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ふじのくに
障害者プラン ~ふれあいの21世紀をめざして~

静岡県障害者対策行動計画

№2

1 ふれあい・共感づくり(啓発・広報)


1 啓発・広報活動の推進
<現状と課題>

  1.  障害のある人もない人も、お年寄りや若い人も、共に暮らすことができる福祉社会を築いていくことがノーマライゼーションの理念です。
     本県においても、昭和56年の「国際障害者年」を機に、ノーマライゼーションの考え方に立った「国際障害者年静岡県行動計画」を策定し、この理念の普及や障害及び障害者についての正しい理解の促進を目的として、多様な啓発・広報活動を進めてきました。
     具体的には、本県独自の取組である「福祉を育てる県民運動」を柱として、「障害者福祉週間」(12月9日~15日)、「愛の援聴週間」(3月3日~9日)、「障害者雇用促進月間」(9月)などの啓発活動を展開してきた結果、「障害者問題」に関する県民の理解は次第に深まってきました。
     しかし、一方では「障害者問題は特定の人がかかわるもの」という認識も依然として存在していることから、こうした啓発活動を一層充実するとともに、障害者の自立や社会参加を促進するための広報活動についても積極的に推進し、障害者問題は県民全体が取り組むべき課題であることを強く訴えていく必要があります。
     なお、今日の情報化社会においてテレビや新聞等のマスメディアの果たす役割は極めて大きいことから、啓発・広報活動に当たっては、これらの情報媒体を積極的に活用していくことが重要です。
  2.  障害及び障害者の正しい理解を広げるためには、障害者自身も自立への意識をしっかり持ち、豊かな人生を切り開いていく姿勢をとっていくことが必要です。
     また、家や施設に閉じこもらず、積極的に社会参加し、障害者の存在を社会のすべての人に知ってもらうことも重要です。
     そのためには、障害者の両親等の保護者がこうした考え方を理解し、障害者の立場に立って、支援してくれることが不可欠です。


<施策の方向>

  1. 障害及び障害者についての正しい認識の普及
    1.  障害者問題が県民全体の課題であることを認識してもらうため、「福祉を育てる県民運動」や「障害者福祉週間」をはじめとする啓発活動を関係団体と協調して積極的に展開するとともに、テレビ、ラジオ、新聞等の報道機関の協力を得ながら、広報活動を充実します。
    2.  啓発活動は地域住民のできる限り多くの参加を得ることが重要ですので、今後は市町村における啓発活動の促進を図っていきます。
  2. 障害者の自立意識の向上と社会参加の促進
     障害者の自立意識の向上と社会参加の促進を図るため、障害者団体の行う自立意識向上のための事業への支援や、住みよい福祉のまちづくり事業などに努力していきます。

(1)障害及び障害者についての正しい認識の普及

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
福祉を育てる県民運動推進事業  連帯感に結ばれた地域社会を築くことを目的として、県民総参加により「福祉を育てる県民運動」を展開する。
  • 運動強化月間…10月
  • 10月20日は「県民福祉の日」
  • 主唱:静岡県福祉を育てる県民運動推進協議会(83団体で構成)

市町村県社会福祉協議会等
 県レベル、市町村レベルでの福祉意識の高揚策を積極的に展開して、ボランティア活動をはじめとする福祉活動への参加者の拡大を図る。 福祉企画課
障害者を支える地域福祉推進事業
  1. 障害者福祉週間(12月9日~15日)
     障害者問題への県民の理解の促進と意識の高揚を図るため、「障害者の日」(12月9日)を中心に街頭キャンペーンなどを行う。
  2. 愛の援聴週間(3月3日~9日)
     聴覚障害者に対する理解を深めるため、「耳の日」(3月3日)を中心に、中央のつどい、街頭キャンペーンなどを行う。

市町村関係団体
 市町村における取り組みの充実とともに、福祉団体、教育、経済、労働団体等との連携を強化する。 障害福祉課
精神障害についての啓発活動  精神障害者の社会参加と理解を深めるため、「こころの健康フェスティバル」など啓発イベントを開催する。  精神保健関係団体と連携を強化し事業の拡大を図る。 保健予防課
障害者雇用にいての啓発活動  毎年9月を「障害者雇用推進月間」として、企業等に障害者の雇用の拡大を働き掛ける。
県障害者雇用促進協会
 事業の充実 職業安定課
特殊教育ふれあい事業  特殊教育諸学校で学ぶ児童・生徒の姿と特殊教育諸学校を卒業し、社会の中で積極的に活躍する姿勢を広く県民に知らせ、特殊教育の現状や児童・生徒の実態について理解・啓発を図る。 特殊教育諸学校  県内3地区で交代に実施 特殊教育課
マスメディアによる広報活動  テレビやラジオにおける県の広報番組及び「県民だより」等により、県民全体に対し、障害者問題について啓発・広報を行う。 県報道機関  広報活動の充実と報道機関の協力 福祉企画課他

(2)障害者の自立意識の向上と社会参加の促進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
精神薄弱者ふれあい交歓会開催事業  精神薄弱者通勤寮及び生活寮の入所者やその父兄・地域住民等を対象に交歓会を開催して、入所者を激励するなど自立意識を高める。
(県精神薄弱者愛護協会へ委託)
 事業の充実 障害福祉課
心身障害者就労促進事業  心身障害児(者)に就労についての自覚と自信を持たせるため、県下4地区において養護学校や特殊教育卒業予定者を対象に激励会を開催する。  参加者の拡大と内容の充実 障害福祉課
障害者団体による自立意識向上事業への支援  地域福祉活動促進事業などを通して、障害者団体が実施する自立意識向上のための事業を支援する。  事業の充実 福祉企画課
障害福祉課
社会参加の促進 (5-1-4 暮らしの支援参照) - - -


2 福祉教育の推進
<現状と課題>

 障害者に対する県民の理解を深めるためには、幼少時からの啓発・広報活動や教育活動によって他人への思いやりや障害者に対する正しい認識を育てることが大切です。
 これまで、小学校や中学校等においては道徳教課や特別活動を通じて、それぞれの段階に応じた福祉授業を実施するとともに、点字や手話、社会福祉施設での奉仕活動などを体験する社会福祉教育実践校事業に取り組んできました。また、高校生ワークキャンプやサマーショートボランティアへの自主的参加者の増加など青少年の福祉教育は大きな成果を上げています。
 一方、各地域においては、社会福祉協議会が開催する福祉体験講座への参加者が増加するなど、県民の福祉への関心は高まってきていますが、まだ十分とはいえません。
 また、事業主や勤労者はこのような福祉教育を受けるには制約が多いことから、今後は企業等の協力を得て職場における福祉教育の推進を図っていくとともに、近年高まりをみている企業の社会貢献活動(フィランソロフィー)を一層推進し、このような活動を通して勤労者等の理解・啓発を進めていく必要があります。
<施策の方向>

