンランドの大家族に見られる神経認知学的および遺伝学的相関)Developmental Medicine & Child Neurology (発達医学と小児神経学)2002年44号 580-586ページ

Rutledge Hazel (ヘーゼル・ラトリッジ)Dyslexia: challenges and opportunities for public libraries.(ディスレクシア:公共図書館の課題と好機)Journal of Librarianship and Information Science, 34(3)(図書館・情報科学ジャーナル34号(3))2002年9月 134-144ページ

Skatt Nielesen, Gyda, Irvall Birgitta(ギッダ・スカット・ニールセン、ビルギッダ・アーバル)Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia(ディスレクシアのための図書館サービスのガイドライン)IFLA Professional Reports, Nr. 70(IFLAプロフェッショナルレポート70号)Under the auspices of Section of Libraries Serving Disadvantaged Persons(利用において不利な立場にある人々への図書館サービスに関するセクション後援)ハーグ:IFLA本部 2001年 ISBN 90-70916-82-7

備考:この文献のオリジナルは以下URLに掲載されています。
(英語)http://archive.ifla.org/IV/ifla73/papers/118-Jarvelin_Merilainen-en.pdf