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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第45号(2010年2月10日配信)

□…… DINF:障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン ……………□
                第45号(2010年2月10日配信) 刊行:不定期
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 DINF(Disability INFormation Resources)は、
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会が
 障害者の保健と福祉に関わる研究を支援するために、
 国内外から広く関連する情報を収集し障害者関連の情報を
 提供しているサイトです。
 【 DINFホームページ 】http://www.dinf.ne.jp
 【 お問合せ 】webmaster@dinf.ne.jp
 【 配信停止の申請 】
 メールの件名に「配信停止の申請」と書き、
 登録されているメールアドレスよりお送り下さい。
 webmaster@dinf.ne.jp
 【 プライバシーポリシーについて 】
 個人情報を適切に保護するため、お預かりした情報は取扱いに
 つきましては細心の注意を払っています。
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■ 目次
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【1】新着情報
【2】セミナー案内
【3】ウェブ担当者コラム
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【1】新着情報
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【情報アクセス-著作権法の現況】
(1月28日 新着)
「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」に
伴う著作権法改正について
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/201001_copyrightlaw/textbook.html
平成21年通常国会 著作権法改正等について
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/201001_copyrightlaw/copyright.html
「国立国会図書館法の一部を改正する法律」に伴う著作権法改正について
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/201001_copyrightlaw/law.html
  今回の著作権法の改正と国立国会図書館法の改正は、
  障害分野においても大きな影響を持つ内容です。
  改正法律文とあわせて、この時期にあったこととして、
  DINFにも記録を残しておきたいと考えました。
  これらのコンテンツは、文化庁長官官房著作権課の許諾を得て、
  下記より全文を転載しています。
  「国立国会図書館法の一部を改正する法律」に伴う著作権法改正について
  http://www.bunka.go.jp/chosakuken/kokkai_toshokan.html
  平成21年通常国会 著作権法改正等について
  http://www.bunka.go.jp/chosakuken/21_houkaisei.html
  「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」
  に伴う著作権法改正について
  http://www.bunka.go.jp/chosakuken/tokuteitosyo_fukyu.html
【情報アクセス-障害児のための絵本】
(2月10日 新着)
さわる絵本の作り方
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/book/celia-tactile-2008.html
  セリア(Celia)図書館のさわる絵本の作り方のパンフレットを翻訳しました。
  セリアは、創設者の名前、Cely Mechelinに由来します。
  創設当初は、視覚障害者を対象としていましたが、
  現在は、視覚障害者だけでなく、一般の印刷物を読むことができない人に
  アクセシブルなフォーマットで図書を製作し、提供する
  国立の専門図書館としてサービスを行っています。
  さわる絵本は、視覚障害のある子どもが触覚によって情報を得る能力を
  高めることができるように、様々な工夫をして作られていることがわかります。
【協会発ジャーナル】
(2月8日 新着)
<新着目次>
月刊ノーマライゼーション 2010年2月号(通巻343号)目次
 特集「新しい総合リハビリテーションに向けて」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n343/index.html
<バックナンバー新規掲載>
月刊ノーマライゼーション 2007年2月号(通巻307号)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n307/index.html
  ノーマライゼーションは、各省庁の障害者施策に関する情報や動き、