  1. 学校における福祉教育の推進
    1. 福祉教育副読本の充実等により、小学生、中学生、高校生等段階に応じた効果的な福祉教育の実施に努めていきます。
    2. 社会福祉教育実践校の指定(3か年)の拡大を国に対し要望するとともに、指定を終了した学校においても継続して実践活動が行われるよう働き掛けます。
  2. 地域における福祉教育の推進
    1. 夏休み等余暇時間を活用した青少年のための福祉教育の充実を図ります。
    2. 社会福祉施設での体験学習など、住民を対象とした福祉教育を推進します。
  3. 職場における福祉教育の推進
     障害者への理解と雇用促進を図るためのセミナーや福祉講座の充実を図るとともに、企業の社会貢献活動に対して支援していきます。

(1)学校における福祉教育の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
福祉授業  障害者への正しい理解を深めるため、道徳教科、特別活動において、発達段階に応じた内容を指導する。 小・中学校  授業の充実 義務教育課
社会福祉教育実践校事業  小・中・高校生を対象に、社会福祉施設訪問、点字、手話学習会等の福祉教育を行うため、福祉教育実践校を指定する。
平成4年度 87校指定、3か年事業206校(延べ)
県県社会福祉協議会学校等  指定校の拡大 福祉企画課
福祉教育推進事業  学校での福祉教育を推進するため、啓発読本を作成し、全学校に配布する。
  • 福祉教育副読本
    小学生版…
    昭和58年度 作成・配布
    中学生版…
    昭和63年度 作成・平成
    平成元年度 配布
 時代の変化に対応するため計画的に改訂を行い内容の充実を図る。
  • 福祉教育副読本
    小学生版…
    平成5年度改訂
    平成6年度配布予定
    中学生版…
    改定を検討
福祉企画課
  • 高齢化社会啓発冊子
    中学3年生版…
    平成4年度~作成・配布
高齢者対策課

(2)地域における福祉教育の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
青少年福祉教育  夏休み等余暇時間を活用し、福祉体験の機会を提供して、障害者等介護の必要な人への思いやりと理解を深める。
  • 青少年ボランティアの集い
  • 高校生ワークキャンプ
  • サマーショートボランティア
県教育委員会
県社会福祉協議会
県ボランティア協会
 市町村社会福祉協議会や福祉施設との連携を深めるとともに、学校や家庭等への周知に努め、参加者の拡大を図る。 福祉企画課
青少年課
住民福祉教育  地域住民を対象に、社会福祉施設の訪問、福祉機器展、福祉講演会等の機会を提供し、障害者や高齢者への理解を促進する。
  • 福祉講演会
  • 福祉機器展
  • 社会福祉施設体験講座
  • 小地域福祉懇談会
市町村社会福祉協議会  それぞれの地域の状況に応じた福祉教育を推進するためメニューを充実し、参加者の拡大を図る。 福祉企画課

(3)職場における福祉教育の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
企業福祉教育  福祉への理解や障害者の雇用拡大を図るため、企業経営者、労働組合、従業員等それぞれの立場に応じた福祉教育の推進方策を検討する。
  • 地域社会貢献セミナー
  • 地域福祉セミナー
  • 従業員福祉講座
県社会福祉協議会
市町村社会福祉協議会
 地域との共生を目指す企業の社会貢献活動を積極的に支援するとともに、従業員を対象とした福祉講座を開催する
福祉企画課


3 交流・ふれあいの促進
<現状と課題>

 ノーマライゼーションの理念に基づき、障害者が住み慣れた地域で安心して生活していくためには、住宅や道路等の施設の整備とともに、地域の人達との交流を図り、障害者への理解と支援を広げていくことが必要です。
 このため社会福祉協議会や障害者団体の働き掛けにより、障害者やお年寄りとの交流を図る「ふれあい広場」が昭和56年から各市町村で順次開催されてきました。また、社会福祉施設や小規模授産所においても、夏祭りや文化祭など多彩な催しを開催し、入(通)所者と地域住民との交流に努めてきました。
 さらに、社会福祉施設入所者等作品展示即売会が広域単位や市町村単位でも開催され、障害者の手作りの作品を通じて、障害者への理解や交流が図られています。
 一方、青少年の福祉教育を進める中で、障害を持つ児童と障害のない小・中学校の児童・生徒が相互に学び合う交流教育を実施していますが、やさしさや思いやり、自立意識が育つなど成果が上がっています。
 しかしながら、このような障害者との交流機会はまだ数少なく、また、こうした機会に参加する人も特定の人に限られる傾向にあるなど、地域ごとに一層の取組の充実が求められています。
<施策の方向>

交流・ふれあいの場づくり

  1.  障害者を正しく理解するとともに、自らの人間形成を行う場として、障害者と交流し、ふれあう機会や場所の充実を図っていきます。
  2.  障害者自身によるボランティア活動は福祉マンパワーの確保に資するだけでなく、健常者との交流を通した理解・啓発という面において大きな効果が期待されますので、今後とも積極的に推進します。

(1)交流・ふれあいの場づくり

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
地域交流  住民、企業、地域団体、社会福祉施設等の参加や協力を得て、広域、市町村域、小地域単位での交流・ふれあいの場づくりを図る。
  • ふれあい広場・福祉祭
  • 社会福祉団体地域交流事業
  • 社会福祉施設入所者作品展示即売会
  • おもちゃ図書館

