ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 1.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」等において、移動 や建物を含む諸設備の利用に関する権利について明文化することの是非につい て、どのように考えるか。 |
回 答 |
【結論】 2.バリアフリー法においては、旅客施設・車両などのバリアフリー化の義務付け のほか、不特定多数の者が利用する建築物又は主として高齢者、障害者等が利用 する建築物(特別特定建築物)で2,000㎡以上のものについては、バリアフリー 化を義務付けるとともに、さらに条例により用途の追加・対象規模の引き下げ・ 基準の強化を可能としている。 【根拠、理由】 <移動の権利について> 2.交通基本法の制定と関連施策の充実について、本年3月末に中間整理をとりま とめたところであり、この中では、「移動権の保障と支援措置の充実」について 言及しており、今後検討を深める予定。 3.交通基本法の制定と関連施策の充実について、公共交通を巡る環境が厳しさを 増す中、支援措置の拡充や地方公共団体の負担軽減などが求められており、財政 状況が非常に厳しい中で、どのように財源を確保し、支援策を充実させていくこ とができるか苦慮しているところ。 【参考】 2 何人も、公共の福祉に反しない限り、移動の自由を有する。 ※ 第165回国会(臨時会)(平成18年)民主党・社民党共同提出、第171国会(常会)(平成21年)で衆議院解散となったため廃案 【参考】 |
ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 2.「交通基本法」の検討に当たっては、バリアフリー整備の観点からどのような 検討がなされているのか。 |
回 答 |
【結論】 2.ただし、バリアフリーに関する具体的な制度については、バリアフリー法にお いて規定されており、引き続き同法において規定すべきものと考えている。 【根拠、理由】 2.来年の通常国会提出に向け準備を進めている「交通基本法」の検討に当たって も、バリアフリー整備は重要なテーマと認識し、本年3月1日、8日に開催した 第7回、第8回の交通基本法検討会では、福祉輸送、バリアフリーをテーマに、 障害者、交通事業者から意見を聞いたところ。 3.交通基本法の制定と関連施策の充実について、本年3月末に中間整理をとりま とめたところであり、この中では、「交通施設を誰もが利用しやすいものにして 行くことも重要」として「ユニバーサル・デザイン」の重要性についても言及し ており、今後検討を深める予定。 4.また、交通基本法の制定と関連施策の充実について、公共交通を巡る環境が厳 しさを増す中、支援措置の拡充や地方公共団体の負担軽減などが求められてお り、財政状況が非常に厳しい中で、どのように財源を確保し、支援策を充実させ ていくことができるか苦慮しているところ。 【参考】 |
ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 3.地方におけるバリアフリー整備の遅れを改善する観点から、新たな「バリアフ リー法」の基本方針において、移動円滑化の目標の対象となる施設につき、一定 の猶予期間を設ける等、段階的にバリアフリー化を図る方策と支援策についてど う考えるか。 |
回 答 |
【結論】 2.また、各施設のバリアフリー化促進のため、これまでも補助等の支援を行って きたところであるが、さらなる促進のために一層の支援策の充実が必要な状況で ある。しかしながら財政状況が非常に厳しい中で、どのように財源を確保し、支 援策を充実させていくことができるか苦慮しているところである。 【根拠、理由】 (2) バリアフリー法に基づく現行の基本方針においては、例えば旅客施設につい ては、その整備の目標として、1日当たり利用者数5,000人以上のものについて は原則としてすべて移動等円滑化を実施し(例:対象となる鉄道駅約2,800駅)、 それ以外のものについても地域の実情にかんがみ可能な限り移動等円滑化を実 施すると定めている。 (3) 1日当たり利用者数5,000人以上の施設は大都市部に存在するものが多いこ とから、結果として、既存施設を含むストック全体をみれば、大都市部におけ るバリアフリー化が地方部に比べ優先されてきた面があることは否めない状況 となっている。(ただし、新設の旅客施設については、利用者数にかかわらず、 すべてが移動等円滑化義務の対象。) (4) 現行の目標の期限は今年末に設定しているが、次期の目標の設定に関する検 討の方向性としては、1日当たり利用者数5,000人未満の施設のバリアフリー化 が重要な課題であると認識しており、これを促進することにより地方における 施設整備も進展すると考えられることから、目標の対象とする施設について可 能な限りその範囲を拡大し、その結果、地方部における整備も実質的に進むよ う検討を進めて参りたい。 2. <バリアフリー化支援のための主な助成事業(予算は平成22年度の額)>