  全国各地域での実践例の紹介、移動・コミュニケーションなどの生活情報、
  「第2次アジア太平洋障害者の十年」「障害者権利条約」など
  国連をはじめとする世界の障害のある人を取り巻く動きを紹介した、
  障害者福祉総合情報誌です。
  http://www.normanet.ne.jp/~info/m_norma/
  DINFでは、1995年10月号から2007年2月号までの目次と記事本文、
  2007年3月号から最新号までの目次を掲載しています。
  バックナンバーの記事本文は、
  紙媒体の発行から3年が経過したものを順次掲載していきます。
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【2】セミナー案内
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●国際セミナー「CBR―コミュニティにおけるインクルーシブ開発を深める」
■趣旨:
2009年3月8日に、WHOの障害とリハビリテーションでCBRを担当している
チャパル・カスナビス氏を招いて、CBRに関するセミナーを開催し、
CBRがコミュニティでのインクルーシブ開発に有効な戦略であることを学びました。
今回再びカスナビスさんを講師にお招きし、CBRガイドラインについて、
現場ではどう使われるのか、インクルーシブ開発の具体的事例、研修の内容、
また障害者権利条約とCBRとの関係などについて
ご講演いただくセミナーを以下のように開催します。
さらに途上国のコミュニティでの活動に関する事例も紹介いたします。
途上国でのインクルーシブ開発の実現のためには、
コミュニティでの様々な分野間の連携、限られた資源の活用、
障害のある人・家族・支援者・住民とのネットワークの促進、
それらを実現するためのファシリテーションなどが考えられます。
途上国と日本のコミュニティでの取り組みに共通点はあるのかどうか、
皆様といっしょに考える機会になればと思います。
質問・ディスカッションの時間も設けますので、
皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
セミナーの最後に、2009年2月に設立されたCBRアジア太平洋ネットワークおよび
国内ネットワークについて進捗状況をご報告いたします。
■日時:2010年2月14日(日) 10:00-17:30
■場所:戸山サンライズ2階大研修室
■主催:財団法人日本障害者リハビリテーション協会
■後援:東京都民共済生活協同組合
■参加者:130人(定員になり次第締め切ります)
■参加費:無料
■申込先・問合せ:
日本障害者リハビリテーション協会
Tel:03-5273-0601
Fax:03-5292-7630
E-mail:tsuzuki.momoko@dinf.ne.jp
URL:http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100214.html
担当:都築
【プログラム】
10:00 主催者あいさつ
10:10-12:00
チャパル・カスナビス氏 講演 (同時通訳付き)
 CBRガイドラインについて、現場ではどう使われるのか、
 インクルーシブ開発の具体的事例、研修方法、
 障害者権利条約とCBRとのかかわりなどについて
12:00-13:00 昼食(各自でお取りください。持ち込み自由)
13:00-15:30
途上国のコミュニティでの支援活動の事例発表
 コーディネーター:高嶺豊氏(琉球大学教授)
          沼田千妤子氏(日本発達障害福祉連盟事務局長)
講演①Raja Pratap (ラジャ プラタップ)氏:(同時通訳付き)
   インド アンドラ・プラデシュ州での
   貧困削減事業にかかわるプロジェクト上級役員
   【講演内容】
   世界銀行による貧困削減事業の中の障害者自助グループと
   その連合体を作るプロジェクトについて 
講演②中村 信太郎(なかむら しんたろう)氏: 
   JICAシリアプロジェクトCBR専門家 
   【講演内容】
   JICA(国際協力機構)によるシリアでのCBR支援について
講演③田畑 美智子(たばた みちこ)氏: 
   世界盲人連合 アジア太平洋地域代表執行委員
   【講演内容】
   世界盲人連合アジア太平洋地域協議会がパートナーとなり、
   デンマーク政府開発援助の支援で実施している、
   アジア地域と国レベルでの能力開発プロジェクトと、
   モンゴルのコミュニティにもたらした変化
講演④尻無浜 博幸(しりなしはま ひろゆき)氏:
   松本大学準教授
   【講演内容】
   松本近辺でのコミュニティでの取り組みと
   スリランカでのCBR支援を通して見える接点などについて
講演⑤西尾 雄志(にしお たけし)氏: 
   早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター助教         
   【講演内容】
   中国のハンセン病回復者の定着村での日本と
   中国の学生のワークキャンプをとおして見えた、
   ハンセン病回復者およびコミュニティの人々の変化など
15:30-15:45 休憩(質問用紙に書いていただき、休憩時間中に集めます)
15:45-17:00 質疑・ディスカッション、コーディネーターによるまとめ
17:00-17:20
CBR APネットワークと国内ネットワークに関する経過説明と報告:
上野悦子 日本障害者リハビリテーション協会 (障害分野NGO連絡会事務局) 
17:20-17:30 閉会のあいさつ
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●国際シンポジウム「デイジーの活用による情報アクセスの保障と促進」