県社会福祉協議会他
 それぞれの地域の実情に応じた多様な交流・ふれあいの機会を提供する。 福祉企画課
児童課
障害福祉課
障害者団体地域交流事業  障害者団体が行う障害者と地域の交流を図るための事業を推進する。
  • 筋ジストロフィー地域交流育成事業(県筋ジストロフィー協会)
  • 小規模授産所ふれあい促進事業(県小規模授産所連合会)
  • ふれあいキャンプ事業(県手をつなぐ親の会)
  • 自閉症児野外活動交流事業(県自閉症児者親の会)他
障害者関係団体  事業の充実 障害福祉課
交流教育  特殊教育諸学校と幼・小・中学校が交流し、体験を通じて相互の社会性を育成する。
 また、特殊教育諸学校児童と地元老人会など地域との交流を図る。
特殊教育諸学校  事業の充実 特殊教育課
青少年ふれあい交流事業  学校週5日制により休業日となった土曜日等を利用して、健常児と障害児がレクレーションを通じて、交流を図る。 県教育委員会(県ボランティア協会に委託)  事業の充実 青少年課
社会福祉施設交流  地域の一員である社会福祉施設や小規模授産所の機能を生かし、入通所者と地域住民との交流を図る。
  • 夏祭り・文化祭を共催
  • 施設機能を地域住民に提供
  • 介護講習等を通じての交流
社会福祉施設等  事業の充実 障害福祉課
スポーツ交流  スポーツを通じて、障害者への理解と交流を図る。
  • ハンディスキー教室
県ボランティア協会他  障害の状態に応じたスポーツ交流ができるようにメニューの充実と参加者の拡大を図る。 福祉企画課
障害福祉課
音楽・芸術交流  音楽や芸術を通じて障害者への理解と相互交流を図る。
  • わたぼうしコンサート
  • 障害者工芸教室
    (手芸・陶芸・工芸等)
県ボランティア協会
市町村社会福祉協議会
 音楽等趣味を通じた交流は障害者の社会参加にも役立つため積極的な支援を行う。 福祉企画課
障害福祉課
交流の場の整備  住民に身近な所での障害者と健常者との交流を促進するため、交流の場を整備する。
  • 地域交流室等の整備
    (平成4年度末)
    地域交流スペース1か所
    地域交流室 21か所
    地域交流ホーム 4か所
  • 地域福祉センターの整備
    (平成4年度末 2か所)
社会福祉施設  交流の場の整備促進 福祉企画課
精神薄弱者ボランティア活動参加促進事業  障害者による清掃等のボランティア活動を促進することにより、障害者自身の社会参加と地域との交流を図る。 県(小規模授産所連合会に委託)  他の施設入所者やボランティア団体等への周知を図り、参加者の拡大に努める。 障害福祉課

2 健やかさと安らぎの確保(保健・医療)


1 発生予防の充実
<現状と課題>

  1.  障害の発生には、先天的な障害と後天的な疾病の後遺症や事故による中途障害など、様々な要因がありますが、いずれにしてもその発生の予防に努めることが重要です。
     乳幼児の障害の多くは妊娠中や周産期における母体の何らかの事故や病気が原因と考えられていますので、母性尊重の理念に立ちながら、今後とも健やか育児推進事業や妊産婦等訪問指導など総合的な母子保健対策を進めていく必要があります。
  2.  疾病後遺症による中途障害の原因の多くは成人病からといわれています。特に人口構造の高齢化により、成人病の発生も増えていくことが予想されることから、今後は成人病の予防対策に力を入れていく必要があります。成人病を予防するには、日ごろから運動不足の解消と休養、正しい食習慣などが必要であり、本県でも「日本一健康県」を目指した「ふじさん運動」を展開して県民総ぐるみで健康づくりを進めています。
     また、後天的な事故による障害の発生予防には、小児期の事故、スポーツによる事故、交通事故及び労働災害等の防止・安全対策を一層推進していくことが必要です。


<施策の方向>

  1.  母子保健対策の推進
    1. 相談スタッフ等の専門家の確保や育成に努めます。
    2. 妊婦教室の開催や妊産婦の訪問指導等、市町村における取り組みの充実を図ります。
    3. 保健所、児童相談所、市町村等関係機関と十分な調整を図り、協力体制を築きあげます。
  2.  成人保健対策の推進
    1. 「ふじさん運動」を広く展開して県民総ぐるみで健康づくりを進めます。
    2. 高齢者保健福祉計画を策定して総合的な高齢者保健福祉体制づくりを目指します。
    3. 老人保健法に基づく保健事業を充実させ、寝たきりの原因となる疾病等の予防対策や発生後の対策を推進し、寝たきり老人の大幅な減少に努めます。
    4. 活動拠点となる市町村保健センターの整備を促進します。
  3.  事故の防止
     近年増加傾向にある交通事故やスポーツによる事故、労働災害による事故を減らしていくよう、交通安全等の対策の充実に努めます。

(1)母子保健対策の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
健やか育児推進事業  心身障害の発生防止と健康で豊かな心を持った乳幼児を育てるため、妊婦等を対象とした啓発・相談等の教室を開催する。
市町村
 全市町村において妊婦教室、一般教室、思春期教室を開催し、受講者の拡大を図る。 保健予防課
妊産婦等訪問指導  保健婦等が妊産婦・乳幼児の家庭を訪問し、適切な指導を行い、母親及び乳幼児の健全な育成を図る。
市町村
 対象の早期把握、訪問従事者の確保等訪問体制の充実を図る。 保健予防課

(2)成人保健対策の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
老人保健法に基づく保健事業  老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、機能訓練等の保健事業を総合的に実施する。
  • 健康手帳の交付
  • 健康教育
  • 健康相談
  • 健康診査
  • 機能訓練
  • 訪問指導等
市町村
  1.  保健事業第3次計画(平成4年度~11年度)の着実な実現
  2.  高齢者保健福祉計画の策定と計画に基づくサービスの提供
  3.  健康診査受診率の向上
- 平成

年度
平成11年度
・基本健康診査 34% 80%
・肺がん健康診査 46% 60%
健康対策課
市町村保健センターの整備  健康教育、健康相談、健康診査などの保健サービスの提供を受ける場であり、健康づくりの活動拠点である市町村保健センターを整備する。
(4年度末53市町村(相当施設も含む))
市町村  未設置市町村にあっては、平成7年度を目途に市町村保健センター(相当施設等を含む)を設置するように努める。 健康対策課
障害に伴う2次障害の発生予防対策(新規)  脳性麻庫や脳血管障害を原疾患とする身体障害者を対象に、車いす常用等による骨変形など2次障害を予防するため、健康診査の実施について検討する。 - 障害福祉課

