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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第20号(2008年3月31日配信)

□…… DINF: 障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン ……………□
                第20号(2008年3月31日配信) 刊行:不定期
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 DINF(Disability INFormation Resources)は、
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会が
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■   目次
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【1】新着情報
【2】ウェブ担当者コラム
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【1】新着情報
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【情報のアクセス問題】
(3月24日 新着)
平成19年度 第93回 全国図書館大会 東京大会
第12分科会 障害者サービス委員会
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/071030_jla93-12/index.html
  平成19年10月30日に行われた全国図書館大会東京大会第12分科会について
  大会要綱と図書館雑誌上の報告から転載しています。
  公共図書館における障害者サービスの現状について概観することができます。
  世界のバリアフリー絵本展、障害者サービス用資料展・機器展の部分は、
  当日撮影した写真も加えて掲載しています。
(3月17日、31日 更新)
視覚障害者図書館および情報サービス事業の資金調達および管理システム:
国際事例研究
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/rightscom.html
  2006年に、LBS(盲人図書館分科会)が、IFLA(国際図書館連盟)、
  BL(英国図書館)/MLA(英国博物館・図書館・文書館国家評議会)からの
  助成で行ったプロジェクトの報告書です。
  視覚障害者図書館および情報サービス事業の資金調達および管理システムにおける
  さまざまな取り組みの国際的な比較と、これらの要素がその成果に及ぼす影響の
  解明を目的としています。
  エグゼクティブサマリーのみの掲載でしたが、
  第一部概略報告書の全体の翻訳と日本の調査結果を追加しました。
  日本の調査結果は、日本図書館協会障害者サービス委員会と
  東京都立文京盲学校より提供された情報を基に書かれています。
  参考:
  アクセシブルな図書館サービスを目指して-盲人図書館分科会報告- 野村美佐子
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/080130_nomura_jla-ifla.html
  Funding and governance of library and information services 
  for visually impaired people: international case studies
  (報告書の英語原文)
  http://www.dinf.ne.jp/doc/english/access/0705_IFLA-rightscom/index.html
【国連障害者の権利条約】
(3月7日 新着)
第2回意見交換会(主に内閣府関連項目)意見書
(JDF(日本障害フォーラム) 2008年2月4日意見書作成、2月14日意見交換会開催)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/ri20080204.html
  2月14日に外務省のコーディネートにより、主として内閣府関連項目の課題について
  内閣府、厚生労働省および法務省の関係者とJDFとの意見交換会が開催されました。
  この文書は、意見交換会のためにJDFが事前に提出した意見書です。
【刊行物:月刊ノーマライゼーション】
(3月7日 新着)
月刊ノーマライゼーション 2008年3月号 (通巻320号)目次
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n320/n320_index.html
月刊ノーマライゼーション 2004年11月号(通巻280号)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n280/index.html
月刊ノーマライゼーション 2004年12月号(通巻281号)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n281/index.html
  1995年10月号から2004年12月号までの目次と記事本文、
  2005年1月号から最新号までの目次を掲載しています。
  今年度は、2004年の分の記事本文の掲載を順次行っており、
  今月は2004年11月、12月の記事本文を新たに掲載しています。
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【2】ウェブ担当者コラム
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●障害者放送協議会 シンポジウム
情報アクセシビリティの実現に向けて
障害者権利条約の時代における、著作権と放送バリアフリー
http://www.normanet.ne.jp/~housou/0315/
標題のシンポジウムが3月15日(土)に行われました。
障害者放送協議会(http://www.normanet.ne.jp/~housou/index.html)が
取り組んでいる2つのテーマ、「著作権」と「放送・通信バリアフリー」を取り上げ、
障害者の権利条約の新しい視点で捉えながら、障害当事者のニーズ、
第一線の取り組み状況、国の施策や最新技術動向の発表を交え、
今後の方向性について議論していくことを目的としたものでした。
基調講演「障害者権利条約と情報アクセシビリティ」において、
河村氏は、次のことに触れました。
・国連世界情報社会サミット(WSIS)で、デジタル・ディバイドの解消、
 南北の格差と障害の有無によるIT格差を解消するためには、
 すべての人が共通に使えるユニバーサルデザインと個別の障害のニーズに
 対応する支援技術とを結びつけて発展させるという原則が合意された。