■趣旨:
デイジー(DAISY: Digital Accessible Information System)は、
視覚障害、発達障害、知的障害、精神障害など、
様々な「読むことに障害がある人々」の問題解決のために、
DAISYコンソーシアムにより国際的に開発と普及が進められている
アクセシブルなマルチメディアである。
デイジー形式のマルチメディアにより、見る、聞く、触る、のどれか一つができれば、
読むことを保障できるので、欧米では教科書等を中心に急速に普及している。
日本では、本年1月1日に施行された著作権法の改正により、
障害がある人々の読書環境が大きく改善され、
これまで著作権法の制約でデイジーを利用できなかった
様々な読みの障害がある人々の関心が急速に高まってきている。
そこで、デイジーと改正著作権法を最大限に活用して、
これまで読書から疎外されてきたディスレクシア等の様々な読みの困難がある
人々の支援を進めるために、世界中で普及が進むデイジー技術と、
その姉妹技術である新しい電子出版の標準規格ePUBとに着目して、
海外から研究開発の最前線に立つ専門家を招聘してその動向を学び、
日本におけるデイジーの今後についてのシンポジウムを開催する。
講師には、デイジーコンソーシアム会長のほか、
ePUBの開発と普及を進めるIDPF次期会長、
フランスを拠点にするDAISY技術開発チームリーダー、
自らがディスレクシアでもある第一線のデイジー製作・閲覧ソフトウエア開発者、
e-Inclusionを積極的に進めるスウェーデン国立録音点字図書館のデイジー開発者を
予定している。
DAISYを軸とする「誰もが読める」電子図書とデジタルライブラリーの現在と
将来に関する講師の発表の後に、教科書のデイジー版提供を法律で
出版者に義務付けている米国の事例等を参考に、法律・制度の問題も含めて、
日本におけるデイジーの活用についてパネリストと講師による意見交換を行い、
日本における「誰もが読める」社会の実現を展望する。
■主催:(財) 日本障害者リハビリテーション協会
■助成: 大阪府民共済生活共同組合
■日時:2010年2月19日(金) 13:00~17:00
■会場:日本財団ビル 大会議室
 (〒107-8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号 日本財団ビル)
■定員:150名(定員になり次第締め切りとする)
■参加費:無料 
■情報保障:同時通訳要約筆記あり。
      希望に応じて手話通訳・点字プログラム・磁気ループを用意。
■申込先・問合せ:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター内
TEL:03-5273-0796 / FAX:03-5273-0615 /e-mail: ic@dinf.ne.jp
URL:http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100219.html
担当:吉広・長田
■プログラム(予定) *変更の可能性があります。
13:00-13:10
開会挨拶 金田一郎(財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 会長)
13:10-13:30
基調講演
 河村宏(DAISYコンソーシアム会長・
     国立障害者リハビリテーションセンター特別研究員)
13:30-15:00
世界の動向に視点をあてて(1人約20分)
 ジョージ・カーシャー(IDPF会長・DAISYコンソーシアム事務局長 - 米国)
 クレッグ・カーニー
 (西オーストラリア盲人アクセスメディア協会マネージャー - オーストラリア)
 ロマン・デルトワ(DAISY 変換技術開発チームリーダー - フランス)
 マーカス・ギリング
 (DAISYコンソーシアム技術開発部長・スウェーデン国立点字録音図書館(TPB)
  ‐スウェーデン)
15:00-15:20 休憩・展示   
15:20-17:00
パネルディスカッション「日本におけるDAISYの普及」
 モデレータ:河村宏(DAISYコンソーシアム 会長)
 パネリスト:
  外国の講師陣
  長尾真(国立国会図書館長)
  石川准(静岡県立大学国際関係学部教授)
  神山忠(岐阜県立関特別支援学校)
  井上芳郎(障害者放送協議会著作権委員会委員長、LD親の会)
  野村美佐子(日本障害者リハビリテーション協会情報センター長)
17:00 閉会
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●障害者放送協議会 情報バリアフリーフォーラム
 障害者権利条約批准後の放送・通信に期待するもの
■日時:2010年2月27日(土) 12時30分から16時30分まで
■会場:戸山サンライズ 2階大・中会議室(定員100名)
    (東京都新宿区戸山1-22-1)
■大阪会場 特定非営利活動法人 CS障害者放送統一機構
    (大阪市北区東天満2-7-12 スターポート)
 ※東京/大阪 生中継
■参加費:無料
■開催趣旨:
障害者権利条約は2008年5月に発効し、
現在日本ではその批准に向けた政府による制度改革が、
当事者参加の下で行われています。
また日本では、「u-Japan政策」の目標年次が2010年、
地上デジタルテレビ放送の完全デジタル化が2011年に予定されるなど、
放送・通信施策の節目を迎えています。
このような中、権利条約批准後の放送・通信に期待するものについて、
それぞれの立場から出し合い、今後のあり方を探ります。
■お申し込み、問い合わせ
メール等にて下記の連絡先までお申込ください。
*先着順・参加証などは特にお送りいたしません