(3)事故の防止

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
交通安全対策  交通事故による心身の障害の発生を防止し、安全で明るい社会を実現するため、交通環境を整備し、対象に応じた交通安全教育を推進する。
市町村
警察
  1.  小・中学校をはじめとする各種学校と連携し、交通実態に即した段階的交通安全教育を推進する。
  2.  企業や自治会、町内会等を通じて、組織的・体系的な交通安全教育活動を積極的に推進する。
  3.  若者を対象とした危険体験型の交通安全教室を開催する。
  4.  横断歩道や信号機の設備等安全施設の整備等に努める。
交通企画課
交通規制課


2 早期発見・早期療育の推進
<現状と課題>

  1.  心身障害児の育成のためには、障害を早期に発見し、早期療育として、適切な治療・指導訓練等を行うことが何よりも重要であり、そのためには保健、医療、福祉、教育の各分野の連携が不可欠です。
     また、障害児及び家族のニーズを踏まえ、専門的機能を有する入所施設を活用しながら、在宅福祉対策を推進していく必要があります。
  2.  このため、乳幼児の成長段階に応じた一般健康診査を実施し、さらに疾病及び心身の発達に異常の疑いがあるものについては、精密健康診査等を行っています。また、事後指導が必要な幼児に対しては、児童相談所や保健所、保健センターで個別的・集団的指導を行っています。
     異常の発見には、横断的な健康診査とともに、継続的な経過観察が重要ですので、関係スタッフの充実や関係機関の調査・協力体制の強化が必要となっています。
     また、精神薄弱児通園施設や心身障害児通園施設においては、障害を有する幼児を対象に日常生活の基本的動作、集団生活への適応訓練等を行って、早期療育を行っていますが、専門的機能の充実が求められています。
     なお、肢体不自由児施設については在宅志向の高まり等により、入所児童の減少傾向が続いていますが、治療・指導訓練の充実や専門機能の地域への開放等、専門施設としての役割の一層の発揮が期待されます。
  3.  在宅の心身障害児者及びその家族を対象に、児童相談所、心身障害者相談センター、市町村、社会福祉施設、医療機関及び障害者団体が協力して、療育相談等を実施していますが、今後は障害の発見から早期療育・早期教育まで、地域における一貫した相談・
    指導体制を確立していくことが重要な課題となっています。


<施策の方向>

  1.  健康診査体制の充実
    1. 妊婦や乳幼児の各種健康診査の項目等の内容を充実します。
    2. 受診率の向上を図るため、啓発に努めます。
  2.  医療の充実
    1. 新生児救急医療の確保と充実を図ります。
    2. 入院が必要な未熟児や身体に障害のある児童又は放置すると障害を残すと認められる児童に必要な医療を給付します。
  3.  療育体制の充実
    1. 専門家の協力を得ながら、障害児個々の状況に応じた療育・指導プログラムに沿って、療育・指導を行うなど療育内容の充実を図ります。
    2. 社会福祉施設の人的、物的機能を在宅の障害児(者)の療育に活用します。
    3. 精神薄弱児通園施設をはじめとする各種療育施設について、療育方法の普及確立、必要な施設整備、職員配置の改善等療育機能の充実を図っていきます。
  4.  相談指導の充実
     児童相談所、心身障害者相談センターをはじめとする相談指導機関の機能を充実するとともに、障害の早期発見から早期療育・早期教育まで一貫した相談指導体制を整備していきます。

(1)健康診査体制の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
妊婦・乳児健康診査事業  妊婦と乳児の公費による健康診査を医療機関に委託することにより、母体の保護並びに未熟児・心身障害児の発生防止と乳児の異常の早期発見・早期治療を図る。
保健所を設置する市
 受診率の向上と健康診査の内容の充実 保健予防課
1歳6か月児健康診査事業  1歳6か月児に健康診査を実施し、障害を早期に発見して健全な育成を図る。 市町村  受診率の向上と健康診査の内容の充実 保健予防課
3歳児健康診査事業  3歳児に健康診査を実施し、障害を早期に発見して健全な育成を図る。
保健所を設置する市
 都市部における受診率の向上と健康診査の内容の充実 保健予防課
3歳児健康診査精密検査事業  3歳児健康診査時に視聴覚の精密検査が必要とされる幼児について、委託医療機関で精密検査を公費で受けさせることにより、幼児期の眼科、耳鼻科的な疾患の早期発見を図る。
保健所を設置する市
 受診の徹底と精密検査内容の充実 保健予防課
市町村等母子保健事業  母子保健相談指導事業や母子栄養健康づくり事業など、母子保健を取り巻く環境の変化に即して、地域住民の生活に密着した市町村母子保健事業を実施する市町村に対して、助成する。 市町村  全市町村において基本事業を実施するとともに、地域的特色を生かした事業に取り組む。 保健予防課
先天性代謝異常等検査事業  放置すると心身や知能に障害をもたらす先天性代謝異常などを早期に発見し、治療を開始するため、新生児の血液検査を行う。
 小児がんの一種である神経芽細胞腫を発見するため、生後6~9か月児の尿検査を行う。
 受検率の向上と検査方法の充実 保健予防課

(2)医療の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
新生児センター運営費助成事業  新生児救急医療の確保と充実を図るため、新生児センターの運営費を助成する。  救急医療体制の確保と将来の医療水準に対応できる機能強化や施設改善に努める。 保健予防課
未熟児養育医療事業  入院が必要な未熟児に医療給付を行い、未熟児の健全な育成を図る。
保健所を設置する市
 事業の適正運営 保健予防課
身体障害児育成医療事業  身体に障害がある児童に対し、生活能力を得るために必要な医療を給付する。  事業の適正運営 保健予防課

(3)療育体制の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
巡回療育相談  在宅の心身障害児を対象に、専門の行政機関や施設の職員等が巡回訪問をして、専門的な相談、判定、指導、訓練等を行い、障害の早期発見、早期療育を行う。
  • 特別巡回診査療育事業
  • 肢体不自由児巡回療育事業
  • 心身障害児者巡回療育相談事業

社会福祉法人
障害者関係団体
 事業の充実 障害福祉課
重症心身障害児施設の設置  重度の精神薄弱及び重度の肢体不自由の障害が重複している児童を対象に、医学的治療、日常生活における基本動作の指導及び訓練を行う。
(平成4年度末 4か所)

