デビッド・ワーナー(David Werner)
解説
デビッド・ワーナー(David Werner)は、自らも筋萎縮症による障害者であり、1970年代からのCBRの実践家である。実践初期から障害者の参加を必須のことと考え、障害当事者をスタッフとして採用してきた。
デビッド・ワーナーによる最初のCBR活動は、メキシコ西部で行われたプロジェクト・ピアクストラ(Project Piaxtla)である。この経験は2冊のマニュアル、「医師のいないところで(Where There is No Doctor)」と「保健ワーカーの学習を助ける(Helping Health Workers Learn)」にまとめられた。
1982年から同じくメキシコ西部で始まったプロジェクト・プロヒモ(Project PROJIMO)は、専門家ではなく、障害のある人を含む、農村の人たちがイニシアティブを取って成果を挙げている。プロジェクト・プロヒモから生まれたのが、「障害のある村の子供(Disabled Village Children)」であり、これはCBRの必読のテキストとして広く活用されてきた。
1998年に、デビッド・ワーナーがプロジェクト・プロヒモ・チームと共に書いたのが「私たち抜きで、私たちに関することは決めないで(Nothing About Us Without Us)」である。
(註)"Nothing About Us Without Us"という言葉は、1980年代から障害当事者団体のスローガンとして使われてきたもので、2004年の国際障害者デーの標語にも選ばれている。最近では、2006年12月13日の国連総会における障害者の権利条約の採択前の国際障害コーカス(International Disability Caucus:IDC)の発言の締めくくりで用いられている。
外部リンク
- "Nothing about Us, Without Us" International Day of Disabled Persons, 2004(英語)http://www.un.org/disabilities/default.asp?id=114
Dinfサイト内の関連ページ
- インタビュー “Nothing About Us Without Us” (私たちのことを、私たち抜きに決めないで) の著者、デビッド・ワーナー氏に聞く
- Disabled Village Children : A guide for community health workers, rehabilitation workers, and families (英語)
- Nothing About Us Without Us : Developing Innovative Technologies For, By and With Disabled Persons(英語)
- デビット・ワーナーの活動 (地域に根ざしたリハビリテーション) -CBRにおける障害者の役割-
- デビット・ワーナーのCBR 3.CBRにおける専門家の役割
更新日:2013年5月16日