事務局(日本障害者リハビリテーション協会内)
E-mail: housou.info@gmail.com 
162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
TEL: 03-5292-7628
FAX: 03-5292-7630
URL:http://www.normanet.ne.jp/~housou/0227/
■プログラム(順不同・敬称略)
12:30 開会挨拶(主催者挨拶)
12:35
基調報告「権利条約からみた放送通信の課題」
 寺島 彰 (障害者放送協議会 放送・通信バリアフリー委員長/浦和大学教授)
13:00
特別講演「放送通信の今後について」
 平林 正吉 (総務省情報流通行政局情報通信利用促進課長)
 放送事業者 (NHKに依頼中)
 (以上、議長会場(東京)より)
質疑応答
(休憩)
14:15 フォーラム「権利条約批准後の放送・通信に期待するもの」
 今野 浩美 
 ((株)ラビット/全国視覚障害者情報提供施設協会 情報アクセシビリティ委員)
 【視覚障害者の立場】
 浅利 義弘 (全日本ろうあ連盟 理事)【聴覚障害者の立場】
 横山 正明 
 (全日本手をつなぐ育成会 『ステージ』編集委員会委員)【知的障害者の立場】
 上野 正彦 (愛知盲ろう者友の会 副会長)【盲ろう者の立場】
 大嶋 雄三 (CS障害者放送統一機構)【障害者専用放送事業者の立場】
指定発言等(大阪会場より)
○ファシリテーター:
 高岡 正(放送・通信バリアフリー委員会副委員長/
      全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 理事長)
 岩井 和彦 (全国視覚障害者情報提供施設協会 理事長)
16:30 閉会
※プログラム、演題等は変更することがあります。
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●障害者放送協議会シンポジウム「障害者と災害」
■日時:2010年3月12日(金) 午後12時30分~4時30分
■会場:戸山サンライズ 2階 大研修室 (東京都新宿区戸山1-22-1)
■参加費:無料
■開催趣旨
災害時における障害者の支援や情報保障の取り組みについては、
国の「災害時要援護者避難支援ガイドライン」(改訂版)が
平成18(2006)年3月に出されて以降も、引き続き各地で進められているところです。
このシンポジウムでは、それらの取り組みの最新動向を紹介しながら、
障害者が望んでいることはなにか、
各地でどのような経験が生まれているのか事例を出し合い交流し、
今後の活動の展望を探ります。
■お申し込み、問い合わせ
3月1日(月)までにFAX、Eメール、または電話にて
下記の連絡先までお申し込みください。
(先着順・参加証などはお送りいたしません)
事務局(日本障害者リハビリテーション協会内)
電話:03-5292-7628
FAX:03-5292-7630
E-mail: rehab@dinf.ne.jp
URL:http://www.normanet.ne.jp/~housou/0312/
■プログラム(順不同・敬称略)
12:30 開会
基調説明 矢澤 健司(障害者放送協議会 災害時情報保障委員長)
13:00
国の取り組み 内閣府防災担当付参事官(災害応急対策担当) 山崎 一樹
13:30
被災地からの報告 ~2007年新潟県中越沖地震の経験
 片桐 宜嗣((社)新潟県手をつなぐ育成会理事長)
14:00
取り組み事例
・八幡 隆司((特)ゆめ風基金理事)
・棚橋 公郎((福)岐阜アソシア 視覚障害者生活情報センターぎふ サービス課長)
・池松 麻穂、吉田めぐみ((福)浦河べてるの家)/
 河村 宏(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
・(特)CS障害者放送統一機構
○ファシリテーター 岩井 和彦((特)全国視覚障害者情報提供施設協会理事長)
15:45 質疑応答とディスカッション
16:30 閉会 
(途中休憩あり)
*プログラムは変更する場合があります。
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【3】ウェブ担当者コラム
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障害関連の書籍を2冊紹介します。どちらも「歴史」を感じさせます。
●公共図書館で働く視覚障害職員の会(なごや会)編著
 『見えない・見えにくい人も「読める」図書館』(読書工房 2009年11月)
 http://www.d-kobo.jp/10_72.html
本書は、公共図書館で働く視覚障害職員の会(通称・なごや会)が
結成されて20年を記念してまとめられた。
なごや会は、1989年9月、全国の公共図書館で働いている視覚障害者が
10人になったことをきっかけに結成され、現在に至る。
2009年9月現在、21人の視覚障害者が全国の17の公共図書館で働いている。
公共図書館が全国に3100以上あることから考えると決して大きな数字ではないが、
自身がサービスのユーザでもある視覚障害者職員は、
見えない・見えにくい人のニーズに応えるために、その専門性を発揮すべく、
忍耐と時間を要するサービスに取り組んできたのだ。
日本の最初の視覚障害図書館職員は、1974年に都立中央図書館に採用された
田中章治氏(なごや会初代代表)であるが、以来30余年にわたって、
公共図書館の現場で実績を積み上げてきたのである。
本書は、図書館の視覚障害者サービスの現状と歴史をまとめたもので、
次のように構成されている。
第1章 図書館で受けられるいろいろなサービス
第2章 もっと視覚障害のことを知りたい!