社会福祉法人
 治療及び訓練内容の充実 障害福祉課
在宅重症心身障害児サービス提供事業(新規)  在宅の重症心身障害児に対する医学的治療、日常生活訓練などのサービスの提供の確保策について検討する。 重症心身障害児施設
- 障害福祉課
精神薄弱児通園施設の設置  就学前の精神薄弱児を対象に日常生活における基本動作の指導及び訓練を行う。
(平成4年度末 6か所)

社会福祉法人
指導及び訓練内容の充実 障害福祉課
心身障害児通園施設の設置  精神薄弱児通園施設を利用することが困難な地域の心身障害児を対象に、日常生活における基本動作の指導及び訓練を行う。
(平成4年度末 8か所)
指導及び訓練内容の充実 障害福祉課
肢体不自由児施設の設置  肢体不自由児を対象に機能回復訓練や日常生活動作の訓練を行う。
(平成4年度末 3か所)

社会福祉法人
 指導及び訓練内容の充実を図るとともに、在宅の肢体不自由児に対するサービスの提供の充実に努める。 障害福祉課

(4)相談指導の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
児童相談所  民生事務所、市町村、保健所、学校、警察、民生委員・児童委員の連携を図りながら、児童の養育についての相談、調査、診断、判定、一時保護等を行う。  組織体制の充実と教育委員会をはじめとする関係機関との連携を強化する。 児童課
心身障害者相談センター  心身障害児に対して、医療、教育、福祉、労働等の各専門機能を統合した、一貫性のある相談及び心身障害児の指導や教育に従事している職員への研修等を行う。  知事部局(民生部、保健衛生部、商工労働部)と教育委員会からなるマトリックス組織を生かした活動を充実する。 児童課
乳幼児健康診査後の事後指導  児童相談所において、1歳6ケ月児健康診査及び3歳児健康診査の後、再度精密健康診査を実施した児童及びその保護者を対象に、事後指導を行う。
 保健所において、乳幼児健康審査等の結果、心身に異常の疑いのある乳幼児の発達相談や軽度の障害が認められる乳幼児の療育指導等を行う。
 関係機関との連携を密にしながら、事後指導を充実する。 児童課


保健予防課
家庭児童相談室の設置  家庭における適正な児童養育その他、家庭児童福祉の向上を図るため、県民生事務所及び市福祉事務所に家庭児童相談室を設置し、相談指導等を行う。
市福祉事務所
 家庭相談員の研修を推進して、相談指導業務を充実する。 児童課
情緒障害児短期治療施設の設置  県立吉原林間学園において、情緒障害児及びその家族を対象に、心理療法を行うことにより、家庭機能の回復と児童福祉の向上を図る。  職員の専門研修を強化し、家族療法事業を充実する。 児童課
情緒障害児訓練指導事業  施設との連携を図りながら、集団訓練指導事業、野外宿泊訓練指導事業、施設体験学習指導事業、家庭養育指導事業、家庭療育指導事業、家庭指導講座開設事業を実施して児童の情緒障害の改善と保護者への指導を行う。  施設等との連携を図りながら、事業内容の充実と実施回数や参加人員の増を図る。 児童課
言語障害児指導相談事業  県身体障害者福祉会が行う言語障害幼児の相談指導と、指導者の資質向上を図るための研修事業に対して助成を行う。  事業の充実 障害福祉課


3 医療・リハビリテーションの充実
<現状と課題>

  1.  医療・リハビリテーションの充実は、障害の原因となる病気を治療するとともに、障害を軽減するなど、障害者の自立を促進するために不可欠であり、特に近年では人口構造の高齢化に伴い、脳卒中後遺症に対するリハビリテーションの充実が重要となっています。
     このため、医療・リハビリテーションに従事する理学療法士等の人材を確保・養成していく必要があります。
     また最近、在宅医療技術の開発・普及が進んでいることから、合併症を有する障害者や内部障害者が定期的な医学的管理を伴いながら、在宅において必要な医療が受けられるような体制の整備を図っていくことが必要です。このため、保健、医療、福祉各般の施策について有機的連携を図っていくことが重要となっています。
  2.  難病は原因不明で根治療法が確立していないなど、一般医療機関での対応が困難ですので、国と連携を図りながら、難病対策の推進が必要となっています。


<施策の方向>

  1.  医療の充実
    1. 救急医療など地域の医療ニーズを踏まえた医療機関の整備を図るとともに、公的病院が行う高度な医療機器等の整備について助成します。
    2. 県立3病院(県立総合病院、県立病院養心荘、県立こども病院)の診療機能の一層の充実を図ります。
    3. 身体障害者の更生に必要な医療を給付します。
    4. 保健、医療、福祉の連携を十分に図りながら、在宅医療供給体制の整備を促進します。
  2.  リハビリテーションの充実
    1. 乳幼児から老人まで適切なリハビリテーション体制を確保するため、リハビリテーション医療施設を整備するとともに、身体障害者福祉施設や老人福祉施設のリハビリテーション機能の充実を図ります。
    2. 理学療法士・作業療法士等の養成・確保に努め、病院や施設における訓練・指導を充実するとともに、自宅を訪問して行う訪問リハビリの推進を図っていきます。
  3.  難病対策の推進
    1. 難治度・重症度が高い疾病の患者家族に対し、経済的負担の軽減を図ります。
    2. 医療及び日常生活に関する相談、指導の充実を図ります。

(1)医療の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
医療機関整備充実事業  県民の医療を確保するため、公的病院等が行う施設の近代化、高度医療機器の整備等に助成する。 市町村
公的団体
 地域の実情に応じて2次保健医療圏ごとに施設設備を充実する。 医務課
県立病院事業  県下の医療水準や患者サービスの向上を図るため、県立3病院(県立総合病院、県立病院養心荘、県立こども病院)において、充実した診療を行う。  将来の医療水準に対応した病院を目指して、中核病院としての機能強化や施設改善に努める。 県立病院課
救急医療対策事業
  1. 休日夜間における診療時間外の医療及び重症患者に対する適切な医療を確保するため、救急医療体制の運営及び救急医療施設設備の整備に助成する。
  2. 休日夜間等における県民の救急医療情報の提供、救急患者を適切かつ迅速に医療機関に搬送するための消防機関等への情報提供を行う救急医療情報センターを運営する。
市町村
公的団体