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/ws_tunis_related.html
・障害者権利条約のICTに関する部分には、この原則を含めてWSISの成果が
 十分に反映されているが、それは、タイ盲人協会会長の
 モンティエン・ブンタン氏がスウェーデンのキッキ女史と共に
 WSISと権利条約の架け橋として活躍したためである。 
 このブンタン氏が タイの上院議員指名委員会で満場一致で指名された。
・権利条約の用語の定義を述べる第2条では、障害に基づく差別には「合理的配慮」を
 行わないことも含むことが述べられ、「合理的配慮」のすぐ次に
 「ユニバーサルデザインと支援技術の協調」が定義されている。
 http://www.normanet.ne.jp/~jdf/shiryo/convention/index.html
・日本のデジタル放送は、第21条(a)を満たしていないのではないか。
 
  第21条(a) 
  障害のある人に対し、適時にかつ追加の費用の負担なしに、
  異なる種類の障害に適応したアクセシブルな様式及び機器により、
  一般公衆向けの情報を提供すること。
・日本の現行著作権法は、第30条3を満たしていないのではないか。
  第30条 3 
  締約国は、国際法に従い、知的財産権を保護する法令が文化的作品への
  障害のある人のアクセスを妨げる不合理な又は差別的な障壁とならないことを
  確保するためのすべての適切な措置をとる。
午前の報告、座談会、午後の講演、パネルディスカッションをあわせて
特徴的だったのは、障害種別という意味でも、職業的立場という意味でも、
様々な当事者が登壇したということです。
「著作権」と「デジタル放送」で、ともに言えるのは、
最初の話し合いの段階で障害当事者の参加を抜きにして物事を進めてしまうと、
どんなに技術が発展しても、制度がブレーキをかけていたり、
誰かを排除した形での技術発展になっていたりするということです。
2月29日に開催された
「情報通信審議会情報通信政策部会地上デジタル放送推進に関する検討委員会」は、
第35回にして、はじめて障害当事者を呼びました。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/080229_1.html
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/pdf/080229_1_bt.pdf
田中徹二氏(日本点字図書館)、西滝憲彦氏(全日本ろうあ連盟)、
高岡正氏(全日本難聴者・中途失調者団体連合会)の意見発表を聞き、
専門委員は、今まで問題をまったく認識していなかったため、
言葉が出なかったのだと言います。
国連障害者の権利条約は、障害者当事者および支援団体、市民社会のメンバーが、
最初の条約草案を起草した作業部会から特別委員会での最終段階の議論に至るまで、
条約策定の全過程に積極的に参加し、その取りまとめに大きく寄与したことにより
成立しました。
参加した障害者当事者たちは、特別委員会や節目の会見の締めくくりで
よくこう言っていました。
"Nothing About Us Without Us!"(私たちのことを、私たち抜きに決めないで!)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/ri20070331_2.html
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/ri20070326_2.html
「著作権」も「デジタル放送」も、著作物の利用者や放送の視聴者を抜きに、
語られてはならず、その「利用者」や「視聴者」には、
障害のある人がいるということを忘れてはならないのです。
今後の展開としては、官民一体の取り組み(当事者を含めた議論、
放送アクセシビリティ協議会、開発のためのコンソーシアム、
宣伝・シンポジウム等の啓発活動等)、
緊急対策の実施(障害者向けセットボックスの配布、
「目で聴くテレビ」の助成支援等)が提言されました。
ユニバーサルデザインと個別の障害のニーズに対応する支援技術とを結びつけていく
国際標準やシステムを、当事者を含めたステークホルダーが共に構築していくことで、
著作物も放送もみんなが利用できるものになっていくことを期待します。
参考:
"Nothing About Us Without Us!"という言葉は、1980年代から
障害当事者団体のスローガンとして使われてきたもので、
2004年の国際障害者デーの標語にも選ばれています。
International Day of Persons with Disabilities - 3 December
http://www.un.org/disabilities/default.asp?navid=22&pid=109
"Nothing about Us, Without Us"
International Day of Disabled Persons, 2004
http://www.un.org/disabilities/default.asp?id=114
自らも障害者当事者であり、CBR(Community Based Rehabilitation)の実践家であった
デビッド・ワーナー(David Werner)は、1982年にメキシコ西部で
プロジェクト・プロヒモ(Project PROJIMO)をはじめました。
プロジェクト・プロヒモは、専門家ではなく、障害のある人を含む農村の人たちが
イニシアティブを取って成果を挙げたCBRプロジェクトです。
1998年に、デビッド・ワーナーがプロジェクト・プロヒモ・チームと共に書いた
本のタイトルが"Nothing About Us Without Us"でした。
Nothing About Us Without Us
 Developing Innovative Technologies For , By and With Disabled Persons
 David Werner with the PROJIMO team and many friends
http://www.dinf.ne.jp/doc/english/global/david/dwe001/dwe00101.htm
現在、国連障害者の権利条約を象徴する言葉として語られる
"Nothing About Us Without Us"は、専門家に任せるようにといわれて
意思決定の場から排除されてきた障害者当事者こそが、
自分自身に直接関わる決定に対して、自ら関わるべきであるという
信念と共に生き続けてきた言葉なのです。
□□■ 編集後記………………………………
平成19年度はおかげさまで
第7号から第20号まで発行することができました。
来年度もよろしくお願いいたします。
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
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