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さわる絵本:りんごの棚にモンスターと動物達を

Taktila bilderböcker : Monster och djuir till Äppelhyllan (2010年第4号,p.12-13)
文:アン-ソフィー ファルック
写真:アンニカ・スンディン

録音点字図書館は2010年の間、特にさわる絵本(Taktila bilderböcker)に力を入れて取り組んだ。この機会に図書館のアップルコーナーの為に、新しい図書を幾つか購入するか、または借りてみよう。

 だれもが知っているように、モンスターやお化けは古城に住んでいる。そこにはギシッと音のする階段やジトジトしている地下室があり、天井には蜘蛛の巣がはっている…けれども彼らだって、あなたの家のようにきれいで居心地の良い所に住みたいと思っているかもしれない。アンドレアス・パルマエルとペール・グスタブソンの『ソープネッドガステン』(Sopnedgasten)の中では私達は、エルーアク、オーラトーラ、それにミニモンスターのブルのような現代的なモンスターに出会える。これはコラージュ絵が使われた絵本で、少し難しいさわる絵を好む子ども達向けである。ブッラス・ヨーナス作『動物を当ててごらん』(Gissa djur)は幼い子ども達向けの新しい絵本で、猫、ねずみ、馬、やぎ、豚等のなじみ深い動物達がコラージュ絵で登場する。動物の種類ごとに見開きの頁が割り当てられていて、韻を踏んだ独創的な詩が使われており、子ども達が空欄を自分で埋めることができる。:私たちのおうちにひっこしたのはだあれ?それはきっとゆうかんなちいさな_____?のように。どちらの本も拡大文字と点字で書かれている。

もうすぐトムテ(こびと)がやってくる…

 クリスマスの足音が近づいたら、私達は皆、ヴィクトール・リードベリの古典的なクリスマスの詩『トムテ』(Tomten)が懐かしくなる。この詩もさわる絵本になっている。この物語は真冬の夜に農場の動物達や人々の見回りをする小人を描いており、原書はハラルド・ウィーベリが挿絵を描いているが、この叙情的な絵はコラージュ絵にぴったりなのだ。文章は拡大文字と点字で書かれている。

要望の高い図書の再版

 要望の高かった3冊の絵本が今年、新たな装丁で再版された。この3冊とも文章が拡大文字と点字で書かれている。グレーテ・ヤヌスとモーゲンス・ヘルツの『くま』(Nalle)はスウェーデン語で書かれた古典的な絵本で、1949年に出版された。私達は絵本の中で、椅子、机、マグカップ、スプーン等の日用品に囲まれたくまのナッレに会うことができる。幼少の子供向けの指さし絵本である。
 イェニィ・ニルソンの『海水浴』(Badutflykten)が描いているのは、重度の視覚障害者のキムだ。キムはお父さんと一緒に海岸に行く。気持よく海で泳いだ後、二人は乾いた浜に戻った。おや、彼らのタオルはどこだろう?この本はさわる絵本の仕組みが中心的な役割を果たす、簡単なコラージュ絵で作られている。
 『てぶくろ』は有名な民話である。ある男の子が森に出かけていって、てぶくろを落としてしまった。一匹の小さなねずみが鼻をふんふんさせながらやってきて、手袋が暖かくて気持ちよさそうだと思い、そこに住み始める。ねずみの後に続いて、その他の動物達もやってくる。かえる、野うさぎ、おおかみに熊。そして皆が手袋に住みたがる。この絵本には大変シンプルなコラージュ絵が使われている。また親達に向けたガイドブックが付いている。

カラフルなスウェルペーパーの絵

 アスファルトの下には本当は何があり、あの通りや歩道のマンホールカバーは何のためにあるのだろう? 現金自動支払機や地下鉄、信号にエスカレーターはどのように動いているのだろう。
 これらの質問や、その他の多くの物事について、ヨハンナ・ヴォン・ホルン作のこの本『まちはこんな風にできている』(staden)は興味を持っているあなたに答えを教えてくれる。
 この本は街のありとあらゆるものを扱った、簡単で遊び心に満ちたノンフィクションだ。絵表紙とタクタイルのカラースウェルペーパーのイラストレーションを用いた、行間の広く取ってある点字図書である。


原本書誌情報

Bibliotek för alla
http://www.tpb.se/om_tpb/trycksaker/tidskrifter/#bfa

Bibliotek för alla. 2010, No.4, 16p.
http://www.tpb.se/filer/trycksaker/pdf/bfa42010.pdf

原本(スウェーデン語)は、TPBのサイトに掲載されています。写真はDINFには掲載しておりませんので、原本をご覧ください。