 初期救急を担う休日夜間救急センターの整備及び2次救急を担う病院群輪番制病院の拡充 医務課
身体障害者更生医療給付事業  身体障害者の更生に必要な医療を給付する。 市町村  事業の適正実施 障害福祉課
進行性筋萎縮症者療養等給付事業  進行性筋萎縮症者を国立療養所に委託して、療養、訓練、生活指導を行う。
市町村
 事業の適正実施 障害福祉課
老人訪問看護ステーションの設置  在宅のねたきり等の高齢者に対して看護婦等が訪問看護サービスを提供する。 (平成5年2月末 3か所) 医療法人
 市町村高齢者サービス調整チーム等との有機的連携を図りながら、老人訪問看護制度を普及するとともに、事業の適正実施を図る。 健康対策課

(2)リハビリテーションの充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
リハビリテーション医療設備整備充実事業  県民のリハビリテーション医療を確保するため、公的病院が行うリハビリテーション機器の整備等に助成する。 市町村
公的団体
 事業の充実 医務課
理学療法士・作業療法士修学資金貸与事業  理学療法士・作業療法士を確保するため、将来県内においてその業務に従事しようとする理学療法士・作業療法士養成施設の修学生に修学資金を貸与する。  リハビリテーション施設等の需要に応じた理学療法士等を確保する。 医務課
理学療法士等養成所施設整備事業  理学療法士及び作業療法士法に基づき指定を受けることのできる学校又は養成所の整備を促進する。 学校法人
 県内に養成所等がないので整備を促進する。 医務課
肢体不自由者更生施設の設置  上肢・下肢又は体幹の機能障害者を対象に、職業的更生を目指して、整形外科的手術や理学療法等の医学的治療、職能訓練・日常生活指導を行う。
(平成4年度末 1か所)
社会福祉法人  治療及び指導内容の充実 障害福祉課
重度身体障害者更生援護施設の設置  上肢・下肢又は体幹の重度機能障害者を対象に、日常生活能力の回復を目指して、医学的治療や機能回復訓練等を行う。
(平成4年度末 5か所)

社会福祉法人
 治療及び指導内容の充実 障害福祉課
身体障害者療護施設の設置  常時介護を必要とする重度の身体障害者を対象に、機能維持を目指して、医学的治療や機能回復訓練等を行う。
(平成4年度末 8か所)
社会福祉法人  治療及び指導内容の充実 障害福祉課

(3)難病対策の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
小児慢性特定疾患治療研究  小児慢性疾患のうち特定なものは、その治療が長期にわたり、医療費負担も高額となるため、医療機関においてその研究を推進するとともに患者家族の医療費負担の軽減を図る。
平成4年度末 対象10疾患群
 在宅医療を含めた総合的な支援体制の整備を図る。 保健予防課
特定疾患治療研究事業  難病のうち、特に難治度・重症度が高い疾病を特定し、医療費の自己負担分を公費負担することにより、原因究明や治療方法の研究を進めるとともに、患者家族の経済的負担の軽減を図る。
平成4年度末 国指定35疾病
県指定3疾病
 対象疾病の拡大を検討 保健予防課
難病医療生活相談会運営事業  疾病等に対する不安を解消するため、県難病団体連絡協議会が行う患者・家族を対象とした医療や日常生活に関する相談、指導に対し事業費を助成する。  事業の充実 保健予防課
関係団体への助成  関係団体が行う集団検診、家庭訪問、社会参加・自立活動に対し事業費を助成する。  事業の充実 保健予防課


4 精神保健対策の充実
<現状と課題>

  1.  近年における精神医学の進歩は、精神保健医療を「入院医療中心の治療体制」から「地域におけるケアを中心とする体制」へと変化させています。このような中、昭和63年に精神衛生法が精神障害者の人権擁護及び社会復帰の促進を柱として改正され、精神保健法として施行されました。
     県においても、法改正に伴う施策の見直しを行い、精神障害者の人権に配慮した医療を確保するとともに社会復帰対策を重点的に推進しています。
     今後は、精神障害者共同作業所などの社会復帰施設の設置の促進と助成制度の拡充強化、施設職員のマンパワーの確保や家族会の育成強化など社会復帰対策の一層の充実が必要となっています。
  2.  人口構造の高齢化に伴い、老人性痴呆疾患患者も増加の傾向にあるため、2次医療圏ごとに老人性痴呆疾患センターを設置し、専門的診断を行う場や在宅老人の相談体制の整備等を図っていく必要があります。


<施策の方向>

  1.  相談等の充実
     保健所、精神保健センター、老人性痴呆疾患センター、社会復帰施設等における相談窓口の充実を図ります。
  2.  医療体制の充実
    1.  精神科救急医療体制の整備を検討します。
    2.  県立病院養心荘における老人性痴呆疾患を含めた専門治療を充実します。
  3.  社会復帰対策の充実
     社会復帰施設(生活の場、就労の場)の設置を促進するとともに、地域家族会の育成を図ります。

(1)相談等の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
精神保健相談  保健所等に相談窓口を設置し、精神障害者の早期発見・早期治療を図る。
  • 一般精神保健相談
  • 老人精神保健相談
  • アルコール相談
  1.  保健所等における相談窓口の充実
  2.  精神保健相談員(専門職員)の確保
  3.  職員の資質向上(研修会の開催、講師の派遣)
保健予防課
老人性痴呆疾患センター運営事業  老人性痴呆疾患センターを設置し、保健・医療・福祉機関と連携を図りながら、老人性痴呆疾患患者の専門医療相談・鑑別診断・治療方針の選定、夜間・休日の救急対応などを行う。 (4年度末 8か所) 病院  老人性痴呆疾患センターの設置を推進し、専門的診断・相談体制の整備を図る。
(2次医療圏ごとに1か所設置)
保健予防課
在宅介護支援地域センター痴呆相談事業(新規)  在宅介護支援地域センターに痴呆性老人に関する相談、関係機関との連絡調整等の相談機能を付与することを検討する。 市町村 - 高齢者対策課

(2)医療体制の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
医療保護対策  精神障害者などに対し、適切な医療の提供を行う。
  • 自傷他害のおそれのある患者に医療保護を加える。
  • 通院医療費の1/2を公費負担する。
  • 精神医療審査会において、精神病院入院患者の人権擁護を図る。
  • 覚せい剤慢性中毒者の入院病床を確保する。
平成4年度末 養心荘 5床
民間病院 7床
 国において、精神病院の機能分化が検討されており、精神科救急医療体制の整備とともに、患者の病状に応じたサービスの提供を目指す精神科医療施設に対し、支援方法を検討する。 保健予防課
所管課精神保健センター診療事業  ノイローゼ患者を中心とした診療事業により、精神障害者の早期発見、早期治療の促進を図る。また、外来診療より濃厚な治療ができる精神科デイケア診療を行う。  精神障害者の発生再発予防治療及び社会復帰訓練等を総合的に行う「総合精神保健センター」化を検討する。 保健予防課