第3章 図書館の視覚障害者サービスと資料製作
第4章 ITの活用で進化する視覚障害者サービス
第1章では、「障害者サービス」とは何かから始まり、
視覚障害者サービスには具体的にどんなものがあるのか。
第2章では、視覚障害者の見え方の特徴と全盲、弱視、盲ろう、
盲導犬ユーザーの方それぞれに対する館内の誘導の仕方や
必要な配慮について整理している。
それは、点字ブロック、音による案内、点字表示、施設内の明るさなど、
図書館としての施設設備のあり方の話へとつながっていく。
第3章は、資料製作について。
通常の活字の本を点字図書や音声版の録音図書などに
「媒体変換」するのが「資料製作」だが、
それには、「著作権」が関わってくるため、
2010年1月の著作権法改正についても触れている。
録音図書、点字図書、拡大写本、点訳絵本、さわる絵本、布の絵本など、
様々な形態の図書が紹介されている。
資料作りを支えてきた図書館協力者や機器、ソフトウェアについても
一節を割いている。
著作権法改正、協力者、機器、ソフトウェア。
どれも、マルチメディアDAISYの製作においても重要である要素である。
第4章では、公共図書館と点字図書館のネットワーク、
総合目録、読書支援機器など、ITの活用について述べている。
資料編は「公共図書館における視覚障害者サービス」や
「公共図書館で働く視覚障害職員」に関する歴史を物語る
貴重な資料が収録されている。
コラムでは、「公共図書館で働く視覚障害者たち」として
5名の視覚障害職員がそれぞれの同僚により紹介されている。
本書によって、視覚障害者への支援の根本、
資料製作やITの活用などの視覚障害者サービスの現状、
その到達までの歴史を確認することができる。
【DINF関連記事】
枚方市立図書館(大阪)における視覚障害者と読むことに障害のある人々へのサービス
服部敦司(枚方市立中央図書館)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/ifla/ifla_2009_hattori.html
【関連サイト】
ようこそ!なごや会のページへ
http://homepage2.nifty.com/at-htri/nag-index.htm
●花田春兆編著『鬼が笑う月が泣く』(角川学芸出版 2010年1月)
 http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200906000430
月刊『ノーマライゼーション』の巻頭に1995年10月号から連載され、
巻頭とびらの一ページを詩・短歌・俳句で月々交互に飾っていた
「うたの森」は、168人にのぼる方々の作品を紹介し、2009年9月号をもって終了した。
本書は、その「うたの森」を単行本化したものである。
「うたの森」を担当し、毎号に解説を寄せていた花田春兆氏は、
自らが脳性マヒで、俳人、著述家、障害者文化研究家・運動家であるが、
このコーナーを「障害者、それも社会的には無名か、それに近い人々の、
生の声を響かせる発信基地にしよう」と志していたという。
本書のタイトルは、横田弘氏の詩「春の惑い」(p.19)の中にある表現、
「鬼が哭く」、「月が泣く」から来ているが、
「鬼が笑う」になったのには、こんな想いがこめられている。
   現在はそれほどではなくなっていようが、
  以前は障害者は常に、悲嘆にくれる悲劇の主人公というイメージに納められていた。
  そうした厳しい現実を否定することなど出来はしない。
   ただ、常に苦悩の世界だけに収まっているわけでもない。
  だから、笑いもすれば、悪戯も企む。
  障害者の作品だからと言って、神妙なものばかりであるはずもない。
  周りをユーモラスに捉える眼も具えてもいれば、自分自身を笑い飛ばしたりもする。
   逆にその反面、一方では常に穏やかな光を投げかけて、
  静かに微笑んでいる月の面から、内に秘めた悲しみが漏らす
  忍びやかな泣き声を、聞き取ってしまう。
  月は泣いているのだ。
1ページ1ページが作品と解説で構成される。
私自身は詩や短歌や俳句については書くことはおろか読むこともおぼつかないのだが、
この解説が、著者が「この人に書かれてみたい」と思う解説であることはわかる。
□□■ 編集後記………………………………
主催講演会はまだまだ続きます。
どんどん年度末進行になりますね。
………………………………………………………………………………
●障害者福祉の総合情報誌
月刊『ノーマライゼーション』(定価800円)
最新刊 2月号
 特集「新しい総合リハビリテーションに向けて」
http://www.normanet.ne.jp/~info/m_norma/
●障害者福祉専門職の方必読!
季刊『リハビリテーション研究』(定価1200円)
最新刊 141号
 特集「第32回総合リハビリテーション研究大会」
CD-ROM版発売中(1号~100号分、ブックレット付。9500円)
http://www.normanet.ne.jp/~info/rihaken/
………………………………………………………………………………
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
………………………………………………………………………………■■■

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