(2) しかしながら厳しい経済情勢が続く中で、地方部等におけるより一層のバリ アフリー化の促進のためには、負担力の限界に直面している地方の施設設置管 理者に対する支援措置の拡充や地方公共団体の負担軽減などが求められている 状況である。一方で、国の財政状況も非常に厳しい中で、財源の確保を含め具 体的にどのような対応が可能か苦慮しているところである。 |
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 4.地方におけるバリアフリー整備の遅れを改善する観点から、新たな「バリアフ リー法」の基本方針における移動円滑化の目標の対象についてどう考えるか。 また、「合理的配慮」が確保されるような仕組みを構築するためにはどのよう な方策があるか、ご意見をいただきたい。 |
回 答 |
※ 本項目については基本方針の目標に関して項目3と共通する部分が多く、以下の回答にも共通部分が多々ある。 【結論】 2.また、「合理的配慮」の確保については、個々の施設の実情に応じて工夫が可 能な措置などについて、施設設置管理者に対する周知、普及啓発を行っていくこ となどが考えられると認識している。 【根拠、理由】 (2) バリアフリー法に基づく現行の基本方針においては、例えば旅客施設につい ては、その整備の目標として、1日当たり利用者数5,000人以上のものについて は原則としてすべて移動等円滑化を実施し(例:対象となる鉄道駅約2,800駅)、 それ以外のものについても地域の実情にかんがみ可能な限り移動等円滑化を実 施すると定めている。 (3) 1日当たり利用者数5,000人以上の施設は大都市部に存在するものが多いこ とから、結果として、既存施設を含むストック全体をみれば、大都市部におけ るバリアフリー化が地方部に比べ優先されてきた面があることは否めない状況 となっている。(ただし、新設の旅客施設については、利用者数にかかわらず、 すべてが移動等円滑化義務の対象。) (4) 現行の目標の期限は今年末に設定しているが、次期の目標の設定に関する検 討の方向性としては、1日当たり利用者数5,000人未満の施設のバリアフリー化 が重要な課題であると認識しており、これを促進することにより地方における 施設整備も進展すると考えられることから、目標の対象とする施設について可 能な限りその範囲を拡大し、その結果、地方部における整備も実質的に進むよ う検討を進めて参りたい。 2.「合理的配慮」の確保については、一般に個々の施設の実情に応じて求められ る措置は多様であると考えられるため、例えば、各施設の使用段階において工夫 が可能な措置等について事例集などを作成し、施設設置管理者に対する周知、普 及啓発を行っていくことなどが現実的な取組方策として考えられる。 <使用段階において工夫が可能な措置として考えられる例>
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ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 5.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」第25条に基づき策 定される「移動等円滑化基本構想」については、市町村に作成を義務付け、かつ その作成に当たっては障害者を参画させるべきとの考え方について、どう考える か。 |
回 答 |
【結論】 2.一方、基本構想の実現のためには相応の事業費負担を要するため、特に地方 部等で財政状況の厳しい中、すべての市町村に基本構想の作成等を義務化する ことについては、現実にコンセンサスを得ることが難しいものと考えられる。 また、地域主権戦略会議においては、地方公共団体に対する義務付け措置は原 則として廃止するよう、強く指摘されている。 3.とは言え、引き続き、地域のバリアフリーのまちづくりへの取組と当事者参画 を可能な限り拡げていくことは重要であり、そのために、基本構想に基づく事業 への国の支援をより充実させていくことが課題であると認識している。 こうした認識の下で、財政的支援の充実については、国の財政状況も非常に厳 しい中で、現実にどのように財源を確保し対応ができるか苦慮しているところで ある。 【根拠、理由】
2.これまで、基本構想の作成数は着実に増加してきてはいるものの、構想を作成 した市町村数は平成22 年3月末時点で260市町村(構想の件数は345)に とどまっており、一層の作成促進が必要な状況である。 3.しかしながら、すべての市町村に基本構想の作成等を一律に義務化すること は、現実にはコンセンサスを得ることが難しいものと言わざるを得ない。