(3)社会復帰対策の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
生活の場の確保  精神障害者が適切な生活指導のもとに共同で生活することにより、社会復帰の促進を図る。
  • 共同住居 (平成4年度末 6か所)
  • 病院併設社会復帰施設 (平成4年度末 4か所)
  • グループホーム (平成4年度末 なし)
地域家族会他  精神障害者の地域社会での自立を支援するためグループホーム等、生活の場の確保を図る。 保健予防課
作業訓練の場の確保
  1.  将来就職を希望する精神障害者に必要な訓練を行い、自活の促進を図る。
    • 通所授産施設(平成4年度末 2か所)
    • 共同作業所 (平成4年度末 10か所)
地域家族会他  地域家族会活動を活性化し共同作業所等作業訓練の場の確保を図る。 保健予防課
  1.  精神病院等へ通院中の患者を民間事業所に作業訓練を委託する。
    • 通院患者リハビリテーション事業 (平成4年度末 151か所)
 協力事業所と訓練対象者の拡大 保健予防課

3 教育の充実(教育・育成)


1 早期教育の充実
<現状と課題>

  1.  現在、多くの保育所が障害児保育に取り組んでいます。
     しかし、全保育所で障害児を受け入れ、適切な保育を実施するところまでには至っていません。
     障害児保育の推進を図るには、助成制度の充実により施設の整備や保母の増員などを行うことが必要です。
  2.  盲・聾・養護学校及び特殊学級や心身障害者相談センターで教育相談を行っていますが、相談の必要な幼児がそのままであったり、親が相談の窓口を知らなかったりする場合もあります。
     また、現在、盲・聾学校幼稚部(6校)において、2歳児についての相談指導や3歳児からの早期教育を行っています。
     しかし、まだ、視覚や聴覚障害を有する幼児が、このような早期教育を受ける機会を逸したまま就学年齢を迎えている事例もあることから、理解啓発の一層の推進が必要です。
  3.  障害幼児を受け入れている保育所や幼稚園に対して、指導方法についての研修を充実していくとともに、健康診査等を実施する保健、医療、福祉の各分野と十分な連携を図っていく必要があります。


<施策の方向>

早期教育の充実

  1. 県下のどの保育所においても、対象児童を受け入れをできるように努めていきます。
  2. 障害児の処遇向上を図るとともに、健常児とのふれあいや集団生活を重視し、相互の交流促進を図ります。
  3. 教育相談の仕組みについて広報活動を行い、理解啓発を図ります。
  4. 盲・聾学校幼稚部の教育の充実を図ります。
  5. 保育所、幼稚園職員を対象にした心身障害児の指導方法等についての研修を行います。

(1) 早期教育の充実

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
障害児保育事業
  1.  保育に欠ける、一般的に中程度までの心身に障害を有する児童を保育所に入所させ、健常児とともに集団保育をすることにより、健全な社会性の成長発達を促進し、障害児の福祉増進を図る。
  2.  国の制度の対象とならない軽度の障害児が入所している民間保育所に加算助成を行い、障害児保育の促進を図る。
市町村  県下の全保育所において実施するとともに、当面、障害児の処遇に精通した保母を養成し、受入体制の充実を図る。 児童課
盲・聾学校幼稚部における早期教育  盲・聾学校幼稚部において、障害に対応した早期からの教育を行う。  教育内容の充実と制度の周知 特殊教育課
職員研修の充実  心身障害児の保育、教育に従事している職員の資質の向上を図るため、研修を行う。
  • 心身障害者相談センターにおける研修
  • 障害児保育マスター講座の開催
 職員の研修を通した心身障害児の早期教育の指導の充実 児童課他
幼稚園での障害児教育  軽度の障害幼児が入園できるよう、受入体制の拡大を図る。 市町村  県下公立幼稚園において受入れできるよう働き掛ける。 義務教育課


2 障害児の就学指導
<現状と課題>

  1.  現在、市町村教育委員会(心身障害児就学指導委員会を含む。)では、教育相談及び就学時健康診断等を通じて、障害の程度や種類の判定、保護者との就学相談を中心に、就学にかかわる指導及び相談を行っていますが、十分機能していないのが現状です。
     このため、保健、医療、福祉の各機関と十分な連携を図りながら、市町村における心身障害児就学指導委員会の充実が必要となっています。
  2.  静岡県心身障害児就学指導委員会では、専門部に調査部会を設け、心身障害児の障害の程度や内容の綿密な審査・調査を行うとともに、保護者との面接を実施し、適正な判断に資するための資料作成を行っています。
     しかしながら、そのようにして得られた審査結果が、実際の教育措置に十分反映されていない状況にあります。


<施策の方向>

就学指導の推進

  1.  就学指導においては、市町村の就学指導委員会が、その機能を十分発揮していくことが基本であることから、各市町村での就学指導の充実を図ります。
  2.  適正な就学指導を図るため、保護者などに対する理解啓発を進めます。

(1)就学指導の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
心身障害児就学指導地方研究協議会の開催  市町村心身障害児就学指導委員会における適正な就学指導を実施するため、必要な専門知識・技術等について研究協議し、資質の向上を図る。
 各市町村における就学指導委員会の機能が、十分発揮できるようにする。 特殊教育課
県心身障害児就学指導委員会専門調査部会の開催  県心身障害児就学指導委員会の適正な判断に役立てるため、心身障害児の調査内容や方法について研究協議を行うとともに、きめ細かな調査によって、適切な審査資料を作成する。  適正な就学指導を行うための基になる、専門調査の方法等の研修を行うことにより、就学指導の充実を図る。 特殊教育課
心身障害児及びその教育についての理解啓発活動  心身障害児理解啓発資料「静岡県の特殊教育」の発行などにより、心身障害児とその教育について理解啓発を図る。  理解啓発資料を通して、特殊教育についての理解を図る。 特殊教育課


