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第25回障がい者制度改革推進会議(H22.11.15) 尾上浩二委員提出資料

大阪府/施設コンフリクト(住民同意の取り扱い)

http://www.pref.osaka.jp/jinken/measure/shisetukonfuri-03.html

(1)住民同意の取り扱い

【推進方向】

 大阪府は、国庫補助事業により福祉施設整備を実施する際に、法令に根拠規定がないが、事業の円滑な推進を図るとの視点から、国の指導に基づき、地元の同意書の提出を施設側に求めてきた。しかしながら、こうした手続きそのものが、結果として法の趣旨にそぐわない障害者等の権利を阻害してきたとの認識に立ち、大阪府は、国庫補助金の対象となる全ての社会福祉施設の施設助成に際し、「住民同意書」を助成条件としないものとするとともに、その撤廃をあらゆる機会を通じて国に要望してきた。その結果1999(平成11)年度までに全て撤廃されたところである。

 今後、社会福祉施設等の設置にあたっては、施設設置者等に「同意書」が条件となっていない旨の説明を徹底していく。

 なお、障害者等が地域社会のかけがえのない一員として、安心して生活を送るため、住民の理解を促進する取り組みが必要なことは当然であるが、このことが住民同意の必要性に結びつくものではない。

 従って、地元住民等が、障害や障害者等に対する無理解や、予断と偏見に基づき施設建設に反対したり、開設にあたっての様々な条件を付与することは、人権侵害であるとの認識のもと、府としては、施設設置者・当該市町村等と連携を密にしながら、行政として毅然とした態度で取り組み、施設建設を積極的に進める。

【具体的取り組み】

〔住民同意の具体的見直し〕

(1)精神障害者社会復帰施設については、「住民同意書」が、1999(平成11)年度より撤廃された。なお、これまで住民同意書が添付されていた経過もあり、今後、同意書が必要ない旨、施設設置者に徹底していく。

(2)保護施設、老人福祉施設については、国への協議書の様式で、「地域住民との話し合いの状況」のほか、括弧書きで(同意書の有無)と表記されていた。しかし、(同意書の有無)の字句が、1999(平成11)年度に撤廃されたため、「同意書」は必要ない旨、施設設置者に徹底していく。

(3)障害者施設については、現在「地元同意書」の添付はないが、これまでの「地元住民との話し合いの状況」として、同意書が添付されていた経過もあり、「地元同意書」が必要ない旨、施設設置者に徹底していく。

(4)これらの社会福祉施設については、地域に開かれた施設とのコンセプトから、地元に対する説明、理解を求める取り組みは必要であり、「地元への説明・理解の状況」等を記載した書類を添付書類とする。しかしながら、地元住民が予断と偏見に基づき施設建設に反対をしている場合等には、府として、市町村・施設設置者とともに施設建設を進めることとする。

施設コンフリクトの解消と人権が尊重されたまちづくりに向けた大阪府の基本方針(素案)

(1999年11月抜粋)

(略)

第2 基本方針

1基本理念

(1)人権の尊重を基本にすえたまちづくり

個人が尊重され、自らの望む生活を選択し、決定し、行動していくことを阻むバリア(障壁)をなくしていくことは障害者等の人権にかかわる課題である。

 しかしながら、障害者等に対する理解は深まってきているが、依然として社会的偏見と誤解のために、社会生活のさまざまな場面で不利益を被っている実態があり、また障害者等の主体的な生活の場を奪い、地域での生活を阻害する要因として、施設コンフリクト問題は人権侵害にかかわる重大な問題である。今後「人権教育のための国連1 0年」の取り組みとも連動しつつ、あらゆる機会を通じた人権教育の推進をはじめ、障害者等が、ライフステージの各段階で、住まいや働く場ないし活動の場や保健福祉サービスが的確に提供されるシステムの形成をめざしていく。

(2)インフラストラクチャー(生活環境基盤)としての社会福祉施設等の展開

 社会福祉施設等は、乳幼児から高齢者に至るまで、一人暮らし世帯から多世代世帯に至るまで、家庭生活、施設生活から職場に至るまで、すべての人々の生活の中に組みこまれ、「いつでも、どこでも、だれでも」利用できる生活に不可欠なインフラストラクチャーであると位置づけ、住民が共感をもって地域社会に受け入れられていくようその整備を進める。

(3)社会連帯意識の醸成と啓発・交流の促進

 障害者等が地域社会のかけがえのない一員として、安心して生活を送れる社会は、社会を構成する府民一人ひとりが、他者を思いやり、互いに支えあい、助け合う社会連帯の意識の酸成と不断の実践がいしずえであり、一般的・抽象的な人権に関する知識の普及・修得にとどまらず、日常生活で生じる具体的な人権にかかわる問題に対処しうる人権教育・啓発の充実が重要である。

 そのためにも、障害及び障害のある人に対する正しい理解を深めるため、障害者等との出会い・交流の場を積極的に増大させるとともに、福祉施設等が地域社会にその資源を開放するなど、「開かれた施設」の取り組みを進めていくことも必要である。

 このような考え方の下、地域住民との交流やボランティア活動へ地域住民が参加する機会が提供されるなどにより、具体的にふれあう体験を通じて、障害のある人とない人などの交流を進め、互いに認め尊重する「共に生きる社会」づくりをめざしていく。

(4)行政の自己革新

 長い間、障害者等は「保護」される対象と捉えられてきており、地域から隔離された生活を余儀なくされ、地域社会の中で共に自立した生活者であるという考え方薄であった。

 特に、精神障害者については、安田系3病院事件で明らかになった在院中の患者に対する劣悪な処遇や、社会的入院の実態等から、大阪府精神保健福祉審議会答申(1999〔平成11〕年3月)において示されているとおり、 社会的入院は、精神障害者に対する人権侵害であり」「社会的入院者の解消や地域での自立支援事業が立ち遅れている状況があり」、精神障害者が地域で生活するための受け皿づくりの際、生ずるコンフリクトの解消が急務であり、社会復帰施設等の整備を遅らせることは、地域での生活を奪うという意味で、人権侵害に直結する問題である。

 今後、大阪府としては、「共に生きる社会」をめざし、社会福祉施設等の整備にあたっては、地域で暮らすあらゆる生活者が利用するための施設等として、地域住民と交流することに積極的な意味付けを持たせることとし、このような視点から施設コンフリクトの解消のため、府民の意識の啓発の推進や、諸制度、事業を見直し、障害者等の自立支援システムに不可欠な要素として組み込まれるよう、施策の展開を図る。

 同時に、大阪府としては、従前は、施設コンフリクトは第1義的には施設側と地域住民の問題であるとの考え方から、計画段階においては直接的な関与はしないという立場をとってきたが、今後は、施設コンフリクト解消に向けて積極的な関与や、特に精神障害者施設設置に際して、コンフリクトをもたらす要因ともなっている「住民同意書」を条件としないなどの見直しを、大阪府自ら行ない行政の自己革新を進めるものとする。