4.以上のような状況をふまえると、肝要なのは、バリアフリーのまちづくりと そのプロセスへの当事者参画を各地に拡げていくことであることから、基本構 想の作成促進方策は、必ずしも作成義務付けに限られるものではなく、構想に 基づく事業への国の支援を充実させていくことが求められていると考えられ る。 |
ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 6.障害者権利条約第9条1項は、「施設及びサービス利用等の利用の容易さに対 する妨げ及び障壁を特定し、及び撤廃する」ための適切な措置をとることを規定 している。 一方で、乗車拒否、利用拒否があることを鑑み、実態調査を行った上で、その 改善を図る仕組みを構築すべきとの考え方について、どう考えるか。 |
回 答 |
【結論】 2.今後とも、障害当事者との連携をより一層強めること等により、情報収集に努 め、交通事業者・施設設置管理者への指導を強化するとともに、「バリアフリー 教室」の実施や交通事業者における職員研修の推進等を通じて、障害者に対する 不当な対応が発生しない社会の構築を図る。 ○障害者の権利に関する条約(仮約)抄 【根拠、理由】 【参考】
※上記3件についてはいずれも原告敗訴となっている。 法務局事例:6件中利用拒否事例3件
※上記3件については、いずれも法務局からの働きかけにより是正された 2.交通機関や施設利用における障害者等とのトラブルは、施設整備の不備による ものの他は、当該施設の管理・運営に携わる職員の無理解と認識不足に起因する ものが多く、研修等による理解の増進と「心のバリアフリー」推進による意識向 上が重要な課題と認識しており、「バリアフリー教室」の実施などを行ってきた ところ。 3.さらに、当事者との連携については、障害者団体等の協力を得て、国土交通省 に「バリアフリーネットワーク会議」を設置して意見交換・情報交換に努めてい るところであり、地方機関における地域のネットワーク構築を進めるなど、更に 連携強化を図る。 4.調停機関の設置という提案もあるが、法務省や弁護士会等による人権擁護活動 が既に実施されているところであり、交通機関や施設利用の分野に限らず、これ らの制度との関係も含め幅広く議論されるべきものであると考える。 |
ヒアリング項目に対する意見書
【府省名:国土交通省】
ヒ ア リ ン グ 項 目 |
【ヒアリング項目】 |
回 答 |
【結論】 2.その上で、新設・既存の双方を含む各対象施設のストック全体について、期限 を付してバリアフリー化の目標を設定するとともに、その目標を実現するための 補助や税制等の支援を実施して、既存施設についても整備を促進しており、一定 の成果をあげている。 3.既存施設へのバリアフリー化の強制的な義務付けは、一部の施設においては相 当に整備が困難な実情があることも想定されることを考慮すると、現実的には困 難であり、現行制度に基づく次期の目標について対象施設の範囲を拡大するなど 施策内容を充実させて、既存施設の整備を促進していくこととしたい。 【根拠、理由】 2.同法においては、上記の努力義務に加え、この努力義務の対象となる施設等に ついて、移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定め、そ の中で既存施設を含む旅客施設や建築物などの各施設について、例えば、以下の ような平成22年までのバリアフリー化の目標を設定している。
3.既存のものも含めた各施設のバリアフリー化に係る進捗状況は、以下のとおり であり、基本方針において目標を定め、その目標を実現するための補助や税制等 の支援を実施することにより、着実にバリアフリー化が進展してきていると考え られる。
4.一方で、既存施設を改修してバリアフリー化を行う場合には、施設の一部の解 体撤去や使用者の一時移転など新設の場合に比べて付加的な費用が生じ、また、 通路の幅等、改修工事レベルでは円滑な移動に必要なスペースの確保が物理的に 困難な場合もあり、制約条件が多い。 5.また、既存施設に対してバリアフリー化を義務付けた場合、例えば、地方にお ける零細な施設設置管理者等に過度な負担を負わせることとなり、結果として運 行本数の削減や施設の廃止が行われるなど、かえって利便性が損なわれるような 事態も招きかねない。 6.以上のようなことから、既存施設のバリアフリー化については、一律的な義務 化は困難であり、現行制度に基づく次期の目標について対象施設の範囲を拡大す るなど施策の内容を充実させた上で、既存施設の整備を促進していくこととした い。 |