3 教育内容の充実
<現状と課題>

  1.  障害が重度又は中度の児童生徒は、盲・聾・養護(精神薄弱・肢体不自由・病虚弱)学校で、軽度の児童生徒は小・中学校の特殊学級(精神薄弱・肢体不自由・言語障害・情緒障害・難聴・弱視)で、それぞれ教育上特別に配慮した教育を受けています。
     また、障害をもつ児童生徒に対する教育内容・方法については、児童生徒の障害の程度や状況に応じて、小・中学校に準ずる教育から、領域、教科を合わせた総合的な学習や、心身の障害を改善克服するための養護、訓練を中心とする教育まで、多様な形態があり、一人ひとりを生かす工夫を図っています。
  2.  重度・重複障害児の指導に対応するために、教職員の専門的知識技能を高めるための各種研修会を実施し、また、研究指定校による発表等の情報交換も行っています。
     また、教材・教具の開発、指導資料の作成等を行ってきています。
  3.  盲・聾学校の高等部においては、障害に対応した職業教育が行われ、精神薄弱者養護学校においては作業学習等によって、社会参加を目指しての教育が行われています。
     しかしながら、盲・聾学校の高等部については、生徒数の推移や障害の実態の変化から、職業学科の在り方について見直し等の課題を抱えています。
     精神薄弱者養護学校高等部については、入学希望者数の増加とともに、障害の多様化が進んでおり、進路に向けた教育内容の在り方について、例えば、「現場実習」での生徒を受け入れてくれる事業所の開拓等の課題を抱えており、なお一層の改善工夫を必要としています。


<施策の方向>

  1.  能力・適性に応じた教育課程と障害に応じた指導
     児童生徒の障害の重度化・重複化の傾向が進む中で、障害に応じた教育内容や方法の改善と工夫、教職員の指導技術を高める研修会の充実を図っていきます。
     また、軽度の障害児に対する指導の工夫と充実を図ります。
  2.  職業教育の充実と適正な進路指導
     後期中等教育の改善と充実、進路指導における民生・商工労働部局との連携、協力を
    図ります。

(1)能力・適性に応じた教育課程と障害に応じた指導

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
教職員研修事業  障害の種類、程度、能力適性等の多様化に応じた教育を推進するため、各種研修会・講習会等を通して、担当教員の資質の向上を図る。
 事業の充実 特殊教育課
学校自慢づくり推進事業  各学校の特色を生かした作業学習、クラブ活動等に民間の専門家を招き、児童生徒及び教員に対し実技講習を実施する。 特殊教育諸学校  児童生徒の知識技能の向上と特色ある学校づくりの推進 特殊教育課
指導資料集の作成  指導の参考になる資料集の作成を行う。  資料を活用しての指導の充実 特殊教育課

(2)職業教育の充実と適正な進路指導

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
心身障害児自立指導対策事業  事業所等「現場実習」の受け入れ先の拡大、開拓を図るとともに、「現場実習」に対する理解啓発活動を行う。 特殊教育諸学校  実習指導の充実と円滑化の促進 特殊教育課
 実習企業の開拓、進路指導に当たっては、教育、福祉、商工労働関係機関による連絡会議を設置し円滑化を図る。  各養護学校設置地区単位への連絡会議の設置 特殊教育課
後期中等教育の改善と充実  障害の実態に応じた職業学科の内容について検討するとともに、障害の実態に応じた作業学習について工夫を図る。 特殊教育諸学校  職業教育の充実を図り、生徒一人一人に、社会参加の力を付ける。 特殊教育課


4 教育条件の整備・充実
<現状と課題>

 県においては、昭和54年の養護学校義務教育化以後、通学困難地域の解消を目指し、養護学校の設置を進めてきました。
 県立では、現在、盲学校3校、聾学校3校、養護学校11校(精神薄弱6校、肢体不自由4校、病虚弱1校)、2分校(精神薄弱1、病虚弱1)、7分教室が設置されています。
 他に、国立養護学校1校、市立養護学校2校,組合立養護学校1校,私立養護学校1校が設置されています。
 今後、通学困難地域の解消が必要とされる地域等を含め、適正配置について検討していく必要があります。

<施策の方向>

盲・聾・養護学校等の条件整備

 通学困難地域における対象児童生徒数の推移を見ながら、県下全体において適正配置されるよう、養護学校を整備していきます。

(1)盲・聾・養護学校等の条件整備

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
養護学校の整備計画  通学困難地域への対応として、地域の実態を把握し、分校・分教室を含めた養護学校の整備を図る。  対象児童生徒数の今後の推移を検討しながら、通学困難地域の解消を図る。 特殊教育課


5 生涯学習の促進
<現状と課題>

  1.  現在特殊教育諸学校で学んでいる児童生徒は、交流教育等で社会性を培い、生涯学習の基礎づくりとして成果を上げています。
     また、学校週5日制の方向の中で、障害児も、地域の中で社会参加が求められてきており、学校と家庭との連携もさらに重要となってきています。こうした状況が障害児にとって生涯学習を進める上での基盤になると考えられます。
  2.  卒業後、様々な問題で悩む人達にとって、学校が可能な限り相談機関としての機能を確保していくことが重要であり、各学校とも、こうした方向で努力しています。


<施策の方向>

  1.  社会参加の推進
    1. 社会性を培っていく場としての交流教育を、さらに工夫して進めていきます。
    2. 学校週5日制の方向を踏まえ、児童生徒が地域社会の中で共に生きていけるよう、家庭との連携を十分とって、指導を行っていきます。
  2.  卒業後の相談・援助体制
     学校を卒業後の指導の場として充実させていきます。

(1)社会参加の推進

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
交流教育の推進  学校間交流教育(特殊教育諸学校と幼・小・中学校との交流)や、地域との交流の推進を図り、児童生徒の社会性を培うとともに、障害児に対する理解啓発を図る。 特殊教育諸学校  交流教育を行う学校、地域の拡大を図る。 特殊教育課

(2)卒業後の相談・援助体制

事業名 事業内容 事業主体 計画目標 所管課
卒業後の相談援助体制の充実  生涯学習体制のひとつとして、特殊教育諸学校において卒業生の抱えるいろいろな悩みに対する相談・援助の体制を図る。 特殊教育諸学校  相談・指導体制を充実させ、卒業生の社会参加を促進する。 特殊教育課

主題
ふじのくに障害者プラン No.2 21頁~54頁

発行者
静岡県民生部障害福祉課

発行年月日
平成5年5月

文献に関する問い合わせ先
〒420 静岡市追手町9-6
TEL 054-221-2367